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11.ダンジョンからの脱出③
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やっとです。やっと5階のターミナルポートにたどり着きました!!
4回目の休憩からさらにスピードが上がって、あの後2時間で6階の残り半分を走破して5階まで上がってきました。
今は5階の階段横にあるターミナルポートの中にいます。
これでポート内の魔法陣に乗れば、やっとダンジョンから脱出出来ます。
ちなみに、今の時間は人の少なさから言って深夜に…いえ夜明けに近いらしいです。
私達には理想的な時間です。周りが暗い時間ならば外側のポートに出ても冒険者は少なそうです。
目立たないのが1番です!何しろ子連れですからね…
なので今は、ハリーさんがダンジョンを出てからの手順を確認しています。
「いいか?ここを出た後はなるべく人目の少ない路地裏を通ってスラム街まで行き、そこの空き部屋を探して朝まで過ごし、朝が来たら宿を取る。その後、食料の買出しや馬車を買う事にする。馬車が手に入るまでは宿暮らしかもしれないが…坊ちゃん大丈夫か?」
「うん、ダンジョン内でも稼いだし資金はバッチリ!なので、なるべく良さそうな宿を探して5人で泊まれる部屋を取るよ!」
「イヤ、ダメだ!!部屋は2人部屋を取れ!俺たちは奴隷でお前達の護衛だ、同じ部屋で仮眠くらいで良いんだ!」
えー?奴隷さんのベットは?
は?床で寝る?冗談でしょ?
え?本当なの?冗談じゃないの?
何ですか?この世界の奴隷はM仕様なんですか?
そんな話を3人から聞いて、お兄ちゃんと2人途方に暮れちゃいました…
異世界常識について行けません…
ですが、ここでちょっと閃きました!!
「あ!でもお兄ちゃん、私<どこでも部屋>持ってるから、部屋に入ってそれ使えばいいんじゃない?」
「ああ…あれ使えば良いのか!でも、宿の人とか来たら困らないか?」
「え?ほら!部屋の入り口に鍵をかければ呼ばない限り宿の人は入って来ないでしょ?もしも心配なら、向こうから呼びに来たら分かるような魔道具作って置いて受け答えすれば良くない?インターフォンみたく…」
「お!ナイスアイデア!!あの部屋なら風呂も入れるし一石二鳥だよな!じゃあそうしようか!」
私とお兄ちゃんの2人で相談して納得し、お話を終了してしまったので、当たり前ですがハリーさん達は何が何だかわかっていません。
「いや…2人が納得したなら良いんだけどよ?何だか途中に分からない話しが混じってた気がするのは俺だけか?」
「…ハリー、その気持ちは俺もヒルダも一緒だぜ?こいつら絶対何かやらかす気だ!!」
「ええ、何か魔道具を作るとか聞こえましたけど…イヤな予感がします」
まあ、私の<どこでも部屋>を見せてないので、当然なんですけど(笑)
論より証拠、宿のお部屋で実物を見せて納得してもらいましょう。
そう思っていたら、お兄ちゃんも同じだったのかハリーさん達をなだめてくれました。
「いやだなー!変な事なんて何も無いよ!ベルの錬金術で音が聞こえる魔道具を作ろうって言ってただけだし!その他は、持ってる道具を使おうって話してたくらいだよ?」
「「「…………」」」
なぜ無言なんでしょうか?
そして、無言のまま私とお兄ちゃんを疑いの眼差しで見ています。
おかしいな?ハリー達が安心できるように説明したのに…
とりあえず、このままここに居てもどうしようもないので、ダンジョンの外に出ましょう!
ただし、私とお兄ちゃんは目くらましのために大きめのリュックを3つ作って、その中の2つに入ります。
もちろん残りの1つには本物のドロップ品…毛皮とか鉄鉱石とか肉に魔石などを入れておきます。もし他の人に見られて質問されても、ダンジョンのドロップ品だと言い逃れできるからです。
ちなみに、私はジーク・お兄ちゃんはハリーに背負ってもらって、本物のドロップ品はヒルダが背負う事になりました。
また、出来るだけハリー達の事も誤魔化すために大きめのローブを錬金して、頭や体を隠してもらい、更にローブには人よけの魔法もかけてます。
うーん、錬金術様様ですねー!薬を作るつもりで貰ったスキルなんですが…違う形でも良い仕事してくれてます!!ありがたいです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、やっと外に出られました。
祝・ダンジョン脱出成功…です!
良かったです。これでダンジョン内から出られずに死んじゃって、意味の違うリッチになって左団扇…なーんて言う落ちにはならないですみました。でも…もしかすると、この年齢でリッチだと[永遠のロリ]とか言ってお兄ちゃんが喜んだのかもしれませんね?
でも…確かリッチってカラカラに干からびてて瑞々しさはないんですよねー
うーん、干からびた幼児…怖っ!見たくないわー!
ーーーー閑話休題ーーーー
外は予想通り深夜も過ぎて暗いけれど夜明けに近い時間だったらしく、ダンジョン入り口のここには、ほとんど冒険者さんは居ません。索敵を展開しているのでわかりますが、近くには居ても2グループくらいのようです。
そのごは、特に絡まれる事もなく、ダンジョンの入り口から出て街の中に入り移動しています。
初めは、左手の繁華街の方に向かっていましたが、途中から裏路地に入って薄暗い街を進んでいきます。
ん?スラム街まではまだ距離がありますが、この先に廃れた教会跡があります。
たぶん、スラム街に行くより街に近いので、そこに朝まで居た方が街に紛れ込む時に誤魔化しが効きそうです。
「ジーク!ジーク!聞こえる?そこの角を左に曲がって、そこから数えて3つ目の細い道を今度は右に曲がると誰もいない壊れかけた教会があるの!近くも空き家があるばかりで人はいないわ!そこに朝まで隠れましょう!!」
あ!ハリーにも声が届いたようです。進路を左に変えました。獣人さんは耳がいいですねー!
さて、感覚的には市場が開くまでには、後2~3時間くらいなので、そこに隠れて少し休み明るくなったら着替えて街に紛れ込みましょう。
4回目の休憩からさらにスピードが上がって、あの後2時間で6階の残り半分を走破して5階まで上がってきました。
今は5階の階段横にあるターミナルポートの中にいます。
これでポート内の魔法陣に乗れば、やっとダンジョンから脱出出来ます。
ちなみに、今の時間は人の少なさから言って深夜に…いえ夜明けに近いらしいです。
私達には理想的な時間です。周りが暗い時間ならば外側のポートに出ても冒険者は少なそうです。
目立たないのが1番です!何しろ子連れですからね…
なので今は、ハリーさんがダンジョンを出てからの手順を確認しています。
「いいか?ここを出た後はなるべく人目の少ない路地裏を通ってスラム街まで行き、そこの空き部屋を探して朝まで過ごし、朝が来たら宿を取る。その後、食料の買出しや馬車を買う事にする。馬車が手に入るまでは宿暮らしかもしれないが…坊ちゃん大丈夫か?」
「うん、ダンジョン内でも稼いだし資金はバッチリ!なので、なるべく良さそうな宿を探して5人で泊まれる部屋を取るよ!」
「イヤ、ダメだ!!部屋は2人部屋を取れ!俺たちは奴隷でお前達の護衛だ、同じ部屋で仮眠くらいで良いんだ!」
えー?奴隷さんのベットは?
は?床で寝る?冗談でしょ?
え?本当なの?冗談じゃないの?
何ですか?この世界の奴隷はM仕様なんですか?
そんな話を3人から聞いて、お兄ちゃんと2人途方に暮れちゃいました…
異世界常識について行けません…
ですが、ここでちょっと閃きました!!
「あ!でもお兄ちゃん、私<どこでも部屋>持ってるから、部屋に入ってそれ使えばいいんじゃない?」
「ああ…あれ使えば良いのか!でも、宿の人とか来たら困らないか?」
「え?ほら!部屋の入り口に鍵をかければ呼ばない限り宿の人は入って来ないでしょ?もしも心配なら、向こうから呼びに来たら分かるような魔道具作って置いて受け答えすれば良くない?インターフォンみたく…」
「お!ナイスアイデア!!あの部屋なら風呂も入れるし一石二鳥だよな!じゃあそうしようか!」
私とお兄ちゃんの2人で相談して納得し、お話を終了してしまったので、当たり前ですがハリーさん達は何が何だかわかっていません。
「いや…2人が納得したなら良いんだけどよ?何だか途中に分からない話しが混じってた気がするのは俺だけか?」
「…ハリー、その気持ちは俺もヒルダも一緒だぜ?こいつら絶対何かやらかす気だ!!」
「ええ、何か魔道具を作るとか聞こえましたけど…イヤな予感がします」
まあ、私の<どこでも部屋>を見せてないので、当然なんですけど(笑)
論より証拠、宿のお部屋で実物を見せて納得してもらいましょう。
そう思っていたら、お兄ちゃんも同じだったのかハリーさん達をなだめてくれました。
「いやだなー!変な事なんて何も無いよ!ベルの錬金術で音が聞こえる魔道具を作ろうって言ってただけだし!その他は、持ってる道具を使おうって話してたくらいだよ?」
「「「…………」」」
なぜ無言なんでしょうか?
そして、無言のまま私とお兄ちゃんを疑いの眼差しで見ています。
おかしいな?ハリー達が安心できるように説明したのに…
とりあえず、このままここに居てもどうしようもないので、ダンジョンの外に出ましょう!
ただし、私とお兄ちゃんは目くらましのために大きめのリュックを3つ作って、その中の2つに入ります。
もちろん残りの1つには本物のドロップ品…毛皮とか鉄鉱石とか肉に魔石などを入れておきます。もし他の人に見られて質問されても、ダンジョンのドロップ品だと言い逃れできるからです。
ちなみに、私はジーク・お兄ちゃんはハリーに背負ってもらって、本物のドロップ品はヒルダが背負う事になりました。
また、出来るだけハリー達の事も誤魔化すために大きめのローブを錬金して、頭や体を隠してもらい、更にローブには人よけの魔法もかけてます。
うーん、錬金術様様ですねー!薬を作るつもりで貰ったスキルなんですが…違う形でも良い仕事してくれてます!!ありがたいです。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
さて、やっと外に出られました。
祝・ダンジョン脱出成功…です!
良かったです。これでダンジョン内から出られずに死んじゃって、意味の違うリッチになって左団扇…なーんて言う落ちにはならないですみました。でも…もしかすると、この年齢でリッチだと[永遠のロリ]とか言ってお兄ちゃんが喜んだのかもしれませんね?
でも…確かリッチってカラカラに干からびてて瑞々しさはないんですよねー
うーん、干からびた幼児…怖っ!見たくないわー!
ーーーー閑話休題ーーーー
外は予想通り深夜も過ぎて暗いけれど夜明けに近い時間だったらしく、ダンジョン入り口のここには、ほとんど冒険者さんは居ません。索敵を展開しているのでわかりますが、近くには居ても2グループくらいのようです。
そのごは、特に絡まれる事もなく、ダンジョンの入り口から出て街の中に入り移動しています。
初めは、左手の繁華街の方に向かっていましたが、途中から裏路地に入って薄暗い街を進んでいきます。
ん?スラム街まではまだ距離がありますが、この先に廃れた教会跡があります。
たぶん、スラム街に行くより街に近いので、そこに朝まで居た方が街に紛れ込む時に誤魔化しが効きそうです。
「ジーク!ジーク!聞こえる?そこの角を左に曲がって、そこから数えて3つ目の細い道を今度は右に曲がると誰もいない壊れかけた教会があるの!近くも空き家があるばかりで人はいないわ!そこに朝まで隠れましょう!!」
あ!ハリーにも声が届いたようです。進路を左に変えました。獣人さんは耳がいいですねー!
さて、感覚的には市場が開くまでには、後2~3時間くらいなので、そこに隠れて少し休み明るくなったら着替えて街に紛れ込みましょう。
応援ありがとうございます!
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