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「おや、君は…」
怒りと悲しみでいっぱいだった僕はヨシキの家から出て彼の住んでいるアパートの駐車場まで来ていた。
自分の家に帰ろうとした時、ヨシキのお兄さんに声をかけられたのだった。
「今日は、もう帰るんですか?」
ヨシキの家の方をチラチラと見ながらお兄さんは尋ねてきた。
「…はい、ちょっと意見が合わなかったので、今日は引き上げようと…」
「それは大変だったね。そうだ、このまま、私が君を家まで送ろう」
できることなら断りたい。
けど、ヨシキのお兄さんの申し出を拒否できるほど、僕には回避スキルはなく、諦めてお兄さんの車に乗せてもらうことにした。
「…動画が好評なのを君は知ってますか?」
―!
「いいえ、僕は何も教えてもらってません…」
今は、その話をされるとあまりいい気分ではないから、無意識のうちに僕は沈んでいた。
「私も少し関心があり聞いたのですが、君たちの声を少し変えているようですね。
それに、過激じゃない所も、多くの人から好評なんでしょう…」
そうですか…と話を流そうとするけれど、
「…もしかして、ヨシキに何か嫌なことを言われたり、されたりしましたか?」
―!
僕の反応に気付いたお兄さんは
「…もし、良ければ話をしてみませんか?」
どうしよう…
上手く話せる自信は全くない。
つい自分の気持ちをばらしてしまいそうで、言葉につまってしまう僕。
「…コメントは誰でも見ることができる物もあるんですよ。
その中には、過激な行為を要求してきているコメントもあったと記憶しています。
自分たちが公開した物が、好評だと人は、欲をだしてしまいますからね」
僕は、お兄さんの言葉を実感する。
僕が、欲張ってヨシキの傍にいたいばかりに、ヨシキからこんなことをされているのだと思ってしまう。
そう、僕が悪いのだ。
僕が、欲張ってしまったから。
「コメント…お兄さんも読まれたんですね」
小さい声で尋ねたけれど
「はい。読みました。そして、多かったのがキスをするようにと要求していました」
―!!!!!
僕の驚く顔を見て、お兄さんは悟ったようだ。
「…もしかして、彼は君に…キスを‥。
しかも、君の様子だと、無理やり…」
ズキッと思い出しそうになって胸が痛くなる。
肯定も否定もできない僕をどう思ったのかわからない。
お兄さんは運転をしながらじっと無言だった。
思ってたよりお兄さんは冷たい人ではないのだと思っていた僕は、つい油断をしていた。
家ではない方向に向かって車が走っていることに気付かなかった。
怒りと悲しみでいっぱいだった僕はヨシキの家から出て彼の住んでいるアパートの駐車場まで来ていた。
自分の家に帰ろうとした時、ヨシキのお兄さんに声をかけられたのだった。
「今日は、もう帰るんですか?」
ヨシキの家の方をチラチラと見ながらお兄さんは尋ねてきた。
「…はい、ちょっと意見が合わなかったので、今日は引き上げようと…」
「それは大変だったね。そうだ、このまま、私が君を家まで送ろう」
できることなら断りたい。
けど、ヨシキのお兄さんの申し出を拒否できるほど、僕には回避スキルはなく、諦めてお兄さんの車に乗せてもらうことにした。
「…動画が好評なのを君は知ってますか?」
―!
「いいえ、僕は何も教えてもらってません…」
今は、その話をされるとあまりいい気分ではないから、無意識のうちに僕は沈んでいた。
「私も少し関心があり聞いたのですが、君たちの声を少し変えているようですね。
それに、過激じゃない所も、多くの人から好評なんでしょう…」
そうですか…と話を流そうとするけれど、
「…もしかして、ヨシキに何か嫌なことを言われたり、されたりしましたか?」
―!
僕の反応に気付いたお兄さんは
「…もし、良ければ話をしてみませんか?」
どうしよう…
上手く話せる自信は全くない。
つい自分の気持ちをばらしてしまいそうで、言葉につまってしまう僕。
「…コメントは誰でも見ることができる物もあるんですよ。
その中には、過激な行為を要求してきているコメントもあったと記憶しています。
自分たちが公開した物が、好評だと人は、欲をだしてしまいますからね」
僕は、お兄さんの言葉を実感する。
僕が、欲張ってヨシキの傍にいたいばかりに、ヨシキからこんなことをされているのだと思ってしまう。
そう、僕が悪いのだ。
僕が、欲張ってしまったから。
「コメント…お兄さんも読まれたんですね」
小さい声で尋ねたけれど
「はい。読みました。そして、多かったのがキスをするようにと要求していました」
―!!!!!
僕の驚く顔を見て、お兄さんは悟ったようだ。
「…もしかして、彼は君に…キスを‥。
しかも、君の様子だと、無理やり…」
ズキッと思い出しそうになって胸が痛くなる。
肯定も否定もできない僕をどう思ったのかわからない。
お兄さんは運転をしながらじっと無言だった。
思ってたよりお兄さんは冷たい人ではないのだと思っていた僕は、つい油断をしていた。
家ではない方向に向かって車が走っていることに気付かなかった。
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