黙っている現場から 放課後ディサービス

こさ

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「軽さは、いつも唐突に差し込まれる」

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その社長は、
平然と、ふざけたスタンプを投げてくる。

業務連絡の流れの中で。
職員全員が見ている場所で。
まるで、場の温度を測ることもなく。

慌てて、あとから文章が続く。
「間違えました」
「ごめんなさい」

でも、誰も本気で怒らない。
怒れない。

笑って流すしかない空気が、
もう出来上がっている。



社長は、四十代だ。
それでも、
自分のことを名前で呼ぶ。

「〇〇はね」
「〇〇的にはさ」

それを可愛いと思う人もいる。
親しみやすいと感じる人もいる。

でも、
支援の現場では、
その“距離のなさ”が、
線を曖昧にする。



冗談を言う人は、
注意されにくい。

空気を和ませる人は、
責任を問われにくい。

ふざけたLINEの裏で、
決定事項は、もう動いている。

誰が残るか。
誰が切られるか。
誰が守られるか。

その判断と、
スタンプの軽さは、
不思議なほど同じ温度だ。



私は、そのLINEを見て思った。

この人は、
「社長」という役割を
本気で引き受けていない。

引き受けているのは、
自分が心地よくいられる世界だけだ。

だから、
真剣な話と、
ふざけた振る舞いが、
同じ場所に並ぶ。

それを指摘する人はいない。
指摘できる立場の人間が、
存在しないからだ。



支援は、
子どもの人生に触れる仕事だ。

言葉ひとつ、態度ひとつが、
積み重なっていく。

その現場のトップが、
場の空気を
「ノリ」で扱っている。

それは、
小さなことのようで、
致命的な違和感だった。

私は、
もう期待しない。

真面目さを、
この人に求めない。

ただ、
この軽さの下で、
何が切られてきたのかを、
忘れないようにする。

それもまた、
この場所で生き残るための
技術だからだ。
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