3年2組の山田くん

ことのは

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日常、それは変わらない日々

バレンタインは、相手への感謝も忘れずに

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 バレンタインの話で盛り上がる中、青木あおきが嫌そうに俺に話しかけてきた。

「…山田やまだ、今年何個貰ったんだ?」
「はっきりとした数は覚えてないんだが…。それでもいいか?」
「おう」
「確か…、78個だったと思う」
「は?」

 俺の言葉に目が点になる鉢須はちす

「だから、78個だと思うって言ってるんだ」
「何でそんなに貰ってんだよ!?」
「何でって言われても…。そんなの俺が知る訳ないだろ」
「そんな訳あるか! 何したらそんな数のチョコ貰えるんだよ! 言え!」
「だから知らないって言ってるだろ。というか、俺が貰ったのはチョコじゃないぞ」
「は? バレンタインなのにチョコじゃねーの?」
「俺が甘いの苦手だって、校内に知れ渡ってるようなんだ。だから、チョコは貰ってない」
「じゃあ何貰ったんだよ?」
「飴とかガムとか、紅茶系の飲み物もあったな」
「なーんだ、手作りじゃねーのかよ」
「俺が手作り嫌いってのも知ってるらしい。ほんと、どこから情報がいくんだか…」
「マジかよ…」
「ちょっと申し訳なかったけどな…。でもお返しは喜んでもらえたようで良かったよ」
「お返し?」
「は? 山田お前お返ししたのか?」
「え? マジ?」
「当然だろ。むしろお前等はお返ししてないのか?」

 俺の言葉に、3人は分が悪そうに黙った。

「あのなぁ…。あげる方は手間暇かけてるんだぞ。それを蔑ろにする奴があるかよ」
「最低なんだけど。そんなんだからモテないんじゃないん?」
「ほんとありえない。貰うだけもらってお返しないとか、馬鹿でしょ」

 俺等に言われ、3人は申し訳なさそうに謝った。
 バレンタインだからって、あげた方は時間も手間もかけている。買っても作っても、そこに料金は発生している。
 それを考えればお返しをしないなんて、考えられないことだ。ほんと信じられない。心底呆れた。

「てかさー、前提が違うんだよねー。友達にも後輩にも優しいし、何かあれば手伝ってくれる。そんなユウが人気なのは当然じゃん。僻むのはお門違いなんだけど」
「ほんとそれ。調子のいい時だけ頼るとかおかしいでしょ。顔も大事って言うけど、性格が良くなくちゃ続くものも続かないよ。最後はそこなんだからね。分かってる?」

 追い込みをかける様に言う明里と千夏の言葉に、さらに落ち込む3人。
 少し見ていて気の毒になった…。

「明里、千夏、そんなに怒ってやるな。彼らも悪気があってしたことじゃないんだ。その辺で許してやってくれないか?」
「もー、ユウは優しいんだからー」
「しょうがないなー」
「ありがとう」

 少し不貞腐れていたが、しぶしぶ2人は納得してくれた。
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