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新たな展開①
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「ウィンティア嬢の支度を」
と、セシリア女公爵の指示で、私はベテランメイドさんに厨房から連れ出され、あっという間に支度される。襟元と袖を青色のリボンで飾られた水色のドレス。髪も青色のリボンで飾る。
嫌な予感はしたが、やっぱりこのままあのキラキラの皆さんの前に連行されるようだ。うわーん、いやだー、何かやらかしそうー。お、お腹が、気のせいか痛くなっってきたー。
「い、行かなきゃダメですかね?」
ダメ元でベテランメイドさんに聞くが、「何いってんのこの子?」みたいな顔された。
私は息を整える時間もなく、迎えに来たレオナルド・キーファーに引率されて、ウーヴァ公爵家の一番立派な客間に。
「失礼します。ウィンティア嬢をお連れしました」
か、帰りたい。お、お腹、痛い。
かすれる声で「失礼します」と呟いて、私は入室。
キッ、キラキラだあっ。
「ふふっ、そう固くならずに、今日は非公式の訪問。楽にしなさい」
レオナルド・キーファーに促され、私はご挨拶する。
ダンディなおじ様、オーガスト殿下が言うが、ガッチガチに緊張してきた。
隣で美しく微笑むのはエリザベス妃殿下、わあ、綺麗な方。多分、四十代後半なのに。そう思えない程美しい。眩しっ。
そして、茶髪の青年と金髪カチューシャ美少女。第二王子レオンハルト殿下とその婚約者リリーナ嬢。キラキラ。よく見たら、確かにレオンハルト殿下とレオナルド・キーファーは似ている。ただし、レオナルド・キーファーの方が背丈があるかな。
でもって、なんで、私の作ったカレーパン食べてるのよっ。王族でしょう、なんでカレーパン? もっといいお菓子あるじゃんっ。
うっ、お腹が痛い。
「これが噂のカレーパンか。薫りが抜群だな」
「思ったより香辛料がきつくないですわね」
「もう一個ありますか?」
「レオン様、これはウィンティア嬢がキーファー様と恩義を感じているウーヴァ公爵家の皆様に作られたものですよ」
わいわいガヤガヤ。
私はオーガスト殿下に言われて、レオナルド・キーファーに引率されて、小さくなってソファーに座る。
「さて、驚かせてしまったね。ウィンティア嬢。今日は少し君とエヴァエニエス嬢の未来について話をしたくてね」
私とリリーナ嬢の?
あっ、まさかっ。
思わず涼しい顔をしているセシリア女公爵を振り返る。
あ、そうか、ウーヴァ公爵家があの赤い本の存在を知っているなら、当然王族にもあるはず。『魅了』に関する事例集は、禁書扱いされて、申請しないと読めない。それも許可を通すのに結構な条件があるって聞いた。
この事例集を全巻揃えて持つのは、教会本部、国立図書館、ウーヴァ公爵、そして王家。
「一瞬とはいえエヴァエニエス嬢の名前が乗った以上、報せないわけないでしょう」
まあ、そうだわなあ。
リリーナ・エヴァエニエス嬢は、第二王子レオンハルト殿下の婚約者だ。つまり、いずれ国母になるようなお方が毒杯になるとなれば、王家、婚約者であるレオンハルト殿下に関連する可能性がある。なんせ、キャサリンの事例で、被害者として名前が上がったんだから。そして、キャサリン関連なら、狙うとしたらレオンハルト殿下のはずだしね。
ああ、お腹、痛い。
あ、れ? 世界が真っ白に。
と、セシリア女公爵の指示で、私はベテランメイドさんに厨房から連れ出され、あっという間に支度される。襟元と袖を青色のリボンで飾られた水色のドレス。髪も青色のリボンで飾る。
嫌な予感はしたが、やっぱりこのままあのキラキラの皆さんの前に連行されるようだ。うわーん、いやだー、何かやらかしそうー。お、お腹が、気のせいか痛くなっってきたー。
「い、行かなきゃダメですかね?」
ダメ元でベテランメイドさんに聞くが、「何いってんのこの子?」みたいな顔された。
私は息を整える時間もなく、迎えに来たレオナルド・キーファーに引率されて、ウーヴァ公爵家の一番立派な客間に。
「失礼します。ウィンティア嬢をお連れしました」
か、帰りたい。お、お腹、痛い。
かすれる声で「失礼します」と呟いて、私は入室。
キッ、キラキラだあっ。
「ふふっ、そう固くならずに、今日は非公式の訪問。楽にしなさい」
レオナルド・キーファーに促され、私はご挨拶する。
ダンディなおじ様、オーガスト殿下が言うが、ガッチガチに緊張してきた。
隣で美しく微笑むのはエリザベス妃殿下、わあ、綺麗な方。多分、四十代後半なのに。そう思えない程美しい。眩しっ。
そして、茶髪の青年と金髪カチューシャ美少女。第二王子レオンハルト殿下とその婚約者リリーナ嬢。キラキラ。よく見たら、確かにレオンハルト殿下とレオナルド・キーファーは似ている。ただし、レオナルド・キーファーの方が背丈があるかな。
でもって、なんで、私の作ったカレーパン食べてるのよっ。王族でしょう、なんでカレーパン? もっといいお菓子あるじゃんっ。
うっ、お腹が痛い。
「これが噂のカレーパンか。薫りが抜群だな」
「思ったより香辛料がきつくないですわね」
「もう一個ありますか?」
「レオン様、これはウィンティア嬢がキーファー様と恩義を感じているウーヴァ公爵家の皆様に作られたものですよ」
わいわいガヤガヤ。
私はオーガスト殿下に言われて、レオナルド・キーファーに引率されて、小さくなってソファーに座る。
「さて、驚かせてしまったね。ウィンティア嬢。今日は少し君とエヴァエニエス嬢の未来について話をしたくてね」
私とリリーナ嬢の?
あっ、まさかっ。
思わず涼しい顔をしているセシリア女公爵を振り返る。
あ、そうか、ウーヴァ公爵家があの赤い本の存在を知っているなら、当然王族にもあるはず。『魅了』に関する事例集は、禁書扱いされて、申請しないと読めない。それも許可を通すのに結構な条件があるって聞いた。
この事例集を全巻揃えて持つのは、教会本部、国立図書館、ウーヴァ公爵、そして王家。
「一瞬とはいえエヴァエニエス嬢の名前が乗った以上、報せないわけないでしょう」
まあ、そうだわなあ。
リリーナ・エヴァエニエス嬢は、第二王子レオンハルト殿下の婚約者だ。つまり、いずれ国母になるようなお方が毒杯になるとなれば、王家、婚約者であるレオンハルト殿下に関連する可能性がある。なんせ、キャサリンの事例で、被害者として名前が上がったんだから。そして、キャサリン関連なら、狙うとしたらレオンハルト殿下のはずだしね。
ああ、お腹、痛い。
あ、れ? 世界が真っ白に。
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