19 / 101
お腹の子の名前は……
しおりを挟む
噴水広場で出会わせたミレイさんにお腹に子供が授かっていることを告げてからの行動は早かった。
ミレイさんを医者のところに行って確認したり、ガルマさん本人に伝えに行ったりしたりと何だかんだで夕方になってしまった。
「カイリちゃん、本当にありがとぉ~!」
「カイリのおかげで待望の子に気付けて本当によかったぁ~!」
バルグさんの家のリビング内で、ミレイさんとマナさんが嬉しそうな顔で俺の身体に抱き付いている。
「よかった……本当によかったですねぇ~」
バルグさんが子供が出来たことを知った瞬間、驚きの余り気を失ったから、俺の方が驚いたわ!
「キュ~ン……キュ~ン……」
ルルが耳を垂らしながら俺達の周りをウロチョロしている。俺に甘えたいんだと思う。後で構ってやるから、今は我慢してくれよ!
「ねぇ奥様。お腹の子の名前は、どうするの?」
「そうねぇ~……ねぇアナタ。何て名前がいいと思う?」
「う~ん……ここは立役者のカイリさんの名前を取って…………カイリって名前にしようか!」
「いいわね!」
イヤイヤイヤイヤッ⁉︎ 何を言ってるんだよこの人達はぁっ‼︎
「私の名前をそのまんま使うのは却下しますっ‼︎」
「「「ええええええっ‼︎⁉︎」」」
「ええええええっ‼︎⁉︎ じゃないよ全く! 男か女のどっちが産まれてくるのか分からないのに、カイリって名前を付けないで下さいよっ‼︎」
下手したら、前世の俺の親の様に女の子が産まれるって思い込みだけで、俺が産まれる前に市役所に提出したからな! しかも両親は産んでからその名前にしたことを後悔してたし、何よりも俺が名前でイジられることがあったから、辛かったしな!
「せめて男の子だったらカイト。女の子だったらアイリって、どっちが産まれてもいいようにしておいた方がいい!」
そのまんま使うのだけは了承出来ないっつうの!
「あ、じゃあそれにしましょう」
「……え?」
この人、今何て言った?
「男の子が産まれたらカイト。女の子だったらアイリ。それでいいよね、旦那様」
「ああ、カイリさんの考えてくれた名はいい名だから、それでいきましょう!」
「あ、いやっ! そのぉ~……適当な名前を言っただけだから、決められても困るんですけどぉ~……」
困った表情をして話す俺に対してバルグさんとミレイさんは、お互い側まで寄ると抱きしめ合った。
「愛しているよ。ミレイ」
「私も愛しています。旦那様ぁ」
……ダメだ。この人達また自分の世界に入ってしまったよ。
「旦那様達が気に入ってるみたいだから、いいんじゃないの?」
「そう、ですか?」
俺としては真剣に考えてなかったから、考え直した方がいいと思う。
「いいの。旦那様達が我が子の名前を真剣に考えちゃったら、産まれてすぐどころか、産まれた後も名前が決まらない状態になっちゃうかもしれないから」
それはそれで子供によろしくないな。
「このまま、放っておきますね」
「それでいいんだよ」
「キュ~ン……」
足元に目を向けて見ると、今にもガチ泣きしそうな目でルルが見上げていた。
ヤバッ⁉︎ ルルのことをすっかり忘れていたぁ!
「ゴメン、ルル!」
そう言うとルルを持ち上げてソファーへと座ると、ルルの頭を撫でてあげる。
「色々話していたからさ、あんまり構ってあげられなかった。ゴメンよぉ」
そう言ってルルの身体を撫でてあげると、気持ちよさそうな顔になる。
「キュゥ~ン……」
許してあげる。と言いたいのか、俺のお腹に顔を擦り付けて来た。何この子、可愛いっ‼︎
プルンッ⁉︎ プルンッ⁉︎
「……ん?」
ルルの身体を夢中になって撫でていると、プル太郎が俺の元にやって来た。
「もしかして、プル太郎も撫でて欲しいのか?」
プルプルッ⁉︎
そうだよ! と言わんばかりに飛び跳ねた。
「お前も見かけによらず甘えん坊だなぁ~!」
そう言ってプル太郎の身体を撫であげたら、嬉しそうにプルプル震えた。
可愛いなぁ~……お? 頭よりも側面の方を撫でた方が、気持ちよさそうにしてる。ここがええんかぁ、ん? ここがええんだなぁ~!
そう思いながら身体の側面を撫でていると、とても気持ちよかったのかトロ~ンと身体が少し溶けた感じになってしまった。
「キャンッ! キャンッ!」
「おぉ?」
ルルが嫉妬しているのか、俺の身体に前足を乗せて来た。
今度はこっちか!
「ゴメンゴメン。ルルのことも忘れてないって!」
そう言いながら身体を撫でてあげると、今度はソファーの上で仰向けになって「お腹を撫でてぇ~」と言いた気な表情で俺の顔を見つめて来る。
こ・ろ・す・気・かぁああああああ‼︎⁉︎
「……分かった! そっちがその気なら、俺も容赦はしないからなぁ! 覚悟しろよなっ‼︎」
「キャンッ‼︎」
「ばっち来ぉ~い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、容赦なくルルのお腹を撫でてあげる。
「キュ~ン……キュ~ン!」
嬉しそうに悶えるルルの姿を見て、俺のテンションも急激に上がる!
「何だか楽しそう……私も混ざろう!」
近くで見ていたマナさんも、俺と同じ様にルルのお腹を撫で始めた。ルル自身は意外な伏兵に驚いていたが、お腹を撫でられる気持ちよさに抗えずにいた。
マナさんも加わったからなぁ~。
マナさんと共にルルのお腹を優しく撫でていると、だんだんルルの様子が変わってくる。
「……あれ?」
目を瞑ったまま動かなくなった。てか、寝たんじゃねぇかこれ?
「あらまぁ~……ルルちん余りの気持ちよさに寝ちゃったねぇ~」
「うん……起こすのも悪いし、ちょっとの間だけ寝かせていよっか」
お腹が冷えないよう、シーツを被せてあげる。
プルプルッ!
ん?
「どうしたんだ、プル太郎? もしかして遊んで欲しいのか?」
俺の言葉にプル太郎は否定するように身体を横に振った。その後は必死になってピョンピョン飛ぶ。
違う? 遊んで欲しいんじゃないのなら、他には……あっ⁉︎
「もしかして、お腹が空いたのか?」
プルッ⁉︎
「うん!」と言わんばかりに飛び跳ねた。
「プル太郎はお腹が減ってるみたいなので、宿に帰りますね」
「いいんや、今日はウチらの方でご飯を出してあげるから、食べて行きなよ」
「そんな、悪いですって」
「いいんや。カイリのおかげで奥様の妊娠が分かったんだから、懐妊祝いに参加出来る権利があるって」
懐妊祝い?
「そうだとも。カイリさんには妻の懐妊祝いに出席して貰わないと」
「宿の方には使用人が話すから、心配しなくてもいいわよ」
「それにお腹の子の名付け親がいないとなりますと……ね?」
バルグさん達だけじゃなく、サシャさんまで言うか! てか、いつの間にいたんだよっ!
「コックが腕によりを掛けてカイリ様の分も作っていますよ」
「今帰られたら、作った分の料理が勿体ないわよねぇ……」
「私達の方で召し上がるという方法もありますが、そうしてしまいますとコックの残念そうな顔が目に浮かびます」
「丹精込めて作り上げたご飯を、無下にするのはよくないと思うよぉ~……」
え? ……え? 何この断れないような雰囲気。そんなに俺を帰らせたくないのか?
「さ、参加します……はい」
俺がそう言った瞬間、マナさんが嬉しそうな顔で飛び付いて来た。
「流石カイリ! 話が分かるいい子っ‼︎」
「アハハ……」
てか、アンタらが断れないように圧を掛けて来たんだろうが!
「そうと決まれば、準備をしなくてはなりません。カイリさんに会う服を用意して上げて下さい」
「かしこまりました。旦那様」
「私達に任せて下さい!」
サシャさんとマナさんがそう言うと、俺の両腕にガッチリ腕を絡める。
「さぁカイリさん。ドレスルームへ行きますよ!」
「私達が責任を持って、とっても素敵な姿にしてあげるからねぇ!」
「え? ええええええええええええっ!⁉︎」
その後、俺は有無も言わされずサシャさん達にドレスルームに連れて行かれたのだった。
ミレイさんを医者のところに行って確認したり、ガルマさん本人に伝えに行ったりしたりと何だかんだで夕方になってしまった。
「カイリちゃん、本当にありがとぉ~!」
「カイリのおかげで待望の子に気付けて本当によかったぁ~!」
バルグさんの家のリビング内で、ミレイさんとマナさんが嬉しそうな顔で俺の身体に抱き付いている。
「よかった……本当によかったですねぇ~」
バルグさんが子供が出来たことを知った瞬間、驚きの余り気を失ったから、俺の方が驚いたわ!
「キュ~ン……キュ~ン……」
ルルが耳を垂らしながら俺達の周りをウロチョロしている。俺に甘えたいんだと思う。後で構ってやるから、今は我慢してくれよ!
「ねぇ奥様。お腹の子の名前は、どうするの?」
「そうねぇ~……ねぇアナタ。何て名前がいいと思う?」
「う~ん……ここは立役者のカイリさんの名前を取って…………カイリって名前にしようか!」
「いいわね!」
イヤイヤイヤイヤッ⁉︎ 何を言ってるんだよこの人達はぁっ‼︎
「私の名前をそのまんま使うのは却下しますっ‼︎」
「「「ええええええっ‼︎⁉︎」」」
「ええええええっ‼︎⁉︎ じゃないよ全く! 男か女のどっちが産まれてくるのか分からないのに、カイリって名前を付けないで下さいよっ‼︎」
下手したら、前世の俺の親の様に女の子が産まれるって思い込みだけで、俺が産まれる前に市役所に提出したからな! しかも両親は産んでからその名前にしたことを後悔してたし、何よりも俺が名前でイジられることがあったから、辛かったしな!
「せめて男の子だったらカイト。女の子だったらアイリって、どっちが産まれてもいいようにしておいた方がいい!」
そのまんま使うのだけは了承出来ないっつうの!
「あ、じゃあそれにしましょう」
「……え?」
この人、今何て言った?
「男の子が産まれたらカイト。女の子だったらアイリ。それでいいよね、旦那様」
「ああ、カイリさんの考えてくれた名はいい名だから、それでいきましょう!」
「あ、いやっ! そのぉ~……適当な名前を言っただけだから、決められても困るんですけどぉ~……」
困った表情をして話す俺に対してバルグさんとミレイさんは、お互い側まで寄ると抱きしめ合った。
「愛しているよ。ミレイ」
「私も愛しています。旦那様ぁ」
……ダメだ。この人達また自分の世界に入ってしまったよ。
「旦那様達が気に入ってるみたいだから、いいんじゃないの?」
「そう、ですか?」
俺としては真剣に考えてなかったから、考え直した方がいいと思う。
「いいの。旦那様達が我が子の名前を真剣に考えちゃったら、産まれてすぐどころか、産まれた後も名前が決まらない状態になっちゃうかもしれないから」
それはそれで子供によろしくないな。
「このまま、放っておきますね」
「それでいいんだよ」
「キュ~ン……」
足元に目を向けて見ると、今にもガチ泣きしそうな目でルルが見上げていた。
ヤバッ⁉︎ ルルのことをすっかり忘れていたぁ!
「ゴメン、ルル!」
そう言うとルルを持ち上げてソファーへと座ると、ルルの頭を撫でてあげる。
「色々話していたからさ、あんまり構ってあげられなかった。ゴメンよぉ」
そう言ってルルの身体を撫でてあげると、気持ちよさそうな顔になる。
「キュゥ~ン……」
許してあげる。と言いたいのか、俺のお腹に顔を擦り付けて来た。何この子、可愛いっ‼︎
プルンッ⁉︎ プルンッ⁉︎
「……ん?」
ルルの身体を夢中になって撫でていると、プル太郎が俺の元にやって来た。
「もしかして、プル太郎も撫でて欲しいのか?」
プルプルッ⁉︎
そうだよ! と言わんばかりに飛び跳ねた。
「お前も見かけによらず甘えん坊だなぁ~!」
そう言ってプル太郎の身体を撫であげたら、嬉しそうにプルプル震えた。
可愛いなぁ~……お? 頭よりも側面の方を撫でた方が、気持ちよさそうにしてる。ここがええんかぁ、ん? ここがええんだなぁ~!
そう思いながら身体の側面を撫でていると、とても気持ちよかったのかトロ~ンと身体が少し溶けた感じになってしまった。
「キャンッ! キャンッ!」
「おぉ?」
ルルが嫉妬しているのか、俺の身体に前足を乗せて来た。
今度はこっちか!
「ゴメンゴメン。ルルのことも忘れてないって!」
そう言いながら身体を撫でてあげると、今度はソファーの上で仰向けになって「お腹を撫でてぇ~」と言いた気な表情で俺の顔を見つめて来る。
こ・ろ・す・気・かぁああああああ‼︎⁉︎
「……分かった! そっちがその気なら、俺も容赦はしないからなぁ! 覚悟しろよなっ‼︎」
「キャンッ‼︎」
「ばっち来ぉ~い!」と言いたそうな鳴き声を上げたので、容赦なくルルのお腹を撫でてあげる。
「キュ~ン……キュ~ン!」
嬉しそうに悶えるルルの姿を見て、俺のテンションも急激に上がる!
「何だか楽しそう……私も混ざろう!」
近くで見ていたマナさんも、俺と同じ様にルルのお腹を撫で始めた。ルル自身は意外な伏兵に驚いていたが、お腹を撫でられる気持ちよさに抗えずにいた。
マナさんも加わったからなぁ~。
マナさんと共にルルのお腹を優しく撫でていると、だんだんルルの様子が変わってくる。
「……あれ?」
目を瞑ったまま動かなくなった。てか、寝たんじゃねぇかこれ?
「あらまぁ~……ルルちん余りの気持ちよさに寝ちゃったねぇ~」
「うん……起こすのも悪いし、ちょっとの間だけ寝かせていよっか」
お腹が冷えないよう、シーツを被せてあげる。
プルプルッ!
ん?
「どうしたんだ、プル太郎? もしかして遊んで欲しいのか?」
俺の言葉にプル太郎は否定するように身体を横に振った。その後は必死になってピョンピョン飛ぶ。
違う? 遊んで欲しいんじゃないのなら、他には……あっ⁉︎
「もしかして、お腹が空いたのか?」
プルッ⁉︎
「うん!」と言わんばかりに飛び跳ねた。
「プル太郎はお腹が減ってるみたいなので、宿に帰りますね」
「いいんや、今日はウチらの方でご飯を出してあげるから、食べて行きなよ」
「そんな、悪いですって」
「いいんや。カイリのおかげで奥様の妊娠が分かったんだから、懐妊祝いに参加出来る権利があるって」
懐妊祝い?
「そうだとも。カイリさんには妻の懐妊祝いに出席して貰わないと」
「宿の方には使用人が話すから、心配しなくてもいいわよ」
「それにお腹の子の名付け親がいないとなりますと……ね?」
バルグさん達だけじゃなく、サシャさんまで言うか! てか、いつの間にいたんだよっ!
「コックが腕によりを掛けてカイリ様の分も作っていますよ」
「今帰られたら、作った分の料理が勿体ないわよねぇ……」
「私達の方で召し上がるという方法もありますが、そうしてしまいますとコックの残念そうな顔が目に浮かびます」
「丹精込めて作り上げたご飯を、無下にするのはよくないと思うよぉ~……」
え? ……え? 何この断れないような雰囲気。そんなに俺を帰らせたくないのか?
「さ、参加します……はい」
俺がそう言った瞬間、マナさんが嬉しそうな顔で飛び付いて来た。
「流石カイリ! 話が分かるいい子っ‼︎」
「アハハ……」
てか、アンタらが断れないように圧を掛けて来たんだろうが!
「そうと決まれば、準備をしなくてはなりません。カイリさんに会う服を用意して上げて下さい」
「かしこまりました。旦那様」
「私達に任せて下さい!」
サシャさんとマナさんがそう言うと、俺の両腕にガッチリ腕を絡める。
「さぁカイリさん。ドレスルームへ行きますよ!」
「私達が責任を持って、とっても素敵な姿にしてあげるからねぇ!」
「え? ええええええええええええっ!⁉︎」
その後、俺は有無も言わされずサシャさん達にドレスルームに連れて行かれたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身、動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物や魔法、獣人等が当たり前に存在する異世界に転移させられる。
彼が送るのは、時に命がけの戦いもあり、時に仲間との穏やかな日常もある、そんな『冒険者』ならではのスローライフ。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練とは如何なるものか。
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
狼の子 ~教えてもらった常識はかなり古い!?~
一片
ファンタジー
バイト帰りに何かに引っ張られた俺は、次の瞬間突然山の中に放り出された。
しかも体をピクリとも動かせない様な瀕死の状態でだ。
流石に諦めかけていたのだけど、そんな俺を白い狼が救ってくれた。
その狼は天狼という神獣で、今俺がいるのは今までいた世界とは異なる世界だという。
右も左も分からないどころか、右も左も向けなかった俺は天狼さんに魔法で癒され、ついでに色々な知識を教えてもらう。
この世界の事、生き延び方、戦う術、そして魔法。
数年後、俺は天狼さんの庇護下から離れ新しい世界へと飛び出した。
元の世界に戻ることは無理かもしれない……でも両親に連絡くらいはしておきたい。
根拠は特にないけど、魔法がある世界なんだし……連絡くらいは出来るよね?
そんな些細な目標と、天狼さん以外の神獣様へとお使いを頼まれた俺はこの世界を東奔西走することになる。
色々な仲間に出会い、ダンジョンや遺跡を探索したり、何故か謎の組織の陰謀を防いだり……。
……これは、現代では失われた強大な魔法を使い、小さな目標とお使いの為に大陸をまたにかける小市民の冒険譚!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる