ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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邪魔⑧

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 また、レオナルド・キーファーから手紙が来た。
 もう諦めたらいいのに。
 そんなに、ティーナ夫人が残した権利が欲しいんだね。ウーヴァ公爵から言われたからだろうけど。
 読むつもりはないから、机の下の引き出しに。
 だけど、このローザ伯爵家からのお知らせを無視出来ない。
 再び、ウーヴァ公爵家にご招待されてしまった。
 うちうちのお茶会ね。
 今度は生物学上の母親が直接迎え来るってさ。ふーん。
 あー、行きたくないー。
 あー、行きたくないー。
 あー、行きたくないー。
 行きたくないが、それまでに私はある場所を訪れた。新聞社だ。あの試験勉強をした図書館で、キリーク・サーデクの事を調べたが、僅かな事しか分からなかった。小さな記事だし、よく書かれてなかった。ただ、一社だけ、彼の人柄に触れる記事があった。私はその記者を訪ねたが、もうとっくに終わった事だけど、気になる事件であったと言われた。取材ノートはあるが、全く他人の私には、見せられないって。
 ナタリアに、どう説明しよう。
 ただ、その記者は準備が整えば、情報は提供するって約束してくれた。その準備がなあ、私じゃ到底無理なんだよなあ。うーん、うーん、うーん。悩む。
 で、解決策のないまま、ウーヴァ公爵家に行く当日を迎える。朝の作業後、ステラ様に挨拶だけして準備する。
 外出の手続きをして寮を出る。あの軟膏を塗ってくれた寮母さんは数日前に転倒して、代わりの寮母さんだ。
 ため息付きながら、迎えの馬車に。ちゃんとナタリアと生物学上の母親がいた。

「ウィンティアお嬢様っ」

 手を振るナタリアの姿を見て、ほっとする。私は安心して馬車に。

「ウィンティア、キズはどうなの?」

 生物学上の母親が聞いてくる。
 形式上聞いてくるだけよね?

「問題ありません」

 形式上答える。流れは変わってきているが、あのキャサリンに甘過ぎる対応を継続している。信用できない。
 ナタリアとだけなら、わいわいおしゃべりできるけど、私は沈黙したままでローザ伯爵家に。
 すぐに支度する。
 白いワンピースに帽子のセットね。首に髪がかからないように、緩くお団子にしてくれた。リボンで飾る。
 で、キャサリンは?

「旦那様がめんどくさいからって、ショッピングとカフェに行かせています」

 めんどくさいって。
 手に余ってるって訳ね。
 私は荷物をチェック。ナタリアチェックが済んだポシェットに入れ換える。
 よし、いいかな。
 生物学上の両親と執事で馬車に。修理されたローザ伯爵家の馬車ね。
 あー、行きたくないー。
 あー、行きたくないー。
 あー、行きたくないー。
 あー、到着しちゃったー。
 しぶしぶ馬車を降りる。
 ……………………………すっごいお庭。
 わあ、色とりどりの花が咲き、綺麗に剪定されている。奥には東屋がある。素敵なお庭。雑誌とかに載りそうな素晴らしさ。

「ローザ伯爵家の皆様、ようこそ我がウーヴァ公爵家に」

 あ、あの声。
 ウーヴァ女公爵当主自らお出迎えだ。
 生物学上の両親が挨拶している。

「ウィンティア嬢」

 あ、来た。ここはご挨拶ね。とりあえずご挨拶ね。

「お招きありがとうございます」

 来たくはなかったけど。
 ウーヴァ女公爵は私を見下ろす。

「レオナルドは急な仕事が入り少し遅れます。それまでこたならにどうぞ」

 ふーん。
 王子様を守る護衛騎士だもんね。それは仕方ないんだろうね。
 お仕事だもん、仕方ない、仕方ないのだけど、一時間、二時間、三時間経っても、レオナルド・キーファーは帰って来なかった。
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