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花×花
しおりを挟む自分の好きなものが君の好きなものに含まれたら嬉しいだろうなって思っていたんだ
*花×花***
朝花:楽しい所って…ここ!?
真咲に連れられて朝花がやってきたのはペットショップだった
真咲:おう!ここのペットショップは中々の規模で動物はもちろん、ペット用品の品揃えも良いんだ~
キラキラした顔で誇らしげに語る真咲はさぁ行こう!とお店に入ろうとする
朝花:ちょっと待ってよ!品揃えが良いのはわかったけどなんでペットショップ!?
真咲:あぁ、うちの愛チラちゃんのご飯が残り少なくなっててな。忘れてたら大変なことになってたぜ
朝花:いや、真咲さっき忘れてたって言ってたわよね…?ところで愛チラって飼ってるチンチラのことよね?
真咲:おう!ここ出身だから何匹かいると思うよ!
朝花:ふぅーん…
微妙な反応の朝花は気にもとめず真咲はお店に入り1人で奥に進む
朝花:ペットショップなんていつぶりかしら。確かに犬、猫、小動物…沢山いるみたいだし可愛いとは思うけど真咲ほどは惹かれないのよね
1人ふらふらと店内を見る朝花は奥にある小動物のスペースに辿り着く
朝花:ハムスター、うさぎ、モルモット…あら、この子は
朝花が見つけたのは真っ白なチンチラだった
朝花:これがチンチラ…
真咲:お、見つけた?
朝花:真咲。えぇ
裏でチンチラ用品を見ていた真咲が顔を出す
真咲:チンチラ見たの初めてだろ?どうよ
真咲にどう、と聞かれ朝花は改めてまじまじと見る
朝花:思ってたより大きいのね、それにとってももふもふ…
真咲:そうなんだよ!!
急に目を輝かせ食いつく真咲に朝花は少し驚く
朝花:な、なに…
真咲:チンチラはなーもふもふな所が良いんだ!それにこの小さな手とつぶらな瞳!!かっわいいだろ~
朝花:そうね…可愛いかも
真咲:だろ!?
朝花:グレーの子もいるのね。でも真っ白な子の方が好きかな…
優しく微笑みながら真っ白なチンチラを見つめる朝花を見て真咲が口を開く
真咲:俺ん家来る?
朝花:え?
まさかの発言に朝花は固まった
朝花:いや、なんでそうなるの…
真咲:待て!変な意味じゃなくて、うちにいるのも真っ白なチンチラなんだよ。だから見に来るかって意味
引き気味の朝花に慌てて訂正をする真咲
朝花:そういう事ね。でもだからって家には行かないわよ
真咲:だよな…朝花が想像以上にチンチラを見入ってくれてたからなんか嬉しくなってつい…触りたいかなと思って
朝花:…りたいけど
真咲:え?なんて言った?
朝花:触りたい…わよ
間近で見たもふもふなチンチラの感触が気になっていた朝花は正直に触りたいと伝える
真咲:よし!行くか!チンチラ飼ってる人ってそこまで多くないから今は俺の家じゃないと触れ合えないぞ!
朝花:う、うん
レッツゴー!と真咲は買いに来た物だけ素早くお会計を済ませ、朝花を連れて家へ向かった
朝花:ねぇ真咲
真咲:んー?
朝花:チンチラに会いにいくだけだからね!
真咲:おう、わかってるよ?他に何があるんだよ
朝花:え…な、なんでもない!
真咲:はぁー?変な奴
緊張しているのは自分だけだとわかり恥ずかしくなった朝花は真咲の腕に軽くパンチを御見舞した
数駅電車に乗ると駅からすぐの所に真咲の家はあった
朝花:結構近いのね
真咲:そうなんだよ。駅からこの近さで家賃〇〇円なんだぜ?
自慢げな真咲は朝花に小声で驚愕の数値を話す
朝花:え!?やっす!!
真咲:だろ~?あ、事故物件とかじゃないから安心してな
朝花:え、えぇ…
真咲の部屋は3階で階段を登ってすぐの部屋だった
真咲:はい、どうぞ
朝花:お、お邪魔しまーす…ん?
真咲:どした?
朝花:いや、男の一人暮らしってなんか物が少ないイメージというか
真咲:あー、結人の家のイメージが強い?
朝花:そうかも
真咲:俺、貰い物とか捨てられないタイプでどんどん増えるんだよな。それでかも
朝花:なるほどね
そこ座ってていいよ、とクッションを渡され真咲はお茶を入れる
真咲:今麦茶しかないんだけどどうぞ
朝花:ありがとう。それでチンチラはどこ?
真咲:お、待ちきれない?
朝花:そ、そんなんじゃないから!けどチンチラに会いに来たんだし!
真咲:はいはい。朝花は素直じゃないね~
朝花:んなっ!
真咲はよいしょ、と立ち上がりブランケットが被さったケージへ向かう
真咲:ただいま~花ちゃーん
朝花:ハナちゃんって名前なの?
真咲:おう。ちなみに漢字の"花"な。可愛いだろ
ブランケットを外すと丸くなって眠っていた花ちゃんが小屋の中からひょこっと顔を出す
真咲:寝てた?おはよ
朝花:わ…ってなんか大きくない!?
真咲:そりゃペットショップにいるのはまだ子供だから
朝花:あ、そっか…
ケージの扉を開け真咲の手に寄ってきた花ちゃんを抱き上げると朝花に見せる
真咲:ほら。とりあえず頭撫でてみる?
朝花:わぁ…で、でも噛まない?
真咲:口元に手を持っていくと危ないけど頭とか背中なら大丈夫だよ。あ、しっぽもダメな
朝花:わ、わかった…やってみるわ
真咲:そんなに構えなくても。笑
朝花は恐る恐る花ちゃんに近づき頭をそっと撫でる
すると警戒していないのか花ちゃんは自ら擦り寄ってきた
朝花:え!ちょっと…
真咲:お!もっと~だってさ
朝花:もっと!?こう?
真咲:これは抱っこできそうだな、ほら
朝花:え!わわ…
真咲はひょいっと花ちゃんを持ち上げ朝花に抱かせると花ちゃんは大人しく朝花の腕の中で丸まった
真咲:どう?
朝花:ふわふわもふもふだし、温かい…
真咲:だろー?
朝花:でもこんな直ぐに抱っこできるものなのね
真咲:いや、朝花が珍しいんだよ
朝花:え?そうなの?
真咲:普通はもう少し警戒するんだけど、朝花には全くしなかったな。理由はわからないけど
ふぅん。と花ちゃんを撫で続ける朝花は顔を近づけまじまじと見つめる
朝花:同じ"花"だから?
真咲:え?
丸まっていた花ちゃんはムクっと起き上がり朝花とバッチリ目が合うと目の前にあった朝花の鼻をペロッと舐めた
朝花:ひゃ!?
真咲:ぶはっ!そんなに顔近づけてるからー!
朝花:び、びっくりした…
真咲:はは、そろそろ戻そうか。疲れちゃうしな~
朝花:う、うん。ありがとう、良い経験ができたわ
真咲:それは良かった
花ちゃんをケージへ戻し真咲のスマホにある花ちゃんコレクションを見ているとそういえば、と真咲が話し始める
真咲:さっきの同じ"花"ってどういう意味?
朝花:あぁ。"花ちゃん"なんでしょ?私の"あさか"の"か"も花だからよ
真咲:あぁ~そういうことか…
真咲はなるほど、と思うと同時に顔が赤くなる
真咲:待て!違うからな!?
朝花:え!?なにが!?
急に叫んだ真咲の声に驚く朝花
真咲:朝花の名前から取ったわけじゃないからなって言ってんの!
真咲の顔が赤くなっている事に気づいた朝花はつられて赤くなる
朝花:な!?そんなのわかってるわよ!大体、私の名前から取る理由なんてないじゃない!
真咲:おう!たまたまだ!たまたま同じ漢字だっただけだ!
一旦沈黙をし、お互いに頬の熱を冷ます
真咲:落ち着いたか?
朝花:それはこっちの台詞よ
真咲:すんません
ふう、と息を吐く朝花を横目で見る真咲はくすっと笑う
朝花:なに1人で笑ってるの、怖い
真咲:いや、俺さこうやって朝花とわーわー言い合いするの結構好きなんだよね
朝花:なにそれ。私は疲れるんですけど
真咲:ありがとな
朝花:え?
不意にお礼を言われ真咲の顔を見た朝花は優しそうに微笑む表情に飲み込まれる
真咲:側に居てくれてありがとうな
朝花:…当たり前じゃない、皆と居るの楽しいもの。真咲の側に居るんじゃなくて皆の側にいるの!
真咲:本当素直じゃねー。笑
うるさいわね!とパンチを御見舞された真咲はしっかりと手でガードをする
真咲:なぁ朝花
朝花:なによ
真咲:頭撫でてもいい?
朝花:は!?なんで!?
真咲:さっき花ちゃんが凄く気持ち良さそうだったからいいなぁと思って
朝花:だったら普通真咲が撫でてもらう側なんじゃないの!?
真咲:そう思ったんだけど、朝花絶対してくれないじゃん?だから逆転なら有りかなーと…
朝花:無いわよ!ってか花ちゃんにすればいいでしょ!なんで私…
真咲:花ちゃん寝ちゃったし
朝花:いや、だからって…
了承が降りる前に少しずつ前に出る真咲を見て思わず後ろに下がる朝花
朝花:ちょっと待ってよ真咲…
真咲:ちょっとだけ
朝花:いや、あの…
後ろに下がった先は壁で身動きが取れなくなり朝花はキュッと目を瞑る
真咲:朝花
何も言わずに頭を撫でられると思っていた矢先に名前を呼ばれ目を開けた
目の前には真剣な顔の真咲がこちらを見ている
朝花:な、に…
真咲:ごめん。嫌なら嫌って言って?
朝花:……
真咲:嫌じゃないならこっち見て
そう言われゆっくりと真咲の目を見つめる朝花は少し不安そうな顔をする
するとふわっと頭に真咲の手が乗り優しく髪を撫でられた
真咲:ふふ、綺麗
朝花:髪が、ね
真咲:朝花が
朝花:!?な、何言って…
喋りかけた朝花を遮るように真咲は思いっきり抱きしめる
朝花:!?!?ちょ、ちょっと…まさ…
真咲:1分だけ
朝花にとっての1分はとても長く真咲にとっては僅かな時間だった
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