ドラゴン・ハンター

づぃぢーぁ

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一部

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 暗闇の中ねずみ色の大きな何かがこの空間の違和感としてそこに置いてあった。
 なぜだかソレハ触れてはいけない物だと直感的に――いや動物的本能が俺の体に囁いているのだ、だから脳が一度思考を停止さえ体に震えを起こしソレが良いものなのか記憶を辿り判断していた。

 「――ハハハハハ」 「――ハハハハハ」 「――ハハハハハ」 「――ハハハハハ」

 不気味と呼ぶに相応しい何人かの男女の笑い声が聞こえてくる。

 「ボクワヒトリ」 「ワタシワヒトリ」

 少年の声に続き少女の声が同じ言葉を復唱する。あたりを見渡しても闇だけしかないまるで頭の中に直接語りかけてきているようだ。

 「アノヒノコトワハスレナイヨ」 「ハスレタラダメダヨ」

 闇から白いヒカリの様なものが突如表れては首周りを一周すると何かに首が締め付けられる感覚があった。子供を抱きかかえるぐらいの優しい感覚が徐々にきつくなり息が出来そうになくなってきている。

 「夢から覚めても私のことは忘れないでね」

 二人の顔だけが黒く塗りつぶされた少年少女が目の前に現れた所で目を覚ました。


 「――ずいぶんうなされていたけれど私は軽くやったのだからそこは感謝して欲しいですね」

 黒いワンピースにムラサキ色のカチューシャをした女の子が俺の前で椅子に座りカップ片手に優雅にお茶をしていた。あどけない顔立ちからまだ十歳前後だとうかがえる。

 「生憎だけれど貴方達はドンキー様に殺されてくれないとまた私の弟達が死んでしまうの」

 弟……きっとあの時の人間爆弾になった少年の事を指しているのだろう。

 「あなた達が来なければフテガは死ななかった、憎くて仕方がないよ」

 少女の悲痛に言い返す事などできるはずが無い。

 「そうそう私あのなぞめいた男の人は好きだから後でおもちゃにしていいと言われていてその代にあなたと」

 そういって俺の右を指差す、つられて視線だけを右に向けると見覚えのある服装の男と呼ぶには相応しくないただの肉片が散らばっていた。

 「アレを始末しなきゃいけないのよ」

 奴隷商人ってのはつくづくゲス野郎だ生かしておけない。
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