聖女はちきゅうさん。

hikumamikan

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七 女二人ぶらりと旅烏。

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「冒険者らしく三度笠と合羽が欲しいな」
「はっ?、何ですかそれ。冒険者は普通フードの付いたマントかローブですよ。そう言えば姐御その軽装で寝てますよね。夜大丈夫ですか?」
「んっ、火と気と素と無の合成魔法で体を包んで寝てるぞ」
「・・・なんすかそれ?」
「まあエアコン魔法とでも思ってくれ」
「エ・ア・コ・ン?」


「姐御あれは」
「牛の魔物だな」
「どうします」
「おとなしいからほっとこう」


「ひゃっほいマブイね」
「おう姉ちゃん先を急がねえんなら今夜は此処等で俺達と野営しようぜ」
5人の男ばかりの冒険者に声を掛けられた。
「うちらは次の町へ急ぐんでね」
「悪いね他を当たってよ」
「いやいや、そんな冷てえ事言わずによう」
ドスッ。
「がっ」
バタッ。
「なっ何しゃあがる!」
「何もへったくれも、街道で若い女2人に因縁をつけ、挙げ句に手を掴んでの暴行。正当防衛だよ」
「こなくそが、黙ってりゃええ気になりくさって」
「何処が黙ってんだよお、汚ならしい声掛けしたくせに」
残りの男4人が回りを囲んだ。
「つまんねえ事で命を張るもんだな。しゃあねえ相手しちゃるか」
ドッ、ガッ、ボグッ、ドカッ。
「・・・姐御私に1人ぐらい残してよ」
「いやあ他愛無さすぎて瞬殺だよ」


面倒臭いので放置して暫く行くと、後ろから若い冒険者3人組叫びながらが走って来る。
「「「逃げろー」ヒイ~」助けて」
ドドド~。
「あっさっきの牛の魔物」
「馬鹿が要らんものに手を出して」
3人組が走り去った後に牛の魔物と対峙した私は・・・バキィー!・・・ドウゥッ。
「「「・・・」スゲェ」素手で倒した!?」


「ほれ男だろちゃんとロープ引っ張りな。気絶してる間に首切って血を抜くからね」
「よいしょ」「よいしょ」。
私は長ドスで近くの木の枝に吊るされた牛の魔物の首筋を切って血を出した。
「ほいよ、氷魔法で冷やして収納」
「「「凄」収納って」・・・」
「次の町で肉か卸した金半分やるよ」
「いや俺達は・・・」
「どうせ狩れもしない獲物に手を出して逃げ出したんだろ」
「まっまあ」
「皮と角は売れるからその金はやるよ。でも肉はあげないよ。あんな魔物に手を出すんだから、金が無かったんだろ」
「「「すっすいません」」」
「あの魔物はおとなしいから手を出さんとき、暴れたらあんた等じゃ太刀打ちでけんよ」

この3人組は男2人と女1人で、私達と同じぐらいの年齢だ。
おそらくは新米で魔物の事もよく知らない。
自分達の力と魔物の力も測れない。
そんな金の無い無謀な若者だ。
新米と無謀ってんのは私と一緒だけどね。


ウガッシュルツと言う町らしい。
ちょっと言い難い。

「だから通称ガッシュて呼んでます」
「成る程ね」
私達5人はウガッシュルツに入った。
堅牢な壁等は無くて木の柵が水路を隔て二重に有った。
それ程に大きな町では無い。

用水路を町回に巡らせ色々な生活用水として町に引き込んでいた。
この世界の文明からして衛生面で難が有りそうだが。
取り敢えず入ったからには冒険者ギルドを目指す。


「いらっしゃいませ。どう言った内容でしょうか?」
「牛の魔物の解体と部位の買い取りそして、薬草とそれから作ったポーションの買い取りを御願い」
「えっ、薬師の方ですか」
「正式な薬師では無いけど買い取れる?」
「鑑定士の方をお呼びいたします。先ずは魔物を解体倉庫の方へ卸して下さい。この中央の通路を真っ直ぐ行かれますと有ります」
「有り難う。それじゃあ解体倉庫に行くね」
「後で鑑定士が解体倉庫ヘ向かうと思いますから、そちらでお待ち下さい」
「は~い」


「こんにちは。魔物の解体はこちらでよろしいでしょうか」
「おうお姉ちゃん達なに捕って来たんだ?」
「牛の魔物です。正式名は知りませんけど」
「この辺だとビロードブルかな、アイテムバッグから出してみな」

この台の上で良いか聞くと、そこで良いと言われたので。
「よいしょっと」
私が目の前に手を翳すとふわ~と冷気と共に牛の魔物が現れた。
「なっ!・・・空間魔法持ちかよ。ビックリしたぜ」
「空間魔法って珍しいの」
「お前さんみたいに若い子で習得してるのは珍しいな。ほう、ベルベットオーロックスかこりゃまたよく倒したな」
「ベルベットオーロックス?」
「ブロードブルの祖先だな。ベルベットオーロックスを家畜化したあと、逃げ出して野生化したのがブロードブルなんだが、祖先のベルベットオーロックスの方が毛皮も肉も良い。ただおとなしいが屈強で狩るのは難しい。まあ貴重な品だ丁寧に解体し・・・血抜きしてあるな、それに冷却も・・・やるなお嬢ちゃん。良い値に成るぞ後ろの椅子で待ってな査定してやる」


「あーいたいた。受付嬢に聞いた通りで可愛い格好してるお嬢ちゃん」
「もしかして鑑定士の方ですか」
「そうだよ。薬草もポーションも申し分無い。金貨5枚に成るよ」
「分かった有り難うおじさん」
「どういたしまして。また作ったら卸してくれな。出来たらポーションにして」
どうやら薬草そのままよりポーションの方が有難いらしい。
薬草はおそらく小金貨1枚(1万円)有れば良い方だろう。
ポーションが(49万円)くらいか・・・1本10万近いんだ。
高けえ~。
「・・・姐さんのポーションって凄いんですね」
「いや普通のポーションだよ」
「いやいや、中級ポーションが銀貨5枚ですよ」
「えっ、そうなの」
「はい。下級でも銀貨1枚します。ですから新米は塗り薬とか薬草をそのまま噛み砕いて塗りますよ」
「そうか・・・下級より安いポーションも作ろうかな」
「それだったら塗り薬とか湿布にした方が良いと思います」
「成る程」

「おいお嬢ちゃん査定出たぞ」
「毛皮が金貨5枚で角が金貨1枚だな。肉は金貨7枚だが解体金とか手数料を引いたら、全部で金貨11枚に成るがそれで良いか」
「う~ん・・・肉は半分欲しいなあ」
「出来たら1/3にしてもらえんか。この肉は多くの人が食べたいから」
「だったら計算しやすいから1/4で良いよ」
「すまんな助かる」
私は肉1/4と金貨7枚に小金貨2枚と銀貨5枚を受け取った。
そしてギルドの食堂にいた3人組に金貨5枚を渡したら、本当に凄く喜ばれた。
(日本円で50万円相当だからこの世界なら3ヶ月は過ごせる)

私の奢りでギルドで食事をして3人組とは別れた。


後日ポーションを改良した塗り薬や湿布そして、下級ポーションと普通のポーション(中級+α)を卸したら、鑑定士さんが泣いてた。
やはり下のクラスの冒険者には下級ポーションでも負担だったらしい。

私達は主に薬師として一週間この町に滞在して、傷薬等を納めて旅に出た。
鑑定士さんには是非ともまた寄ってくれとお願いされたけどね。

出掛けに濃紺のセーラー服が服屋に有ったので、聞いてみたら私の服を参考にしたらしい。
いやあ~マジで日本のセーラー服やん。
「おばさんこの服は私の故郷では学校の制服だったんだよ。元はカコの服だけどね」
「へえ~じゃあ今度ルハンシスの学園にでも売り込もうかね」
「ルハンシス?」
「知らないのかい、ここから西に馬車で3日行った大きな町だよ。近くに広大な森が有ってね。冒険者が多くて賑やかな所さ」
「そうなんだじゃあ今から行くよ」
「そうだお嬢ちゃんもうすぐしたら、商隊の馬車が出るからそれに便乗させてもらいな。うちの息子もいるから手紙書くからさ」
そう言って服屋のおばさんは手紙を渡してくれたので、西の出口へ急いで行った。


息子さんは優しそうで気の良い人だったから、直ぐに商人さんに話を纏めてくれた。
お金は要らないが食事の手伝いをしてくれたらとの事だ。
お安いご用で!。

まあそんなに料理は上手くないがね。

────────────────────


山家の順位が703位ぐらいですね。

う~んピタリ賞ならず🤣。
やはり上位の作品は読み易いなあ。
なろう系では目指せ豪華客船てのが面白かったから、参考に読んでたけど面白くて参考にするのを忘れた😭。

因にセーラー服は神です。
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