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アップデート要因6
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そんなある日、ヨシキからこう提案された。
「…一葉、俺が一葉にキスとかしたらダメか?」
一緒にご飯を作ることがもう、日常化しつつある僕とヨシキ。
隣で野菜を切りながらヨシキは僕の反応を伺いながら聞いてきた。
一瞬、息が止まるかと思った。
持っていたフライパンを落としそうで慌てて置き、再びヨシキの方を向いた。
「…ヨシキ、それは話が違うだろ?恋人のフリはできるとは僕は言った。
けど、そういうことは…」
ヨシキはそれでも、諦めれなかったようだ。
「いくつかのコメントを見てて、やっぱりキスとかしないんですか…っていうコメが来てて…」
―!!
ヨシキは、誰かに指摘されて、キスをすることをしてみようって考えれたんだ。
自分からの意志ではないというのは、僕にも気づく。
誰かに言われてしてもいいかなと考えるぐらいで、自分からは願ったりはしない。
ズキズキと疼きだす胸の痛みが膨らんでしまう…
「…それでも、ダメだ…」
僕の折れることのない態度に、ヨシキはしばらく無言のまま、再び作業に取り掛かったのだった。
ヨシキは、僕をどうしたいのさ。
お小遣いが欲しいから誰かに言われて僕とキスができるの?
僕の気持ちはどうなるの。
もし、僕に好きな人がいるとか、そういうことを一回でも考えたことがあるんだろうか。
お互い無言のまま食事を作り終え、食べることにした。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて僕はテーブルの上の食器を片付ける作業へと移ろうとした。
特に、あれからぎこちなさは多少残るけど、いつもと変わらないヨシキとの食事風景。
だけど、僕が考えていた以上にヨシキは、切羽つまっていたようだった。
ガタっと椅子が乱暴に動いた音に僕は目を向ける。
すると、ヨシキの様子がいつもと違うように感じた。
「…ヨシキ?」
両手に食器を持ったまま自分を見つめている僕に気付き、
「いや、なんでもない。
俺も一緒に持っていく」
と、何もなかったかのようにしていた。
なんだろう…
一瞬、ヨシキが違う人のように感じた。
気のせいかもしれないけど、やっぱりキスの件を断ったからかもしれない。
そう思いながら、食器をシンクの中に入れて洗物を始めようとした時だった。
「…一葉…」
?
彼の方に向いたとき、視界が何かに塞がれ、唇に熱を感じた。
―…
何?
塞がれていたと思ったのは、ヨシキの顔が近かったから。
唇に触れたのが、ヨシキの唇だったから。
停止した頭の中で一つずつ処理し、それに気づいた僕は、ただ、ヨシキを見ることしかできなかった。
さすがに、悪いことをしたと思っているようで彼は
「…ごめん、嫌がることをして…」
って言うけれど、じっと僕を見た後、再び近づこうとした。
「…嫌だ…」
状況がやっと理解できた僕は、洗物をする手を辞め、泡がまだ残る状態で彼の身体を手で押し返していた。
「どうして?」
―?!
好きだから許せたことも、こんな風に相手の気持ちを無視してまでキスをしようとしてくるヨシキがわからなかった。
「僕、嫌だって言った」
自分の気持ちを知ってたら、こんなことはできない。
どうせなら、もう、話してしまってもいいかもしれない。
自分の中でいろんな葛藤があった。
「ヨシキは、誰かに言われて好きでもないヤツとキスができる人間なの?」
僕の問いに、彼は低い声で
「違う」と返してきた。
けれど、僕は、その言葉が信じることはできない。
「でも、コメントで指摘されてキスをしようって思ったんだよね」
ヨシキは無言のままだ。
「誰かに望まれたから、ヨシキは僕とキスができるのか?
おかしくないか?それって…それって…」
もう、限界だった。
こんな風に欲張ろうとしたばかりに、関係を戻すことができない状態まで来てしまっていた。
僕の中で、一番、最悪なことだった。
「…恋人のフリをしてお小遣いをもらうのは、僕も反対はしなかった。
でもね、本当にキスをするというのは、違うんだよ…」
僕の様子がいつもと違うことにヨシキが気づき、じっと見つめてくる。
一度、止まることをわすれた感情は、納得がいるところまで流れ出ていくようだった。
「…僕にとって、キスは大切な物だし、こんな風にお金のためにされたくもない。
…
しばらく、ヨシキとは…会いたくない」
震える声で全てを出し切って僕は、彼の横を通り自分の荷物を持って玄関に急いで走っていく。
「…学校では話はするけれど、それ以上は、嫌だからな」
そう言い捨てて僕は、彼の玄関のドアを開いたのだった。
どうして…どうして…僕が何をした?
何が悪かったのか…あぁ…
僕が、欲張ったからだ…
「…一葉、俺が一葉にキスとかしたらダメか?」
一緒にご飯を作ることがもう、日常化しつつある僕とヨシキ。
隣で野菜を切りながらヨシキは僕の反応を伺いながら聞いてきた。
一瞬、息が止まるかと思った。
持っていたフライパンを落としそうで慌てて置き、再びヨシキの方を向いた。
「…ヨシキ、それは話が違うだろ?恋人のフリはできるとは僕は言った。
けど、そういうことは…」
ヨシキはそれでも、諦めれなかったようだ。
「いくつかのコメントを見てて、やっぱりキスとかしないんですか…っていうコメが来てて…」
―!!
ヨシキは、誰かに指摘されて、キスをすることをしてみようって考えれたんだ。
自分からの意志ではないというのは、僕にも気づく。
誰かに言われてしてもいいかなと考えるぐらいで、自分からは願ったりはしない。
ズキズキと疼きだす胸の痛みが膨らんでしまう…
「…それでも、ダメだ…」
僕の折れることのない態度に、ヨシキはしばらく無言のまま、再び作業に取り掛かったのだった。
ヨシキは、僕をどうしたいのさ。
お小遣いが欲しいから誰かに言われて僕とキスができるの?
僕の気持ちはどうなるの。
もし、僕に好きな人がいるとか、そういうことを一回でも考えたことがあるんだろうか。
お互い無言のまま食事を作り終え、食べることにした。
「ごちそうさまでした」
食事を終えて僕はテーブルの上の食器を片付ける作業へと移ろうとした。
特に、あれからぎこちなさは多少残るけど、いつもと変わらないヨシキとの食事風景。
だけど、僕が考えていた以上にヨシキは、切羽つまっていたようだった。
ガタっと椅子が乱暴に動いた音に僕は目を向ける。
すると、ヨシキの様子がいつもと違うように感じた。
「…ヨシキ?」
両手に食器を持ったまま自分を見つめている僕に気付き、
「いや、なんでもない。
俺も一緒に持っていく」
と、何もなかったかのようにしていた。
なんだろう…
一瞬、ヨシキが違う人のように感じた。
気のせいかもしれないけど、やっぱりキスの件を断ったからかもしれない。
そう思いながら、食器をシンクの中に入れて洗物を始めようとした時だった。
「…一葉…」
?
彼の方に向いたとき、視界が何かに塞がれ、唇に熱を感じた。
―…
何?
塞がれていたと思ったのは、ヨシキの顔が近かったから。
唇に触れたのが、ヨシキの唇だったから。
停止した頭の中で一つずつ処理し、それに気づいた僕は、ただ、ヨシキを見ることしかできなかった。
さすがに、悪いことをしたと思っているようで彼は
「…ごめん、嫌がることをして…」
って言うけれど、じっと僕を見た後、再び近づこうとした。
「…嫌だ…」
状況がやっと理解できた僕は、洗物をする手を辞め、泡がまだ残る状態で彼の身体を手で押し返していた。
「どうして?」
―?!
好きだから許せたことも、こんな風に相手の気持ちを無視してまでキスをしようとしてくるヨシキがわからなかった。
「僕、嫌だって言った」
自分の気持ちを知ってたら、こんなことはできない。
どうせなら、もう、話してしまってもいいかもしれない。
自分の中でいろんな葛藤があった。
「ヨシキは、誰かに言われて好きでもないヤツとキスができる人間なの?」
僕の問いに、彼は低い声で
「違う」と返してきた。
けれど、僕は、その言葉が信じることはできない。
「でも、コメントで指摘されてキスをしようって思ったんだよね」
ヨシキは無言のままだ。
「誰かに望まれたから、ヨシキは僕とキスができるのか?
おかしくないか?それって…それって…」
もう、限界だった。
こんな風に欲張ろうとしたばかりに、関係を戻すことができない状態まで来てしまっていた。
僕の中で、一番、最悪なことだった。
「…恋人のフリをしてお小遣いをもらうのは、僕も反対はしなかった。
でもね、本当にキスをするというのは、違うんだよ…」
僕の様子がいつもと違うことにヨシキが気づき、じっと見つめてくる。
一度、止まることをわすれた感情は、納得がいるところまで流れ出ていくようだった。
「…僕にとって、キスは大切な物だし、こんな風にお金のためにされたくもない。
…
しばらく、ヨシキとは…会いたくない」
震える声で全てを出し切って僕は、彼の横を通り自分の荷物を持って玄関に急いで走っていく。
「…学校では話はするけれど、それ以上は、嫌だからな」
そう言い捨てて僕は、彼の玄関のドアを開いたのだった。
どうして…どうして…僕が何をした?
何が悪かったのか…あぁ…
僕が、欲張ったからだ…
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