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第五章
つかの間の休息
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「と言うわけで今度は雷竜国へ行くことになった。アカネ、アイリス、アイズついて来てくれるか?」
俺は食堂で皆に会談の結果を伝えていた。
「ふぅ、今回は休みなしね、まぁいいわよ。私は構わないわ。」
「私も大丈夫だよ。雷竜国にも興味あるしね?」
「僕は雷竜国はひさしぶり。」
アカネ、アイリス、アイズも了承してくれた。
「雷竜国はいいところですわよ!皆さん満足していただけると思いますわ!」
エリスが自画自賛する。
「まぁ今回は戦いとかにはならないと思う。さすがに戦いが続いたしな。俺もちょっとうんざりしてる。」
「そうだといいけどね。ユージの行くところ戦いありだから。」
アカネが笑う。
「人を疫病神みたいに言わないでくれよ。これでも平和主義者なんだ。もともと人と付き合うのが苦手だしな。」
「それにしては戦いになると別人のように勇敢になるわね。」
「・・仕方なくだよ。」
「まぁまぁユージ君が平和主義者だってのはわかるよ?今までも自分から仕掛けたことはなかったしね。」
アイリスがフォローしてくれる。
「僕はユージがいくところならどこへでもついていく。戦いがあってもなくてもどっちでもいい。」
アイズは頼もしいな。
「雷竜国は平和な国ですわ。周辺国との関係も良好ですし・・。まぁ今回はユージ様がいくからどうなるかわかりませんけど。」
とエリスが微笑む。
俺ってそんなにトラブルメーカーかなぁ・・
「ま、まぁとにかく出発は十日後だ。それまでに皆準備をしておいれくれ。今回もヒポグリフを使うそうだ。」
「私はお断りですわ。自分で飛んでまいります。」
前回で懲りたのかエリスがそんなことを言う。
「まぁそれでも構わないんじゃないか?ただ、エリスは雷竜国の姫だから繋ぎになってもらわないと困る。遅れずについてきてくれないとな。」
「ヒポグリフなんかに負けませんわ!」
エリスが対抗心剝き出しで言う。まぁドラゴンの速度なら遅れることはないだろうけど。
「まぁ、今回の王都との面会はそんな感じだ。王様とも会えたしな。中々実りある会談だった。」
「そのシンゲンって王様はどういう方なの?」
アカネが興味深そうに聞く。
「うーん・・人格者って印象は受けたかな。何かに特別囚われることなく、バランスよく考えて行動されている感じだ。」
「ご老公に実権をずっと握られていて平気なのかしら。」
「まぁ信長様は五百年くらいそのやり方でやってきたしな。今さら不満なんてないんじゃないか?」
「そう・・ならいいんだけど。」
「ヴァレンティ家は王様と交流があるよ。私はお会いしたことはないけど、良く父上やお兄様が王宮に行っているわ。」
アイリスが言う。
そうか。信長様は一時間しか起きてられないからな。表向きの政治はシンゲン様が行っているんだろう。
「まぁヴァレンティ家は大貴族だしな。この国の中枢とも関係があって当然だな。」
「でも私が聞いた印象と違うなぁ。何かもっと激しいものを持っている印象をお父様からの話からは受けたけれど。」
「そうなのか?まぁ、俺は信長様と親しくさせてもらってるから今回は表面の顔しか見せてくれなかったのかもな。」
「王族は色んな顔を持ってるものですわ。政治向け、国民向け、家族向けなどに向ける顔が異なるのは当然ですわ。」
「エリスのお父さんもそうなのか?」
「私の父上はあまり差はないかもしれませんわね・・。戦いになると表情が一変するとは聞いていますけれど。」
「そりゃそうだよな。戦いでまでののほほんとしてたら兵を統率できない。」
「でもドラゴン同士の戦いでは個人戦が多くなりやすいものですから一人一人の武勇にとよるところが多いのですけれども。」
人間のような集団戦とは違うだろうな。ドラゴン一体の力も人間とは比べ物にならないだろうし、その上個体数が少なそうだ。
「そういえば、氷竜族でもそうだったけど、竜人族って繁殖能力が低いのか?」
「は・・繁殖能力?こんなところで何をおっしゃいますの?」
「ああ、悪い。ちょっと気になってたんだ。なんで竜人族は数が少ないんだろうって。」
「・・種族の違いはありますけど・・確かにそう簡単に子供ができるようにはなっておりませんわね・・。人間族とは違いますわ。それが経済力にも影響しているのかもしれませんが。最も竜人族は一人でも獲物を取ってきて自活できますから経済力は今までさほど必要とされてこなかったのですわ。これからは経済力が必要となってくると、良く父上はおっしゃっておりますけど。」
やっぱりそうなのか。確かに一人で山で猪や鹿を取ってきて生活できるならそんなに経済発展は必要ないよな。だが、状況はだんだん変わってきてるみたいだな。氷竜族の反乱を主導したヒューリックも経済発展を気にしていたし。
「アイズ、そういえばスキー場は順調なのか?」
「連日大混雑って手紙に書いてあった。ローム王国だけじゃなく、ホーリー聖教皇国とかからもお客さんきてるみたい。」
そうか。それは何よりだ。
「スキー場を増やしていかなきゃならないかもって書いてあった。」
「それは嬉しい悲鳴だね?」
アイリスが笑う。
「うん。おかげで氷竜国もお金が入ってくるようになった。ユージたちローム王国のみんなのおかげ。僕ここにきて良かった。」
アイズが珍しく嬉し気な表情をうかべている。
そうかスキー場は順調なのか。何よりだな。アイディアを出した俺としても嬉しい。
そういえばそろそろ領地を見に行かなくちゃいかないかもしれないな。クリスに任せてあるとはいえ、一応俺の領地だし。
「皆、雷竜国にいくまでの間に、ちょっとライン・ビーチに行ってみないか?少し領地を見ておきたいんだ。」
「あら、いいわね。どう変わってきたのか興味あるわ。」
「私も興味あるな・・。今は寒くなってきたから泳げないけどね?」
「僕もユージの街に興味ある。」
「あら、ユージ様のご領地ですの?私も興味ありますわ。」
「じゃあ、次の休みにでも行ってみよう。今回はアイズとエリスに運んでもらうか。二人ともお願いできるか?」
「大丈夫」
「大丈夫ですわ」
「ありがとう。ドラゴンの速度なら数十分で着くだろう。」
――――――――
Bクラスにて
「おいおい、今度は魔族の国で活躍したてってなぁ?まったくどこまで出世するんだお前は?」
早速耳の早いダースが話しかけてきた。
「いや、今回は何も出世してないよ。魔力を魔王様に分けてもらっただけだ。」
「魔王様はどういうかたでしたの?」
レインが興味深げに聞いてきた。
「うーん・・見た目は確かに魔王って感じだったけど、気づかいをしてくれる普通に良い方だったよ。」
「魔族との戦いか・・興味深いな。」
フレンダは相変わらず戦いに興味があるようだ。
「ああ、そういえば魔術の他にも呪いとか身体強化とか使う奴がいて大変だったんだ。ライム道場でもそういう技はあるのか?」
「身体強化の方法ならあるぞ?もっとも使いこなせるものは父上くらいだな。どうも気を全身に集めて強化する方法らしいが・・私も習得してはいない。」
「龍翔はその後どうだ?」
「真面目にやっているよ。ユージ君よりよっぽど門下生としてはまともだ。なにせ君は道場に来ない日が多いからな。」
痛いところを突かれてしまった。今日にでも顔を出すとするか。
「申し訳ない。何せあちこちに行ってるもんだから・・」
「ふふ、冗談だ。君の事情は知っているしな。」
フレンダが笑った。
――――――――
フレンダに言われたからと言うわけではないが、久々にライム道場に顔を出してみた。
「おうユージか。久しいのう?」
早速ゴートン先生に言われてしまった。
「はは・・今回は魔族の国で色々あったもんおですから・・」
「また土産話を持ってきたな!聞こう。」
俺は魔族の国であったことを先生に話した。
「ふむ・・呪いとはな・・聞いたことはあるがまた厄介なものを相手取ったものだのう。」
「おかげで一度死にました。」
「その話だが・・星の力、と言ったか?私も聞いたことがない。不思議なことがあるもんだな。」
「ユージ、それでお主が大幅に力が向上したというのは本当なのか?」
龍翔が興味を持ったようだ。
「ああ、コールの時間も三時間ほどまで伸びていたし、英雄の力を更に引き出せるようになった。元々の身体能力も増したみたいだ。」
「ほう。それは興味深いな。どうだ?久々にやってみるか?」
「うーん、まだこの力を使いこなせてはいないんだが、まぁ練習にもなるしな。やってみるか。龍翔なら怪我をさせる心配もないだろうし。」
「そんな心配はいらん。怪我しても我の責任だ。さぁ、かかってくるがいい。」
俺は龍翔と打ち合ってみた。
「む・・確かに以前とは比べ物にならぬほど、重いし速い。これは我でもさばききれんな。」
龍翔に言われると悪い気はしないな。
龍翔は俺の突きをかわすと、
「だが、これはどうだ?鉄山靠!」
体当たりをかましてきた。
俺は体当たりを手で受け止めていた。
「なんと・・鉄山靠を手で受け止めるとは・・本当に身体能力があがったようだな。」
「ああ、自分の体に力がみなぎっているのがわかる。最も魔族との戦いのときはもっとすごかったけど。」
「では・・どんどんいくぞ!裡門頂肘!」
俺は軽くバックステップでかわすと、龍翔のボディに正拳突きを入れた。
「ぐはっ!効くな・・これは手玉に取られそうだ。」
「よしよし。では次は私が試してやろう。」
ゴートン先生が相手になった。
「いくぞ・・瞬動!」
さすがに・・早い!しかし俺は先生のうごきを見切って攻撃をかわしていた。
「む・・やるな!次々に行くぞ!でやぁあ!」
先生から突き、蹴り膝蹴りなどが放たれる。
俺はそれをことごとく手で払い、受け止め、かわしていた。
「なんと・・大幅な実力向上というのは本当の様だな。私の技をここまでかわしたものはおらんぞ?」
「はは、自分でも不思議ですが、先生の動きが良く見えます。」
「よし、ではこれでどうだ身体強化の術!」
気が先生の体に凝縮されていく。
丁度パスカルが魔力を体に納めて身体強化に使った時の様だ。
「いくぞ!瞬動!」
!早い
俺は危うく先生のストレートを上にはじいていた。
「では。今度はこちらからまいります。はぁっ!」
俺はジャブから前蹴りを放つ。
「く・・早いな!」
先生は危うくジャブを体をねじってかわすと前蹴りを横にさばいていた。
「うーむ・・これは・・ユージは二段階も三段階も実力があがったようだな。」
「剣を持つと更に力が流れ込んできて力が増します。」
「うむ・・もうこの道場では相手になるのは私くらいしかいないかもしれんな。今後はユージの相手は私がつとめることにしよう。」
ゴートン先生は嬉しそうだ。
俺は一通り稽古を終えると寮に帰った。
自分でも驚きだ。あの龍翔やゴートン先生をあそこまで圧倒できるとは・・。
星の力っていったい何なんだろう?
そんなことを考えながら眠りについた。
――――――――
次の休みの日。
俺達は学園に集合していた。
「よし、じゃあアイズ、エリス、頼む。」
俺、アカネ、アイリスはそれぞれアイズ、エリスに乗り込むとライン・ビーチに向かった。
「楽しみにね。ライン・ビーチがどう変わっているか。」
アカネが言う。
「ああ、俺も楽しみにしているんだ。クリスがうまくやってくれていると思うんだけど。」
ものの十数分でライン・ビーチについた。
「おお、ユージ様、アカネ様!お待ちしておりましたぞ!」
官邸の前に降り立つと早速クリスが駆け出してきた。
「どうだ?ライン・ビーチの状況は?」
「はい、コルトン家、国からの支援金、他投資などが集まって一変しましたぞ。まずは荷物を置いてから街を案内いたしましょう。」
俺達は荷物をおくと早速街に繰り出してみた。
さびれた漁村風だったライン・ビーチの街が一変していた。
メインストリートには店が立ち並び、観光客らしき人でにぎわっている。
どうやら、俺の考え通りの街に近づいているようだな。
海に足を向けてみると砂浜が整備され、美しい白浜の海岸線が続いていた。
遠くに目を向けると海に潜ったりしていて遊んでいる人々の姿が見える。
「この通り、すっかりライン・ビーチも変わりました。観光客が落としていくお金で街の収益もうなぎ上りです。」
クリスがほくほく顔で言う。
「そうか、そりゃ何よりだ。」
「あとはより店を誘致することと、ビーチをより整備して海岸線を美しくしていきます。」
「うん。まだまだ改良点はありそうだ。また夜にでも話し合おう。」
俺達はいったん街に戻った。
ハンナ先輩の親父さんがやっているインディーズ・カフェ出張店が見えたのでそこで昼食を取ることにした。
「おお!ユージ君!」
ダムド父さんが忙し気に立ちまわっていた。
「調子はどうですか?」
「いやぁおかげで商売繁盛だよ!もう本店よりこっちの方が儲かるくらいだ!」
嬉しそうに答える。
「ロームの街の店の方は人手は大丈夫ですか?」
「ああ、そっちもコルトン家に居候になっていたときの料理人が来てくれてねぇ。僕が出していた料理よりうまいんじゃないかな!」
アハハと笑う。
「この分だとここに三号店を出すことになりそうだよ。嬉しい悲鳴だね!」
お店には五人ほどの従業員が忙しそうに立ち働いていた。
「なんか・・規模が本店より大きいですね。」
「ああ、コルトン家が出資してくれたからね。でもこの分だとすぐに回収できそうだよ。あ、それじゃ僕は仕事に戻るから!」
ダムド父さんは忙しそうに厨房に戻っていった。
「じゃあ、我々も何か食べますか。」
クリスが促す。
「そうね・・あ、シーフードがやっぱり充実してるわね!じゃあ、私このエビの料理を食べてみようかしら。」
アカネがいう。
「私は・・このヒラメのムニエルにしようかな。」
アイリスはそっちか。
「僕はお腹がふくらむならなんでもいい。量が多いのがいい。」
「アイズは色々食べてみたらいいんじゃないか?お金はあるんだし・・。」
「いや、もちろんここは私が持ちますよ。経費で落とせますので。」
クリスが慌てたように言う。
「そうか・・じゃあお言葉に甘えるか。」
「あら。このお刺身って美味しそうですわ。生でお魚を食べるんですのね。」
エリスが興味を持ったようだ。
「ああ、ロームはご老公の影響で色んなものがこの世界に入って来てますから。生ですが美味しいですよ?ショーユというものにつけて食べるんです。」
クリスが説明する。
「雷竜国では魚料理はありませんもの。ではこちらにしようかしら。」
俺達はそれぞれ新たなシーフードを楽しんだ。
こんな感じで発展していければいいな・・。
やはり自分の街だけあって感慨もひとしおだ。
俺は食堂で皆に会談の結果を伝えていた。
「ふぅ、今回は休みなしね、まぁいいわよ。私は構わないわ。」
「私も大丈夫だよ。雷竜国にも興味あるしね?」
「僕は雷竜国はひさしぶり。」
アカネ、アイリス、アイズも了承してくれた。
「雷竜国はいいところですわよ!皆さん満足していただけると思いますわ!」
エリスが自画自賛する。
「まぁ今回は戦いとかにはならないと思う。さすがに戦いが続いたしな。俺もちょっとうんざりしてる。」
「そうだといいけどね。ユージの行くところ戦いありだから。」
アカネが笑う。
「人を疫病神みたいに言わないでくれよ。これでも平和主義者なんだ。もともと人と付き合うのが苦手だしな。」
「それにしては戦いになると別人のように勇敢になるわね。」
「・・仕方なくだよ。」
「まぁまぁユージ君が平和主義者だってのはわかるよ?今までも自分から仕掛けたことはなかったしね。」
アイリスがフォローしてくれる。
「僕はユージがいくところならどこへでもついていく。戦いがあってもなくてもどっちでもいい。」
アイズは頼もしいな。
「雷竜国は平和な国ですわ。周辺国との関係も良好ですし・・。まぁ今回はユージ様がいくからどうなるかわかりませんけど。」
とエリスが微笑む。
俺ってそんなにトラブルメーカーかなぁ・・
「ま、まぁとにかく出発は十日後だ。それまでに皆準備をしておいれくれ。今回もヒポグリフを使うそうだ。」
「私はお断りですわ。自分で飛んでまいります。」
前回で懲りたのかエリスがそんなことを言う。
「まぁそれでも構わないんじゃないか?ただ、エリスは雷竜国の姫だから繋ぎになってもらわないと困る。遅れずについてきてくれないとな。」
「ヒポグリフなんかに負けませんわ!」
エリスが対抗心剝き出しで言う。まぁドラゴンの速度なら遅れることはないだろうけど。
「まぁ、今回の王都との面会はそんな感じだ。王様とも会えたしな。中々実りある会談だった。」
「そのシンゲンって王様はどういう方なの?」
アカネが興味深そうに聞く。
「うーん・・人格者って印象は受けたかな。何かに特別囚われることなく、バランスよく考えて行動されている感じだ。」
「ご老公に実権をずっと握られていて平気なのかしら。」
「まぁ信長様は五百年くらいそのやり方でやってきたしな。今さら不満なんてないんじゃないか?」
「そう・・ならいいんだけど。」
「ヴァレンティ家は王様と交流があるよ。私はお会いしたことはないけど、良く父上やお兄様が王宮に行っているわ。」
アイリスが言う。
そうか。信長様は一時間しか起きてられないからな。表向きの政治はシンゲン様が行っているんだろう。
「まぁヴァレンティ家は大貴族だしな。この国の中枢とも関係があって当然だな。」
「でも私が聞いた印象と違うなぁ。何かもっと激しいものを持っている印象をお父様からの話からは受けたけれど。」
「そうなのか?まぁ、俺は信長様と親しくさせてもらってるから今回は表面の顔しか見せてくれなかったのかもな。」
「王族は色んな顔を持ってるものですわ。政治向け、国民向け、家族向けなどに向ける顔が異なるのは当然ですわ。」
「エリスのお父さんもそうなのか?」
「私の父上はあまり差はないかもしれませんわね・・。戦いになると表情が一変するとは聞いていますけれど。」
「そりゃそうだよな。戦いでまでののほほんとしてたら兵を統率できない。」
「でもドラゴン同士の戦いでは個人戦が多くなりやすいものですから一人一人の武勇にとよるところが多いのですけれども。」
人間のような集団戦とは違うだろうな。ドラゴン一体の力も人間とは比べ物にならないだろうし、その上個体数が少なそうだ。
「そういえば、氷竜族でもそうだったけど、竜人族って繁殖能力が低いのか?」
「は・・繁殖能力?こんなところで何をおっしゃいますの?」
「ああ、悪い。ちょっと気になってたんだ。なんで竜人族は数が少ないんだろうって。」
「・・種族の違いはありますけど・・確かにそう簡単に子供ができるようにはなっておりませんわね・・。人間族とは違いますわ。それが経済力にも影響しているのかもしれませんが。最も竜人族は一人でも獲物を取ってきて自活できますから経済力は今までさほど必要とされてこなかったのですわ。これからは経済力が必要となってくると、良く父上はおっしゃっておりますけど。」
やっぱりそうなのか。確かに一人で山で猪や鹿を取ってきて生活できるならそんなに経済発展は必要ないよな。だが、状況はだんだん変わってきてるみたいだな。氷竜族の反乱を主導したヒューリックも経済発展を気にしていたし。
「アイズ、そういえばスキー場は順調なのか?」
「連日大混雑って手紙に書いてあった。ローム王国だけじゃなく、ホーリー聖教皇国とかからもお客さんきてるみたい。」
そうか。それは何よりだ。
「スキー場を増やしていかなきゃならないかもって書いてあった。」
「それは嬉しい悲鳴だね?」
アイリスが笑う。
「うん。おかげで氷竜国もお金が入ってくるようになった。ユージたちローム王国のみんなのおかげ。僕ここにきて良かった。」
アイズが珍しく嬉し気な表情をうかべている。
そうかスキー場は順調なのか。何よりだな。アイディアを出した俺としても嬉しい。
そういえばそろそろ領地を見に行かなくちゃいかないかもしれないな。クリスに任せてあるとはいえ、一応俺の領地だし。
「皆、雷竜国にいくまでの間に、ちょっとライン・ビーチに行ってみないか?少し領地を見ておきたいんだ。」
「あら、いいわね。どう変わってきたのか興味あるわ。」
「私も興味あるな・・。今は寒くなってきたから泳げないけどね?」
「僕もユージの街に興味ある。」
「あら、ユージ様のご領地ですの?私も興味ありますわ。」
「じゃあ、次の休みにでも行ってみよう。今回はアイズとエリスに運んでもらうか。二人ともお願いできるか?」
「大丈夫」
「大丈夫ですわ」
「ありがとう。ドラゴンの速度なら数十分で着くだろう。」
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Bクラスにて
「おいおい、今度は魔族の国で活躍したてってなぁ?まったくどこまで出世するんだお前は?」
早速耳の早いダースが話しかけてきた。
「いや、今回は何も出世してないよ。魔力を魔王様に分けてもらっただけだ。」
「魔王様はどういうかたでしたの?」
レインが興味深げに聞いてきた。
「うーん・・見た目は確かに魔王って感じだったけど、気づかいをしてくれる普通に良い方だったよ。」
「魔族との戦いか・・興味深いな。」
フレンダは相変わらず戦いに興味があるようだ。
「ああ、そういえば魔術の他にも呪いとか身体強化とか使う奴がいて大変だったんだ。ライム道場でもそういう技はあるのか?」
「身体強化の方法ならあるぞ?もっとも使いこなせるものは父上くらいだな。どうも気を全身に集めて強化する方法らしいが・・私も習得してはいない。」
「龍翔はその後どうだ?」
「真面目にやっているよ。ユージ君よりよっぽど門下生としてはまともだ。なにせ君は道場に来ない日が多いからな。」
痛いところを突かれてしまった。今日にでも顔を出すとするか。
「申し訳ない。何せあちこちに行ってるもんだから・・」
「ふふ、冗談だ。君の事情は知っているしな。」
フレンダが笑った。
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フレンダに言われたからと言うわけではないが、久々にライム道場に顔を出してみた。
「おうユージか。久しいのう?」
早速ゴートン先生に言われてしまった。
「はは・・今回は魔族の国で色々あったもんおですから・・」
「また土産話を持ってきたな!聞こう。」
俺は魔族の国であったことを先生に話した。
「ふむ・・呪いとはな・・聞いたことはあるがまた厄介なものを相手取ったものだのう。」
「おかげで一度死にました。」
「その話だが・・星の力、と言ったか?私も聞いたことがない。不思議なことがあるもんだな。」
「ユージ、それでお主が大幅に力が向上したというのは本当なのか?」
龍翔が興味を持ったようだ。
「ああ、コールの時間も三時間ほどまで伸びていたし、英雄の力を更に引き出せるようになった。元々の身体能力も増したみたいだ。」
「ほう。それは興味深いな。どうだ?久々にやってみるか?」
「うーん、まだこの力を使いこなせてはいないんだが、まぁ練習にもなるしな。やってみるか。龍翔なら怪我をさせる心配もないだろうし。」
「そんな心配はいらん。怪我しても我の責任だ。さぁ、かかってくるがいい。」
俺は龍翔と打ち合ってみた。
「む・・確かに以前とは比べ物にならぬほど、重いし速い。これは我でもさばききれんな。」
龍翔に言われると悪い気はしないな。
龍翔は俺の突きをかわすと、
「だが、これはどうだ?鉄山靠!」
体当たりをかましてきた。
俺は体当たりを手で受け止めていた。
「なんと・・鉄山靠を手で受け止めるとは・・本当に身体能力があがったようだな。」
「ああ、自分の体に力がみなぎっているのがわかる。最も魔族との戦いのときはもっとすごかったけど。」
「では・・どんどんいくぞ!裡門頂肘!」
俺は軽くバックステップでかわすと、龍翔のボディに正拳突きを入れた。
「ぐはっ!効くな・・これは手玉に取られそうだ。」
「よしよし。では次は私が試してやろう。」
ゴートン先生が相手になった。
「いくぞ・・瞬動!」
さすがに・・早い!しかし俺は先生のうごきを見切って攻撃をかわしていた。
「む・・やるな!次々に行くぞ!でやぁあ!」
先生から突き、蹴り膝蹴りなどが放たれる。
俺はそれをことごとく手で払い、受け止め、かわしていた。
「なんと・・大幅な実力向上というのは本当の様だな。私の技をここまでかわしたものはおらんぞ?」
「はは、自分でも不思議ですが、先生の動きが良く見えます。」
「よし、ではこれでどうだ身体強化の術!」
気が先生の体に凝縮されていく。
丁度パスカルが魔力を体に納めて身体強化に使った時の様だ。
「いくぞ!瞬動!」
!早い
俺は危うく先生のストレートを上にはじいていた。
「では。今度はこちらからまいります。はぁっ!」
俺はジャブから前蹴りを放つ。
「く・・早いな!」
先生は危うくジャブを体をねじってかわすと前蹴りを横にさばいていた。
「うーむ・・これは・・ユージは二段階も三段階も実力があがったようだな。」
「剣を持つと更に力が流れ込んできて力が増します。」
「うむ・・もうこの道場では相手になるのは私くらいしかいないかもしれんな。今後はユージの相手は私がつとめることにしよう。」
ゴートン先生は嬉しそうだ。
俺は一通り稽古を終えると寮に帰った。
自分でも驚きだ。あの龍翔やゴートン先生をあそこまで圧倒できるとは・・。
星の力っていったい何なんだろう?
そんなことを考えながら眠りについた。
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次の休みの日。
俺達は学園に集合していた。
「よし、じゃあアイズ、エリス、頼む。」
俺、アカネ、アイリスはそれぞれアイズ、エリスに乗り込むとライン・ビーチに向かった。
「楽しみにね。ライン・ビーチがどう変わっているか。」
アカネが言う。
「ああ、俺も楽しみにしているんだ。クリスがうまくやってくれていると思うんだけど。」
ものの十数分でライン・ビーチについた。
「おお、ユージ様、アカネ様!お待ちしておりましたぞ!」
官邸の前に降り立つと早速クリスが駆け出してきた。
「どうだ?ライン・ビーチの状況は?」
「はい、コルトン家、国からの支援金、他投資などが集まって一変しましたぞ。まずは荷物を置いてから街を案内いたしましょう。」
俺達は荷物をおくと早速街に繰り出してみた。
さびれた漁村風だったライン・ビーチの街が一変していた。
メインストリートには店が立ち並び、観光客らしき人でにぎわっている。
どうやら、俺の考え通りの街に近づいているようだな。
海に足を向けてみると砂浜が整備され、美しい白浜の海岸線が続いていた。
遠くに目を向けると海に潜ったりしていて遊んでいる人々の姿が見える。
「この通り、すっかりライン・ビーチも変わりました。観光客が落としていくお金で街の収益もうなぎ上りです。」
クリスがほくほく顔で言う。
「そうか、そりゃ何よりだ。」
「あとはより店を誘致することと、ビーチをより整備して海岸線を美しくしていきます。」
「うん。まだまだ改良点はありそうだ。また夜にでも話し合おう。」
俺達はいったん街に戻った。
ハンナ先輩の親父さんがやっているインディーズ・カフェ出張店が見えたのでそこで昼食を取ることにした。
「おお!ユージ君!」
ダムド父さんが忙し気に立ちまわっていた。
「調子はどうですか?」
「いやぁおかげで商売繁盛だよ!もう本店よりこっちの方が儲かるくらいだ!」
嬉しそうに答える。
「ロームの街の店の方は人手は大丈夫ですか?」
「ああ、そっちもコルトン家に居候になっていたときの料理人が来てくれてねぇ。僕が出していた料理よりうまいんじゃないかな!」
アハハと笑う。
「この分だとここに三号店を出すことになりそうだよ。嬉しい悲鳴だね!」
お店には五人ほどの従業員が忙しそうに立ち働いていた。
「なんか・・規模が本店より大きいですね。」
「ああ、コルトン家が出資してくれたからね。でもこの分だとすぐに回収できそうだよ。あ、それじゃ僕は仕事に戻るから!」
ダムド父さんは忙しそうに厨房に戻っていった。
「じゃあ、我々も何か食べますか。」
クリスが促す。
「そうね・・あ、シーフードがやっぱり充実してるわね!じゃあ、私このエビの料理を食べてみようかしら。」
アカネがいう。
「私は・・このヒラメのムニエルにしようかな。」
アイリスはそっちか。
「僕はお腹がふくらむならなんでもいい。量が多いのがいい。」
「アイズは色々食べてみたらいいんじゃないか?お金はあるんだし・・。」
「いや、もちろんここは私が持ちますよ。経費で落とせますので。」
クリスが慌てたように言う。
「そうか・・じゃあお言葉に甘えるか。」
「あら。このお刺身って美味しそうですわ。生でお魚を食べるんですのね。」
エリスが興味を持ったようだ。
「ああ、ロームはご老公の影響で色んなものがこの世界に入って来てますから。生ですが美味しいですよ?ショーユというものにつけて食べるんです。」
クリスが説明する。
「雷竜国では魚料理はありませんもの。ではこちらにしようかしら。」
俺達はそれぞれ新たなシーフードを楽しんだ。
こんな感じで発展していければいいな・・。
やはり自分の街だけあって感慨もひとしおだ。
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フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
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そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
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