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7話
缶詰5日目 揺れる気持ち【8】
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シナリオは順調に進み、本日は14話までの分が終わった。
終わった時間は午後七時で予定通りだった。
仕事が順調なのはいいけど、新井さんが来てから森山君の様子が少し変だった。
時折、ため息をついて落ち込んでるように見えた。昼も一緒に行くのかと思ったら、一人でふらっとどこかに食べに行ってしまったし。
あんなに積極的に口説いてくれたのに、急に素っ気なくなった気がする。
午前中の出来事は全て、幻だったんだろうか。
眼鏡をかけた森山君は会社にいる時みたいに冷淡で、何を考えてるのか全然わからない。
森山君、どうしちゃったんだろう……。
新井さんと二人きりになった時、何かあったのかな。
「お疲れ様です」
パソコンの前から先に森山君が立ちあがった。
「うん。お疲れ」
「俺、用事があるので出てきます」
「そうなの。じゃあ、すぐ出るね」
慌てて、lenovoの電源を落として、私も立ち上がった。
紺色のスーツの上着を着た森山君と一緒に部屋を出た。
「じゃあ、お疲れ様です」
部屋の鍵を閉めると、森山君は急ぎ足でエレベーターの方に向かった。
一体どこに行くんだろう。あんなに慌てた様子で。
*
七時半過ぎに表参道の駅から5分のダイニングバーに入った。
新井さんが指定したお店で、裏通りにあったけど、教会の側という分かりやすい目印があったのですぐに見つけられた。
店内は白を基調としたフレンチカントリー風で可愛い。女子会やデート向きって感じだった。
黒い腰巻の長いエプロンをお洒落に身に着けたウェイターに出迎えられ、個室に案内してもらった。
「お疲れ様でーす」
白い革張りのソファに座った新井さんが笑顔で声をかけて来た。
新井さんがお姫様みたいに見えるのは、天井のシャンデリアがロイヤル感を出してるからかもしれない。
個室の雰囲気はお姫様の部屋って感じがする。
20代の子にはいいけど、32の私にはちょっとキツイかな。こんな所で合コンとかしたら私、絶対浮くだろうな。
「お疲れ様」
テーブルを挟んだ新井さんの前に腰を掛けた。
四人以上は座れそうな広さのあるテーブルだった。
「どうです?このお店?ゲームの舞台になりそうじゃないですか?」
新井さんがキラキラとした視線を向けて来た。
「可愛いお店ね。確かに恋愛ゲームの中に出したらいい雰囲気かも。新井さんはいいお店知ってるね」
「可愛いお店探すの好きなんです。それでうちのゲームに使えそうかなって最近は思うんです」
「仕事熱心ね」
「春川さん程じゃありませんよ。メニューどうぞ」
新井さんがドリンクメニューを差し出してくれた。
「ありがとう。何にしようかな。新井さんは決めた?」
「シャンパンにしようかと」
「シャンパンか。このお店の雰囲気に合ってるチョイスね。私もそうしようかな。どの銘柄がいいかな」
「この銘柄のがおすすめですよ」
新井さんがクリュッグのシャンパンを指した。普段飲まない私でも知ってるシャンパンの帝王と言われる高級シャンパンだ。ボトルで20万円もする! まさか、こんなに高いの飲んじゃうの?
「一番はこれですけど、クリュッグのこっちのは値段も手ごろで、飲みやすくていいですよ」
新井さんが2万円のボトルの方を指した。まだちょっと高いかな。どうしようかな……。
あ、グラスだと3000円になってる。
こっちの方が気楽に飲めそう。
「グラスにしない?ボトルはちょっと多いかな」
新井さんの方を見ると、軽く頷いた。
「そうですね。グラスにしておきましょう」
「おつまみは新井さんが選んでね。シャンパンって普段飲まないからどういうのがいいかわからなくて」
「わかりました。選びますね。あ、アレルギーとか、苦手な物ってあります?」
「大丈夫。何でも食べられちゃう」
新井さんが笑顔で頷いて、呼び出しボタンでウェイターを呼んだ。
長身のスタイルのいいウェイターが注文をとってくれた。
黒縁眼鏡をかけてて、ちょっと森山君に似てるかも。
「ご注文は以上ですね」
通るいい声で聞かれて頷いた。
彼はゲームのキャラになるかも。
ウェイターのアルバイトをしながら、声優を目指しているって設定はどうだろう?
で、仕事では標準語だけど、素の時は関西弁を喋ったりして……。
「春川さん、聞いてます?」
名前を呼ばれてハッとした。
「えっ」
新井さんが困ったようにこっちを見てた。
「えーと、ごめん。何だっけ?」
「ですから、その……やっぱりもう少し後で話します」
気まずそうに視線を逸らされた。
今、何の話をしてたんだろう? 妄想に夢中で全く聞いてなかった。
終わった時間は午後七時で予定通りだった。
仕事が順調なのはいいけど、新井さんが来てから森山君の様子が少し変だった。
時折、ため息をついて落ち込んでるように見えた。昼も一緒に行くのかと思ったら、一人でふらっとどこかに食べに行ってしまったし。
あんなに積極的に口説いてくれたのに、急に素っ気なくなった気がする。
午前中の出来事は全て、幻だったんだろうか。
眼鏡をかけた森山君は会社にいる時みたいに冷淡で、何を考えてるのか全然わからない。
森山君、どうしちゃったんだろう……。
新井さんと二人きりになった時、何かあったのかな。
「お疲れ様です」
パソコンの前から先に森山君が立ちあがった。
「うん。お疲れ」
「俺、用事があるので出てきます」
「そうなの。じゃあ、すぐ出るね」
慌てて、lenovoの電源を落として、私も立ち上がった。
紺色のスーツの上着を着た森山君と一緒に部屋を出た。
「じゃあ、お疲れ様です」
部屋の鍵を閉めると、森山君は急ぎ足でエレベーターの方に向かった。
一体どこに行くんだろう。あんなに慌てた様子で。
*
七時半過ぎに表参道の駅から5分のダイニングバーに入った。
新井さんが指定したお店で、裏通りにあったけど、教会の側という分かりやすい目印があったのですぐに見つけられた。
店内は白を基調としたフレンチカントリー風で可愛い。女子会やデート向きって感じだった。
黒い腰巻の長いエプロンをお洒落に身に着けたウェイターに出迎えられ、個室に案内してもらった。
「お疲れ様でーす」
白い革張りのソファに座った新井さんが笑顔で声をかけて来た。
新井さんがお姫様みたいに見えるのは、天井のシャンデリアがロイヤル感を出してるからかもしれない。
個室の雰囲気はお姫様の部屋って感じがする。
20代の子にはいいけど、32の私にはちょっとキツイかな。こんな所で合コンとかしたら私、絶対浮くだろうな。
「お疲れ様」
テーブルを挟んだ新井さんの前に腰を掛けた。
四人以上は座れそうな広さのあるテーブルだった。
「どうです?このお店?ゲームの舞台になりそうじゃないですか?」
新井さんがキラキラとした視線を向けて来た。
「可愛いお店ね。確かに恋愛ゲームの中に出したらいい雰囲気かも。新井さんはいいお店知ってるね」
「可愛いお店探すの好きなんです。それでうちのゲームに使えそうかなって最近は思うんです」
「仕事熱心ね」
「春川さん程じゃありませんよ。メニューどうぞ」
新井さんがドリンクメニューを差し出してくれた。
「ありがとう。何にしようかな。新井さんは決めた?」
「シャンパンにしようかと」
「シャンパンか。このお店の雰囲気に合ってるチョイスね。私もそうしようかな。どの銘柄がいいかな」
「この銘柄のがおすすめですよ」
新井さんがクリュッグのシャンパンを指した。普段飲まない私でも知ってるシャンパンの帝王と言われる高級シャンパンだ。ボトルで20万円もする! まさか、こんなに高いの飲んじゃうの?
「一番はこれですけど、クリュッグのこっちのは値段も手ごろで、飲みやすくていいですよ」
新井さんが2万円のボトルの方を指した。まだちょっと高いかな。どうしようかな……。
あ、グラスだと3000円になってる。
こっちの方が気楽に飲めそう。
「グラスにしない?ボトルはちょっと多いかな」
新井さんの方を見ると、軽く頷いた。
「そうですね。グラスにしておきましょう」
「おつまみは新井さんが選んでね。シャンパンって普段飲まないからどういうのがいいかわからなくて」
「わかりました。選びますね。あ、アレルギーとか、苦手な物ってあります?」
「大丈夫。何でも食べられちゃう」
新井さんが笑顔で頷いて、呼び出しボタンでウェイターを呼んだ。
長身のスタイルのいいウェイターが注文をとってくれた。
黒縁眼鏡をかけてて、ちょっと森山君に似てるかも。
「ご注文は以上ですね」
通るいい声で聞かれて頷いた。
彼はゲームのキャラになるかも。
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で、仕事では標準語だけど、素の時は関西弁を喋ったりして……。
「春川さん、聞いてます?」
名前を呼ばれてハッとした。
「えっ」
新井さんが困ったようにこっちを見てた。
「えーと、ごめん。何だっけ?」
「ですから、その……やっぱりもう少し後で話します」
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今、何の話をしてたんだろう? 妄想に夢中で全く聞いてなかった。
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