27 / 48
最低最悪のクズ伯爵に嫁がされそうになったので、全力で教育して回避します!
おまけ ケヴィンとビート
しおりを挟む
【ケヴィンがアメリヤに1度目のプロポーズを断られてから、2度目のプロポーズまでの間のお話】
「あのさあ、ケヴィン。アメリヤにきっぱりと結婚断られたんでしょう?屋敷で大人しく仕事してなよ。しつこい男は嫌われるぞ。」
赤ちゃんの面倒をみるため、プラテル屋敷に行けなくなったアメリヤの元に、ケヴィンが時間を見つけては足しげく通ってくるようになっていた。
以前と違って、事業など色々と忙しいだろうに、片道2時間近くもかけて通ってくるケヴィンに、ビートは呆れていた。
「絶対に諦める気はないね。契約期間もあと1か月あるし。」
大量にあるジャガイモの皮を、器用にクルクルと剝きながら答えるケヴィン。同じくビートも手を動かしている。
「大体お前わざとらしいんだよ。アメリヤの見えるところで子供たちの荷物運んであげたりとかさ。アピールだろ。」
「当然だ。あと1か月しかないんだぞ。必死にアピールするに決まっているだろう。」
「・・・・くっそー、俺だって子供たちの荷物くらい、毎日運んでるっての。」
「あ、アメリヤだ。」
ケヴィンの声に見上げてみると、赤ちゃんを抱っこしたアメリヤが、2階の自室から、野菜の皮をむいている2人を見つめていた。
ケヴィンが手を振ると、顔を赤くして引っ込んでしまう。
「ふふっ、可愛いなぁ。」
その様子を見て、余裕そうに笑うケヴィン。
「ビート、ありがとうな。今までアメリヤについていてくれて。お前だったら、良い仕事先の話だって、これまでいくつもあったんだろう?」
「いやあったけど。なんでもう勝負に勝った気でいるんだよお前。なんだよ今までって。これからもずっとアメリヤの側にいるわ。」
ビートとケヴィンは、2人で一緒に仕事をする機会が多かった。ビートのほうが仕事を教える立場であることもあって、2人きりの時は意外なほど、気安く話す関係になっていた。
それまでの友人たちが離れていっていたケヴィンにとって、なんのしがらみもなく普通に接してくれたビートが、とても大切な存在となっていた。
しかし大切な友人とはいえ、どうしても譲れないものがある。
「悪いなビート。どう見ても脈ありだ。」
「くっそー!」
ケヴィンとビートがそんな会話をしていたことを、もちろんアメリヤは知らない。
「あのさあ、ケヴィン。アメリヤにきっぱりと結婚断られたんでしょう?屋敷で大人しく仕事してなよ。しつこい男は嫌われるぞ。」
赤ちゃんの面倒をみるため、プラテル屋敷に行けなくなったアメリヤの元に、ケヴィンが時間を見つけては足しげく通ってくるようになっていた。
以前と違って、事業など色々と忙しいだろうに、片道2時間近くもかけて通ってくるケヴィンに、ビートは呆れていた。
「絶対に諦める気はないね。契約期間もあと1か月あるし。」
大量にあるジャガイモの皮を、器用にクルクルと剝きながら答えるケヴィン。同じくビートも手を動かしている。
「大体お前わざとらしいんだよ。アメリヤの見えるところで子供たちの荷物運んであげたりとかさ。アピールだろ。」
「当然だ。あと1か月しかないんだぞ。必死にアピールするに決まっているだろう。」
「・・・・くっそー、俺だって子供たちの荷物くらい、毎日運んでるっての。」
「あ、アメリヤだ。」
ケヴィンの声に見上げてみると、赤ちゃんを抱っこしたアメリヤが、2階の自室から、野菜の皮をむいている2人を見つめていた。
ケヴィンが手を振ると、顔を赤くして引っ込んでしまう。
「ふふっ、可愛いなぁ。」
その様子を見て、余裕そうに笑うケヴィン。
「ビート、ありがとうな。今までアメリヤについていてくれて。お前だったら、良い仕事先の話だって、これまでいくつもあったんだろう?」
「いやあったけど。なんでもう勝負に勝った気でいるんだよお前。なんだよ今までって。これからもずっとアメリヤの側にいるわ。」
ビートとケヴィンは、2人で一緒に仕事をする機会が多かった。ビートのほうが仕事を教える立場であることもあって、2人きりの時は意外なほど、気安く話す関係になっていた。
それまでの友人たちが離れていっていたケヴィンにとって、なんのしがらみもなく普通に接してくれたビートが、とても大切な存在となっていた。
しかし大切な友人とはいえ、どうしても譲れないものがある。
「悪いなビート。どう見ても脈ありだ。」
「くっそー!」
ケヴィンとビートがそんな会話をしていたことを、もちろんアメリヤは知らない。
40
あなたにおすすめの小説
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
いつも隣にいる
はなおくら
恋愛
心の感情を出すのが苦手なリチアには、婚約者がいた。婚約者には幼馴染がおり常にリチアの婚約者の後を追う幼馴染の姿を見ても羨ましいとは思えなかった。しかし次第に婚約者の気持ちを聞くうちに変わる自分がいたのだった。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる