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一章 アンチテーゼ
第3話 襲撃
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あの脅迫じみたスパムメールが来てから二週間が経った。
優也は時折思い出す程度でしかなくなり、特に気にすることはなくなった。流石に三日ほどは怖くて『ヨムカク』にはログインすることが出来なかったが、現在はいつものように投稿している。コメント欄の誹謗中傷もいつも通りであったが、「暇な奴らなんだな」という考えになっている。そのため、もう二度と壁に穴を開けることはないだろう。というかもう二度としてはいけない。また色々と面倒なことになる。
今日は『ヨムカク』ではなく、パソコン専用ゲームをプレイしていた。そのゲームは第二次世界大戦を元ネタにしたシュミレーションゲームである。とても自由度が高い戦略が楽しめるのがこのゲームの特徴だ。
ちなみに優也はアクションゲームは苦手である。特に死にゲーなどは挫折して辞めてしまう未来まで見えてしまうほどに下手である。
キーボードを叩く音とマウスのクリック音。この二つの音だけが聞こえている。優也はジッと画面を見据え、盤面上の駒を動かしている。
『ゲームオーバー』
パソコンの画面に映し出される。
その瞬間、優也は頭を抱えて机に突っ伏した。
「今回はどこでミスった?やっぱりあの国と同盟をするのは間違えだったか……いや、あの国が早々に降伏することを考慮して同盟加入させたんだ。加入させた時点では勝算があった。やっぱり、冬になるまでに首都を落とせなかったことが――」
ブツブツと反省点を自分なりに考察し、戦略を立て直す優也。数十分後、一度ホーム画面へと戻りゲームをスタートさせようとしたが、とても悪いタイミングでポケットに入れっぱなしのスマホが小刻みに震えた。
ポケットからスマホを取り出して画面を見る。そして小さく舌打ちをした。
電話であった。その電話はいつもタイミングの悪い男からのものであった。
優也は苛立ちを隠し切れず、低い声で電話に対応する。
「もしもし……お前はさ、なんでいつもタイミングが悪い時に電話をかけてくるんだし」
すると優也とは対照的にスマホの向こう側からは陽気な声が聞こえてくる。
『悪りぃ!でさ、久しぶりに昼飯でも行かない?』
「あのさ、俺の話は無視かよ……秋人《あきと》』
電話の相手は柳沢《やぎさわ》秋人《あきと》という。幼稚園からの唯一と過言ではない優也の友人で、高校は別々の学校へと通っているものの、こうして定期的に電話をしたり、会って出かけてたりしている。
「ていうか久しぶりって、一週間前に飯食べに行ったばっかじゃん……」
正直、優也は少しうんざりしていた。実は夏休みに入ってから十回以上はすでに会っており、その度にご飯を食べたり、買い物に付き合わされたりする。せっかくバイトで稼いだお金が溶けるようになくなってしまっているのだ。
そんな優也をお構いなしに、秋人は文学的な話を始めた。
『久しぶりっていう言葉は、期間が具体的にどれくらい空いてからって決まってる訳じゃない。人の感覚によって、久しぶりっていう言葉を使うか使わないかを決める、ってネットに書いてあった。
だから俺が久しぶりって感じたから、久しぶりっていう言葉を使うことは変じゃないことだと思うけど……』
イラッとした。
「ねぇ、切っていい?」
『うわぁっ!ごめんって!切らないでっ!昼飯行こう!』
秋人は慌てて優也に謝罪した。
秋人は優也限定で、反論した言葉を徹底的に論破する癖がある。
普通ならこの時点で絶交待った無しのギスギスした空気が生まれるが、昔から知っていることだけあってお互いの長所と短所を認め合ってる。だからこそ二人はこんなにも長い友人関係が続いているのだろう。
優也はため息をつく。いつもの事なのでスルーして、会話を再開した。
「昼飯行くのはいいけど……秋人が全額奢ってくれるなら行く」
『なんで!?』
「だって、お前に付き合ってるせいで金が溶けるようになくなってるんだよ!それに前回嵌められたしなっ!」
そう、一週間前。前回も同じように秋人から昼ご飯の誘いがきた。しかし、問題だったのが食べた後に秋人が財布を家に忘れたことを言い出し、優也が全額を払う羽目になったという事件があった。
『あれは、悪かった……分かった、今日は奢ってやる!』
勝った、と優也はそう呟き悪そうな顔をする。
実は今日、母の沙優がママ友達とお出かけ中だ。そのため、昼ご飯はどこかに食べに行くか、コンビニで弁当を買いに行くかのどちらかの選択しかなかったのだ。
「よし、なら三十分後にいつもの場所でいいか?」
『もちろん!』
「じゃあ、またあとで」
優也はそう言って電話を切った。
早速ゲームをセーブして、パソコンをシャットダウンする。同じ階にある洗面所へと駆け込み、身支度を整える。白のTシャツに短パン、最後にワックスで髪を整えたら完成だ。
スマホと秋人がお金が足りない可能性を考慮して、念のため財布から三千円を抜いてポケットに突っ込んだ。
優也の口角が無意識に上がっていた。なんだかんだ文句を言っても、優也は秋人と出かけることが好きなのだ。
玄関を飛び出し、歩きでいつもの集合場所へと向かう。いつも集合場所とは、住宅街から出て大通りの横断歩道を越えた先にある小さな公園だ。
ご機嫌な優也は、スキップでもしたい気分であった。
軽快な足取りで、いつも見知った道を歩く。
平和でいつも通りの道。
奥様方の話し声や子供の笑い声が響き渡る住宅街。
そう、いつも通り。
いつも通りの――はずだった。
数歩先の電柱。そこに一人の男が立っていた。
マスクをしている。黒いマスクだ。身長は180センチの優也よりも高い。
そして、この真夏の中で両手に黒い手袋をしている。その手には――20センチほどの刃物が握られていた。
その瞬間、悪寒と共に鳥肌が立つ。あまりの恐怖で震えが止まらない。そして脳裏に浮かぶのは一週間前のあのスパムメール。
『――お前を見ているぞ』
男がヨロリと歩み寄りながら、声を発した。
「安堂優也、だな?」
「――――――――――――――――ッ!?」
どこから出たのか分からない悲鳴が住宅街にこだました。
ここは住宅街。悲鳴を上げれば誰かが助けに来てくれる。もしくは警察を呼んでくれる。優也はそう思って、確信していた。
残念ながら、そうはならなかった。
優也は後退りながら辺りを見回すと、すぐに異常性に気づく。
――おかしい。
住宅街に――人がいなかった。
夏休みの中、住宅街に人が一人もいないのは明らかにおかしい。それに先程まで、奥様方の会話や子供たちが笑い声が聞こえていたではないか!
優也は目線を家の方へと目を向けと、窓際に住人がいた。その住人は、笑っていた。
その一軒だけではない。ここから見える範囲の家、全ての窓から人が覗いている。そして全員が同じように笑っていた。
「な、なんで?」
優也は恐怖で顔が歪む。後退りしていた足が縺れてしまい、尻餅をつく。
包丁を持った男は依然とヨロリヨロリと近づいてくる。
この真夏の中、優也はガチガチと歯を鳴らし震えている。この震えのせいで立ち上がることさえも出来ない。
「動けっ!動けよ!」
足を叩いて震えを止めようとする。立ち上がれと鼓舞する。しかし、どれも無意味であった。
「お前の罪は……分かるよな?」
分かる。分かっている。一週間前に描いていた最悪の展開だ。
「我々は忠告したはずだ。お前を見ている、とな。しかし、お前は我々の忠告を無視した。だから我々によってお前は死ぬ」
包丁の先が優也を目掛けて一直線にやってくる。その瞬間、優也の見る景色がスローへと変わる。
死の間際、死の予感を感じた人間は極限状態となり、今までかけられていたリミットの全てが外される。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。全ての機能がフル活用し、人間は生きるために思考を省く。それは、現代社会とはかけ離れた野生動物としての本能である。
「――――――ッ!」
優也は考えるより先に体が動いていた。恐怖という感情の呪縛を断ち切り、思考が追いつく前に、本能によって体が動く。
金属が擦れる甲高い音が響き渡る。
優也はいつの間にか自分が回避行動をとっていたことに気づく。
「――はぁ!はぁ!」
呼吸が乱れ、汗が滝のように溢れ出る。
体のあらゆる機能がフル活動した代償。人間が活動するためのエネルギーが大量に消費された。
「……諦めたんじゃなかったのか?」
男は少し驚いた様子であった。優也は苦笑いを浮かべる。
「一番ビックリしたのは俺だよ」
震えが止まっていた。
恐怖はある。絶望感はある。自分が死に際にいる感覚はある。なのに何故か、先程止まらなかった震えが止まっていた。
「まぁいい。だが二度目は、ない!」
男が再び襲いかかってくる。
優也は身構えた。男が持つ刃物へと全神経を集中させる。ギリギリと歯を噛み締め、避けることだけを考える。
その後のプランを頭の中で構築させる。ここで戦略ゲームで培った行動の先読みを発揮させる時だ。
――その刹那であった。
「ごめんなさい、遅くなった」
背後から女性の声と共に銃声が住宅街にこだました。
放たれた弾丸は男の眉間にめり込み、その傷口から血と脳が吹き出した。その血飛沫の一部が優也の顔と服に赤い染みを作った。
男は糸の切れた操り人形が如く崩れ落ちる。手から滑り落ちた刃物は、アスファルトの上に転がり落ちた。
優也は悲鳴を上げるよりも先に背後へと振り返る。
そこにはセーラー服姿の少女がそこにいた。
「怪我はないようで安心したわ。安堂優也くん」
優也は時折思い出す程度でしかなくなり、特に気にすることはなくなった。流石に三日ほどは怖くて『ヨムカク』にはログインすることが出来なかったが、現在はいつものように投稿している。コメント欄の誹謗中傷もいつも通りであったが、「暇な奴らなんだな」という考えになっている。そのため、もう二度と壁に穴を開けることはないだろう。というかもう二度としてはいけない。また色々と面倒なことになる。
今日は『ヨムカク』ではなく、パソコン専用ゲームをプレイしていた。そのゲームは第二次世界大戦を元ネタにしたシュミレーションゲームである。とても自由度が高い戦略が楽しめるのがこのゲームの特徴だ。
ちなみに優也はアクションゲームは苦手である。特に死にゲーなどは挫折して辞めてしまう未来まで見えてしまうほどに下手である。
キーボードを叩く音とマウスのクリック音。この二つの音だけが聞こえている。優也はジッと画面を見据え、盤面上の駒を動かしている。
『ゲームオーバー』
パソコンの画面に映し出される。
その瞬間、優也は頭を抱えて机に突っ伏した。
「今回はどこでミスった?やっぱりあの国と同盟をするのは間違えだったか……いや、あの国が早々に降伏することを考慮して同盟加入させたんだ。加入させた時点では勝算があった。やっぱり、冬になるまでに首都を落とせなかったことが――」
ブツブツと反省点を自分なりに考察し、戦略を立て直す優也。数十分後、一度ホーム画面へと戻りゲームをスタートさせようとしたが、とても悪いタイミングでポケットに入れっぱなしのスマホが小刻みに震えた。
ポケットからスマホを取り出して画面を見る。そして小さく舌打ちをした。
電話であった。その電話はいつもタイミングの悪い男からのものであった。
優也は苛立ちを隠し切れず、低い声で電話に対応する。
「もしもし……お前はさ、なんでいつもタイミングが悪い時に電話をかけてくるんだし」
すると優也とは対照的にスマホの向こう側からは陽気な声が聞こえてくる。
『悪りぃ!でさ、久しぶりに昼飯でも行かない?』
「あのさ、俺の話は無視かよ……秋人《あきと》』
電話の相手は柳沢《やぎさわ》秋人《あきと》という。幼稚園からの唯一と過言ではない優也の友人で、高校は別々の学校へと通っているものの、こうして定期的に電話をしたり、会って出かけてたりしている。
「ていうか久しぶりって、一週間前に飯食べに行ったばっかじゃん……」
正直、優也は少しうんざりしていた。実は夏休みに入ってから十回以上はすでに会っており、その度にご飯を食べたり、買い物に付き合わされたりする。せっかくバイトで稼いだお金が溶けるようになくなってしまっているのだ。
そんな優也をお構いなしに、秋人は文学的な話を始めた。
『久しぶりっていう言葉は、期間が具体的にどれくらい空いてからって決まってる訳じゃない。人の感覚によって、久しぶりっていう言葉を使うか使わないかを決める、ってネットに書いてあった。
だから俺が久しぶりって感じたから、久しぶりっていう言葉を使うことは変じゃないことだと思うけど……』
イラッとした。
「ねぇ、切っていい?」
『うわぁっ!ごめんって!切らないでっ!昼飯行こう!』
秋人は慌てて優也に謝罪した。
秋人は優也限定で、反論した言葉を徹底的に論破する癖がある。
普通ならこの時点で絶交待った無しのギスギスした空気が生まれるが、昔から知っていることだけあってお互いの長所と短所を認め合ってる。だからこそ二人はこんなにも長い友人関係が続いているのだろう。
優也はため息をつく。いつもの事なのでスルーして、会話を再開した。
「昼飯行くのはいいけど……秋人が全額奢ってくれるなら行く」
『なんで!?』
「だって、お前に付き合ってるせいで金が溶けるようになくなってるんだよ!それに前回嵌められたしなっ!」
そう、一週間前。前回も同じように秋人から昼ご飯の誘いがきた。しかし、問題だったのが食べた後に秋人が財布を家に忘れたことを言い出し、優也が全額を払う羽目になったという事件があった。
『あれは、悪かった……分かった、今日は奢ってやる!』
勝った、と優也はそう呟き悪そうな顔をする。
実は今日、母の沙優がママ友達とお出かけ中だ。そのため、昼ご飯はどこかに食べに行くか、コンビニで弁当を買いに行くかのどちらかの選択しかなかったのだ。
「よし、なら三十分後にいつもの場所でいいか?」
『もちろん!』
「じゃあ、またあとで」
優也はそう言って電話を切った。
早速ゲームをセーブして、パソコンをシャットダウンする。同じ階にある洗面所へと駆け込み、身支度を整える。白のTシャツに短パン、最後にワックスで髪を整えたら完成だ。
スマホと秋人がお金が足りない可能性を考慮して、念のため財布から三千円を抜いてポケットに突っ込んだ。
優也の口角が無意識に上がっていた。なんだかんだ文句を言っても、優也は秋人と出かけることが好きなのだ。
玄関を飛び出し、歩きでいつもの集合場所へと向かう。いつも集合場所とは、住宅街から出て大通りの横断歩道を越えた先にある小さな公園だ。
ご機嫌な優也は、スキップでもしたい気分であった。
軽快な足取りで、いつも見知った道を歩く。
平和でいつも通りの道。
奥様方の話し声や子供の笑い声が響き渡る住宅街。
そう、いつも通り。
いつも通りの――はずだった。
数歩先の電柱。そこに一人の男が立っていた。
マスクをしている。黒いマスクだ。身長は180センチの優也よりも高い。
そして、この真夏の中で両手に黒い手袋をしている。その手には――20センチほどの刃物が握られていた。
その瞬間、悪寒と共に鳥肌が立つ。あまりの恐怖で震えが止まらない。そして脳裏に浮かぶのは一週間前のあのスパムメール。
『――お前を見ているぞ』
男がヨロリと歩み寄りながら、声を発した。
「安堂優也、だな?」
「――――――――――――――――ッ!?」
どこから出たのか分からない悲鳴が住宅街にこだました。
ここは住宅街。悲鳴を上げれば誰かが助けに来てくれる。もしくは警察を呼んでくれる。優也はそう思って、確信していた。
残念ながら、そうはならなかった。
優也は後退りながら辺りを見回すと、すぐに異常性に気づく。
――おかしい。
住宅街に――人がいなかった。
夏休みの中、住宅街に人が一人もいないのは明らかにおかしい。それに先程まで、奥様方の会話や子供たちが笑い声が聞こえていたではないか!
優也は目線を家の方へと目を向けと、窓際に住人がいた。その住人は、笑っていた。
その一軒だけではない。ここから見える範囲の家、全ての窓から人が覗いている。そして全員が同じように笑っていた。
「な、なんで?」
優也は恐怖で顔が歪む。後退りしていた足が縺れてしまい、尻餅をつく。
包丁を持った男は依然とヨロリヨロリと近づいてくる。
この真夏の中、優也はガチガチと歯を鳴らし震えている。この震えのせいで立ち上がることさえも出来ない。
「動けっ!動けよ!」
足を叩いて震えを止めようとする。立ち上がれと鼓舞する。しかし、どれも無意味であった。
「お前の罪は……分かるよな?」
分かる。分かっている。一週間前に描いていた最悪の展開だ。
「我々は忠告したはずだ。お前を見ている、とな。しかし、お前は我々の忠告を無視した。だから我々によってお前は死ぬ」
包丁の先が優也を目掛けて一直線にやってくる。その瞬間、優也の見る景色がスローへと変わる。
死の間際、死の予感を感じた人間は極限状態となり、今までかけられていたリミットの全てが外される。
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。全ての機能がフル活用し、人間は生きるために思考を省く。それは、現代社会とはかけ離れた野生動物としての本能である。
「――――――ッ!」
優也は考えるより先に体が動いていた。恐怖という感情の呪縛を断ち切り、思考が追いつく前に、本能によって体が動く。
金属が擦れる甲高い音が響き渡る。
優也はいつの間にか自分が回避行動をとっていたことに気づく。
「――はぁ!はぁ!」
呼吸が乱れ、汗が滝のように溢れ出る。
体のあらゆる機能がフル活動した代償。人間が活動するためのエネルギーが大量に消費された。
「……諦めたんじゃなかったのか?」
男は少し驚いた様子であった。優也は苦笑いを浮かべる。
「一番ビックリしたのは俺だよ」
震えが止まっていた。
恐怖はある。絶望感はある。自分が死に際にいる感覚はある。なのに何故か、先程止まらなかった震えが止まっていた。
「まぁいい。だが二度目は、ない!」
男が再び襲いかかってくる。
優也は身構えた。男が持つ刃物へと全神経を集中させる。ギリギリと歯を噛み締め、避けることだけを考える。
その後のプランを頭の中で構築させる。ここで戦略ゲームで培った行動の先読みを発揮させる時だ。
――その刹那であった。
「ごめんなさい、遅くなった」
背後から女性の声と共に銃声が住宅街にこだました。
放たれた弾丸は男の眉間にめり込み、その傷口から血と脳が吹き出した。その血飛沫の一部が優也の顔と服に赤い染みを作った。
男は糸の切れた操り人形が如く崩れ落ちる。手から滑り落ちた刃物は、アスファルトの上に転がり落ちた。
優也は悲鳴を上げるよりも先に背後へと振り返る。
そこにはセーラー服姿の少女がそこにいた。
「怪我はないようで安心したわ。安堂優也くん」
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