349 / 867
連載
マーファの日常⑨
しおりを挟む
急ぎ足で冷蔵庫ダンジョンに向かう。
寒い中、いつもの警備の人達が転移の魔法陣がある小屋のドアを開けてくれる。人数が少ないのに、うん? みたいな顔されたけど。
どうも、と挨拶して、魔法陣に乗る。
『いい? 流すわよ』
ルージュがいつもより長めに魔力を流す。
ふわっ、と景色が変わる。
27階と28階を繋ぐ階段の踊り場だった。
「ルージュ、大丈夫? 少し休んで」
『これくらい平気よ』
私はルームを開ける。ボス部屋をルージュが開けるとフレアタートルがわじゃわじゃ出るから、ノワールに開けてもらおう。
花と三人娘が駆け寄って来た、よしよし。私はまず従魔の部屋を覗く。
「ビアンカ、元気は?」
『ずっと寝ているのです』
「吐いたりしとらん?」
『あれからないのですが、ずっと息がきつそうなのです』
「そう」
私はそっと元気を覗く。息が浅く、早いまま。首には冷却の付与をしたバンダナが巻いてある。
次にダイニングキッチンで作業していた母に声をかける。晃太が父のメモを見ながら、間違いないか確認している。
「どう?」
「うん、なんとかね」
母はせっせと作業しているので、あまり口を挟まない方がよかね。
ノワールを厩舎からホークさんが誘導している。
ルージュの水分補給を済ませる。
『ビアンカ、すぐにフレアタートルを倒してくるわ』
『…………頼むのですルージュ』
『ユイ、行けるわ』
「分かった」
ノワールを連れて、私とホークさんとエマちゃん、テオ君で階段を上がる。
「お願いね、ノワール」
「ブヒヒンッ」
本当にノワールは賢い。ノワールは扉の前に、そしてルージュは集中を始める。
『戦闘モード 光の貴婦人(リュミライトレディ)』
私達は後退。ルージュに任せるしかない。
光のラインを浮かび上がらせて、ノワールが前足で開けた扉の向こうに飛び込んでいく。
ちゅどどどどどんっ
ちゅどどどどどんっ
ドカーンッ
相変わらず凄か。
音がやみ、ルージュが顔を出す。
『終わったわ』
「お疲れ様。お願いします」
私は控えていたホークさんに声をかける。ボス部屋に入り、真っ先にフレアタートルの肝を探す。確か、いつも大きな瓶に入っていたはず。あ、あったっ。
私は慎重に肝入りの瓶を抱える。
「ホークさん、私、先にルームに行きますからっ。残りを」
「はい」
ホークさんにはAサイズのマジックバッグを託してある。エマちゃんとテオ君が手分けしてドロップ品を回収してくれる。
私は踊り場で開けっ放しのルームに、ノワールを連れて入る。
「あ、ユイさん」
従魔の部屋の前で、ルリとクリスを宥めていたチュアンさんが顔をあげる。
私はまっすぐダイニングキッチンに。
「お母さん、肝よ」
「ああ、ありがとう。もう少しで出きるけん」
「お願いね。私達は冷蔵庫ダンジョンから出たら、リティアさんに捕まるとおもうけん」
「分かった。リティアさんには、お世話になっとるけんね。あ、ディレックスで内服用のゼリーを買ってきて」
「あ、分かった」
私は異世界への扉からディレックスに走り、子供用の内服用ゼリー、スポーツ飲料水のゼリーを購入。すぐに出て、母に渡す。
「チュアンさん、お願いします」
「はい」
すがってくる三人娘を、チュアンさんに託す。
私はルームの扉を閉めて、階段を上がる。
ドロップ品の回収は終わって、宝箱が出ていた。ルージュがすでにチェックしている。
「ユイさん、肝があと一つありましたが」
ホークさんが私にマジックバッグを渡してくる。
「引き取りましょう」
『ユイ、罠の解除したわよ』
「ありがとう」
さ、さっさと開けよう。中にはお馴染みのビロードの箱。確認の為に開けると、色々な宝石がずらりと並んでる。私はマジックバッグにビロードの箱ごと入れる。タージェルさんにみてもらおう。
脱出用魔法陣が出たので、直ぐに脱出。
ふわっ、と景色が変わる。
さ、帰ろう。元気が心配や。
だけど、案の定、白い息を吐き出しながらすっ飛んできたのは、やっぱりリティアさんだ。
「お帰りなさいませ、ミズサワ様っ」
「はいはい」
私はリティアさんに誘導されてギルドに。いつもはビアンカや晃太がいるのに、私がマジックバッグを持っていたため、ん? みたいな顔だったけど、すぐにスマイル。
私は倉庫でドロップ品を出す。
「すみませんリティアさん、私達、直ぐにお暇したいのですが。査定とかは後日取りに伺っても?」
「? はい、構いませんが」
「後ですね、直ぐに上層階にじっくり行けそうになくて…………急ぎの依頼で困るような事はないですかね?」
リティアさんには、パーティーハウスや依頼の事でかなりお世話になっている。毎回大量のドロップ品をチェックして、依頼をピックアップしてくれている。近々行きますね、なんて行った手前申し訳ない。
「急ぎの依頼はございませんよ。ミズサワ様のご都合で問題ございませんから」
「ありがとうございます」
私はリティアさんに挨拶して、ギルドを後にした。
パーティーハウスに急いで戻り、ルームに直行。
花がわがままボディでローリング。三人娘もやって来た、よしよし。
軽くもふもふしてからダイニングキッチンへ。
母がコーヒーのフィルターに鍋の中身を濾している。
「出来た?」
「出来たよ、一応此れ全部で3日分やね」
すごい、この短時間で。恐らく母も経験値が私と晃太のレベルアップに伴い、魔力保有量が増えたから、この短時間で生活魔法を駆使して出来ただけ。そして母の右の耳介には、晃太のイヤーカフ型の魔法補助のマジックアイテムがはまっている。
フィルターから濾された緑色の液体は、微妙な甘い匂いがする。一回分の緑色の液体を別のカップに。約50ml。なんとか飲ませんと。吐き気が誘発されなきゃよかけど。冷えた子供用内服ゼリーを持ち、従魔の部屋に。
しっかりと元気を抱き抱えたビアンカが顔を上げる。
『ユイ、それで元気が助かるのですか?』
「まだ分からんけど、今の精一杯や。何もしないで元気の体力だけで、乗り越えるのを待つか。これにかけて、熱を下げて、少しでも水分や栄養を取らせて体力の消耗を減らすかよ。どうするね?」
『…………それで元気が楽になるなら、任せるのです』
「もし、途中で吐き気が出たら、時間をおくね」
『分かったのです』
よし、母親の許可あり。
ふぅふぅと息をする元気。私は晃太に指示して、元気の頭を抱えてもらう。ゆっくり抱えたが、衝撃で元気がうっすら目を開ける。
「元気、少し口に入れるよ」
私はゼリーと混ぜた薬をスプーンで掬って、舌にのせる。でも、飲まずにドロリと溢れる。ああ、やっぱり無理かな。だけど、溢れ落ちた後に、元気はぺろりと舌を動かした
チャンスやっ。
私は素早くスプーンを舌にのせて、少しこぼれたけど、元気は飲み込んでくれた。
ぺろり、ぺろり。
だいぶ溢れたけど、全く飲まないよりましや。初回分がなくなった。それから吐かないかしばらく観察。良かった吐かないや。父のメモによると、時間は6時間開けて1日2回。
「ふう、飲んだな」
晃太がほっとして、元気の頭を戻す。
「第一段階やな」
私は息をつく。元気を身体はまだ熱い。まだまだ予断が許せん。
それから、母は更に薬の作成。晃太が手伝い、鷹の目の皆さんはブラッシングをやってくれる。父も帰って来て、元気の鑑定。
「まだ、発熱しとるな。40.3℃」
「そうな」
熱性けいれんとかにならなきゃいいけど。さっき薬をのんだばっかりやしなあ。
私達は交代で元気の側に付き添う。ビアンカは元気から離れようとせず、水も飲まない。
「ビアンカ、水くらいのみ」
『平気なのです。2、3日飲まなくても平気なのです』
「ビアンカが倒れそうやん」
『ビアンカ、私が元気を抱えるから何か食べた方がいいわ』
ルージュにも言われて、しぶしぶビアンカは元気から離れる。ルージュがそっと元気を抱えるようにして寄り添う。
やっと従魔の部屋から出てきたビアンカに、ルリとクリスがぴったり張り付く。
『かぁか~』
『かーか~』
『しばらく我慢してなのです』
ビアンカがルリとクリスをペロペロしている。いつもビアンカにぴったり張り付いていたルリとクリスは、寂しいんだね。
母が準備していた夕御飯を済ませると、すぐにルージュと変わる。
『みんな、今日はここで寝るわよ』
ルージュが、ルリとクリス、コハクとヒスイを従魔の部屋の外に呼ぶ。ルームの居間にあたる部屋だから、そこそこ広いから十分かな。コハクはいつも寝る前に一遊びする元気がおらず、かわりにミゲル君とテオ君が遊んでくれた。
いつもなら自室で休むけど、元気が心配だしね。少し目を覚ましたら、飲めそうならゼリーを元気の口に少しずつ運ぶ。母は薬の作成で疲れてしまい、パーティーハウスの寝室に、花と共に休んだが、やはり心配で、夜中に何度か従魔の部屋に様子を伺いに来た。父も仕事を抱えているので、書斎に籠る。鷹の目の皆さんも交代で、起きて待機してくれた。私と晃太は従魔の部屋に毛布を持ち込み交代で休み、一晩過ごした。
夜、ビアンカに抱えられた元気を見ていると、先代のミックス犬をどうしても思い出してしまう。こうやって、苦しそうに息をして、私達が付きっきりで看病した。様子を伺いに来ていた母が鼻を啜るのを見て、身に詰まされる。
悪い方に考えたくはないが、どうしても思い出してしまう。
もし、元気がこのまま助からなかったら、どうしよう? だけど、出来るだけのことをしている。そのはず。まだ、足りない気がするけど。
私は自分の負のスパイラルのような考えに、答えを見つけられず、一夜を明かした。
寒い中、いつもの警備の人達が転移の魔法陣がある小屋のドアを開けてくれる。人数が少ないのに、うん? みたいな顔されたけど。
どうも、と挨拶して、魔法陣に乗る。
『いい? 流すわよ』
ルージュがいつもより長めに魔力を流す。
ふわっ、と景色が変わる。
27階と28階を繋ぐ階段の踊り場だった。
「ルージュ、大丈夫? 少し休んで」
『これくらい平気よ』
私はルームを開ける。ボス部屋をルージュが開けるとフレアタートルがわじゃわじゃ出るから、ノワールに開けてもらおう。
花と三人娘が駆け寄って来た、よしよし。私はまず従魔の部屋を覗く。
「ビアンカ、元気は?」
『ずっと寝ているのです』
「吐いたりしとらん?」
『あれからないのですが、ずっと息がきつそうなのです』
「そう」
私はそっと元気を覗く。息が浅く、早いまま。首には冷却の付与をしたバンダナが巻いてある。
次にダイニングキッチンで作業していた母に声をかける。晃太が父のメモを見ながら、間違いないか確認している。
「どう?」
「うん、なんとかね」
母はせっせと作業しているので、あまり口を挟まない方がよかね。
ノワールを厩舎からホークさんが誘導している。
ルージュの水分補給を済ませる。
『ビアンカ、すぐにフレアタートルを倒してくるわ』
『…………頼むのですルージュ』
『ユイ、行けるわ』
「分かった」
ノワールを連れて、私とホークさんとエマちゃん、テオ君で階段を上がる。
「お願いね、ノワール」
「ブヒヒンッ」
本当にノワールは賢い。ノワールは扉の前に、そしてルージュは集中を始める。
『戦闘モード 光の貴婦人(リュミライトレディ)』
私達は後退。ルージュに任せるしかない。
光のラインを浮かび上がらせて、ノワールが前足で開けた扉の向こうに飛び込んでいく。
ちゅどどどどどんっ
ちゅどどどどどんっ
ドカーンッ
相変わらず凄か。
音がやみ、ルージュが顔を出す。
『終わったわ』
「お疲れ様。お願いします」
私は控えていたホークさんに声をかける。ボス部屋に入り、真っ先にフレアタートルの肝を探す。確か、いつも大きな瓶に入っていたはず。あ、あったっ。
私は慎重に肝入りの瓶を抱える。
「ホークさん、私、先にルームに行きますからっ。残りを」
「はい」
ホークさんにはAサイズのマジックバッグを託してある。エマちゃんとテオ君が手分けしてドロップ品を回収してくれる。
私は踊り場で開けっ放しのルームに、ノワールを連れて入る。
「あ、ユイさん」
従魔の部屋の前で、ルリとクリスを宥めていたチュアンさんが顔をあげる。
私はまっすぐダイニングキッチンに。
「お母さん、肝よ」
「ああ、ありがとう。もう少しで出きるけん」
「お願いね。私達は冷蔵庫ダンジョンから出たら、リティアさんに捕まるとおもうけん」
「分かった。リティアさんには、お世話になっとるけんね。あ、ディレックスで内服用のゼリーを買ってきて」
「あ、分かった」
私は異世界への扉からディレックスに走り、子供用の内服用ゼリー、スポーツ飲料水のゼリーを購入。すぐに出て、母に渡す。
「チュアンさん、お願いします」
「はい」
すがってくる三人娘を、チュアンさんに託す。
私はルームの扉を閉めて、階段を上がる。
ドロップ品の回収は終わって、宝箱が出ていた。ルージュがすでにチェックしている。
「ユイさん、肝があと一つありましたが」
ホークさんが私にマジックバッグを渡してくる。
「引き取りましょう」
『ユイ、罠の解除したわよ』
「ありがとう」
さ、さっさと開けよう。中にはお馴染みのビロードの箱。確認の為に開けると、色々な宝石がずらりと並んでる。私はマジックバッグにビロードの箱ごと入れる。タージェルさんにみてもらおう。
脱出用魔法陣が出たので、直ぐに脱出。
ふわっ、と景色が変わる。
さ、帰ろう。元気が心配や。
だけど、案の定、白い息を吐き出しながらすっ飛んできたのは、やっぱりリティアさんだ。
「お帰りなさいませ、ミズサワ様っ」
「はいはい」
私はリティアさんに誘導されてギルドに。いつもはビアンカや晃太がいるのに、私がマジックバッグを持っていたため、ん? みたいな顔だったけど、すぐにスマイル。
私は倉庫でドロップ品を出す。
「すみませんリティアさん、私達、直ぐにお暇したいのですが。査定とかは後日取りに伺っても?」
「? はい、構いませんが」
「後ですね、直ぐに上層階にじっくり行けそうになくて…………急ぎの依頼で困るような事はないですかね?」
リティアさんには、パーティーハウスや依頼の事でかなりお世話になっている。毎回大量のドロップ品をチェックして、依頼をピックアップしてくれている。近々行きますね、なんて行った手前申し訳ない。
「急ぎの依頼はございませんよ。ミズサワ様のご都合で問題ございませんから」
「ありがとうございます」
私はリティアさんに挨拶して、ギルドを後にした。
パーティーハウスに急いで戻り、ルームに直行。
花がわがままボディでローリング。三人娘もやって来た、よしよし。
軽くもふもふしてからダイニングキッチンへ。
母がコーヒーのフィルターに鍋の中身を濾している。
「出来た?」
「出来たよ、一応此れ全部で3日分やね」
すごい、この短時間で。恐らく母も経験値が私と晃太のレベルアップに伴い、魔力保有量が増えたから、この短時間で生活魔法を駆使して出来ただけ。そして母の右の耳介には、晃太のイヤーカフ型の魔法補助のマジックアイテムがはまっている。
フィルターから濾された緑色の液体は、微妙な甘い匂いがする。一回分の緑色の液体を別のカップに。約50ml。なんとか飲ませんと。吐き気が誘発されなきゃよかけど。冷えた子供用内服ゼリーを持ち、従魔の部屋に。
しっかりと元気を抱き抱えたビアンカが顔を上げる。
『ユイ、それで元気が助かるのですか?』
「まだ分からんけど、今の精一杯や。何もしないで元気の体力だけで、乗り越えるのを待つか。これにかけて、熱を下げて、少しでも水分や栄養を取らせて体力の消耗を減らすかよ。どうするね?」
『…………それで元気が楽になるなら、任せるのです』
「もし、途中で吐き気が出たら、時間をおくね」
『分かったのです』
よし、母親の許可あり。
ふぅふぅと息をする元気。私は晃太に指示して、元気の頭を抱えてもらう。ゆっくり抱えたが、衝撃で元気がうっすら目を開ける。
「元気、少し口に入れるよ」
私はゼリーと混ぜた薬をスプーンで掬って、舌にのせる。でも、飲まずにドロリと溢れる。ああ、やっぱり無理かな。だけど、溢れ落ちた後に、元気はぺろりと舌を動かした
チャンスやっ。
私は素早くスプーンを舌にのせて、少しこぼれたけど、元気は飲み込んでくれた。
ぺろり、ぺろり。
だいぶ溢れたけど、全く飲まないよりましや。初回分がなくなった。それから吐かないかしばらく観察。良かった吐かないや。父のメモによると、時間は6時間開けて1日2回。
「ふう、飲んだな」
晃太がほっとして、元気の頭を戻す。
「第一段階やな」
私は息をつく。元気を身体はまだ熱い。まだまだ予断が許せん。
それから、母は更に薬の作成。晃太が手伝い、鷹の目の皆さんはブラッシングをやってくれる。父も帰って来て、元気の鑑定。
「まだ、発熱しとるな。40.3℃」
「そうな」
熱性けいれんとかにならなきゃいいけど。さっき薬をのんだばっかりやしなあ。
私達は交代で元気の側に付き添う。ビアンカは元気から離れようとせず、水も飲まない。
「ビアンカ、水くらいのみ」
『平気なのです。2、3日飲まなくても平気なのです』
「ビアンカが倒れそうやん」
『ビアンカ、私が元気を抱えるから何か食べた方がいいわ』
ルージュにも言われて、しぶしぶビアンカは元気から離れる。ルージュがそっと元気を抱えるようにして寄り添う。
やっと従魔の部屋から出てきたビアンカに、ルリとクリスがぴったり張り付く。
『かぁか~』
『かーか~』
『しばらく我慢してなのです』
ビアンカがルリとクリスをペロペロしている。いつもビアンカにぴったり張り付いていたルリとクリスは、寂しいんだね。
母が準備していた夕御飯を済ませると、すぐにルージュと変わる。
『みんな、今日はここで寝るわよ』
ルージュが、ルリとクリス、コハクとヒスイを従魔の部屋の外に呼ぶ。ルームの居間にあたる部屋だから、そこそこ広いから十分かな。コハクはいつも寝る前に一遊びする元気がおらず、かわりにミゲル君とテオ君が遊んでくれた。
いつもなら自室で休むけど、元気が心配だしね。少し目を覚ましたら、飲めそうならゼリーを元気の口に少しずつ運ぶ。母は薬の作成で疲れてしまい、パーティーハウスの寝室に、花と共に休んだが、やはり心配で、夜中に何度か従魔の部屋に様子を伺いに来た。父も仕事を抱えているので、書斎に籠る。鷹の目の皆さんも交代で、起きて待機してくれた。私と晃太は従魔の部屋に毛布を持ち込み交代で休み、一晩過ごした。
夜、ビアンカに抱えられた元気を見ていると、先代のミックス犬をどうしても思い出してしまう。こうやって、苦しそうに息をして、私達が付きっきりで看病した。様子を伺いに来ていた母が鼻を啜るのを見て、身に詰まされる。
悪い方に考えたくはないが、どうしても思い出してしまう。
もし、元気がこのまま助からなかったら、どうしよう? だけど、出来るだけのことをしている。そのはず。まだ、足りない気がするけど。
私は自分の負のスパイラルのような考えに、答えを見つけられず、一夜を明かした。
2,937
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
【完結】留学先から戻って来た婚約者に存在を忘れられていました
山葵
恋愛
国王陛下の命により帝国に留学していた王太子に付いて行っていた婚約者のレイモンド様が帰国された。
王家主催で王太子達の帰国パーティーが執り行われる事が決まる。
レイモンド様の婚約者の私も勿論、従兄にエスコートされ出席させて頂きますわ。
3年ぶりに見るレイモンド様は、幼さもすっかり消え、美丈夫になっておりました。
将来の宰相の座も約束されており、婚約者の私も鼻高々ですわ!
「レイモンド様、お帰りなさいませ。留学中は、1度もお戻りにならず、便りも来ずで心配しておりましたのよ。元気そうで何よりで御座います」
ん?誰だっけ?みたいな顔をレイモンド様がされている?
婚約し顔を合わせでしか会っていませんけれど、まさか私を忘れているとかでは無いですよね!?
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ぼっちな幼女は異世界で愛し愛され幸せになりたい
珂里
ファンタジー
ある日、仲の良かった友達が突然いなくなってしまった。
本当に、急に、目の前から消えてしまった友達には、二度と会えなかった。
…………私も消えることができるかな。
私が消えても、きっと、誰も何とも思わない。
私は、邪魔な子だから。
私は、いらない子だから。
だからきっと、誰も悲しまない。
どこかに、私を必要としてくれる人がいないかな。
そんな人がいたら、絶対に側を離れないのに……。
異世界に迷い込んだ少女と、孤独な獣人の少年が徐々に心を通わせ成長していく物語。
☆「神隠し令嬢は騎士様と幸せになりたいんです」と同じ世界です。
彩菜が神隠しに遭う時に、公園で一緒に遊んでいた「ゆうちゃん」こと優香の、もう一つの神隠し物語です。
【完結】「神様、辞めました〜竜神の愛し子に冤罪を着せ投獄するような人間なんてもう知らない」
まほりろ
恋愛
王太子アビー・シュトースと聖女カーラ・ノルデン公爵令嬢の結婚式当日。二人が教会での誓いの儀式を終え、教会の扉を開け外に一歩踏み出したとき、国中の壁や窓に不吉な文字が浮かび上がった。
【本日付けで神を辞めることにした】
フラワーシャワーを巻き王太子と王太子妃の結婚を祝おうとしていた参列者は、突然現れた文字に驚きを隠せず固まっている。
国境に壁を築きモンスターの侵入を防ぎ、結界を張り国内にいるモンスターは弱体化させ、雨を降らせ大地を潤し、土地を豊かにし豊作をもたらし、人間の体を強化し、生活が便利になるように魔法の力を授けた、竜神ウィルペアトが消えた。
人々は三カ月前に冤罪を着せ、|罵詈雑言《ばりぞうごん》を浴びせ、石を投げつけ投獄した少女が、本物の【竜の愛し子】だと分かり|戦慄《せんりつ》した。
「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」
アルファポリスに先行投稿しています。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
2021/12/13、HOTランキング3位、12/14総合ランキング4位、恋愛3位に入りました! ありがとうございます!
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。