101 / 338
邪魔⑧
しおりを挟む
また、レオナルド・キーファーから手紙が来た。
もう諦めたらいいのに。
そんなに、ティーナ夫人が残した権利が欲しいんだね。ウーヴァ公爵から言われたからだろうけど。
読むつもりはないから、机の下の引き出しに。
だけど、このローザ伯爵家からのお知らせを無視出来ない。
再び、ウーヴァ公爵家にご招待されてしまった。
うちうちのお茶会ね。
今度は生物学上の母親が直接迎え来るってさ。ふーん。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
行きたくないが、それまでに私はある場所を訪れた。新聞社だ。あの試験勉強をした図書館で、キリーク・サーデクの事を調べたが、僅かな事しか分からなかった。小さな記事だし、よく書かれてなかった。ただ、一社だけ、彼の人柄に触れる記事があった。私はその記者を訪ねたが、もうとっくに終わった事だけど、気になる事件であったと言われた。取材ノートはあるが、全く他人の私には、見せられないって。
ナタリアに、どう説明しよう。
ただ、その記者は準備が整えば、情報は提供するって約束してくれた。その準備がなあ、私じゃ到底無理なんだよなあ。うーん、うーん、うーん。悩む。
で、解決策のないまま、ウーヴァ公爵家に行く当日を迎える。朝の作業後、ステラ様に挨拶だけして準備する。
外出の手続きをして寮を出る。あの軟膏を塗ってくれた寮母さんは数日前に転倒して、代わりの寮母さんだ。
ため息付きながら、迎えの馬車に。ちゃんとナタリアと生物学上の母親がいた。
「ウィンティアお嬢様っ」
手を振るナタリアの姿を見て、ほっとする。私は安心して馬車に。
「ウィンティア、キズはどうなの?」
生物学上の母親が聞いてくる。
形式上聞いてくるだけよね?
「問題ありません」
形式上答える。流れは変わってきているが、あのキャサリンに甘過ぎる対応を継続している。信用できない。
ナタリアとだけなら、わいわいおしゃべりできるけど、私は沈黙したままでローザ伯爵家に。
すぐに支度する。
白いワンピースに帽子のセットね。首に髪がかからないように、緩くお団子にしてくれた。リボンで飾る。
で、キャサリンは?
「旦那様がめんどくさいからって、ショッピングとカフェに行かせています」
めんどくさいって。
手に余ってるって訳ね。
私は荷物をチェック。ナタリアチェックが済んだポシェットに入れ換える。
よし、いいかな。
生物学上の両親と執事で馬車に。修理されたローザ伯爵家の馬車ね。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、到着しちゃったー。
しぶしぶ馬車を降りる。
……………………………すっごいお庭。
わあ、色とりどりの花が咲き、綺麗に剪定されている。奥には東屋がある。素敵なお庭。雑誌とかに載りそうな素晴らしさ。
「ローザ伯爵家の皆様、ようこそ我がウーヴァ公爵家に」
あ、あの声。
ウーヴァ女公爵当主自らお出迎えだ。
生物学上の両親が挨拶している。
「ウィンティア嬢」
あ、来た。ここはご挨拶ね。とりあえずご挨拶ね。
「お招きありがとうございます」
来たくはなかったけど。
ウーヴァ女公爵は私を見下ろす。
「レオナルドは急な仕事が入り少し遅れます。それまでこたならにどうぞ」
ふーん。
王子様を守る護衛騎士だもんね。それは仕方ないんだろうね。
お仕事だもん、仕方ない、仕方ないのだけど、一時間、二時間、三時間経っても、レオナルド・キーファーは帰って来なかった。
もう諦めたらいいのに。
そんなに、ティーナ夫人が残した権利が欲しいんだね。ウーヴァ公爵から言われたからだろうけど。
読むつもりはないから、机の下の引き出しに。
だけど、このローザ伯爵家からのお知らせを無視出来ない。
再び、ウーヴァ公爵家にご招待されてしまった。
うちうちのお茶会ね。
今度は生物学上の母親が直接迎え来るってさ。ふーん。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
行きたくないが、それまでに私はある場所を訪れた。新聞社だ。あの試験勉強をした図書館で、キリーク・サーデクの事を調べたが、僅かな事しか分からなかった。小さな記事だし、よく書かれてなかった。ただ、一社だけ、彼の人柄に触れる記事があった。私はその記者を訪ねたが、もうとっくに終わった事だけど、気になる事件であったと言われた。取材ノートはあるが、全く他人の私には、見せられないって。
ナタリアに、どう説明しよう。
ただ、その記者は準備が整えば、情報は提供するって約束してくれた。その準備がなあ、私じゃ到底無理なんだよなあ。うーん、うーん、うーん。悩む。
で、解決策のないまま、ウーヴァ公爵家に行く当日を迎える。朝の作業後、ステラ様に挨拶だけして準備する。
外出の手続きをして寮を出る。あの軟膏を塗ってくれた寮母さんは数日前に転倒して、代わりの寮母さんだ。
ため息付きながら、迎えの馬車に。ちゃんとナタリアと生物学上の母親がいた。
「ウィンティアお嬢様っ」
手を振るナタリアの姿を見て、ほっとする。私は安心して馬車に。
「ウィンティア、キズはどうなの?」
生物学上の母親が聞いてくる。
形式上聞いてくるだけよね?
「問題ありません」
形式上答える。流れは変わってきているが、あのキャサリンに甘過ぎる対応を継続している。信用できない。
ナタリアとだけなら、わいわいおしゃべりできるけど、私は沈黙したままでローザ伯爵家に。
すぐに支度する。
白いワンピースに帽子のセットね。首に髪がかからないように、緩くお団子にしてくれた。リボンで飾る。
で、キャサリンは?
「旦那様がめんどくさいからって、ショッピングとカフェに行かせています」
めんどくさいって。
手に余ってるって訳ね。
私は荷物をチェック。ナタリアチェックが済んだポシェットに入れ換える。
よし、いいかな。
生物学上の両親と執事で馬車に。修理されたローザ伯爵家の馬車ね。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、行きたくないー。
あー、到着しちゃったー。
しぶしぶ馬車を降りる。
……………………………すっごいお庭。
わあ、色とりどりの花が咲き、綺麗に剪定されている。奥には東屋がある。素敵なお庭。雑誌とかに載りそうな素晴らしさ。
「ローザ伯爵家の皆様、ようこそ我がウーヴァ公爵家に」
あ、あの声。
ウーヴァ女公爵当主自らお出迎えだ。
生物学上の両親が挨拶している。
「ウィンティア嬢」
あ、来た。ここはご挨拶ね。とりあえずご挨拶ね。
「お招きありがとうございます」
来たくはなかったけど。
ウーヴァ女公爵は私を見下ろす。
「レオナルドは急な仕事が入り少し遅れます。それまでこたならにどうぞ」
ふーん。
王子様を守る護衛騎士だもんね。それは仕方ないんだろうね。
お仕事だもん、仕方ない、仕方ないのだけど、一時間、二時間、三時間経っても、レオナルド・キーファーは帰って来なかった。
応援ありがとうございます!
20
お気に入りに追加
508
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる