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4.召喚士の朝ごはん
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「お腹いっぱい……もう食べられない」
むにゃむにゃと呟きながら、私は布団を抱き締めた。
ああ、もう柔らかくてふわふわで最高。雲を抱いてるみたいだ。一生、この布団から出られない。
「姉ちゃん! ねーえーちゃん!」
酷い。なんてむごたらしい仕打ちをする弟なの。私の幸せな朝寝をぶち壊すなんて。
「朝ごはん! 朝ごはんあるんだってば。起きて、姉ちゃん!」
「うう……昨日あれだけ食べたから、まだお腹が重いんだよ」
呻きながら起き上がり、のっそりと身支度をした。長い黒髪はいつものように後ろで二つに分けて、適当に結わえておく。居間に入っていくと、姉たちが跳ねるように立ち上がった。
「クロエ! 寝ぼすけ。もうそろそろお昼だよ?」
「朝ごはんがお昼ごはんになっちゃうよー」
「……お姉ちゃんたち、元気だね」
あくびをしながら、テーブルを見回して、私は動きを止めた。
「おはようございます、クロエ様」
眩しい光が降り注ぐ窓を背景にして、メイド服を着た人物が佇んでいる。人ならざる、真っ青な肌。細い金色の眼。そして、にょっきりと突き出た額の角。
「え、えと……鬼族、の方ですか?」
「はい。イシルディア様にお仕えしております。闇鬼族のキティと申します」
名前が妙にかわいらしい。
「どうぞお掛け下さいませ。お食事をご用意しております」
「は、はい」
なんとなく気押されて、席につくと、目の前にことりと、搾り立てのオレンジジュースが置かれた。
「他のお飲み物がよろしければ、ご用意いたしますが」
「い、いえ、有難うございます」
爽やかな香り。思わず、お腹が重たいのも忘れて、くいっとグラスを傾けた。
「……美味しい」
「ようございました」
鬼のキティさんが、唇の端を吊り上げて笑う。群青色の唇の奥に、白く尖った歯が見えた。普通であれば怖がるところだろうが、あまり怖く感じない。私も召喚士のはしくれだから、魔物慣れしているのもあるけれど。
私は一息ついて、あらためてテーブルの上を見渡した。
歪んだ古いテーブルの上には、眩く白いテーブルクロスが敷かれ、小さなライラックの花が飾ってある。パリパリのクロワッサンが並んだ籠。とろりとしたヨーグルトの壺。色とりどりのジャムやクリームが入った小皿。
別のメイドが入ってきて、私の前に、サラダと輪切りにされたソーセージを置いていった。キティさんが尋ねる。
「卵はどうなさいますか? 一通りの調理はご用意できますが」
「えと……」
朝から、らしくもない状況に置かれ、らしくもない受け答えをしなければならないみたいだ。
私は貧乏人なのだ。こだわりの卵の調理法なんて考えたことがない。
「目玉焼きで」
「片面焼きでよろしいですか?」
「は、はい」
朝から緊張したけれど、朝ごはんは美味しかった。デザートも選ぶように言われたのだが、目の前に見本のトレイを持ってきてくれたので、今度は緊張するどころか興奮した。
ついでに、姉たちと弟も二度目のデザートを選んで、皆でコーヒーの香りを楽しんでいた頃には、私はすっかりくつろいでいた。
「キティさん、有難うございます。ご馳走さまでした」
「いえ、全てはイシルディア様のご意思ですので」
「あの、そのイシルディア殿下に、できたらお礼を言いたいんですけど、いつだったらお会いできますか?」
私が尋ねると、キティさんは不思議そうに首をかしげ、
「クロエ様は、イシルディア様のご主君でいらっしゃいます。いつなんどきでも、召喚なさればよろしいのではないでしょうか」
「それは……」
(いやいや、それは無理だよ)
王弟殿下を、こちらの都合で好き勝手に喚び出すなんてとんでもない。
イシルディア殿下は、「いつでも馳せ参じる」と言ってくれていたが、本当にその言葉に甘えるわけにもいかないだろう。
私が眉根を寄せて考え込んでいると、
「クロエ、王弟殿下をお喚びするの?」
「じゃあ、もう少しお洒落しなきゃ! お洒落!」
「お、お姉ちゃんたち?」
突然盛り上がった姉たちに戸惑って、私は首を傾げた。しかし、姉たちの勢いは止まらない。
「そんなこともあろうかと思って! クロエが寝てる間に、一通りのものは買っておいたし準備もしたのよ?」
「クロエもたまにはお洒落しないと! せっかくなんだし」
「手形は現金化して、生活費とかはちゃんと分けておいたから安心して」
「ほら、まずはクロエ自身が稼いだお金で楽しまなきゃ駄目でしょ?」
(本当に元気だなあ、お姉ちゃんたち)
一昨日までは、生活苦のあまり、お通夜のように暗い家、暗い姉たちだったのに。
寝室に連れ込まれ、昨日までは無かった大きな鏡台の前で、姉たちが用意した服に着せ替えられた。控えめなセーラーカラーのついた、白いワンピースだ。裾には青いラインが入っている。
お揃いの、白地に青縁の靴下。ぴったりした革靴。髪には、小さな青い花のピンが差し込まれた。
「……ねえ、髪型も、もうちょっと凝ったほうがいい?」
おそるおそる尋ねると、
「いいのよ、そのままで! 今のままで、うさぎみたいで可愛いから」
「うさぎ?」
「ほら、垂れ耳が二本あるし」
黒髪をつんつん引っ張られたが、それ、耳としては位置がおかしい気がする。
「召喚士の鞄も、新しいのを買っておいたのよ」
姉たちが得意満面だ。
真新しい、くすんだ青色の鞄を手渡された。これまで使っていたボロボロの鞄に比べて、一回り小さい。しかし、内側に細かく仕切りがついていて、使い勝手が良さそうだ。留め金は白い魔除けの魔石でできていて、小さな鳥の模様が彫ってある。
「あっ、これ、可愛い。好き」
思わず呟く。
「そうそう、クロエの好きなものぐらい、私たち、分かってるもんね」
「ねー」
姉たちがあまり嬉しそうなので、私はつい笑ってしまった。
「さすが、お姉ちゃんたち。ありがとう」
「うんうん」
ああ、本当に、まだ夢を見てるみたいに楽しい。
嬉しくて、すっかり緩んだ顔をしていたら、姉がふふ、と笑って言った。
「ほら、これで、いつでも王弟殿下とお会いできるわよ! いってらっしゃいな」
「……」
私は真顔になった。
むにゃむにゃと呟きながら、私は布団を抱き締めた。
ああ、もう柔らかくてふわふわで最高。雲を抱いてるみたいだ。一生、この布団から出られない。
「姉ちゃん! ねーえーちゃん!」
酷い。なんてむごたらしい仕打ちをする弟なの。私の幸せな朝寝をぶち壊すなんて。
「朝ごはん! 朝ごはんあるんだってば。起きて、姉ちゃん!」
「うう……昨日あれだけ食べたから、まだお腹が重いんだよ」
呻きながら起き上がり、のっそりと身支度をした。長い黒髪はいつものように後ろで二つに分けて、適当に結わえておく。居間に入っていくと、姉たちが跳ねるように立ち上がった。
「クロエ! 寝ぼすけ。もうそろそろお昼だよ?」
「朝ごはんがお昼ごはんになっちゃうよー」
「……お姉ちゃんたち、元気だね」
あくびをしながら、テーブルを見回して、私は動きを止めた。
「おはようございます、クロエ様」
眩しい光が降り注ぐ窓を背景にして、メイド服を着た人物が佇んでいる。人ならざる、真っ青な肌。細い金色の眼。そして、にょっきりと突き出た額の角。
「え、えと……鬼族、の方ですか?」
「はい。イシルディア様にお仕えしております。闇鬼族のキティと申します」
名前が妙にかわいらしい。
「どうぞお掛け下さいませ。お食事をご用意しております」
「は、はい」
なんとなく気押されて、席につくと、目の前にことりと、搾り立てのオレンジジュースが置かれた。
「他のお飲み物がよろしければ、ご用意いたしますが」
「い、いえ、有難うございます」
爽やかな香り。思わず、お腹が重たいのも忘れて、くいっとグラスを傾けた。
「……美味しい」
「ようございました」
鬼のキティさんが、唇の端を吊り上げて笑う。群青色の唇の奥に、白く尖った歯が見えた。普通であれば怖がるところだろうが、あまり怖く感じない。私も召喚士のはしくれだから、魔物慣れしているのもあるけれど。
私は一息ついて、あらためてテーブルの上を見渡した。
歪んだ古いテーブルの上には、眩く白いテーブルクロスが敷かれ、小さなライラックの花が飾ってある。パリパリのクロワッサンが並んだ籠。とろりとしたヨーグルトの壺。色とりどりのジャムやクリームが入った小皿。
別のメイドが入ってきて、私の前に、サラダと輪切りにされたソーセージを置いていった。キティさんが尋ねる。
「卵はどうなさいますか? 一通りの調理はご用意できますが」
「えと……」
朝から、らしくもない状況に置かれ、らしくもない受け答えをしなければならないみたいだ。
私は貧乏人なのだ。こだわりの卵の調理法なんて考えたことがない。
「目玉焼きで」
「片面焼きでよろしいですか?」
「は、はい」
朝から緊張したけれど、朝ごはんは美味しかった。デザートも選ぶように言われたのだが、目の前に見本のトレイを持ってきてくれたので、今度は緊張するどころか興奮した。
ついでに、姉たちと弟も二度目のデザートを選んで、皆でコーヒーの香りを楽しんでいた頃には、私はすっかりくつろいでいた。
「キティさん、有難うございます。ご馳走さまでした」
「いえ、全てはイシルディア様のご意思ですので」
「あの、そのイシルディア殿下に、できたらお礼を言いたいんですけど、いつだったらお会いできますか?」
私が尋ねると、キティさんは不思議そうに首をかしげ、
「クロエ様は、イシルディア様のご主君でいらっしゃいます。いつなんどきでも、召喚なさればよろしいのではないでしょうか」
「それは……」
(いやいや、それは無理だよ)
王弟殿下を、こちらの都合で好き勝手に喚び出すなんてとんでもない。
イシルディア殿下は、「いつでも馳せ参じる」と言ってくれていたが、本当にその言葉に甘えるわけにもいかないだろう。
私が眉根を寄せて考え込んでいると、
「クロエ、王弟殿下をお喚びするの?」
「じゃあ、もう少しお洒落しなきゃ! お洒落!」
「お、お姉ちゃんたち?」
突然盛り上がった姉たちに戸惑って、私は首を傾げた。しかし、姉たちの勢いは止まらない。
「そんなこともあろうかと思って! クロエが寝てる間に、一通りのものは買っておいたし準備もしたのよ?」
「クロエもたまにはお洒落しないと! せっかくなんだし」
「手形は現金化して、生活費とかはちゃんと分けておいたから安心して」
「ほら、まずはクロエ自身が稼いだお金で楽しまなきゃ駄目でしょ?」
(本当に元気だなあ、お姉ちゃんたち)
一昨日までは、生活苦のあまり、お通夜のように暗い家、暗い姉たちだったのに。
寝室に連れ込まれ、昨日までは無かった大きな鏡台の前で、姉たちが用意した服に着せ替えられた。控えめなセーラーカラーのついた、白いワンピースだ。裾には青いラインが入っている。
お揃いの、白地に青縁の靴下。ぴったりした革靴。髪には、小さな青い花のピンが差し込まれた。
「……ねえ、髪型も、もうちょっと凝ったほうがいい?」
おそるおそる尋ねると、
「いいのよ、そのままで! 今のままで、うさぎみたいで可愛いから」
「うさぎ?」
「ほら、垂れ耳が二本あるし」
黒髪をつんつん引っ張られたが、それ、耳としては位置がおかしい気がする。
「召喚士の鞄も、新しいのを買っておいたのよ」
姉たちが得意満面だ。
真新しい、くすんだ青色の鞄を手渡された。これまで使っていたボロボロの鞄に比べて、一回り小さい。しかし、内側に細かく仕切りがついていて、使い勝手が良さそうだ。留め金は白い魔除けの魔石でできていて、小さな鳥の模様が彫ってある。
「あっ、これ、可愛い。好き」
思わず呟く。
「そうそう、クロエの好きなものぐらい、私たち、分かってるもんね」
「ねー」
姉たちがあまり嬉しそうなので、私はつい笑ってしまった。
「さすが、お姉ちゃんたち。ありがとう」
「うんうん」
ああ、本当に、まだ夢を見てるみたいに楽しい。
嬉しくて、すっかり緩んだ顔をしていたら、姉がふふ、と笑って言った。
「ほら、これで、いつでも王弟殿下とお会いできるわよ! いってらっしゃいな」
「……」
私は真顔になった。
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