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デート?⑤
腹が、きつかあ。
背筋伸ばせば、少しはいいかな。
向かいに座るサエキ様は余裕綽々だ。こっちはきついんだけど。
馬車はゆっくり進む。
グーテオークションは、王城が見える大きな劇場だ。普段は観劇や音楽会が行われている。
警備がすごいこと。赤と青のマントの騎士達ががっちり警備している。
「すごい警備ですね」
「ええ、各国の要人を招待していますからね」
グーテオークションは年2回。
今から行くのは初夏のオークション。こちらは各国から賓客や要人やある程度以上の地位と、身分のしっかりしている人しか参加できない。
「初夏は参加者が限られたものですが、秋のオークションはかなり気軽に参加できますよ」
なんでも秋のグーテオークションは、かなりオープンだそうで気軽に参加できるそうだ。
「こちらは若い文官や新人ギルド職員がすべて行うんです。まあ、彼らの試練みたいなものですね。こちらの方が完全にチャリティーですね。純粋な売り上げは、無料教室や教会併設の孤児院に寄付されます」
「へー。こちらのオークションも、宝石とか並ぶんですか?」
「そうですね。バザーも行われているんですよ」
こちらはお貴族様がいろいろ出していると。このバザーはお貴族様と庶民が、身近に接する機会だと。
「オークションの品は、貴族やギルドからの寄贈。冒険者からもありますね」
「なら、私も寄贈できます?」
「もちろん。ギルドに言えば出来ますよ」
よし、冷蔵庫ダンジョンでちゅどん、どかんだ。
「最上階の、ダイヤモンド…………」
あのキラキラダイヤモンド、また、出るかな?
「ミズサワ殿、あのクラスの物を購入できるのはそうは居ませんよ。もう少し、手頃な物を出してください。例えば、貴女のそのネックレスくらいですかね」
「これ、ですか?」
「ええ、その真珠、ゴールドリップですよね。それだけの粒が揃った物は高価ですよ。中級クラスの貴族のご婦人が欲しがります。初夏のグーテオークションに参加できない人が、こぞって参加するでしょうね」
これ、そんなに高いの? うわあ、肩が凝って来た。
「私じゃよく分からないので、商人ギルドの方と相談して決めます」
ダージェルさんに聞いてみよう。
無料教室や孤児院の寄付になるなら、多少多くてもいいや。がんばるのはビアンカとルージュだから、2人に聞いてからだね。
考えていると、馬車は会場に到着。
足元見えないから恐る恐る降りる。ボーイさん的な人が、手を出してくれたので借りる。ふー。
ちらちら、見られる。仕方ない。ビアンカとルージュがいるからね。
「さあ、ミズサワ殿」
サエキ様が手を出してくれる。
あ、身分証ね。しっかりした身分を現さないとね。
私は冒険者ギルドカードを出す。
「違いますよ。手を乗せてください。エスコートしますから」
「あ、すいません」
私はサエキ様に手を引かれてゆっくり進む。
なんだか、サエキ様に、お手をしている気分になるのは気のせいか?
各国要人や賓客が来ると聞いたけど、確かに今まで感じたことのない雰囲気だ。全員身なりがよく、今までと感じが違う、すべての視線で値踏みされている。
『ふん、ユイをじろじろ見ているのです』
『唸りましょうか?』
「ダメよ」
やめて、本当に。
建物はヨーロッパとかにある有名なオペラハウスの様だ。行ったことないけど。
高い天井に、隅々まで綺麗にされた廊下に、壁には花が飾ってある。等間隔に青のマントの騎士が並ぶ。通り過ぎる度に、着飾った人達がお辞儀をする。私にではない、サエキ様にだ。ビアンカとルージュが後ろを歩くが、騒ぎにならないのは、サエキ様のお陰だね。
本当にすごい人なんだね。
「もうすぐ、オークションの品が並べられたエリアですよ」
「はい」
言われるが、私はドレスの裾を踏みそうで怖い。転けたら私が恥をかく、いや、サエキ様が恥をかく。下を見ながら歩く。
「緊張していますか?」
「はい、転けそうです」
「ふふ、そうですか。おや? 珍しい」
ふいにサエキ様が止まる。
『ユイ、あの雄なのです』
『軍隊ダンジョンにいた、強い雄よ。もう2匹強いのがいるわ』
ビアンカとルージュの鼻先が示したのは、アクションしてそうなイケメン、フェリクスさんだ。今日は冒険者の鎧ではなくスーツだ。おお、スーツでも格好いい。それから、あら、オスヴァルトさん? あれ、オスヴァルトさん? なんかちょっと違うような。
「エドワルドではないですか。珍しい、こちらに帰って来ていたんですか」
「それはこちらのセリフですよ、ひいお祖父様」
はい?
オスヴァルトさんそっくりさんは、軽く会釈して、サエキ様と堂々と話し出す。
「やっと後添えを得ましたか。これで母も安心するでしょう」
「何を言ってるんですか貴方は。こちらはテイマーのミズサワ殿ですよ。噂くらい聞いてるでしょう?」
「誰でも構いませんよ。ひいお祖父様の後添えなら。いい歳なんですよ? 一人自宅で誰にも気づかれないまま冷たくなっていたなんて、洒落になりませんからね。母がどれだけ心配しているか」
「相変わらずの減らず口ですね。誰に似たんだか」
「ひいお祖父様にですよ。せめて住み込みのメイドかフットマンをいれてください」
誰やねん、このオスヴァルトさんによく似た人。会話からしてサエキ様のひ孫さんのようだけど。ビアンカとルージュがいるけど、動じる様子がない。
「ああ、失礼。ミズサワ殿。紹介しますね、彼はエドワルド・ウルガー」
オスヴァルトさんにそっくりさんが、会釈。ウルガーと言うことは。
「彼はオスヴァルトの弟で、私のひ孫になります」
兄弟か、よく似てるわ。て、ことは、オスヴァルトさんもサエキ様のひ孫さんだね。
『この雄、強いのです』
『そうね。かなり強いわ』
興味津々にエドワルドさんを見ている。やめて。
「初めまして、エドワルド・ウルガーと申します」
ビアンカとルージュに動じず、自己紹介してくれる。うん、挨拶の仕草がオスヴァルトさんと同じだ。
「ユイ・ミズサワです」
コルセットがきついけど、お辞儀。腹に、ばら肉に食い込む。フェリクスさんにもお辞儀。向こうもお辞儀。
「ところでエドワルド、貴方はどうしてオークションに?」
「高品質の盾が狙いです。パーティーメンバーがAランクになったはいいが、盾が限界でしてね」
エドワルドさんが1人の男性を紹介する。
がっちりとした男性だが、緊張している。ごわっとした髪を軽くみつあみにしているけど、不思議と似合う。そして、肩とかすごい筋肉だ。
「うちのタンクのツヴァイクです」
「ツヴァイクでございます、サエキ様」
「ダイチ・サエキです。うちのエドワルドがお世話になってます」
いえいえ、いえいえ。
「貴方も珍しいですね、フェリクス殿。Sランクの拝命以来ですかね」
「お久し振りです、サエキ様」
「フェリクス殿はミズサワ殿をご存じですか?」
「はい。スカイランで」
「騒ぎのあった時に助けてもらいました」
ちょっと、フェリクスさんとお話する。
「お久し振りです、フェリクスさん」
「お久し振りです、テイマーさん。まさかこんな所でお会いすることになるなんて」
いたずらっ子みたいな笑みを浮かべるフェリクスさん。
「今日は鎧じゃないんですね」
「このグーテオークションには武装は禁じられていますからね」
私のビアンカとルージュいますけど。
フェリクスさんによると、このグーテオークションを始めた発起人はなんとサエキ様。今は国に運営を任せているが、サエキ様が連れてくる人は基本的に特別待遇だと。
「今日はお一人なんですか?」
他のパーティーメンバーがいないようだけど。
「今日は付き合いで来たんです」
なんでもSランクになった時の保証人の伯爵のお付き合いだと。その人は、飾られている宝石の前に張り付いている。あれ、冷蔵庫ダンジョンから出たルビーじゃない?
「奥方への贈り物にしたいそうなんですが、一人で来る勇気がないから付いてきてくれと」
「大変ですね。あのフェリクスさん、あのエドワルドさんってご存じですか?」
「ああ、エドワルド・ウルガー殿ですね。彼はあのダイチ・サエキ様の血筋で、実質ユリアレーナ最強のSランクの冒険者ですよ」
「へー」
ひいお祖父様はユリアレーナのご意見番、ひ孫は赤騎士団准将と、ユリアレーナ最強のSランク冒険者。どんだけやねん。
「しかし、今日は見違えました」
しげしげとフェリクスさんが見る。
「借り物です。ばら肉が、ハムのようにコルセットで縛り上げられてます」
フェリクスさんが噴き出す。
「面白い人だ」
クスクス笑うフェリクスさん。本当にイケメンやね。
「そう言えば、改修された冷蔵庫ダンジョンを早々に踏破されたそうですね」
「ビアンカとルージュが優秀なので」
「是非、どんな戦闘をされているか、拝見したいですな」
「ウィークスさんみたいな事言うんですね」
「おや? ウィークスをご存じで?」
なんと、あのウィークスさんとフェリクスさんお知り合い。それどころか、パーティー組んでいたそうだ。え、確か、ウィークスさん結構な歳だったはず。え、フェリクスさん、おいくつ?
「どうしました?」
「ええっと、ウィークスさんとフェリクスさんの歳が合わないよう」
「私を幾つだと思います?」
「30半ば? 40行くか行かないか?」
見た感じ。
「もう90を越えてますよ」
「ワオ」
びっくり。
確か、神様も言っていたなあ、寿命に差があるって。
「私は竜人の血が混じっていましてね。その影響で少し長命なんです」
「へー」
竜人は魔族の一種だそうです。
「ミズサワ殿は、何を狙いに?」
「私も付き合いです」
「そうですか」
ちらり、とサエキ様を見る。
丁度お話が終わったようで、私は挨拶して、再びサエキ様に手を引かれて進む。
オークションにかけられる品の半数以上、冷蔵庫ダンジョンから出た物だ。
「何か興味があるものは?」
「いえ、特には。見たことある物ばかりで」
「そうでしょうね。今回はマーファからの出品がほぼですから」
やっぱり。
「さあ、ミズサワ殿、こちらに」
「はい」
転ばないように、サエキ様に手を引かれて歩いた。
背筋伸ばせば、少しはいいかな。
向かいに座るサエキ様は余裕綽々だ。こっちはきついんだけど。
馬車はゆっくり進む。
グーテオークションは、王城が見える大きな劇場だ。普段は観劇や音楽会が行われている。
警備がすごいこと。赤と青のマントの騎士達ががっちり警備している。
「すごい警備ですね」
「ええ、各国の要人を招待していますからね」
グーテオークションは年2回。
今から行くのは初夏のオークション。こちらは各国から賓客や要人やある程度以上の地位と、身分のしっかりしている人しか参加できない。
「初夏は参加者が限られたものですが、秋のオークションはかなり気軽に参加できますよ」
なんでも秋のグーテオークションは、かなりオープンだそうで気軽に参加できるそうだ。
「こちらは若い文官や新人ギルド職員がすべて行うんです。まあ、彼らの試練みたいなものですね。こちらの方が完全にチャリティーですね。純粋な売り上げは、無料教室や教会併設の孤児院に寄付されます」
「へー。こちらのオークションも、宝石とか並ぶんですか?」
「そうですね。バザーも行われているんですよ」
こちらはお貴族様がいろいろ出していると。このバザーはお貴族様と庶民が、身近に接する機会だと。
「オークションの品は、貴族やギルドからの寄贈。冒険者からもありますね」
「なら、私も寄贈できます?」
「もちろん。ギルドに言えば出来ますよ」
よし、冷蔵庫ダンジョンでちゅどん、どかんだ。
「最上階の、ダイヤモンド…………」
あのキラキラダイヤモンド、また、出るかな?
「ミズサワ殿、あのクラスの物を購入できるのはそうは居ませんよ。もう少し、手頃な物を出してください。例えば、貴女のそのネックレスくらいですかね」
「これ、ですか?」
「ええ、その真珠、ゴールドリップですよね。それだけの粒が揃った物は高価ですよ。中級クラスの貴族のご婦人が欲しがります。初夏のグーテオークションに参加できない人が、こぞって参加するでしょうね」
これ、そんなに高いの? うわあ、肩が凝って来た。
「私じゃよく分からないので、商人ギルドの方と相談して決めます」
ダージェルさんに聞いてみよう。
無料教室や孤児院の寄付になるなら、多少多くてもいいや。がんばるのはビアンカとルージュだから、2人に聞いてからだね。
考えていると、馬車は会場に到着。
足元見えないから恐る恐る降りる。ボーイさん的な人が、手を出してくれたので借りる。ふー。
ちらちら、見られる。仕方ない。ビアンカとルージュがいるからね。
「さあ、ミズサワ殿」
サエキ様が手を出してくれる。
あ、身分証ね。しっかりした身分を現さないとね。
私は冒険者ギルドカードを出す。
「違いますよ。手を乗せてください。エスコートしますから」
「あ、すいません」
私はサエキ様に手を引かれてゆっくり進む。
なんだか、サエキ様に、お手をしている気分になるのは気のせいか?
各国要人や賓客が来ると聞いたけど、確かに今まで感じたことのない雰囲気だ。全員身なりがよく、今までと感じが違う、すべての視線で値踏みされている。
『ふん、ユイをじろじろ見ているのです』
『唸りましょうか?』
「ダメよ」
やめて、本当に。
建物はヨーロッパとかにある有名なオペラハウスの様だ。行ったことないけど。
高い天井に、隅々まで綺麗にされた廊下に、壁には花が飾ってある。等間隔に青のマントの騎士が並ぶ。通り過ぎる度に、着飾った人達がお辞儀をする。私にではない、サエキ様にだ。ビアンカとルージュが後ろを歩くが、騒ぎにならないのは、サエキ様のお陰だね。
本当にすごい人なんだね。
「もうすぐ、オークションの品が並べられたエリアですよ」
「はい」
言われるが、私はドレスの裾を踏みそうで怖い。転けたら私が恥をかく、いや、サエキ様が恥をかく。下を見ながら歩く。
「緊張していますか?」
「はい、転けそうです」
「ふふ、そうですか。おや? 珍しい」
ふいにサエキ様が止まる。
『ユイ、あの雄なのです』
『軍隊ダンジョンにいた、強い雄よ。もう2匹強いのがいるわ』
ビアンカとルージュの鼻先が示したのは、アクションしてそうなイケメン、フェリクスさんだ。今日は冒険者の鎧ではなくスーツだ。おお、スーツでも格好いい。それから、あら、オスヴァルトさん? あれ、オスヴァルトさん? なんかちょっと違うような。
「エドワルドではないですか。珍しい、こちらに帰って来ていたんですか」
「それはこちらのセリフですよ、ひいお祖父様」
はい?
オスヴァルトさんそっくりさんは、軽く会釈して、サエキ様と堂々と話し出す。
「やっと後添えを得ましたか。これで母も安心するでしょう」
「何を言ってるんですか貴方は。こちらはテイマーのミズサワ殿ですよ。噂くらい聞いてるでしょう?」
「誰でも構いませんよ。ひいお祖父様の後添えなら。いい歳なんですよ? 一人自宅で誰にも気づかれないまま冷たくなっていたなんて、洒落になりませんからね。母がどれだけ心配しているか」
「相変わらずの減らず口ですね。誰に似たんだか」
「ひいお祖父様にですよ。せめて住み込みのメイドかフットマンをいれてください」
誰やねん、このオスヴァルトさんによく似た人。会話からしてサエキ様のひ孫さんのようだけど。ビアンカとルージュがいるけど、動じる様子がない。
「ああ、失礼。ミズサワ殿。紹介しますね、彼はエドワルド・ウルガー」
オスヴァルトさんにそっくりさんが、会釈。ウルガーと言うことは。
「彼はオスヴァルトの弟で、私のひ孫になります」
兄弟か、よく似てるわ。て、ことは、オスヴァルトさんもサエキ様のひ孫さんだね。
『この雄、強いのです』
『そうね。かなり強いわ』
興味津々にエドワルドさんを見ている。やめて。
「初めまして、エドワルド・ウルガーと申します」
ビアンカとルージュに動じず、自己紹介してくれる。うん、挨拶の仕草がオスヴァルトさんと同じだ。
「ユイ・ミズサワです」
コルセットがきついけど、お辞儀。腹に、ばら肉に食い込む。フェリクスさんにもお辞儀。向こうもお辞儀。
「ところでエドワルド、貴方はどうしてオークションに?」
「高品質の盾が狙いです。パーティーメンバーがAランクになったはいいが、盾が限界でしてね」
エドワルドさんが1人の男性を紹介する。
がっちりとした男性だが、緊張している。ごわっとした髪を軽くみつあみにしているけど、不思議と似合う。そして、肩とかすごい筋肉だ。
「うちのタンクのツヴァイクです」
「ツヴァイクでございます、サエキ様」
「ダイチ・サエキです。うちのエドワルドがお世話になってます」
いえいえ、いえいえ。
「貴方も珍しいですね、フェリクス殿。Sランクの拝命以来ですかね」
「お久し振りです、サエキ様」
「フェリクス殿はミズサワ殿をご存じですか?」
「はい。スカイランで」
「騒ぎのあった時に助けてもらいました」
ちょっと、フェリクスさんとお話する。
「お久し振りです、フェリクスさん」
「お久し振りです、テイマーさん。まさかこんな所でお会いすることになるなんて」
いたずらっ子みたいな笑みを浮かべるフェリクスさん。
「今日は鎧じゃないんですね」
「このグーテオークションには武装は禁じられていますからね」
私のビアンカとルージュいますけど。
フェリクスさんによると、このグーテオークションを始めた発起人はなんとサエキ様。今は国に運営を任せているが、サエキ様が連れてくる人は基本的に特別待遇だと。
「今日はお一人なんですか?」
他のパーティーメンバーがいないようだけど。
「今日は付き合いで来たんです」
なんでもSランクになった時の保証人の伯爵のお付き合いだと。その人は、飾られている宝石の前に張り付いている。あれ、冷蔵庫ダンジョンから出たルビーじゃない?
「奥方への贈り物にしたいそうなんですが、一人で来る勇気がないから付いてきてくれと」
「大変ですね。あのフェリクスさん、あのエドワルドさんってご存じですか?」
「ああ、エドワルド・ウルガー殿ですね。彼はあのダイチ・サエキ様の血筋で、実質ユリアレーナ最強のSランクの冒険者ですよ」
「へー」
ひいお祖父様はユリアレーナのご意見番、ひ孫は赤騎士団准将と、ユリアレーナ最強のSランク冒険者。どんだけやねん。
「しかし、今日は見違えました」
しげしげとフェリクスさんが見る。
「借り物です。ばら肉が、ハムのようにコルセットで縛り上げられてます」
フェリクスさんが噴き出す。
「面白い人だ」
クスクス笑うフェリクスさん。本当にイケメンやね。
「そう言えば、改修された冷蔵庫ダンジョンを早々に踏破されたそうですね」
「ビアンカとルージュが優秀なので」
「是非、どんな戦闘をされているか、拝見したいですな」
「ウィークスさんみたいな事言うんですね」
「おや? ウィークスをご存じで?」
なんと、あのウィークスさんとフェリクスさんお知り合い。それどころか、パーティー組んでいたそうだ。え、確か、ウィークスさん結構な歳だったはず。え、フェリクスさん、おいくつ?
「どうしました?」
「ええっと、ウィークスさんとフェリクスさんの歳が合わないよう」
「私を幾つだと思います?」
「30半ば? 40行くか行かないか?」
見た感じ。
「もう90を越えてますよ」
「ワオ」
びっくり。
確か、神様も言っていたなあ、寿命に差があるって。
「私は竜人の血が混じっていましてね。その影響で少し長命なんです」
「へー」
竜人は魔族の一種だそうです。
「ミズサワ殿は、何を狙いに?」
「私も付き合いです」
「そうですか」
ちらり、とサエキ様を見る。
丁度お話が終わったようで、私は挨拶して、再びサエキ様に手を引かれて進む。
オークションにかけられる品の半数以上、冷蔵庫ダンジョンから出た物だ。
「何か興味があるものは?」
「いえ、特には。見たことある物ばかりで」
「そうでしょうね。今回はマーファからの出品がほぼですから」
やっぱり。
「さあ、ミズサワ殿、こちらに」
「はい」
転ばないように、サエキ様に手を引かれて歩いた。
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