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舞台は整う⑤
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それからアンジェリカ様の行動は早かった。
私はナタリアと共に別室に通され、仕事の早い公爵家の使用人達が準備した、アンジェリカ様のドレス達と対面。色とりどりのドレスを前に、目がチカチカする。
いいのかな、これまだ着れそうよ。どれも素敵だし。
「何着か仕立て直しましょう。レオナルドの色は青だから、公園デートはこれにしましょう」
「お嬢様なら、このピンク色もいいかもしれません。この切り返しのスカートが素敵です」
「今から暑いから、爽やかな緑もいいわね。透明感をアップするなら、このレースをこう当てるのはどうかしら?」
「アンジェリカ様、こちらのターコイズ色のリボンはいかがでしょうか? 差し色としては抜群かと」
「白もいいわね。ちょっと刺繍を加えて」
なんか増えてる。
あのガーデンパーティーの時の皆さんまでいつの間にか来て、わいわいガヤガヤ。ナタリアまで、あーでもないこーでもない。
私は、ぽつん、としていたが、新しいお菓子、かわいいマカロンをパクパク。
「ウィンティアさん、どうかしら?」
「もうお腹いっぱいです」
色々な意味でね。アンジェリカ様がふふふ、と笑う。楽しそう。
「何か希望はないの?」
「目がチカチカして、あ、今日セシリア公爵様がお召しのレースのワンピースが素敵でした。あんな感じのがいいです」
うん。とっても素敵なレースのワンピースだった。
アンジェリカ様は目を丸くする。
「まあ、ウィンティア嬢、センスがいいわね。あれはマダム・ガーヤがお母様の為に仕立てたものよ」
マダム・ガーヤ。
ルルディ王国ではトップのドレスデザイナーだ。
なかなか予約ができないデザイナーだって。
「え、そうなんですか? し、失礼しました。あ、そのナタリアが持ってる素敵なスカートのを」
「あら? 私が選んだ青はどうなの? きっと映えるわよ」
「私どもは、こちらの水色をお勧めします。濃い青ではなく、白いレースを追加すれば妖精となりましょう」
一斉にっ。だけど、ナタリア嬉しそう。
「え、え、どれも素敵です」
「では、この三着を仕立て直しね。青は急いでちょうだい。こちらのピンクは懇親会用ね。水色は、ちょっと手がかかるわね。妖精に仕立てちょうだい」
「「「はっ」」」
返事の仕方が軍隊みたい。
「後は小物ね。かわいいショルダーバッグと、帽子は?」
アンジェリカ様がナタリアに確認。私の衣装管理しているからね。
「ローザ伯爵家で用意された物がありますが、オーソドックスな白のポシェット、がま口タイプ水色ショルダーバッグがありますが、飾りはございません。帽子はお嬢様のご希望を聞いてからとなっていましたが、立て込んでまして」
私がテヘラン大使館で保護されていたから、帽子製作は進んでない。
と、言うか、私はあんまり帽子は被らないのだけど。おそらくアンジェリカ様が言うのは、お洒落アイテムみたいなやつね。アンジェリカ様に、それとなく言うと、わざわざ日傘を頂くことに。みて、びっくり、すごくお洒落なレースの日傘。
「こ、これ、高いのでは?」
「いいのよ。私は二十本くらい持ってるから。これはね、私のお店に出しているデザイナーのものよ。ほら、ここに名前が刺繍されているでしょ。レオナルドとのデートの時に差して、さりげなく宣伝してね」
ぱちん、とアンジェリカ様がウィンクした。
私はナタリアと共に別室に通され、仕事の早い公爵家の使用人達が準備した、アンジェリカ様のドレス達と対面。色とりどりのドレスを前に、目がチカチカする。
いいのかな、これまだ着れそうよ。どれも素敵だし。
「何着か仕立て直しましょう。レオナルドの色は青だから、公園デートはこれにしましょう」
「お嬢様なら、このピンク色もいいかもしれません。この切り返しのスカートが素敵です」
「今から暑いから、爽やかな緑もいいわね。透明感をアップするなら、このレースをこう当てるのはどうかしら?」
「アンジェリカ様、こちらのターコイズ色のリボンはいかがでしょうか? 差し色としては抜群かと」
「白もいいわね。ちょっと刺繍を加えて」
なんか増えてる。
あのガーデンパーティーの時の皆さんまでいつの間にか来て、わいわいガヤガヤ。ナタリアまで、あーでもないこーでもない。
私は、ぽつん、としていたが、新しいお菓子、かわいいマカロンをパクパク。
「ウィンティアさん、どうかしら?」
「もうお腹いっぱいです」
色々な意味でね。アンジェリカ様がふふふ、と笑う。楽しそう。
「何か希望はないの?」
「目がチカチカして、あ、今日セシリア公爵様がお召しのレースのワンピースが素敵でした。あんな感じのがいいです」
うん。とっても素敵なレースのワンピースだった。
アンジェリカ様は目を丸くする。
「まあ、ウィンティア嬢、センスがいいわね。あれはマダム・ガーヤがお母様の為に仕立てたものよ」
マダム・ガーヤ。
ルルディ王国ではトップのドレスデザイナーだ。
なかなか予約ができないデザイナーだって。
「え、そうなんですか? し、失礼しました。あ、そのナタリアが持ってる素敵なスカートのを」
「あら? 私が選んだ青はどうなの? きっと映えるわよ」
「私どもは、こちらの水色をお勧めします。濃い青ではなく、白いレースを追加すれば妖精となりましょう」
一斉にっ。だけど、ナタリア嬉しそう。
「え、え、どれも素敵です」
「では、この三着を仕立て直しね。青は急いでちょうだい。こちらのピンクは懇親会用ね。水色は、ちょっと手がかかるわね。妖精に仕立てちょうだい」
「「「はっ」」」
返事の仕方が軍隊みたい。
「後は小物ね。かわいいショルダーバッグと、帽子は?」
アンジェリカ様がナタリアに確認。私の衣装管理しているからね。
「ローザ伯爵家で用意された物がありますが、オーソドックスな白のポシェット、がま口タイプ水色ショルダーバッグがありますが、飾りはございません。帽子はお嬢様のご希望を聞いてからとなっていましたが、立て込んでまして」
私がテヘラン大使館で保護されていたから、帽子製作は進んでない。
と、言うか、私はあんまり帽子は被らないのだけど。おそらくアンジェリカ様が言うのは、お洒落アイテムみたいなやつね。アンジェリカ様に、それとなく言うと、わざわざ日傘を頂くことに。みて、びっくり、すごくお洒落なレースの日傘。
「こ、これ、高いのでは?」
「いいのよ。私は二十本くらい持ってるから。これはね、私のお店に出しているデザイナーのものよ。ほら、ここに名前が刺繍されているでしょ。レオナルドとのデートの時に差して、さりげなく宣伝してね」
ぱちん、とアンジェリカ様がウィンクした。
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