193 / 338
舞台は整う④
しおりを挟む
「なら、どうしてモニカ妃殿下の好きにさせているんですか?」
憎んでいるなら、地下にでも監禁すればいいんじゃない?
「泳がせているのよ。モニカ妃殿下のバックには先代シルヴァスタ国王がついていたから。マラーナ夫人とモニカ妃殿下に関してだけは屑男だけど、政治手腕やビジネスマンとしては、私でも敵わないくらいだからね」
今、ちらっと失礼な言葉が。
「国王陛下はモニカ妃殿下を通じて、コオラ様から色々搾り取ってるの。もちろん他の諸外国への援助もね。特に陛下のお姉さまが嫁いだ、ナスーカ王国への」
ナスーカ王国ってのルルディ王国の南にある。
確か、国王陛下のお姉さまは、出産時に亡くなったって聞いた、赤ちゃんも助からなった。だけど、今でも友好的にやってる。さっき、アンジェリカ様から聞いた。
「そのコオラ様から、溺愛するモニカ妃殿下を切り離すのは至難の技よ。やっと現在のシルヴァスタ王家の得たの。切り離すには、過去のコオラ様の醜聞も晒さなくてはならないし。漸く王太后の腹が決まったの。あ、そうそう、お茶会ね。首都のパーティールームを使うのよ」
「パーティールーム?」
「……………ウィンティア嬢、パーティーやお茶会事情は?」
知るわけないじゃん。
「公爵閣下、ウィンティアにはまだそこまで教えていないのです。修道院から帰って来た後からユミル学園への試験で忙しくて」
言い訳のように生物学上の母親が。
「そうね。そうだったわね」
ふいに、セシリア・ウーヴァ女公爵が考える。
「レオナルドとのデートコースに加えましょう」
「あ、お母様、私のお店の懇親会がありますの。ウィンティアさん、レオナルドを引き連れて来なさい」
「え? 逆」
「何を言ってるの? レオナルド自身が、大型犬って言ってるのよ」
根に持ってるっ。
でも、なんでデートコースなのよ。
普通パーティーとかお茶会は自宅でしない?
「小規模、もしくは中規模なら自宅でするでしょうが、地方ならまだしも、首都ならではの問題があるの」
それは駐車場問題。
こちらの交通手段は馬車だ。なら、パーティーやお茶会参加中の馬車はどこに? って話になる。特に夜遅くまでやってるパーティーはどうなる? 街灯あっても薄暗い、夜道は危ない。個人的なパーティーなら、招待した側のお宅にお泊まりでもいいけど、規模がでかければそれも難しい。
その問題解決するのが、パーティールームや駐車場を備えたホテルが使われる。遠望から招待したお客様は泊まれるし、後片付けしなくてもいいし、駐車場の心配もないしね。
もちろんホテルなしのパーティールームもある。こちらはお昼間に行われるお茶会専用ね。モニカ妃殿下はこちらを使用するって。首都ではホテルなしのパーティールームとしては一番大きいそうだ。お金はもちろんモニカ妃殿下のパパだよ。アンジェリカ様が行う懇親会は、ホテル併設のパーティールームね。経営はウーヴァ公爵だって。
「社会勉強にもなるわ。参加なさい。アンジェリカ、いいわね?」
「お任せくださいお母様。ばっちり、印象つけますわ。そうだわ、私のドレス仕立て直しましょう」
話についていけない。
あれよあれよという間に話が進んだ。
憎んでいるなら、地下にでも監禁すればいいんじゃない?
「泳がせているのよ。モニカ妃殿下のバックには先代シルヴァスタ国王がついていたから。マラーナ夫人とモニカ妃殿下に関してだけは屑男だけど、政治手腕やビジネスマンとしては、私でも敵わないくらいだからね」
今、ちらっと失礼な言葉が。
「国王陛下はモニカ妃殿下を通じて、コオラ様から色々搾り取ってるの。もちろん他の諸外国への援助もね。特に陛下のお姉さまが嫁いだ、ナスーカ王国への」
ナスーカ王国ってのルルディ王国の南にある。
確か、国王陛下のお姉さまは、出産時に亡くなったって聞いた、赤ちゃんも助からなった。だけど、今でも友好的にやってる。さっき、アンジェリカ様から聞いた。
「そのコオラ様から、溺愛するモニカ妃殿下を切り離すのは至難の技よ。やっと現在のシルヴァスタ王家の得たの。切り離すには、過去のコオラ様の醜聞も晒さなくてはならないし。漸く王太后の腹が決まったの。あ、そうそう、お茶会ね。首都のパーティールームを使うのよ」
「パーティールーム?」
「……………ウィンティア嬢、パーティーやお茶会事情は?」
知るわけないじゃん。
「公爵閣下、ウィンティアにはまだそこまで教えていないのです。修道院から帰って来た後からユミル学園への試験で忙しくて」
言い訳のように生物学上の母親が。
「そうね。そうだったわね」
ふいに、セシリア・ウーヴァ女公爵が考える。
「レオナルドとのデートコースに加えましょう」
「あ、お母様、私のお店の懇親会がありますの。ウィンティアさん、レオナルドを引き連れて来なさい」
「え? 逆」
「何を言ってるの? レオナルド自身が、大型犬って言ってるのよ」
根に持ってるっ。
でも、なんでデートコースなのよ。
普通パーティーとかお茶会は自宅でしない?
「小規模、もしくは中規模なら自宅でするでしょうが、地方ならまだしも、首都ならではの問題があるの」
それは駐車場問題。
こちらの交通手段は馬車だ。なら、パーティーやお茶会参加中の馬車はどこに? って話になる。特に夜遅くまでやってるパーティーはどうなる? 街灯あっても薄暗い、夜道は危ない。個人的なパーティーなら、招待した側のお宅にお泊まりでもいいけど、規模がでかければそれも難しい。
その問題解決するのが、パーティールームや駐車場を備えたホテルが使われる。遠望から招待したお客様は泊まれるし、後片付けしなくてもいいし、駐車場の心配もないしね。
もちろんホテルなしのパーティールームもある。こちらはお昼間に行われるお茶会専用ね。モニカ妃殿下はこちらを使用するって。首都ではホテルなしのパーティールームとしては一番大きいそうだ。お金はもちろんモニカ妃殿下のパパだよ。アンジェリカ様が行う懇親会は、ホテル併設のパーティールームね。経営はウーヴァ公爵だって。
「社会勉強にもなるわ。参加なさい。アンジェリカ、いいわね?」
「お任せくださいお母様。ばっちり、印象つけますわ。そうだわ、私のドレス仕立て直しましょう」
話についていけない。
あれよあれよという間に話が進んだ。
113
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて
奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】
※ヒロインがアンハッピーエンドです。
痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。
爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。
執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。
だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。
ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。
広場を埋め尽くす、人。
ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。
この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。
そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。
わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。
国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。
今日は、二人の婚姻の日だったはず。
婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。
王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。
『ごめんなさい』
歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。
無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。
私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか
あーもんど
恋愛
聖女のオリアナが神に祈りを捧げている最中、ある女性が現れ、こう言う。
「貴方には、これから裁きを受けてもらうわ!」
突然の宣言に驚きつつも、オリアナはワケを聞く。
すると、出てくるのはただの言い掛かりに過ぎない言い分ばかり。
オリアナは何とか理解してもらおうとするものの、相手は聞く耳持たずで……?
最終的には「神のお告げよ!」とまで言われ、さすがのオリアナも反抗を決意!
「私を断罪するのが神のお告げですって?なら、本人を呼んでみましょうか」
さて、聖女オリアナを怒らせた彼らの末路は?
◆小説家になろう様でも掲載中◆
→短編形式で投稿したため、こちらなら一気に最後まで読めます
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる