ミルクティーな君へ。ひねくれ薄幸少女が幸せになるためには?

鐘ケ江 しのぶ

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夏休み②

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「それではお嬢様、私はこれで」

「ありがとうナタリア」

 名残惜しいが、時間が来てしまった。

「手紙の返事は次回になるね」

「はい、お嬢様」

 ナタリアを見送る。次は四日後だ。
 それから私は監査の終わった手紙を読む。
 まずはアンネ達のだ。クラスメートからの手紙は三通。アンネとリーナ嬢、ロッティさんだ。準特進で王都にいるのは、半数もいない。皆地方の実家に帰っている。
 内容は私の無事を安心したこと、身体は大丈夫かと心配する内容だ。読みながら涙腺が。アンネは、私と会うのを会える日を心待ちにしてるって。
 お返事書こう。
 マクガレル先生とダグラス先生の手紙は連名で来てる。私の安否がわかって安堵してるって。今回の件、申し訳ないって。うーん、先生のせいじゃないんだけどなあ。特にダグラス先生は毎日捜索に当たってくれてたのは、アサーヴ殿下から聞いてるし。
 お返事書こう。
 ローザ伯爵からの手紙は、ざっと読む。最後が大事ね、必要なものはナタリアに、だって。
 必要なもの。筆記用具かな。
 最後は、レオナルド・キーファーの、と。
 几帳面な字。
 だいたい一緒ね。安否とか、申し訳ないとかね。
 あー、お返事書かないとねえ。今回ばっかりはね。
 便箋と封筒はテヘロン大使館のものを頂いて、返事を書いた。

「やあ、ウィンティア嬢。面白い食べ物を開発したって?」

 夕食時、アサーヴ殿下とスティーシュルラ様がやってきた。本日スティーシュルラ様と、テヘロン王国と交易している大きな商会が開いたお茶会に出席していた。
 夏から秋にかけて社交界シーズン。
 かなり大規模なお茶会だったみたいで、結構遅い時間になってる。

「開発って、そんな大袈裟な」

 テヘロン王国の料理は、香辛料を使った独特な料理。インドっていうか、スリランカっていうか、そんな感じなんだよね。ぶっちゃけカレーっぽいのだけど、久しぶりのカレーっぽいのに、私は全くの抵抗はなく食べてた。
 それが逆にテヘロン大使館の皆さんには、びっくりらしい。テヘロン料理は、ルルディ王国ではあまり馴染みがない。ほとんど洋食みたいな感じだからね。なので、出されたものをペロッと食べる私に、驚かれてしまった。
 なんで、そんなに食べれるのかって聞かれたけど。

『スティーシュルラ様モ、タベテマスカラ』

 って答えた。
 だって、うまく説明出来なかった、テヘロン語で詳しく説明出来なかったしね。
 更にテヘロン大使館の皆さんの甘やかしが加速した。
 つまり、私が言った言葉は、スティーシュルラ様が食べてるから安心って事で、テヘロン王国の料理はそれと同じくらい信じてますって意味ね。
 で、何か食べたいのはないですかって聞かれた。
 ならば、と。
 私はテヘロン大使館の主食のナンなんだけど、ちょっと固いし、分厚いんだよね。日本で食べた記憶のあるナンに比べてね。
 そうしたら、作ってくれました。ちょっと薄くて、柔らかナンを。
 お昼にね。
 そのナンで豆と鶏肉の煮込み、新鮮な野菜をくるっと巻いて食べてなのに、再びびっくりされたのはお昼ね。
 アサーヴ殿下が言ってるのはそれね。
 単なるラップサンドなのに。
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