【完結】計画的に出奔したら銀色の美しい従者が追ってきたお話

かほなみり

文字の大きさ
13 / 14

13.手に入れて溺れる※

しおりを挟む


「もう主人じゃないから、いつでも見れる?」
「ええ、貴女の望む時にいつでも」

 左胸に触れていた指をそっと滑らせ、ユージーンの逞しい身体をなぞる。弾力があり滑らかなその肌はしっとりと汗ばみ、呼吸をする度に上下している。
 リリーシュはユージーンの長い髪をかき上げ耳にかけた。チリ、と赤いピアスが揺れる。

 ユージーンはリリーシュに優しく口付けを落とすと身体を起こし、天井を仰いだ。額から流れる汗が首筋を伝い落ちてくる。息を深く吐き出しリリーシュの足を左右に大きく広げ、己の屹立を蜜の溢れる秘所にグッと押し付けた。
 リリーシュが息を止め目を瞑るのを、ユージーンは身体を倒し顔中に口付けを降らせ宥める。

「リリーシュ、息を止めないで……痛むかもしれない」

 そう言って、ユージーンはリリーシュの奥へとゆっくり己を埋め込んだ。

 リリーシュは、突然の圧迫感に身体を硬くした。何かがメリメリと自分の身体を貫こうとしている。ガンガンと響くように身体が痛む。

 先程までぐずぐずに蕩けるほど柔らかかったそこは、ユージーンを拒むように硬くなった。

 だが、ユージーンには信じられないほどの快感を齎した。まだ全て入り切っていないと言うのに、リリーシュの中が熱くうねっているのを感じ、腰に射精感が走る。ユージーンは唇を引き結び、まだ駄目だと理性で抑え込んだ。

「……リリーシュ、大丈夫ですか」

 身体を硬くし声すら上げないリリーシュの顔の横に両手を突き見下ろすと、ギュッと目を瞑り痛みを堪えている。

「痛みが、引くまで……、少し……このままでいましょう」

 途切れ途切れに言うユージーンの言葉に、リリーシュは瞳を開いた。
 額に汗を浮かべうっすらと眉根を寄せるその表情は、苦しんでいるようにも見える。だが、目許を赤らめ浅く呼吸をするユージーンの姿にリリーシュは身体の奥が熱く震えるのを感じた。
 そのリリーシュの反応を敏感に拾ったユージーンが、ぐっと喉を鳴らせる。ぽたりと汗がリリーシュの口許に落ちてきた。
 リリーシュはその汗を、舌を伸ばして舐め取った。

 その時のリリーシュの表情を見たユージーンは、ゾクゾクと背筋が総毛立つのを感じた。
 今すぐ奥を暴き激しく腰を振りたい衝動に駆られる。激しくして泣かせたい。何も分からなくなるほど、この女を狂わせたい。

 (駄目だ、耐えろ)

 初めては優しく甘やかすのだ。痛みなど感じないくらい、気持ち良くするのだと、決めていた。
 獣のような情交などしない。自分は、獣ではない。

 ユージーンは目を瞑り強くシーツを握り締めた。この欲望をやり過ごそうと、自分の中の獣を理性で抑え付ける。

 力を込め微かに震えるユージーンに、リリーシュは手を伸ばした。ユージーンがビクッと身体を揺らし瞳を見開く。リリーシュの指がゆっくりと頬を撫で、耳元のピアスを揺らし、チリ、と小さな音を立てた。
 リリーシュは滲む視界の向こうにある美しい顔に、ふわりと微笑んだ。

「……ユージーン。大丈夫だから」

 
 その瞬間、ユージーンの視界が赤く染まった。

 リリーシュの言葉を聞いた途端、ユージーンが一息にリリーシュの奥を暴いた。
 仰け反りリリーシュの白い首が顕になると、大きく口を開きその首に歯を立てる。痛みなのか快感なのか、ユージーンにはリリーシュが上げる声の区別がつかない。柔らかく細いしなやかな脚を掴み、激しく腰を打ちつける。感じた事のない快感の波に飲まれ、ユージーンは自分を見失った。


「……っ、ユージーン……!」

 霞む頭に己の名を呼ぶ声が響く。
 その声はユージーンの頭に直接吹き込まれたように響き、意識が引き戻された。

「ユージーン……っ」

 目を開けば、シーツに赤い髪を散らし眉根を寄せて耐えるように目を瞑る愛しい女の姿が。

「……り、」

 この女に恋焦がれ、この時を何度夢に見てきただろうか。
 自分のものにしたいと何度も思い、何度もその思いに蓋をしてきた。
 自分の至宝、何者にも変え難い高潔な魂。
 それを、自分は。

「……リリーシュ」

 呼吸も乱れ、それでも掠れた声で名を呼ぶと、リリーシュはユージーンに顔を向け、はっと浅く息を吐き出した。

「……ユージーン、……名前を呼んで」
「……リリーシュ」
「うん」
「リリーシュ……、リリーシュ」
「うん」

 ユージーンは、リリーシュに覆い被さると、柔らかく唇を食んだ。リリーシュも同じようにユージーンの唇をやわやわと食む。
 リリーシュの中は熱く蕩け、ユージーンを柔らかく強く包み離さない。リリーシュの身体の痛みはいつの間にか取れ、身体の中にユージーンがいるのを感じた。

「ユージーン、好きよ……」

 リリーシュの言葉にユージーンは泣きそうな笑顔を見せると、今度こそ優しく、リリーシュの感じる場所を探しながら熱く蕩けさせ、リリーシュの口から漏れる甘やかな声に溺れた。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】私が誰だか、分かってますか?

美麗
恋愛
アスターテ皇国 時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった 出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。 皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。 そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。 以降の子は妾妃との娘のみであった。 表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。 ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。 残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。 また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。 そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか… 17話完結予定です。 完結まで書き終わっております。 よろしくお願いいたします。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした

五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」 金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。 自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。 視界の先には 私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

私に番なんて必要ありません!~番嫌いと番命の長い夜

豆丸
恋愛
 番嫌いの竜人アザレナと番命の狼獣人のルーク。二人のある夏の長い一夜のお話。設定はゆるふわです。他サイト夏の夜2022参加作品。

捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~

水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。 彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。 失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった! しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!? 絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。 一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~

tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。 番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。 ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。 そして安定のヤンデレさん☆ ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。 別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。

番ではなくなった私たち

拝詩ルルー
恋愛
アンは薬屋の一人娘だ。ハスキー犬の獣人のラルフとは幼馴染で、彼がアンのことを番だと言って猛烈なアプローチをした結果、二人は晴れて恋人同士になった。 ラルフは恵まれた体躯と素晴らしい剣の腕前から、勇者パーティーにスカウトされ、魔王討伐の旅について行くことに。 ──それから二年後。魔王は倒されたが、番の絆を失ってしまったラルフが街に戻って来た。 アンとラルフの恋の行方は……? ※全5話の短編です。

運命の番がユニコーンだった場合…

たんぽぽ
ファンタジー
短命種が自分の番ーツガイーと出会う確率は限りなく低い。 長命種であっても、人生の大半を費やす覚悟が必要なほど。 出会えたなら、それはもう運命である。 そんな運命の人と遭遇したリノは訳ありの10歳。リノは短命な種族の生まれではあるが、それでもまだ未成年とされる年齢だった。 幸か不幸か未成熟なリノ。それゆえ男は出会った少女が自分の番だとは気づかなかった。知らずに愛でたのは、男がその性癖ゆえに絶滅の道しかないと言われる残念種族のユニコーンだったから…

処理中です...