もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ

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連載

手土産②

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 私が首を傾げる。
「こちらの話だ。気にせんでくれ」
「はあ」
「ところで、ダンジョンの木の件じゃな?」
「はい、そうです」
「問題はないぞ。もともと冒険者達が落とした種から芽吹いたんだ。ただ、ダンジョンの中のように年がら年中実を結ぶわけではない。外の季節に従って実を結び、世話をしないといかんぞ」
「なら、またダンジョン内に、種を植えたら実ります?」
「今のこのダンジョンなら、一週間もすれば、実を結ぶぞ」
「そ、そんな短時間で?」
「そこがダンジョンの不思議じゃよ、ほっほっほっ」
 一週間で、食べられる果物が生るとは。ファンタジー。
「取った果物を一つ植えれば、元通りじゃよ」
「ありがとうございます。後はどうやって運ぶかですね」
 運搬問題だ。
「それも問題はなかろう。あのフォレストガーディアンウルフの土と木の魔法を使えば大丈夫じゃぞ」
「ありがとうございます。始祖神様」
 何から何まで。
 本当に感謝だ。
「あ、始祖神様、ケーキどうぞ」
 おかわりを。
「儂はもういいが」
 はい、と隣の黒髪の女の子が手を上げる。かわいかあっ。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございますっ」
 かわいかあっ。
 黒髪の女の子は、悩んでホワイトチョコレートケーキ。
「いただきます」
 リンゴジュースを口を尖らせて晃太が注ぐ。
「ところで、神様はなんの神様ですか?」
「パクパク、とうしん」
「等身?」
「姉ちゃん、そうやないよ、違うと思うよ」
 晃太が訂正してくれるが、とうしんの意味が分からない。
「闘いの神、闘神、バトルマスターとも呼ばれとる」
 始祖神様が教えくれる。
「闘い? こんな小さな女の子が?」
「そうじゃよ。あらゆる戦闘職に就いている者は、この子を信仰しておる」
「へえ、まるでアテナですね」
 ギリシャ神話に出てきそうだよ。だけど、この子がねえ。あの赤い髪の右の神様も魔法神様で、ルージュのブーストもすごかし。
 そう言えば、ちょっと気になっていたことを聞いてみる。
「神様って、いつもはどんな遊びをしているんですか? 神様だから、ずっとお勉強ですか?」
「パク、うんと、ね。石蹴りとか縄跳びとか、独楽回し。ままごととお人形さん遊び。雨の女神様が、文字とか教えてくれる」
「そうなんですね」
 昔の遊びだ。
 よし、始祖神様にいろいろ助言頂いたし。
 ちょっと失礼して、ディレックスに向かう。
 クレヨンとお絵かき帳を手に入れる。
「闘神様、こちらをどうぞ。こうやって、描くとですね、ほらお花」
 パアッと、闘神様に笑顔が浮かぶ。
 次々に色を使って、楽しそうにお絵かき始める。かわいかあなあ、ただ、闘神ってピンとこない。
 気に入ってもらえて良かった。
 クレヨンもお絵かき帳もできるだけ、手に入れてある。残りは始祖神様に渡す。三つ子の神様にも必要だろうし。
「すまんな。しかし、色鮮やかだな。良かったな闘神」
「はいっ」
 良かった良かった。
 あ、そうだ、薬の件も相談しようかな?
「すまんな、そろそろ時間だ。闘神、帰るぞ」
「はいっ」
 闘神様はクレヨンを箱に戻し、お絵かき帳を抱える。
「ではな、お嬢さん方、いろいろありがとうな」
「待って始祖神様」
「なんじゃ?」
 こそこそと耳打ち。
「すまんな、お嬢さん。フォレストガーディアンウルフとクリムゾンジャガーを呼んで来てくれるか?」
 なんか、やな予感。
 しかし、始祖神様からご指名だし、中庭からギラギラした目でビアンカが見てるし。ブースト欲しいんだろうけど。
 中庭のドアを開けて、ビアンカとルージュをダイニングキッチン前に誘導する。ぴたりと臥せる2人。
 クレヨンとお絵かき帳を持って、闘神様が2人を見比べる。
 ぽん、と、触ったのはルージュの鼻先。
「すんだか?」
「はいっ」
 始祖神様と闘神様が手を繋ぐ。
「じゃあな、ごちそうになったなあ」
「さよなら、ありがとう」
 はい。
 すうっと、消えていく始祖神様と闘神様。

 てってれってー
【始祖神 闘神 降臨確認 ボーナスポイント60000追加されます】

『ずるいのですっ、ずるいのですっ、ルージュばっかりずるいのですーっ』
  バリバリバリバリバリッ
 ビアンカがルームの壁をバリバリ。
「だああぁぁぁぁッ、やめてビアンカーッ」
 壁紙が剥がれるーッ。
 あのすごか爪でバリバリやれたら、もたんがなッ。てか、犬でしょうがっ、猫の爪研ぎみたいなことせんでーっ。
 あああぁぁぁぁぁっ、壁紙がぁぁぁぁぁぁぁっ。
『ユイ、ユイ、ボス部屋、ボス部屋、ボス部屋』
 ルージュの鼻息が荒い。
「お願いやけん待ってん」
 ブスブスと言うビアンカをなだめて、まず壁紙リフォーム。
 あ、ポイント、30万越したがな。
「ビアンカ、ブーストないけど、ポイント貯まったけん、新しいのが食べれるよ。ね、食べよう。やけん、もう次からバリバリせんでね」
『……………分かったのです』
 むー、みたいなビアンカだけど、私の言葉に顔を上げる。
『ボス部屋、ボス部屋、ボス部屋』
「ルージュも待ってん、エビチリ食べれるけん」
『エビチリッ』
 赤い目が爛々。はいはい。
「晃太。ポイント貯まったけん、紫竜ば選ぶよ」
「よかよ~」
 カップを洗っている晃太は間延びした返事をする。
 よし、今日は中華だ。
 液晶画面を操作しようと、手に取る。
「わんっ」
 元気が私の足元に駆けよる。
『ユイ、ユイ、何が食べれるのです?』
『エビチリ、エビチリ、エビチリ』
「私はエビマヨ」
 さて、タップ。
 する前に、ビアンカとルージュが私の背中に迫る。本人達は軽くのつもりだろうけど、私が前につんのめる。
 液晶画面がぽろり。元気達が液晶画面の上を駆け抜ける。
 …………………………………………
 悪夢再び?
 かわいい肉球の跡がついた、液晶画面を拾い上げる。

 利用店舗 ラーメン屋 松太郎 決定しました。

「あはははーはーはーはーはーあー」
「どうしたん姉ちゃん?」
 私が奇声を上げ、晃太がびくり、と振り返る。
『ユイ、どうしたのです?』
『ユイがおかしいわ』
「あはははーはーはーはーはー」

 ずー。ずー。ずー。
 私はラーメンに辛味噌付き。晃太はネギゴマラーメン。一口餃子とチャーハン。替え玉もする。
『美味しいのです。スープが美味しいのです』
『この小さいのも美味しいわ』
 食べる食べる。気持ちのいいごと食べる。
 もう何杯注文したか分からない。替え玉も数えてない。一口餃子とチャーハンも食べる食べる。一口餃子は本当に一口だ。
 合計49580なり。
 ずー。
『ユイ、油淋鶏は?』
『ユイ、エビチリは?』
「3ヶ月後たい」
『『えーっ』』
 ずー。
「仕方なかたい、我慢しい」
 ずー。
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