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(下)
「ただいま戻りました」
「お帰り、エリーゼ」
「お帰りなさい」
まだ紅茶の残るカップをソーサーに戻すとセシルと共に声をかける。
「あ。ルディー姉様、お疲れ様!」
エリーゼはわたくし、ルディアンナにぱっと笑みを見せた。
「今、ルディーから話を聞いていたんだよ。エリーゼ、君は随分と楽しそうだったんだって? ずっと不敵に笑っていたとか」
「そうよ。本当に楽しそうだったわよ、あなた。幸いわたくしの背後には誰も立っていなかったけれど、人の気も知らないで」
わたくしがため息をつくとセシルは苦笑する。
「うふふ。ごめんなさい。だってこれからの展開のことを思うと抑えきれなかったんだもの。――あ。私の好きなクッキーだ。もーらいっ!」
彼女はテーブルに近づくや、籠の中のクッキーをつまんで口に入れる。
「こら。はしたないよ、エリーゼ。ちゃんと座りなさい」
「はーい。ごめんなさい」
セシルはたしなめたが、反省の色が見えない様子でエリーゼは彼の横に座った。そして侍従のトーマスさんにもう一つお茶を用意してもらうよう頼む。
「それでどうだったの?」
「もちろん手はず通りよ。ルディー姉様にも殿下の腑抜けたご尊顔を見せてさしあげたかったわ。もう少しで吹き出すところだったんだから!」
私の耐え抜いた精神力を褒めてほしいわと手に胸を当てるエリーゼ。
「こら、エリーゼ。不謹慎だよ」
「そう。それは口惜しいわ。わたくしも殿下の泣きっ面を見てみたかったのに」
セシルはまたエリーゼをたしなめるが、わたくしは澄まし顔で彼女に返答してみせる。
「ルディーまで……」
彼は一瞬だけ困ったように微笑んだが、すぐに笑みを消して眉を落とした。
「二人にこんな事をさせることになったのは僕のせいだね」
「そうじゃないわ」
「そうじゃないわ!」
わたくしとエリーゼは同時に同じ言葉を発する。彼女と顔を見合わせると頷き、わたくしが代表して口を開く。
「あなたのせいじゃない。元はと言えば、殿下が悪いのよ」
そう言ってセシルが座る車椅子を見つめた。
わたくしはブラントーム侯爵家の娘であり、セシルとエリーゼの兄妹はクロフォード伯爵家の令息と令嬢で、年齢が近かったわたくしたちは爵位の違いはあれど幼い頃から仲が良かった。
そんな時、殿下との交流会で騒動が起こる。殿下は周りが止めるのも聞かずに高い木に登り、足を滑らせてそのまま落下。そのすぐ下にはセシルがいて……。
殿下の落ち所が悪く、セシルはそれ以来、下半身不随の体となってしまった。
今思い出しても憤りで震える。殿下の下敷きになり、脂汗を流して激痛でうめくセシルよりも、殿下をいち早く医師に見せたのだから。立場上、仕方がなかったとしてもだ。
その後、騒動は闇に葬られることになる。伯爵家のクロフォード家は王家に楯突くことができないため、殿下から謝罪の言葉や王家から何の保障もないまま泣き寝入りさせられる羽目になった。
「わたくしたちはただ王家を、殿下を許せなかっただけよ」
「そうよ。だから私は、養女に欲しいと申し出た親戚のバルト男爵家に自ら進んで行ったの。いつの日か兄様に代わって復讐してやると心に決めていたから。名前が違った方がいいと思ってね」
わたくしは婚約者という立場を抵抗せずに受け入れた。受け入れて殿下を監視し続けた。
「わたくしたちは殿下に猶予を与えた。傲慢な殿下が心を入れ替えるようならば。殿下が人に寄り添う気持ちを持つようになったのならば」
エリーゼはわたくしの言葉に頷き、その後を続ける。
「殿下が甘言だけを囁く人間ではなく、厳しいことを言っても正しい道に導く人間を、真実を見極める賢明な人に成長していたのならば」
また互いに顔を見合わせて頷いた。
「復讐が決行されることはなかった」
「そう。アデル殿下が自ら選んだ道よ」
わたくしたちがそう言ってもなお、セシルは悲しそうに瞳の色を弱める。
「だけど結果的に僕は君たちを傷つけた。ルディーは人前で侮辱され、エリーゼは望まぬ結婚をすることになった」
「ちょっと兄様、待ってくださる? ルディー姉様はともかく私まで不幸に陥れないで!?」
エリーゼはいかにも不服そうに腕を組んだ。
「彼にはまだ返事を待ってもらっている状態よ。私の一存でどうにでもなるわ。私は彼を手の中で転がしている立場なんだから。まあ、結婚してあげてもいいと思っているけどね」
彼女は満更でもない様子で得意げになっているけれど。
「ちょっと待って。わたくしこそ、聞き捨てならないわよ? わたくしはともかくですって?」
「それはそうでしょう?」
「確かに一方的に婚約破棄された立場としては、他から敬遠されてしまうものだけれど、そこはあなたがちゃんとわたくしに非はないと言ってくれたのでしょう?」
彼女はなぜかセシルに意味深な笑みを向けた後、こちらには無邪気を装った笑顔を見せた。
「あ、ごめんなさぁい。フォローするのを忘れていた」
「ちょ、ちょっと!? 酷いわよ!?」
「うふふ。大丈夫。ルディー姉様なら貰い手があるわよ」
「他人事だと思って! とは言え、あんな殿下と結婚するぐらいなら独り身を通すわ」
少しばかり強がってみせたものの、ちらりとセシルを見つめると、ばちりと目が合ったので慌てて咳払いした。
「ま、まあ。もちろん独り身じゃない方がいい……けれど」
「……だったら。こんな僕でも許されるのならば、君の婚約者候補として名乗りをあげてもいいのかな」
「え――え!?」
かっと頬に熱が帯びる。
「やだ兄様、それってプロポーズ? 良かったわね! ルディー姉様は昔から兄様のことが好」
「あああぁっ! わ、わたくし、そろそろ帰らなければ!」
「えぇ! 何でこの場で? 興ざめぇ」
あなたが茶化すからよ!
「これから忙しくなるもの。殿下からたっぷりと慰謝料を搾り取らなくちゃいけないし、お父様とも相談しなくては。手に入ったらセシル、あなたにお渡しするわね」
「え? 何を言って……。君の慰謝料をどうして僕に」
困惑する彼にわたくしは首を振った。
「わたくしが請求したかったのは自分への慰謝料じゃないわ。あなたへの慰謝料よ」
殿下からセシルへ直接の慰謝料ではないのが悔しくはあるけれど。
「そんなの受け取れないよ」
「あ。じゃあ、それをうちへの持参金にしちゃえば解決じゃない? 本当の姉様になりましょう!」
「ちょっ、ちょっとエリーゼ。何勝手言って! も、もう本当に帰ります!」
慌てて立ち上がると、エリーゼは肩をすくめて同じく立ち上がった。
「素直じゃないんだぁ。まあ、今日はここまでにしておいてあげましょう。では兄様、玄関までルディー姉様を送ってくるわね」
「うん。ルディー、僕はここでお見送りになるけどごめんね。またね。――あ。あの、ルディー。さっきの言葉だけど、慰めでも冗談でも……ないからね」
少し照れたような笑顔のセシルにまた顔が熱くなる。
「え、ええ。と、とにかく次は慰謝料を持って来るわね」
「だから持参金だってば」
「もう! だからあなたは黙っていなさいってば」
からかうエリーゼの背中をぐいぐい押しながら、わたくしたちは玄関へと向かった。
トンと軽い音を立てて駒をチェス盤に置いたセシルはトーマスに笑顔を向ける。
「はい。チェックメイト」
「参りました。セシル様は謀略が本当にお得意ですね」
「褒め言葉かな?」
苦笑したセシルはティーカップに口をつけて喉を潤すと美味しいと微笑んだ。
「この結末を予想されていたのでしょう?」
「まさか」
彼は肩をすくめて笑う。
「――確信していたよ」
「そうですか。セシル様、お茶はまだ召し上がりますか?」
「ありがとう。もういいよ」
カップを置いたセシルは少しぎこちなくも車椅子から一人で立ち上がり、窓際に近づいて外へと視線をやった。
まだルディアンナとエリーゼは玄関口で楽しそうに話をしている。
「慰謝料も持参金もいらないんだけどな。――ルディー、君さえ手に入れば、ね」
そう呟くとエリーゼとよく似た不敵な笑みが窓ガラスに映しだされた。
(終)
「お帰り、エリーゼ」
「お帰りなさい」
まだ紅茶の残るカップをソーサーに戻すとセシルと共に声をかける。
「あ。ルディー姉様、お疲れ様!」
エリーゼはわたくし、ルディアンナにぱっと笑みを見せた。
「今、ルディーから話を聞いていたんだよ。エリーゼ、君は随分と楽しそうだったんだって? ずっと不敵に笑っていたとか」
「そうよ。本当に楽しそうだったわよ、あなた。幸いわたくしの背後には誰も立っていなかったけれど、人の気も知らないで」
わたくしがため息をつくとセシルは苦笑する。
「うふふ。ごめんなさい。だってこれからの展開のことを思うと抑えきれなかったんだもの。――あ。私の好きなクッキーだ。もーらいっ!」
彼女はテーブルに近づくや、籠の中のクッキーをつまんで口に入れる。
「こら。はしたないよ、エリーゼ。ちゃんと座りなさい」
「はーい。ごめんなさい」
セシルはたしなめたが、反省の色が見えない様子でエリーゼは彼の横に座った。そして侍従のトーマスさんにもう一つお茶を用意してもらうよう頼む。
「それでどうだったの?」
「もちろん手はず通りよ。ルディー姉様にも殿下の腑抜けたご尊顔を見せてさしあげたかったわ。もう少しで吹き出すところだったんだから!」
私の耐え抜いた精神力を褒めてほしいわと手に胸を当てるエリーゼ。
「こら、エリーゼ。不謹慎だよ」
「そう。それは口惜しいわ。わたくしも殿下の泣きっ面を見てみたかったのに」
セシルはまたエリーゼをたしなめるが、わたくしは澄まし顔で彼女に返答してみせる。
「ルディーまで……」
彼は一瞬だけ困ったように微笑んだが、すぐに笑みを消して眉を落とした。
「二人にこんな事をさせることになったのは僕のせいだね」
「そうじゃないわ」
「そうじゃないわ!」
わたくしとエリーゼは同時に同じ言葉を発する。彼女と顔を見合わせると頷き、わたくしが代表して口を開く。
「あなたのせいじゃない。元はと言えば、殿下が悪いのよ」
そう言ってセシルが座る車椅子を見つめた。
わたくしはブラントーム侯爵家の娘であり、セシルとエリーゼの兄妹はクロフォード伯爵家の令息と令嬢で、年齢が近かったわたくしたちは爵位の違いはあれど幼い頃から仲が良かった。
そんな時、殿下との交流会で騒動が起こる。殿下は周りが止めるのも聞かずに高い木に登り、足を滑らせてそのまま落下。そのすぐ下にはセシルがいて……。
殿下の落ち所が悪く、セシルはそれ以来、下半身不随の体となってしまった。
今思い出しても憤りで震える。殿下の下敷きになり、脂汗を流して激痛でうめくセシルよりも、殿下をいち早く医師に見せたのだから。立場上、仕方がなかったとしてもだ。
その後、騒動は闇に葬られることになる。伯爵家のクロフォード家は王家に楯突くことができないため、殿下から謝罪の言葉や王家から何の保障もないまま泣き寝入りさせられる羽目になった。
「わたくしたちはただ王家を、殿下を許せなかっただけよ」
「そうよ。だから私は、養女に欲しいと申し出た親戚のバルト男爵家に自ら進んで行ったの。いつの日か兄様に代わって復讐してやると心に決めていたから。名前が違った方がいいと思ってね」
わたくしは婚約者という立場を抵抗せずに受け入れた。受け入れて殿下を監視し続けた。
「わたくしたちは殿下に猶予を与えた。傲慢な殿下が心を入れ替えるようならば。殿下が人に寄り添う気持ちを持つようになったのならば」
エリーゼはわたくしの言葉に頷き、その後を続ける。
「殿下が甘言だけを囁く人間ではなく、厳しいことを言っても正しい道に導く人間を、真実を見極める賢明な人に成長していたのならば」
また互いに顔を見合わせて頷いた。
「復讐が決行されることはなかった」
「そう。アデル殿下が自ら選んだ道よ」
わたくしたちがそう言ってもなお、セシルは悲しそうに瞳の色を弱める。
「だけど結果的に僕は君たちを傷つけた。ルディーは人前で侮辱され、エリーゼは望まぬ結婚をすることになった」
「ちょっと兄様、待ってくださる? ルディー姉様はともかく私まで不幸に陥れないで!?」
エリーゼはいかにも不服そうに腕を組んだ。
「彼にはまだ返事を待ってもらっている状態よ。私の一存でどうにでもなるわ。私は彼を手の中で転がしている立場なんだから。まあ、結婚してあげてもいいと思っているけどね」
彼女は満更でもない様子で得意げになっているけれど。
「ちょっと待って。わたくしこそ、聞き捨てならないわよ? わたくしはともかくですって?」
「それはそうでしょう?」
「確かに一方的に婚約破棄された立場としては、他から敬遠されてしまうものだけれど、そこはあなたがちゃんとわたくしに非はないと言ってくれたのでしょう?」
彼女はなぜかセシルに意味深な笑みを向けた後、こちらには無邪気を装った笑顔を見せた。
「あ、ごめんなさぁい。フォローするのを忘れていた」
「ちょ、ちょっと!? 酷いわよ!?」
「うふふ。大丈夫。ルディー姉様なら貰い手があるわよ」
「他人事だと思って! とは言え、あんな殿下と結婚するぐらいなら独り身を通すわ」
少しばかり強がってみせたものの、ちらりとセシルを見つめると、ばちりと目が合ったので慌てて咳払いした。
「ま、まあ。もちろん独り身じゃない方がいい……けれど」
「……だったら。こんな僕でも許されるのならば、君の婚約者候補として名乗りをあげてもいいのかな」
「え――え!?」
かっと頬に熱が帯びる。
「やだ兄様、それってプロポーズ? 良かったわね! ルディー姉様は昔から兄様のことが好」
「あああぁっ! わ、わたくし、そろそろ帰らなければ!」
「えぇ! 何でこの場で? 興ざめぇ」
あなたが茶化すからよ!
「これから忙しくなるもの。殿下からたっぷりと慰謝料を搾り取らなくちゃいけないし、お父様とも相談しなくては。手に入ったらセシル、あなたにお渡しするわね」
「え? 何を言って……。君の慰謝料をどうして僕に」
困惑する彼にわたくしは首を振った。
「わたくしが請求したかったのは自分への慰謝料じゃないわ。あなたへの慰謝料よ」
殿下からセシルへ直接の慰謝料ではないのが悔しくはあるけれど。
「そんなの受け取れないよ」
「あ。じゃあ、それをうちへの持参金にしちゃえば解決じゃない? 本当の姉様になりましょう!」
「ちょっ、ちょっとエリーゼ。何勝手言って! も、もう本当に帰ります!」
慌てて立ち上がると、エリーゼは肩をすくめて同じく立ち上がった。
「素直じゃないんだぁ。まあ、今日はここまでにしておいてあげましょう。では兄様、玄関までルディー姉様を送ってくるわね」
「うん。ルディー、僕はここでお見送りになるけどごめんね。またね。――あ。あの、ルディー。さっきの言葉だけど、慰めでも冗談でも……ないからね」
少し照れたような笑顔のセシルにまた顔が熱くなる。
「え、ええ。と、とにかく次は慰謝料を持って来るわね」
「だから持参金だってば」
「もう! だからあなたは黙っていなさいってば」
からかうエリーゼの背中をぐいぐい押しながら、わたくしたちは玄関へと向かった。
トンと軽い音を立てて駒をチェス盤に置いたセシルはトーマスに笑顔を向ける。
「はい。チェックメイト」
「参りました。セシル様は謀略が本当にお得意ですね」
「褒め言葉かな?」
苦笑したセシルはティーカップに口をつけて喉を潤すと美味しいと微笑んだ。
「この結末を予想されていたのでしょう?」
「まさか」
彼は肩をすくめて笑う。
「――確信していたよ」
「そうですか。セシル様、お茶はまだ召し上がりますか?」
「ありがとう。もういいよ」
カップを置いたセシルは少しぎこちなくも車椅子から一人で立ち上がり、窓際に近づいて外へと視線をやった。
まだルディアンナとエリーゼは玄関口で楽しそうに話をしている。
「慰謝料も持参金もいらないんだけどな。――ルディー、君さえ手に入れば、ね」
そう呟くとエリーゼとよく似た不敵な笑みが窓ガラスに映しだされた。
(終)
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その辺りはお読みいただいた方にゆだねたいと思います。
ご感想を頂き、ありがとうございました!
Jasmin様
お読みいただき、本当にありがとうございました。
そうきたか!
でも私も一瞬だけ、ほんの一瞬だけですよ!? ほんの一回またたく間ですよ!?(強調)頭に過ぎりました(笑)
と言うわけで、今回もお付き合いいただきましてありがとうございました!
またお会いできる日を楽しみにしております。
ちえさん様
この度もお読みいただき、本当にありがとうございます。
また嬉しいお言葉をありがとうございました!
短編は歌で言う『サビ』の部分だけ描くので楽しい一方、表現が難しかったです。
勉強になりました。
ですが、また挑戦してみたいと思います。
お付き合いくださいまして、誠にありがとうございました!