17 / 45
17
しおりを挟む
俺の事を覚えていないのか、それとも、関心がないのか。
新人と指導係としての距離は、変わらなかった。
会社の中を二人で歩く。
あの頃も、多くの人を惹きつけた彼は、社内を歩くだけでも、噂になっていた。
至る所で、声を掛けられている。
社交的な性格は、年代を超えて好かれている。
あっという間に、彼は社内の人気者になっていった。
「白羽さん、ちょっといいですか」
最近、女子社員から面倒臭い頼み事をされるようになっていた。
俺の横に、彼の机がある。
その間には、内線用の電話。
その電話に出るなと言うのだ。
元々、事務的な仕事の俺は、不備などがある時のみ、使用をしている。
かかってくること自体あまりなかったのだが、最近は違う。
意味が分からず「はぁ」と生返事をしたことがまずかった。
くだらない確認をしているような電話がかかってくるようになっていた。
上司にそれを伝えても、笑っている。
「まぁ、どう対応するのかも、見てみたいよなぁ」
―面白がっている…
複雑な思いのまま、仕事をしていた。
そして、今日は、とうとう彼がキレた。
「すみません、仕事の電話でしたら対応させていただきます。
ですが、違うようなので、切らせてもらいます」
スパンと切り捨てた対応に、一気に部屋は緊張が走った。
当然だ。
こんな試されるようなことをされたら、俺も嫌だ。
それでも、周りは彼と親しくなろうと必死だ。
「新人の歓迎会を開く準備を」と、言ってきた。
手配を済ませ、出欠をとっていると、彼が
「あれ?白羽さんは行かないんですか?」
彼が名字を呼ぶたびに、揺らぐ心を抑えようとしていると、周りが応えてくれた。
「あぁ、彼は無理なのよ。
だから、少しでも新人さんと関われるようにと指導をしてもらっているの」
それ以上、事情を聴かないのは大人の対応。
俺のことなど、忘れている。
そう思っていた。
「では、お先に失礼します」
飲み会となる今日は、仕事を早めに切り上げる。
だから、この日は、図書館で過ごすようになっていた。
新人と指導係としての距離は、変わらなかった。
会社の中を二人で歩く。
あの頃も、多くの人を惹きつけた彼は、社内を歩くだけでも、噂になっていた。
至る所で、声を掛けられている。
社交的な性格は、年代を超えて好かれている。
あっという間に、彼は社内の人気者になっていった。
「白羽さん、ちょっといいですか」
最近、女子社員から面倒臭い頼み事をされるようになっていた。
俺の横に、彼の机がある。
その間には、内線用の電話。
その電話に出るなと言うのだ。
元々、事務的な仕事の俺は、不備などがある時のみ、使用をしている。
かかってくること自体あまりなかったのだが、最近は違う。
意味が分からず「はぁ」と生返事をしたことがまずかった。
くだらない確認をしているような電話がかかってくるようになっていた。
上司にそれを伝えても、笑っている。
「まぁ、どう対応するのかも、見てみたいよなぁ」
―面白がっている…
複雑な思いのまま、仕事をしていた。
そして、今日は、とうとう彼がキレた。
「すみません、仕事の電話でしたら対応させていただきます。
ですが、違うようなので、切らせてもらいます」
スパンと切り捨てた対応に、一気に部屋は緊張が走った。
当然だ。
こんな試されるようなことをされたら、俺も嫌だ。
それでも、周りは彼と親しくなろうと必死だ。
「新人の歓迎会を開く準備を」と、言ってきた。
手配を済ませ、出欠をとっていると、彼が
「あれ?白羽さんは行かないんですか?」
彼が名字を呼ぶたびに、揺らぐ心を抑えようとしていると、周りが応えてくれた。
「あぁ、彼は無理なのよ。
だから、少しでも新人さんと関われるようにと指導をしてもらっているの」
それ以上、事情を聴かないのは大人の対応。
俺のことなど、忘れている。
そう思っていた。
「では、お先に失礼します」
飲み会となる今日は、仕事を早めに切り上げる。
だから、この日は、図書館で過ごすようになっていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
才色兼備の幼馴染♂に振り回されるくらいなら、いっそ赤い糸で縛って欲しい。
誉コウ
BL
才色兼備で『氷の王子』と呼ばれる幼なじみ、藍と俺は気づけばいつも一緒にいた。
その関係が当たり前すぎて、壊れるなんて思ってなかった——藍が「彼女作ってもいい?」なんて言い出すまでは。
胸の奥がざわつき、藍が他の誰かに取られる想像だけで苦しくなる。
それでも「友達」のままでいられるならと思っていたのに、藍の言葉に行動に振り回されていく。
運命の赤い糸が見えていれば、この関係を紐解けるのに。
《完結》僕が天使になるまで
MITARASI_
BL
命が尽きると知った遥は、恋人・翔太には秘密を抱えたまま「別れ」を選ぶ。
それは翔太の未来を守るため――。
料理のレシピ、小さなメモ、親友に託した願い。
遥が残した“天使の贈り物”の数々は、翔太の心を深く揺さぶり、やがて彼を未来へと導いていく。
涙と希望が交差する、切なくも温かい愛の物語。
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年。
かつて自分を救った玲に再会した静は玲に対して同じ苦しみを味合わせようとする。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
《一時完結》僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ
MITARASI_
BL
彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。
揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。
不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。
すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。
切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。
続編執筆中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる