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13.手に入れて溺れる※
しおりを挟む「もう主人じゃないから、いつでも見れる?」
「ええ、貴女の望む時にいつでも」
左胸に触れていた指をそっと滑らせ、ユージーンの逞しい身体をなぞる。弾力があり滑らかなその肌はしっとりと汗ばみ、呼吸をする度に上下している。
リリーシュはユージーンの長い髪をかき上げ耳にかけた。チリ、と赤いピアスが揺れる。
ユージーンはリリーシュに優しく口付けを落とすと身体を起こし、天井を仰いだ。額から流れる汗が首筋を伝い落ちてくる。息を深く吐き出しリリーシュの足を左右に大きく広げ、己の屹立を蜜の溢れる秘所にグッと押し付けた。
リリーシュが息を止め目を瞑るのを、ユージーンは身体を倒し顔中に口付けを降らせ宥める。
「リリーシュ、息を止めないで……痛むかもしれない」
そう言って、ユージーンはリリーシュの奥へとゆっくり己を埋め込んだ。
リリーシュは、突然の圧迫感に身体を硬くした。何かがメリメリと自分の身体を貫こうとしている。ガンガンと響くように身体が痛む。
先程までぐずぐずに蕩けるほど柔らかかったそこは、ユージーンを拒むように硬くなった。
だが、ユージーンには信じられないほどの快感を齎した。まだ全て入り切っていないと言うのに、リリーシュの中が熱くうねっているのを感じ、腰に射精感が走る。ユージーンは唇を引き結び、まだ駄目だと理性で抑え込んだ。
「……リリーシュ、大丈夫ですか」
身体を硬くし声すら上げないリリーシュの顔の横に両手を突き見下ろすと、ギュッと目を瞑り痛みを堪えている。
「痛みが、引くまで……、少し……このままでいましょう」
途切れ途切れに言うユージーンの言葉に、リリーシュは瞳を開いた。
額に汗を浮かべうっすらと眉根を寄せるその表情は、苦しんでいるようにも見える。だが、目許を赤らめ浅く呼吸をするユージーンの姿にリリーシュは身体の奥が熱く震えるのを感じた。
そのリリーシュの反応を敏感に拾ったユージーンが、ぐっと喉を鳴らせる。ぽたりと汗がリリーシュの口許に落ちてきた。
リリーシュはその汗を、舌を伸ばして舐め取った。
その時のリリーシュの表情を見たユージーンは、ゾクゾクと背筋が総毛立つのを感じた。
今すぐ奥を暴き激しく腰を振りたい衝動に駆られる。激しくして泣かせたい。何も分からなくなるほど、この女を狂わせたい。
(駄目だ、耐えろ)
初めては優しく甘やかすのだ。痛みなど感じないくらい、気持ち良くするのだと、決めていた。
獣のような情交などしない。自分は、獣ではない。
ユージーンは目を瞑り強くシーツを握り締めた。この欲望をやり過ごそうと、自分の中の獣を理性で抑え付ける。
力を込め微かに震えるユージーンに、リリーシュは手を伸ばした。ユージーンがビクッと身体を揺らし瞳を見開く。リリーシュの指がゆっくりと頬を撫で、耳元のピアスを揺らし、チリ、と小さな音を立てた。
リリーシュは滲む視界の向こうにある美しい顔に、ふわりと微笑んだ。
「……ユージーン。大丈夫だから」
その瞬間、ユージーンの視界が赤く染まった。
リリーシュの言葉を聞いた途端、ユージーンが一息にリリーシュの奥を暴いた。
仰け反りリリーシュの白い首が顕になると、大きく口を開きその首に歯を立てる。痛みなのか快感なのか、ユージーンにはリリーシュが上げる声の区別がつかない。柔らかく細いしなやかな脚を掴み、激しく腰を打ちつける。感じた事のない快感の波に飲まれ、ユージーンは自分を見失った。
「……っ、ユージーン……!」
霞む頭に己の名を呼ぶ声が響く。
その声はユージーンの頭に直接吹き込まれたように響き、意識が引き戻された。
「ユージーン……っ」
目を開けば、シーツに赤い髪を散らし眉根を寄せて耐えるように目を瞑る愛しい女の姿が。
「……り、」
この女に恋焦がれ、この時を何度夢に見てきただろうか。
自分のものにしたいと何度も思い、何度もその思いに蓋をしてきた。
自分の至宝、何者にも変え難い高潔な魂。
それを、自分は。
「……リリーシュ」
呼吸も乱れ、それでも掠れた声で名を呼ぶと、リリーシュはユージーンに顔を向け、はっと浅く息を吐き出した。
「……ユージーン、……名前を呼んで」
「……リリーシュ」
「うん」
「リリーシュ……、リリーシュ」
「うん」
ユージーンは、リリーシュに覆い被さると、柔らかく唇を食んだ。リリーシュも同じようにユージーンの唇をやわやわと食む。
リリーシュの中は熱く蕩け、ユージーンを柔らかく強く包み離さない。リリーシュの身体の痛みはいつの間にか取れ、身体の中にユージーンがいるのを感じた。
「ユージーン、好きよ……」
リリーシュの言葉にユージーンは泣きそうな笑顔を見せると、今度こそ優しく、リリーシュの感じる場所を探しながら熱く蕩けさせ、リリーシュの口から漏れる甘やかな声に溺れた。
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