851 / 873
連載
騒がしい始まり⑦
更新が滞りすみません。
ノワールの引く馬車は、ボルデさん達に先導されてゆっくりすすむ。
天気がいいけど、あつかあ。
今日から数日は宿泊予定だ。おそらく父が技術指導を求められるし、マデリーンさんとミゲル君のご家族との面会をどうするかだ。
バトルジャンキー達は、早く『試練のダンジョン』に挑みたいみたいだけど、ダンジョン内も暑いから、しっかり情報を得てから準備しないとね。鷹の目も金の虎の皆さんも誰も挑んでないが、人から聞いた程度の情報は持っていたので、今まで準備はしていた。
『試練のダンジョン』は下層になると、転移の罠がある。床や壁のスイッチに触れたり、反応範囲に入ってしまうと別の場所に飛ばされてしまう。『試練のダンジョン』は下層は上級者向けになるので、転移の罠でいきなり一人になったりしたら大変なので、エマちゃんとテオ君達見習い達で臨時パーティを組んだりして出来るだけの事をしてきた。
『あら、私ならそんな罠、すぐに解除できるわ。心配しないで』
「わふんっ」
頼りになる発言をしてくれるのは、ルージュとアリス。
ダンジョンの罠は、宝箱同様に魔力によるもので解除できる。なので、非常にルージュとアリスの存在がありがたい。
『我なら罠ごと凍りつかせるのだっ、心配ないなのだっ』
「暴発しそうやからやめて」
アレスが不吉な事を言うので、やめて、と何度繰り返したことか。
ふいに、一匹の山羊、警備の方が騎乗している山羊ね、微妙に隊列からズレ始めている。お尻がぷりぷりとした山羊はそっぽを向いているが、騎乗主さんは修正しようと必死。どうしたんやろ?
『『じーっ』
あらあら、コハクとヒスイが熱い視線を向けてる。
「コハク、ヒスイ、そんなに見たら山羊さんが恥ずかしいみたいよ」
『『はーい』』
コハクとヒスイは素直に前を向くと、そっぽ向いていた山羊が、やっと騎乗主のいうことを聞いて、隊列に戻る。
「ユイさん、たぶん、恥ずかしい訳ではないかと」
そっとホークさんが呟いていた。
私一行は、警備の山羊部隊に囲まれているので、特にトラブルはなく進む。ドワーフの王様が治めているから、ドワーフ率が高いのは当然だけど、人族や獣人、エルフの方も自然といる。マデリーンさん、ミゲル君の話だと、首都の人口の半分がドワーフで、残りは人族、獣人、エルフが占める。ただ、魔族と呼ばれる人達はほとんどいないそうだ。
「わんわっ、おっきいっ、まーまっ、わんわ、おっきい」
なんて、かわいか声を上げているのは、ドワーフの小さな子供。まあ、まんまるでかわいか。お母さんらしき女性が抱っこして困った顔している。他の人達も、わあー、みたいな顔で私一行を見あげている。特に殿を務めるイシス達にはびっくりしたいだ。もちろんアレスやビアンカ、ルージュや仔達にも注目は集まっているけど。
私はそれに、安堵する。
ホークさん達が目立ってないからね。どうしても、イシスやアレス、ビアンカやルージュ達に視線がいくから、ホークさん達の存在まで気が回らないみたい。
良かった。変なトラブルに巻き込まれたくないしね。
ほっとしたら、少し街並みを眺める余裕が出てきた。
要塞都市と言っていたけど、街をぐるりと囲む壁は、これまで訪れた中で、最も高くそして分厚い。扉は二重構造で、どちらも鋼鉄の扉だった。
トンネルの様な壁の中を進むと、白い街並が広がる。
石の白さが目に入る街並みだ。
そう言うと、無意識な感じがするが、実際にはそうでない。道に沿って並ぶ店先には色とりどりの幕があり、人達がたくさん行き交っている。脇道からのぞくのは住宅街なんだろう。アパートみたいで、建物と建物には紐が張ってあり、洗濯物が干してあるのが、ちらりと見えると、一気に生活感が溢れてきた。
人達の服装は私達みたいな洋装もあるが、モンゴルとかネパールのような民族衣装を彷彿とさせる装いが気になった。ミゲル君のご実家は、洋装とこう言った民族衣装の両方を取り扱っている。両方取り扱うお店は、首都ではミゲル君のご実家だけだと。
首都は山の一部にめり込むような、違うね、山の一部を切り出してつくっていて、道はなだらかな坂になっている。人達の視線を集めながら、ノワールの馬車はゆっくり先導されて進む。騒ぎにならないのは、やはりボスザさん達が囲ってくれているから。ありがたい。
首都の中央に向かうにつれて、建物の趣が変わる。庶民感が溢れていたのが、ちょっと上品さが出てきた。建物の壁に彫刻も見られ、それに伴いカラフルだった旗や、幕は数が減り、あっても落ち着いた色合いに感じになっていく。
古い続く歴史的な街並みなんだろうけど、ゆっくり観光したいが、首都にはあまり長居しないつもりだ。
開けた場所に出た、広場みたいで、噴水や手入れされた花壇、屋台が出たりして、普段は賑やかなんだろう。私達の登場にあっけな顔している。お肉の焼けるいい匂いがするから、当然のようにアレスと元気が屋台に向かうが、ビアンカとアリスが止めてくれた。
『主よ、腹が減ったのだ~』
『ユイ、私もお腹減ったのです』
元気を鼻先で誘導していたビアンカが訴えてくる。
『私もよ。エビはないようだから、お肉ね』
『ねーちゃんっ、わいもお肉なっ』
『ヒスイもお肉がいいなあ』
ルージュと、コハク、ヒスイがきゅるん。くっ、かわいかね。
沸き上がる腹減ったコール。周囲は騒然となりかける。ま、デッカイウルフやジャガーが騒げば、当然かな。
「はいはい、到着報告終わったらご飯にするけん、静かにしとって」
私の一言で、一気に安堵の空気になる。
なんだー、お腹減ったんだー、みたいな感じの雰囲気になる。
広場を抜けると、ボスザさんが手綱を操り止まり、山羊から降りる。
「ミズサワ様、こちらが首都のギルドです」
と、示されたのは、教会を彷彿とさせる荘厳な建物だった。
ノワールの引く馬車は、ボルデさん達に先導されてゆっくりすすむ。
天気がいいけど、あつかあ。
今日から数日は宿泊予定だ。おそらく父が技術指導を求められるし、マデリーンさんとミゲル君のご家族との面会をどうするかだ。
バトルジャンキー達は、早く『試練のダンジョン』に挑みたいみたいだけど、ダンジョン内も暑いから、しっかり情報を得てから準備しないとね。鷹の目も金の虎の皆さんも誰も挑んでないが、人から聞いた程度の情報は持っていたので、今まで準備はしていた。
『試練のダンジョン』は下層になると、転移の罠がある。床や壁のスイッチに触れたり、反応範囲に入ってしまうと別の場所に飛ばされてしまう。『試練のダンジョン』は下層は上級者向けになるので、転移の罠でいきなり一人になったりしたら大変なので、エマちゃんとテオ君達見習い達で臨時パーティを組んだりして出来るだけの事をしてきた。
『あら、私ならそんな罠、すぐに解除できるわ。心配しないで』
「わふんっ」
頼りになる発言をしてくれるのは、ルージュとアリス。
ダンジョンの罠は、宝箱同様に魔力によるもので解除できる。なので、非常にルージュとアリスの存在がありがたい。
『我なら罠ごと凍りつかせるのだっ、心配ないなのだっ』
「暴発しそうやからやめて」
アレスが不吉な事を言うので、やめて、と何度繰り返したことか。
ふいに、一匹の山羊、警備の方が騎乗している山羊ね、微妙に隊列からズレ始めている。お尻がぷりぷりとした山羊はそっぽを向いているが、騎乗主さんは修正しようと必死。どうしたんやろ?
『『じーっ』
あらあら、コハクとヒスイが熱い視線を向けてる。
「コハク、ヒスイ、そんなに見たら山羊さんが恥ずかしいみたいよ」
『『はーい』』
コハクとヒスイは素直に前を向くと、そっぽ向いていた山羊が、やっと騎乗主のいうことを聞いて、隊列に戻る。
「ユイさん、たぶん、恥ずかしい訳ではないかと」
そっとホークさんが呟いていた。
私一行は、警備の山羊部隊に囲まれているので、特にトラブルはなく進む。ドワーフの王様が治めているから、ドワーフ率が高いのは当然だけど、人族や獣人、エルフの方も自然といる。マデリーンさん、ミゲル君の話だと、首都の人口の半分がドワーフで、残りは人族、獣人、エルフが占める。ただ、魔族と呼ばれる人達はほとんどいないそうだ。
「わんわっ、おっきいっ、まーまっ、わんわ、おっきい」
なんて、かわいか声を上げているのは、ドワーフの小さな子供。まあ、まんまるでかわいか。お母さんらしき女性が抱っこして困った顔している。他の人達も、わあー、みたいな顔で私一行を見あげている。特に殿を務めるイシス達にはびっくりしたいだ。もちろんアレスやビアンカ、ルージュや仔達にも注目は集まっているけど。
私はそれに、安堵する。
ホークさん達が目立ってないからね。どうしても、イシスやアレス、ビアンカやルージュ達に視線がいくから、ホークさん達の存在まで気が回らないみたい。
良かった。変なトラブルに巻き込まれたくないしね。
ほっとしたら、少し街並みを眺める余裕が出てきた。
要塞都市と言っていたけど、街をぐるりと囲む壁は、これまで訪れた中で、最も高くそして分厚い。扉は二重構造で、どちらも鋼鉄の扉だった。
トンネルの様な壁の中を進むと、白い街並が広がる。
石の白さが目に入る街並みだ。
そう言うと、無意識な感じがするが、実際にはそうでない。道に沿って並ぶ店先には色とりどりの幕があり、人達がたくさん行き交っている。脇道からのぞくのは住宅街なんだろう。アパートみたいで、建物と建物には紐が張ってあり、洗濯物が干してあるのが、ちらりと見えると、一気に生活感が溢れてきた。
人達の服装は私達みたいな洋装もあるが、モンゴルとかネパールのような民族衣装を彷彿とさせる装いが気になった。ミゲル君のご実家は、洋装とこう言った民族衣装の両方を取り扱っている。両方取り扱うお店は、首都ではミゲル君のご実家だけだと。
首都は山の一部にめり込むような、違うね、山の一部を切り出してつくっていて、道はなだらかな坂になっている。人達の視線を集めながら、ノワールの馬車はゆっくり先導されて進む。騒ぎにならないのは、やはりボスザさん達が囲ってくれているから。ありがたい。
首都の中央に向かうにつれて、建物の趣が変わる。庶民感が溢れていたのが、ちょっと上品さが出てきた。建物の壁に彫刻も見られ、それに伴いカラフルだった旗や、幕は数が減り、あっても落ち着いた色合いに感じになっていく。
古い続く歴史的な街並みなんだろうけど、ゆっくり観光したいが、首都にはあまり長居しないつもりだ。
開けた場所に出た、広場みたいで、噴水や手入れされた花壇、屋台が出たりして、普段は賑やかなんだろう。私達の登場にあっけな顔している。お肉の焼けるいい匂いがするから、当然のようにアレスと元気が屋台に向かうが、ビアンカとアリスが止めてくれた。
『主よ、腹が減ったのだ~』
『ユイ、私もお腹減ったのです』
元気を鼻先で誘導していたビアンカが訴えてくる。
『私もよ。エビはないようだから、お肉ね』
『ねーちゃんっ、わいもお肉なっ』
『ヒスイもお肉がいいなあ』
ルージュと、コハク、ヒスイがきゅるん。くっ、かわいかね。
沸き上がる腹減ったコール。周囲は騒然となりかける。ま、デッカイウルフやジャガーが騒げば、当然かな。
「はいはい、到着報告終わったらご飯にするけん、静かにしとって」
私の一言で、一気に安堵の空気になる。
なんだー、お腹減ったんだー、みたいな感じの雰囲気になる。
広場を抜けると、ボスザさんが手綱を操り止まり、山羊から降りる。
「ミズサワ様、こちらが首都のギルドです」
と、示されたのは、教会を彷彿とさせる荘厳な建物だった。
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!