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新学期に向けて⑪
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くるくる巻き髪のディミア嬢のお姉さんね。
聞いたときは確かにお気の毒だと思った。
「ペルク侯爵がカタリナ様を事故死として受け入れたのは、先代シルヴァスタ国王が無償で台風被害にあったペルク侯爵に、食糧と復興に必要な人員や資材わ、提供していたの。あれがなければ、ペルク侯爵も領地もあんなに早く復興しなかったわ。それに、病床に伏していた当時の王妃ビビアン殿下が、わざわざペルク領まで謝罪に向かったの。その誠意をペルク侯爵は涙と共に飲み込んだわけ」
そうだったんだ。
「カタリナ様の件は世間には事故死として伝えられたけど、当然箝口令が敷かれたわ。まあ、分かる者は察したはずよ。その後一斉にロナウド殿下の婚約者候補達が辞退、すぐさまレオンハルト殿下とリリーナ嬢との正式な婚約発表」
簡単な側室入りを発表されたモニカ妃殿下の生んだ第一王子が婚約者候補が事故死、その候補者が一斉に辞退。皆が王太子妃殿下と親しみ、公務をきちんとこなすエリザベス妃殿下がうんだ第二王子が正式な婚約発表。
生まれた順番がどうとかの問題ではないと、勘ずくかな。
「ただね、モニカ妃殿下には、先代シルヴァスタ国王がバックに着いているから、半信半疑で判断がつかない者が多かったわ」
はあ、とアンジェリカ様はため息。
「モニカ妃殿下は見目麗しい方よ。それに政治手腕の優れた父親、そして王族ですら崩落させた魔性の母親の血を引いて、あちこちで己の見方を作ったわけ。その回る口先と見た目で、判断が出来なかったもの達を派閥に入れたわけ」
「まるでキャサリンみたいですね」
「あんなのと比較してはダメよ。貴女のお姉さんが子猫に思えるほどよ。ま、今回のレオンハルト殿下の留学で、全ての決着はつくわ。先日レオンハルト殿下の暗殺の可能性については、現在のシルヴァスタ国王も把握してくれて、助力してくれる事になったの」
それはシルヴァスタ王国とルルディ王国の国民感情を配慮して、だ。
先代シルヴァスタ国王は、投資や株、不動産で得た利益をあちこちに提供している。実際にペルク侯爵もそれで復興が早かったしね。両国の国民は、とても優しい王様と言う認識が強い。だから、先代シルヴァスタ国王を切り離し、モニカ妃殿下だけをたたく為の下準備をしてくれているし、警備も万全にしてくれている。詳しい内容は秘密、だって。
「ロナウド殿下にも表舞台から退場してもらうわ」
と、アンジェリカ様の説明は続く。
もともとロナウド殿下にはカタリナ様の事がある前から、いずれは王家から出して一代限りの爵位をとオーガスト殿下は考えていたそうだ。
幼少期にそうもうくらい、ロナウド殿下の出来が悪かったみたい。
ある程度の年齢になれば、しっかりするかと思ったが、とにかく勉強嫌い。だからといって何か特出するものがあるか? なんてもない。ユミル学園の組分け試験も準特進にすら入れず。それを隠すためにロナウド殿下は一足先にシルヴァスタ国王の学園に留学したが、不登校らしい。
カタリナ様の件でも全然反省の色もないから、オーガスト殿下が即位したら、モニカ妃殿下と共に叩き出すみたい。モニカ妃殿下はいまでもロナウド殿下が王太子になると思い込んでいる。国内の公務出来るほど、そして外交をこなすだけの頭が必要なのに、それが備わってないロナウド殿下が王太子なんて無理なのを、分かってない。何度もモニカ妃殿下には説明しているが、まったく理解してなくて、最近、レオンハルト殿下に対しても「あれさえいなくなれば」と呟やいて、父親にも匂わせる連絡しているみたい。当然『影』が張り付いて把握している。ただし、匂わせるだけで、決定的ではない。モニカ妃殿下はくどいが、父親が素晴らしい手腕をもつ先代シルヴァスタ国王の溺愛する娘であるし、今でもルルディ王国以外にも、困った地域には必要な援助をしている人徳者と思われているからだ。
それをどうやって切り離し、叩くんだろう?
「それは秘密よ」
ですって。
聞いたときは確かにお気の毒だと思った。
「ペルク侯爵がカタリナ様を事故死として受け入れたのは、先代シルヴァスタ国王が無償で台風被害にあったペルク侯爵に、食糧と復興に必要な人員や資材わ、提供していたの。あれがなければ、ペルク侯爵も領地もあんなに早く復興しなかったわ。それに、病床に伏していた当時の王妃ビビアン殿下が、わざわざペルク領まで謝罪に向かったの。その誠意をペルク侯爵は涙と共に飲み込んだわけ」
そうだったんだ。
「カタリナ様の件は世間には事故死として伝えられたけど、当然箝口令が敷かれたわ。まあ、分かる者は察したはずよ。その後一斉にロナウド殿下の婚約者候補達が辞退、すぐさまレオンハルト殿下とリリーナ嬢との正式な婚約発表」
簡単な側室入りを発表されたモニカ妃殿下の生んだ第一王子が婚約者候補が事故死、その候補者が一斉に辞退。皆が王太子妃殿下と親しみ、公務をきちんとこなすエリザベス妃殿下がうんだ第二王子が正式な婚約発表。
生まれた順番がどうとかの問題ではないと、勘ずくかな。
「ただね、モニカ妃殿下には、先代シルヴァスタ国王がバックに着いているから、半信半疑で判断がつかない者が多かったわ」
はあ、とアンジェリカ様はため息。
「モニカ妃殿下は見目麗しい方よ。それに政治手腕の優れた父親、そして王族ですら崩落させた魔性の母親の血を引いて、あちこちで己の見方を作ったわけ。その回る口先と見た目で、判断が出来なかったもの達を派閥に入れたわけ」
「まるでキャサリンみたいですね」
「あんなのと比較してはダメよ。貴女のお姉さんが子猫に思えるほどよ。ま、今回のレオンハルト殿下の留学で、全ての決着はつくわ。先日レオンハルト殿下の暗殺の可能性については、現在のシルヴァスタ国王も把握してくれて、助力してくれる事になったの」
それはシルヴァスタ王国とルルディ王国の国民感情を配慮して、だ。
先代シルヴァスタ国王は、投資や株、不動産で得た利益をあちこちに提供している。実際にペルク侯爵もそれで復興が早かったしね。両国の国民は、とても優しい王様と言う認識が強い。だから、先代シルヴァスタ国王を切り離し、モニカ妃殿下だけをたたく為の下準備をしてくれているし、警備も万全にしてくれている。詳しい内容は秘密、だって。
「ロナウド殿下にも表舞台から退場してもらうわ」
と、アンジェリカ様の説明は続く。
もともとロナウド殿下にはカタリナ様の事がある前から、いずれは王家から出して一代限りの爵位をとオーガスト殿下は考えていたそうだ。
幼少期にそうもうくらい、ロナウド殿下の出来が悪かったみたい。
ある程度の年齢になれば、しっかりするかと思ったが、とにかく勉強嫌い。だからといって何か特出するものがあるか? なんてもない。ユミル学園の組分け試験も準特進にすら入れず。それを隠すためにロナウド殿下は一足先にシルヴァスタ国王の学園に留学したが、不登校らしい。
カタリナ様の件でも全然反省の色もないから、オーガスト殿下が即位したら、モニカ妃殿下と共に叩き出すみたい。モニカ妃殿下はいまでもロナウド殿下が王太子になると思い込んでいる。国内の公務出来るほど、そして外交をこなすだけの頭が必要なのに、それが備わってないロナウド殿下が王太子なんて無理なのを、分かってない。何度もモニカ妃殿下には説明しているが、まったく理解してなくて、最近、レオンハルト殿下に対しても「あれさえいなくなれば」と呟やいて、父親にも匂わせる連絡しているみたい。当然『影』が張り付いて把握している。ただし、匂わせるだけで、決定的ではない。モニカ妃殿下はくどいが、父親が素晴らしい手腕をもつ先代シルヴァスタ国王の溺愛する娘であるし、今でもルルディ王国以外にも、困った地域には必要な援助をしている人徳者と思われているからだ。
それをどうやって切り離し、叩くんだろう?
「それは秘密よ」
ですって。
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