ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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伯爵家での生活②

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 何で、食卓とか囲むんだろう?
 あれだけウィンティアに対して除け者にしたくせに。それに、出される食事をこの身体が受け付けるかが、心配だった。靄のかかった記憶の中で、まだ幼いウィンティアが泣いているようで、気になって仕方ない。
 食事に関しては、お金をもらう手筈にしたはずなのに。
 今日は私が帰って来たから、お帰りなさい的な食事なんだって。
 マルカさんも同席するから、大丈夫かな?
 仕方ない、時間だし、行くか。
 ナタリアに案内されて、食卓に向かう。
 ……………………貴族ー、本当に貴族ー。
 広い部屋に、長いテーブル、白いクロス、輝く銀食器、飾られたお花、シャンデリア。どこのホテルよ。あの四人がけのテーブルとは、訳が違う。
 呆気に取られていると、あのマナー違反女、キャサリンがやって来た。さっきとは違う薄い紫色のワンピース。スカート、ヒラヒラさせながら、やって来た。なんだろうわざとらしさが溢れてる。
 マルカさんがさりげなく前に立ってくれる。

「貴女、ウィンティアなんですってね」

 聞き方。そんな確認するような聞き方する? まだ、自分が一人娘とか言い出さない?

「さっきはごめんなさいねー、私、貴女が妹って、知らなくってぇ」

 ………………かちん、と来る言い方。
 知らない、で済ませるの? 失礼過ぎない?
 聞いていた、多分ウィンティアの為に椅子を引いた男性使用人が、ぽかん、としてるよ。

「でもぉ、貴女も悪いのよ、だって、妹だって言わなかったでしょう」

 ぷんぷん、見たいに言ってくる。
 なんで、わざわざ私から名乗らないといけないわけ?
 今日、コクーン修道院から帰って来るの、前から分かっていたはずよね?

「いいこと? 私はね、貴女と違ってローザ伯爵家に多大な貢献をしているの? 分かる?」

 ふわっ、と金糸の髪を軽く払う。手入れが行き届き輝いている。

「私はね、ローザ伯爵家の為に、セーレ商会をあちこちのお茶会でアピールしているのよ。今日だって、カルメン王国の伯爵夫人というお客様を掴まえて来たわけ。それに比べて貴女はどうなのっ」

 悦に入ってからの、責めるような口調、だけどぷりぷりと言う癪に触るような効果音がついてる。
 マルカさんの背中から、言い様のない気配が溢れる。

「どこかの田舎で呑気に暮らしてにいたんですってね。今までローザ伯爵家に何の恩返しもしてないのにっ。それなのに、跡取りである私にあんな事言ってっ。いいこと、役に立ってない貴女に、ここでは何の権利はないんですからねっ」

「キャサリンッ」

 金切り声に近い悲鳴を上げてる。
 振り返ると、ひきつった顔の生物学上の父親と、青ざめた生物学上の母親がいた。
 人を指差すのはいけないだろうけど。今はいいよね。

「あれと同じテーブルなんて、嫌なんですけど」
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