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偽善者⑤
「ミズサワ様? 今日はお一人ですか?」
リティアさんが首を捻りながら対応してくれた。
「実はご相談したいことがあって」
おずおずと言うと、リティアさんはいつもの応接室に案内してくれる。
私はさっきあったことを全て話す。スラム街の孤児院の件は、リティアさんは知っていた。ギルド上層部は暗黙の了解で、彼処は知っているが口に出さない様にしていると。やはり、行き場のない子供達を思ってだ。
「なので、明日書類関係に強い方を1日お借りしたいんです。お願いします」
私はテーブルにぶつかるくらいまで頭を下げる。
「ミズサワ様、頭をあげてください。書類関係に強い者ですね。最強の者を手配致します」
リティアさんがあっさり了承してくれた。
「少々お待ちください」
そう言ってリティアさんが退室。
こんなに簡単に言っていいのかな?
いつもの女性職員さんがお茶を出してくれる。
しばらくして、リティアさんが戻って来る。
「ミズサワ様、手配終わりました。明日の時間までにはスラム街の孤児院に参りますので」
「ありがとうございます」
ほ、良かった。
だけど、本当にいいのかな?
「あのリティアさん、どうしてすぐに動いてくれたんですか? やっぱりビアンカとルージュですか?」
私の問いに、リティアさんは微笑みを返す。
「確かにあれだけの従魔を従えているのも一因です。しかし、ミズサワ様がこのマーファにどれだけの恩恵を与えてくれているか考えれば、これくらいのこと、ギルドとして応えるのは当然です」
リティアさん曰く、いくら強い従魔がいても、コントロールできなければ意味はない。ビアンカとルージュは、賢いから絶対に人は襲わない。それに冷蔵庫ダンジョンでのちゅどんどかんして出てきたドロップ品を、ほとんど回した事もある。それから教会の孤児院の建物の件や、小児用の薬や給食の資金提供等々。一番は、ドラゴンだ。あれがマーファに来たら大惨事だったはずなのに、未然に防げた。
「ほとんどビアンカとルージュのおかげです」
「しかし、寄付をする、建物を建てる、薬を開発し治験をする。そういった考えは全てミズサワ様が行った事です」
そうなのかな?
ドロップ品拾って、お金出しただけなのに。
とにかく、ビアンカとルージュのおかげや。いっぱいお肉焼いて、ケーキば食べさせよう。
私はもう一度リティアさんにお礼を言って、ギルドを後にした。
一旦、パーティーハウスに戻り、母に事情説明する。珍しく母は険しい顔だ。
「どうにかなると?」
「ギルドが手伝ってくれるけんね。とにかく晃太を迎えに行ってくる」
私は大急ぎで『異世界への扉』で買い物をする。暖かいブランケットだ。母と値札を外し、Sサイズのマジックバッグ入れる。
もう、私がスラム街に行ったことはばれてるから、ビアンカが付いてきてくれた。
「すみません、朝から付き添ってくれて」
ジョアンさんが一旦詰所に戻ったが、すぐに戻って来てくれた。
「それが御用聞きですから」
ビアンカが付いてきたが、特にトラブルなく孤児院に到着。あら、ルージュの姿がない。
「あ、姉ちゃん」
建物から晃太が出てきた。
「晃太、ルージュは?」
「隠れとる、子供達から」
あ、群がられたからね。
「「「わーい、わんちゃん」」」
『だから、どうして私が怖くないのですかっ』
次の標的を見つけた子供達がビアンカに。
『ルージュ、いるのは分かっているのですっ。おとなしく出てくるのですっ』
何の刑事ドラマやねん。
「じゃ、ビアンカよろしく」
『早く帰って来てなのですーっ』
はいはい。
先ほどの部屋に通される。
ドアにジョアンさんが待機。
ザックさんとマーヤさんに明日の件を伝える。
「本当にありがとうございます」
「食事までいただいてありがとうございます」
そう、昨日母が作ってくれたスープ。豆乳鍋の素で、ちょっと小さく切った野菜や豆、かしわが入ったスープ。それから大量のロールパンをディレックスで購入し、晃太のアイテムボックスにいれておいた。
「晃太、足りた?」
「空っぽやねん」
やはり、足りなかったか。仕方ない、明日またたくさん作ってこよう。スラム街の子供達は総勢28人だ。
「それから、これ使ってください」
私はマジックバッグからブランケットを出す。
「いいんですか?」
マーヤさんが嬉しそうだ。
「はい、どうぞどうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
ブランケットは無事に渡る。
「姉ちゃん、後な奥の部屋に、ひどい火傷の子がおって」
「はよう言わんね。上級ポーションは?」
「いや、もう古い火傷やから効かんのよ」
「なら、あれば使えばよかやん」
「それが3人もおるんよ、2人は女の子たい、わいがするのは嫌かもしれんけん」
「分かった。ザックさん、マーヤさん、その子達の治療の許可を頂けますか?」
私達の会話から、察していたのだろうが、2人とも困惑している。
「あの皆古い火傷で、もうどうしようもない状況なんです」
ザックさんがおずおずと説明。
「治療できる可能性がある物を私は所有しています。晃太、出して」
「ん」
晃太から受け取ったのは、中級エリクサーだ。
「これは?」
ザックさんとマーヤさんの顔に浮かぶのは、疑惑の表情。
「これはエリクサーです」
「「ぶっ」」
噴き出す2人。
「エ、エリクサーですか?」
「そんな、私達にはお金は………」
「お金は必要ありません。ただし、条件があります。まず、このエリクサーの投薬許可を頂くこと。火傷をした子供を説得してください。次にこの存在は秘密にすること。最後にこれで治らなくても私達を責めないこと。量が少ないので、全員を綺麗に完治させることは難しい可能性があることを理解していただくことです。投薬は明日になります」
父にどれくらい必要か見てもらわないと。
それからすでに7割程しか残っていない中級エリクサー。もし、誰かに知られて押し寄せて来たら、大変な事になる。私達ができるのは、手が届く範囲の人をこれでなんとかなるなら、なんとかするだけ。
顔を見合わせる2人。
「本当にそれだけでいいんですか?」
ザックさんが、確認するように聞いてくる。
「はい、条件さえ呑んでくれれば」
「お願いします」
ザックさんとマーヤさんが揃って頭を下げる。
火傷した子供達を説得してくれる、と。
それから少し話をして、お暇する。
明日までに色々準備しないとね。晃太が子供達の身長と足のサイズを測ってくれてあるし。買い物しなくては。
『遅いのですー』
『帰りたいわぁ』
あーあ、子供達がビアンカとルージュの背中に跨がって、ジャンプジャンプ。どうやら、ルージュも観念して出てきたようだ。
「ごめんね、私達帰るけん、降りてくれるかな?」
「「「えーっ」」」
「こら、降りなさいっ」
マーヤさんが、め、してくれた。しぶしぶ降りる子供達。
「明日も来る?」
「あのスープ食べたい」
「パン食べたい」
今度は私に群がってくる。皆かわいかやん。昨日コルソン君ときた2人の男の子もいて、笑顔や。
「明日ね、持ってくるけんね」
すると、皆笑顔になる。
本当にかわいかやん。
コルソン君が私に走りよってきた。その向こうには、よく似た女の子が。ああ、妹さんね。
「あのっ、本当にありがとうございますっ」
「いいよ。それに明日が本番よ」
「はいっ」
私達はくたびれたビアンカとルージュを連れて、スラム街を出て、パーティーハウスに。
長い時間付いてくれたジョアンさんに、銀の槌からホールのアップルパイを調達。
遠慮してたけど、あの耳、小刻みにピクピクしていた。分かりやすい。
「甘いのお嫌いですか? 母の手作りなんです」
必殺、手作り攻撃。
「大好きです。頂きます」
ジョアンさんを見送ってから、私達はバタバタと買い物やら、ご飯の準備、ブラッシング等々する。
夕方帰って来て、事情説明。
「明日、来てくれる?」
「よかよ。明日は来れんからって言ってあるからな。けど、火傷の子、それだけで足りるかね?」
父は心配している。火傷具合を晃太に聞いたら、男の子は背中一面、女の子の1人は右腕全部、もう1人が一番ひどく顔面を大火傷して、原型が分からないほどだと。全員、実の親からの虐待だ。
子供になんてことを、抵抗できない子供に。私は腹の奥底がマグマの様になる。
よし、残ったエリクサーで無事にいくようにお祈りしよう。
全員一致で、お地蔵様の前に並ぶ。
私はエリクサーの瓶を握り締める。
「神様、このエリクサーで火傷の子が救えます様にお見守りください」
お祈り。
すると、足に衝撃が。
そこには、アッシュ色の髪の男の子。
あ、薬の神様や。
「え? 1人」
「今回は同伴したぞ」
「あ、時空神様」
黒髪のイッケメンがいました。あ、お久しぶりです。
「どうしても行きたいってな」
「はいっ」
アッシュ色の神様が、手を出す。示すのはエリクサーの瓶。
いいのかな?
「薬の神だ、任せてみろ」
時空神様のアドバイスあり、私はエリクサーの瓶を渡す。
「んーっ」
薬の神様は瓶を握って唸る。かわいか。
かわいかだが、瓶がいきなり光る、ぴかーっと光る。
なんや、なんや。
「はいっ」
薬の神様が、光った瓶を返してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、これで失礼するな」
え、今日は早か。お土産、手土産。
私はさくら庵のほうじ茶ロールケーキをタップ。
「どうぞ、時空神様」
「すまんな、急に来たのに」
「いえいえ」
薬の神様は時空神様と手を繋ぐ。すう、と姿が消える。
今日は本当に早かな。
てってれってー。
【時空神 薬の神 降臨確認 HP30000追加されます】
ポイントポイント。
「で、お父さん、見て」
私は父にエリクサーを渡す。
色が明らかに濃い紫になっている。絶対に何か変化したはず。
「………最上級エリクサーやって」
なんかすごくクラスアップしとるっ。
リティアさんが首を捻りながら対応してくれた。
「実はご相談したいことがあって」
おずおずと言うと、リティアさんはいつもの応接室に案内してくれる。
私はさっきあったことを全て話す。スラム街の孤児院の件は、リティアさんは知っていた。ギルド上層部は暗黙の了解で、彼処は知っているが口に出さない様にしていると。やはり、行き場のない子供達を思ってだ。
「なので、明日書類関係に強い方を1日お借りしたいんです。お願いします」
私はテーブルにぶつかるくらいまで頭を下げる。
「ミズサワ様、頭をあげてください。書類関係に強い者ですね。最強の者を手配致します」
リティアさんがあっさり了承してくれた。
「少々お待ちください」
そう言ってリティアさんが退室。
こんなに簡単に言っていいのかな?
いつもの女性職員さんがお茶を出してくれる。
しばらくして、リティアさんが戻って来る。
「ミズサワ様、手配終わりました。明日の時間までにはスラム街の孤児院に参りますので」
「ありがとうございます」
ほ、良かった。
だけど、本当にいいのかな?
「あのリティアさん、どうしてすぐに動いてくれたんですか? やっぱりビアンカとルージュですか?」
私の問いに、リティアさんは微笑みを返す。
「確かにあれだけの従魔を従えているのも一因です。しかし、ミズサワ様がこのマーファにどれだけの恩恵を与えてくれているか考えれば、これくらいのこと、ギルドとして応えるのは当然です」
リティアさん曰く、いくら強い従魔がいても、コントロールできなければ意味はない。ビアンカとルージュは、賢いから絶対に人は襲わない。それに冷蔵庫ダンジョンでのちゅどんどかんして出てきたドロップ品を、ほとんど回した事もある。それから教会の孤児院の建物の件や、小児用の薬や給食の資金提供等々。一番は、ドラゴンだ。あれがマーファに来たら大惨事だったはずなのに、未然に防げた。
「ほとんどビアンカとルージュのおかげです」
「しかし、寄付をする、建物を建てる、薬を開発し治験をする。そういった考えは全てミズサワ様が行った事です」
そうなのかな?
ドロップ品拾って、お金出しただけなのに。
とにかく、ビアンカとルージュのおかげや。いっぱいお肉焼いて、ケーキば食べさせよう。
私はもう一度リティアさんにお礼を言って、ギルドを後にした。
一旦、パーティーハウスに戻り、母に事情説明する。珍しく母は険しい顔だ。
「どうにかなると?」
「ギルドが手伝ってくれるけんね。とにかく晃太を迎えに行ってくる」
私は大急ぎで『異世界への扉』で買い物をする。暖かいブランケットだ。母と値札を外し、Sサイズのマジックバッグ入れる。
もう、私がスラム街に行ったことはばれてるから、ビアンカが付いてきてくれた。
「すみません、朝から付き添ってくれて」
ジョアンさんが一旦詰所に戻ったが、すぐに戻って来てくれた。
「それが御用聞きですから」
ビアンカが付いてきたが、特にトラブルなく孤児院に到着。あら、ルージュの姿がない。
「あ、姉ちゃん」
建物から晃太が出てきた。
「晃太、ルージュは?」
「隠れとる、子供達から」
あ、群がられたからね。
「「「わーい、わんちゃん」」」
『だから、どうして私が怖くないのですかっ』
次の標的を見つけた子供達がビアンカに。
『ルージュ、いるのは分かっているのですっ。おとなしく出てくるのですっ』
何の刑事ドラマやねん。
「じゃ、ビアンカよろしく」
『早く帰って来てなのですーっ』
はいはい。
先ほどの部屋に通される。
ドアにジョアンさんが待機。
ザックさんとマーヤさんに明日の件を伝える。
「本当にありがとうございます」
「食事までいただいてありがとうございます」
そう、昨日母が作ってくれたスープ。豆乳鍋の素で、ちょっと小さく切った野菜や豆、かしわが入ったスープ。それから大量のロールパンをディレックスで購入し、晃太のアイテムボックスにいれておいた。
「晃太、足りた?」
「空っぽやねん」
やはり、足りなかったか。仕方ない、明日またたくさん作ってこよう。スラム街の子供達は総勢28人だ。
「それから、これ使ってください」
私はマジックバッグからブランケットを出す。
「いいんですか?」
マーヤさんが嬉しそうだ。
「はい、どうぞどうぞ」
「ああ、ありがとうございます」
ブランケットは無事に渡る。
「姉ちゃん、後な奥の部屋に、ひどい火傷の子がおって」
「はよう言わんね。上級ポーションは?」
「いや、もう古い火傷やから効かんのよ」
「なら、あれば使えばよかやん」
「それが3人もおるんよ、2人は女の子たい、わいがするのは嫌かもしれんけん」
「分かった。ザックさん、マーヤさん、その子達の治療の許可を頂けますか?」
私達の会話から、察していたのだろうが、2人とも困惑している。
「あの皆古い火傷で、もうどうしようもない状況なんです」
ザックさんがおずおずと説明。
「治療できる可能性がある物を私は所有しています。晃太、出して」
「ん」
晃太から受け取ったのは、中級エリクサーだ。
「これは?」
ザックさんとマーヤさんの顔に浮かぶのは、疑惑の表情。
「これはエリクサーです」
「「ぶっ」」
噴き出す2人。
「エ、エリクサーですか?」
「そんな、私達にはお金は………」
「お金は必要ありません。ただし、条件があります。まず、このエリクサーの投薬許可を頂くこと。火傷をした子供を説得してください。次にこの存在は秘密にすること。最後にこれで治らなくても私達を責めないこと。量が少ないので、全員を綺麗に完治させることは難しい可能性があることを理解していただくことです。投薬は明日になります」
父にどれくらい必要か見てもらわないと。
それからすでに7割程しか残っていない中級エリクサー。もし、誰かに知られて押し寄せて来たら、大変な事になる。私達ができるのは、手が届く範囲の人をこれでなんとかなるなら、なんとかするだけ。
顔を見合わせる2人。
「本当にそれだけでいいんですか?」
ザックさんが、確認するように聞いてくる。
「はい、条件さえ呑んでくれれば」
「お願いします」
ザックさんとマーヤさんが揃って頭を下げる。
火傷した子供達を説得してくれる、と。
それから少し話をして、お暇する。
明日までに色々準備しないとね。晃太が子供達の身長と足のサイズを測ってくれてあるし。買い物しなくては。
『遅いのですー』
『帰りたいわぁ』
あーあ、子供達がビアンカとルージュの背中に跨がって、ジャンプジャンプ。どうやら、ルージュも観念して出てきたようだ。
「ごめんね、私達帰るけん、降りてくれるかな?」
「「「えーっ」」」
「こら、降りなさいっ」
マーヤさんが、め、してくれた。しぶしぶ降りる子供達。
「明日も来る?」
「あのスープ食べたい」
「パン食べたい」
今度は私に群がってくる。皆かわいかやん。昨日コルソン君ときた2人の男の子もいて、笑顔や。
「明日ね、持ってくるけんね」
すると、皆笑顔になる。
本当にかわいかやん。
コルソン君が私に走りよってきた。その向こうには、よく似た女の子が。ああ、妹さんね。
「あのっ、本当にありがとうございますっ」
「いいよ。それに明日が本番よ」
「はいっ」
私達はくたびれたビアンカとルージュを連れて、スラム街を出て、パーティーハウスに。
長い時間付いてくれたジョアンさんに、銀の槌からホールのアップルパイを調達。
遠慮してたけど、あの耳、小刻みにピクピクしていた。分かりやすい。
「甘いのお嫌いですか? 母の手作りなんです」
必殺、手作り攻撃。
「大好きです。頂きます」
ジョアンさんを見送ってから、私達はバタバタと買い物やら、ご飯の準備、ブラッシング等々する。
夕方帰って来て、事情説明。
「明日、来てくれる?」
「よかよ。明日は来れんからって言ってあるからな。けど、火傷の子、それだけで足りるかね?」
父は心配している。火傷具合を晃太に聞いたら、男の子は背中一面、女の子の1人は右腕全部、もう1人が一番ひどく顔面を大火傷して、原型が分からないほどだと。全員、実の親からの虐待だ。
子供になんてことを、抵抗できない子供に。私は腹の奥底がマグマの様になる。
よし、残ったエリクサーで無事にいくようにお祈りしよう。
全員一致で、お地蔵様の前に並ぶ。
私はエリクサーの瓶を握り締める。
「神様、このエリクサーで火傷の子が救えます様にお見守りください」
お祈り。
すると、足に衝撃が。
そこには、アッシュ色の髪の男の子。
あ、薬の神様や。
「え? 1人」
「今回は同伴したぞ」
「あ、時空神様」
黒髪のイッケメンがいました。あ、お久しぶりです。
「どうしても行きたいってな」
「はいっ」
アッシュ色の神様が、手を出す。示すのはエリクサーの瓶。
いいのかな?
「薬の神だ、任せてみろ」
時空神様のアドバイスあり、私はエリクサーの瓶を渡す。
「んーっ」
薬の神様は瓶を握って唸る。かわいか。
かわいかだが、瓶がいきなり光る、ぴかーっと光る。
なんや、なんや。
「はいっ」
薬の神様が、光った瓶を返してくれた。
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、これで失礼するな」
え、今日は早か。お土産、手土産。
私はさくら庵のほうじ茶ロールケーキをタップ。
「どうぞ、時空神様」
「すまんな、急に来たのに」
「いえいえ」
薬の神様は時空神様と手を繋ぐ。すう、と姿が消える。
今日は本当に早かな。
てってれってー。
【時空神 薬の神 降臨確認 HP30000追加されます】
ポイントポイント。
「で、お父さん、見て」
私は父にエリクサーを渡す。
色が明らかに濃い紫になっている。絶対に何か変化したはず。
「………最上級エリクサーやって」
なんかすごくクラスアップしとるっ。
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