ドラゴン・ハンター

づぃぢーぁ

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ちから

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 「急に顔色が良くなってまさか私に勝てるとでも?」

 この少女がどうやったのか知らないがあんなにも無残な姿になるどのの一方的な暴力を年端も行かない少女にさせている次点で俺は許せないのになにがJが好みだあいつだけには嫌でも生かしてやるからな俺が死んでもあいつにだけは呪いつづ……呪……くびが疼くなぜだか分からないがあの夢から覚めた後に首に違和感を感じる。あの少年少女の言うように俺にも呪がかけられたのか? だがなぜなのか分からない。

 「そのまま私のダークマターで死ぬがいいさ」

 右手を前に出し何かを掴むよう仕草すると手先に直径三センチ程の黒い球体が姿を現す。それがダークマターって奴か。魔道士なのかそれとも魔族かどちらにせよ魔を操る次点で人間の領域を超えた……そうだな俺たちでいうギルドマスター級の偉業みたいなもんだな。そりゃゴールドも手玉ってわけか。ハハハハハかてねぇ。

 「笑うほど死ぬのが恐ろしいかならば」

 少女は拳を作り握りつぶすような仕草と共に次には叫んでいた。

 「闇にいざなわれながら死ぬがいい」

 球体は弾け飛ぶと同時に小さな球体となり無数の数え切れないほどの量がこちらに向かってくる。アレは爆発するのかそれとも体を貫通か、ユーゴさんみたくなるならば貫通あたりで睨んだ方がいい。
 
 記憶の無い俺がギルドに拾われ今の今まで生きてこれたのも一つだけの持ち味があったからこそJという知り合いができた。あいつはきっとすぐにシルバーまでいけるはず俺は三年以上積んでからでないと到底突破不可能な世界に近いはずだ。だから俺は自分の特技を生かすことに専念するのだ。

 「かくご」

 少女の掛け声と共に体に一気に激痛が走る。痛いなんてもんじゃない言葉すら失う。何も出来ない。体に力が入らない。ハハハハハ死ぬなこれ。自分が何者であれこの場で戦況をちゃぶ台返しのように容易に返す事ができれば俺がどれだけの強運だったのか分かるはずだ。だからこそなのだろう俺の口が笑ってしまっているのは。

 「何を笑う?」

 何も見えない。暗闇だけだ。こんな事前にもあった気がする。あの時は奇跡的に助かったような気がする。だが今俺のラックはゼロに等しく体はボロボロである。

 「笑えなくしてくれる」

 少女の位置が変わってないなら俺のお得意の技が出せるはず。

 「もがくことなくしぬがいい」

 「しぬかよ」

 今にも消え去りそうな小さな声で小さな抵抗と共に口の中に溜まった血を少女に向けて吐き出した。

 「正気か?」

 怒りの声と共に少女の移動する音が聞こえた。

 「俺の特技は誰でも会得可能なんだよ」

 「急に何を」

 手の枷が外れると共に右目だけの視力が回復する。

 「バカな」

 俺はバカだだからできることもあるんだよ。

 自然に足枷が外れて腰で着地する。

 「俺の特技は火事場のなんとかってやつさ」
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