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作戦⑥
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紙面上の婚約者が、私の姿にひきつってる。
前回から全然違うからね。しかもさっきまで着飾ったキャサリンの相手していたから、ギャップが激しいんだろうね。
私は無言でぺこり、してから椅子に座る。
紙面上の婚約者、レオナルド・キーファーも座る。よし、あの第二ボタンを見ながら、無言を貫こう。
ナタリアは部屋の外で待ってる。本来なら、私の側にいてもいいんだけど、ナタリアはまだローザ伯爵家の使用人の中では地位は低い。しかも騒ぎを起こした男の子供と言う色眼鏡でみられている。ただ、私が唯一触らせるメイドのために、嫌がらせはない。
「あの、ウィンティア嬢」
「紙面上の婚約者とお呼びください」
ぴしゃり、と返す。
ピクピクしている。
「あー、お怪我の具合は」
「お陰さまで」
ピクピク、ピクピク。
レオナルド・キーファーにもお付きの人がいる。なら、この人自身も爵位持ちだ。未成年やまだ学生ならお付きの人がいるが、社会人の場合は一人くる。勿論、婚約者と会う時は二人っきりはない。必ず誰か第三者が付く。ローザ伯爵家からは、メイド長がいる。あの感謝祭で、無理やりウィンティアの手を引き摺ったメイド長だ。社会人でお付きの人がいるなら、爵位があるって、ナタリア情報です。
お付きの人は男性で、こちらもすらっとしている。背筋が伸びて、姿勢がいい。執事って感じ。
紙面上の婚約者が色々質問してくるけど、短く返事。さっき、キャサリンとへらへらしていたくせに。
面会時間は一時間。だけど、向こうが三十分遅刻の設定だしね。
あっという間だ。
さ、最低限の礼儀としてお見送り。椅子から立ち上がる。
「ウィン…………」
「紙面上の婚約者」
「……………紙面上の婚約者殿、どうされましたか?」
「は? 時間ですから、お見送りの為に立ちました」
「はあ? まだ、三十分しかっ」
「そちらが遅刻してきたんでしょう」
私がすんっ、て顔とは対称的に、目を見開く紙面上の婚約者。そして、眉が羽上がるお付きの人。
「あちらが玄関ですよ」
さあ、お帰りください、と私がとっとと向かう。
こんなすぐにばれる嘘ついて、何がしたいんだろう。まあ、キャサリンとの時間を取りたかったんだろうね。
あー、出汁にされて、腹が立つ。ムカムカ。
「待ってくださいウィンティア、じゃない、紙面上の婚約者殿っ」
言い直してる。
「あなたの支度に時間がかかるとっ」
あ、そう言えば、ゲームでも赤い本でもそうだった。ウィンティアとレオナルドが婚約者としての面会は、キャサリンが使用人を先導して、あっちこっちに嘘ついて、時間を奪った。途中からそんなことしなくても、レオナルドはキャサリンとの時間を捻出した。
結構忙しいお仕事だし、義理とは言え婚約者のウィンティアと律儀に会っていたのを、変更させるの大変だった。これはゲームね。ゲーム。
しかし、この人まさか。
「バカじゃないですか? この格好に時間かかるわけがないでしょう」
簡素なよれよれワンピース、髪はナタリアによる三つ編みにしただけ。
それで、一瞬でわかったみたい。
だけど、それで私の腹の虫は治まらない。
「白々しい、何が誠実よ、そっちがその気なら受けて立ってやりますよっ。どうぞ、お気をつけてっ」
って言ってやりたいけど、我慢我慢。さっきのバカじゃないですか、も不味かった。思わず出たけど。まだ、ボロを出してもらわないといけないのに。
我慢我慢。
びきびきこめかみ鳴らして我慢我慢。
「どうぞ、お気をつけてっ。また、お待ちしてますっ」
ふんっ、と顔を背ける。
一応玄関まで出たし、お帰りの挨拶したら上出来よねっ。
私は背中を向けて、屋敷内に。
「お待ちくださいっ、ウィンティア嬢っ」
「紙面上の婚約者っ、どうぞ、お気をつけてっ」
隅で見守っていたナタリアが駆けつけてきた。紙面上の婚約者が何か言ってるけど、無視して部屋に戻った。
結局、義理でも一応紙面上の婚約者からは、花の一本もなかった。
しっかり、スケジュール帳にメモメモ。
前回から全然違うからね。しかもさっきまで着飾ったキャサリンの相手していたから、ギャップが激しいんだろうね。
私は無言でぺこり、してから椅子に座る。
紙面上の婚約者、レオナルド・キーファーも座る。よし、あの第二ボタンを見ながら、無言を貫こう。
ナタリアは部屋の外で待ってる。本来なら、私の側にいてもいいんだけど、ナタリアはまだローザ伯爵家の使用人の中では地位は低い。しかも騒ぎを起こした男の子供と言う色眼鏡でみられている。ただ、私が唯一触らせるメイドのために、嫌がらせはない。
「あの、ウィンティア嬢」
「紙面上の婚約者とお呼びください」
ぴしゃり、と返す。
ピクピクしている。
「あー、お怪我の具合は」
「お陰さまで」
ピクピク、ピクピク。
レオナルド・キーファーにもお付きの人がいる。なら、この人自身も爵位持ちだ。未成年やまだ学生ならお付きの人がいるが、社会人の場合は一人くる。勿論、婚約者と会う時は二人っきりはない。必ず誰か第三者が付く。ローザ伯爵家からは、メイド長がいる。あの感謝祭で、無理やりウィンティアの手を引き摺ったメイド長だ。社会人でお付きの人がいるなら、爵位があるって、ナタリア情報です。
お付きの人は男性で、こちらもすらっとしている。背筋が伸びて、姿勢がいい。執事って感じ。
紙面上の婚約者が色々質問してくるけど、短く返事。さっき、キャサリンとへらへらしていたくせに。
面会時間は一時間。だけど、向こうが三十分遅刻の設定だしね。
あっという間だ。
さ、最低限の礼儀としてお見送り。椅子から立ち上がる。
「ウィン…………」
「紙面上の婚約者」
「……………紙面上の婚約者殿、どうされましたか?」
「は? 時間ですから、お見送りの為に立ちました」
「はあ? まだ、三十分しかっ」
「そちらが遅刻してきたんでしょう」
私がすんっ、て顔とは対称的に、目を見開く紙面上の婚約者。そして、眉が羽上がるお付きの人。
「あちらが玄関ですよ」
さあ、お帰りください、と私がとっとと向かう。
こんなすぐにばれる嘘ついて、何がしたいんだろう。まあ、キャサリンとの時間を取りたかったんだろうね。
あー、出汁にされて、腹が立つ。ムカムカ。
「待ってくださいウィンティア、じゃない、紙面上の婚約者殿っ」
言い直してる。
「あなたの支度に時間がかかるとっ」
あ、そう言えば、ゲームでも赤い本でもそうだった。ウィンティアとレオナルドが婚約者としての面会は、キャサリンが使用人を先導して、あっちこっちに嘘ついて、時間を奪った。途中からそんなことしなくても、レオナルドはキャサリンとの時間を捻出した。
結構忙しいお仕事だし、義理とは言え婚約者のウィンティアと律儀に会っていたのを、変更させるの大変だった。これはゲームね。ゲーム。
しかし、この人まさか。
「バカじゃないですか? この格好に時間かかるわけがないでしょう」
簡素なよれよれワンピース、髪はナタリアによる三つ編みにしただけ。
それで、一瞬でわかったみたい。
だけど、それで私の腹の虫は治まらない。
「白々しい、何が誠実よ、そっちがその気なら受けて立ってやりますよっ。どうぞ、お気をつけてっ」
って言ってやりたいけど、我慢我慢。さっきのバカじゃないですか、も不味かった。思わず出たけど。まだ、ボロを出してもらわないといけないのに。
我慢我慢。
びきびきこめかみ鳴らして我慢我慢。
「どうぞ、お気をつけてっ。また、お待ちしてますっ」
ふんっ、と顔を背ける。
一応玄関まで出たし、お帰りの挨拶したら上出来よねっ。
私は背中を向けて、屋敷内に。
「お待ちくださいっ、ウィンティア嬢っ」
「紙面上の婚約者っ、どうぞ、お気をつけてっ」
隅で見守っていたナタリアが駆けつけてきた。紙面上の婚約者が何か言ってるけど、無視して部屋に戻った。
結局、義理でも一応紙面上の婚約者からは、花の一本もなかった。
しっかり、スケジュール帳にメモメモ。
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