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第十章 大喧嘩
64.女神の名前
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ずっと聞きたいと思っていて、でも誰も口にしないので聞いてはいけないのかと思い尋ねていなかったコウの神の名前。それを亮太は今日知った。
「天宇受売命? あの天岩戸前で踊った神様?」
「そう。そう言われているからそうなんだと思う」
アキラと同じ様なことを言った。つまりアキラ同様、本人に余り自覚はないらしい。
コウにインスタントだがコーヒーを入れて持ってくると、コウがぴったりと亮太にくっついて熱そうにコーヒーをふうふうしながら飲み始めた。着ている服は皺々になるまで握り締めて寝ていた亮太のネルシャツ。そこから出るむき出しの腿は白く艶かしく、これはもう犯罪級だろうと亮太は思わず唾を呑み込んだ。これを本当に亮太は手に入れたのか。未だに信じられなかった。
まだ昼前だが、万が一アキラ達が帰ってきて汚物を見る様な目で見られたくはない。なので亮太はアーミーパンツに黒い肌着代わりのタンクトップをとりあえず着ていた。狗神の特訓のお陰で腹筋はそれなりに割れ、出てはいない。狗神に鍛えられる前はぽっこりではなかったがぽにょぽにょではあったので、こればかりは本当に狗神に感謝だった。
亮太は携帯を取り出し、『アメノウズメ』と調べてみると、芸能の神様とある。天岩戸の中に隠れてしまった天照大神に興味を持たせる為に踊って興味を引いた有名な神話のエピソードのあれだ。天津神の一員で、夫は国津神の猿田毘古神とあった。猿田毘古神という名前は何となく聞いたことがある程度だが、亮太はそれを見ただけでむっとしてしまった。この猿田毘古神の現身がコウに結婚しろとしつこく絡んできているのだ。全然スカートを履いたゴリラではなかったが、何だか本当に強引そうな名前で亮太は急に不安になった。
「なあ、猿田毘古神に今まで変なことはされなかったか?」
説明文を見る限り、何だかやたらと強そうな奴だ。目が光っていて国津神ながら太陽神と言われており、最期は海で溺れたとある。そんな奴が力ずくで組み敷いたら、コウなどひとたまりもなさそうだった。
「ないようにする為に、男の成りをした。奴は女おんなしたのが好きな様だったからな」
「そっか、ならよかった」
素直にホッとした。すると、コウが亮太の肩に頭をもたれかからせながら上目遣いで見てきた。
「亮太は、その、私が女らしい方がいいか? 私はもうこっちに慣れてて変えるのは正直大変だけど、でも亮太がその方がいいなら」
「今のままがいい」
亮太は即答した。女らしいコウなど亮太は望んでいなかった。肩から胸にかけて垂れ下がったコウの黒髪を優しく撫でる。亮太の好みに合わせようなんて殊勝なことを言うコウも可愛かったが、それはそれ、これはこれだ。
「だって、俺が好きになったのは今のままのコウだからな」
「亮太は、やっぱり亮太だな」
「どういうことだ?」
「正直者ってことだ」
「はは」
コウを男だと思っていても惹かれてしまっていた亮太だ。女らしいコウなど想像も出来なかった。
二人でのんびりとこうやってまた話が出来る様になるとは思ってもいなかった。昨夜から張り詰めていた緊張の糸がふい、と切れ、暖かいコーヒーを飲んでいたら眠くなってきた。そもそも睡眠時間が足りてないのだ。思わずあふ、と欠伸が出てしまった。
「少し寝たら? 今日は仕事だろう?」
「そうだな、そうさせてもらおうかな。あ、でも飯」
「実は頭痛いから私も寝たい」
そうだったのか。まあ散々泣いていたし、あまり寝れていないのかもしれなかった。
「じゃあ少し寝て、あいつらが帰ってくる前に起きて風呂に入って……」
亮太が指を折りながら言っていると。
「亮太、早く早く」
コウが布団に早々と寝転んで手招きしてきた。頭痛いんじゃなかったのか。
もしかしたら寝不足のまま仕事に行くことになるかもしれない。
でもそれでもいいか、亮太はそう思った。
◇
帰宅した蓮に、亮太とコウはこってりと叱られる結果となった。
台所の床に大の大人二人が正座させられてがみがみと説教を食らっている。確か前もあった。そう、二人が酔っ払って大騒ぎしつつ帰宅した時だ。
「仲直りされたのは非常に結構ですが、子供の前であの様な格好が宜しいとお思いですか!」
「悪い、いや、本当ごめんなさい」
「起きようと思ったけど起きれなかったんだ」
「コウ様もコウ様です! 下着のまま寝るなど神としての自覚が足りなさ過ぎます!」
「天宇受売命の絵画って大抵あちこち肌が出てないか?」
「確かにそうだな、亮太はさすが詳しい」
「亮太は黙っててください!」
「はい」
蓮達が帰宅した時点での亮太はパンツ一丁、コウは上は亮太のシャツ、下は足がむき出しの状態で二人くっついて爆睡していたらしい。廊下から台所の硝子窓を見て、中が暗いままなのを危ぶんだ蓮がアキラを外で待たせて一人先に中に入りそれを発見した瞬間、見事な雷が落ちた。こんなに怒った蓮は初めて見た。
慌てて服を着て台所の床に二人揃って正座させられ、蓮がその間に部屋を明るく綺麗に整えてからアキラと蛟をようやく中に入れたが、アキラは玄関を潜って入ってきた時に正座している亮太達を見てさすがにぎょっとした顔をしていた。でも何も言わなかった。何かを察したのかもしれない。
「とにかく亮太はすぐにシャワーを浴びて支度して下さい、遅刻しますから」
三十分以上正座させたのは誰だと思ったが、勿論亮太は何も言い返さなかった。足がピリピリ痺れていたが頑張って立ち上がる。それから足を痛そうにさすっているコウに手を貸した。
「じゃあ私も一緒に」
「コウ様!」
「冗談だよ」
ぺろりと舌を出して亮太に笑いかけたコウが余りにも可愛くて、亮太の頬がつい緩んだ。
「今日は蛟も大人しくしていてくれました。労ってあげては如何ですか」
「そうだな、私のコウには随分と心配をかけた」
そう言うと亮太に小さく笑いかけてコウが部屋へと入っていった。思わず目で追う亮太に、蓮が小声で話しかけてきた。
「正直、驚きました」
そりゃそうだろう。亮太だって予想出来ない展開だった。
「悪かったよ」
「いえ、あれはまあ今後気を付けていただければ。それにしてもまさか亮太までとは思いませんでした」
「どういうことだ?」
「コウ様が亮太に好意を抱いておられるのは存じあげておりましたが、まさか亮太もとは」
「存じあげてた?」
「かなりあからさまでしたからね。まあ亮太はコウ様を男性と思われていたので仕方ないかもしれませんが」
じゃあ本当に何も分かっていなかったのは亮太だけだったのだ。やたらと蛟が仲良くしろと言ってくる訳だ。
「この先、どうされるおつもりですか」
部屋の奥にいるコウ達には聞こえない様、小さな小さな声で聞いてくる。
「帰すつもりはねえよ」
コウは帰りたくないと言っていた。亮太もコウは帰したくない。亮太を見る蓮の表情は穏やかだった。
「そうですか」
「ただ、全部片付いたらちゃんと話はしに行かないとな」
「微力ながら、私も協力致します」
「頼もしいな。まじで頼むからな」
「はい」
「ん。じゃあ風呂入ってくる」
「はい」
アキラが繋いでくれたこの縁を、亮太は断ち切る気は毛頭なかった。そして、出来たらアキラと蓮の縁も守ってあげたい。亮太はそう考えていた。
それにしても。
シャワーの水がお湯になるのを待たずに亮太はそれを頭に被った。コウの状況からして、よく考えれば分かった筈だった。生まれた時から結婚相手を決められていて、言い寄られるのが嫌だから男の様に振る舞っていたと言っていたではないか。
「まさか初めてとは……」
ボソリとつい口から飛び出してきた。
勿論他の男になんかに絶対渡すつもりはないが、やはりこれは責任重大だと身の引き締まる思いの亮太であった。
「天宇受売命? あの天岩戸前で踊った神様?」
「そう。そう言われているからそうなんだと思う」
アキラと同じ様なことを言った。つまりアキラ同様、本人に余り自覚はないらしい。
コウにインスタントだがコーヒーを入れて持ってくると、コウがぴったりと亮太にくっついて熱そうにコーヒーをふうふうしながら飲み始めた。着ている服は皺々になるまで握り締めて寝ていた亮太のネルシャツ。そこから出るむき出しの腿は白く艶かしく、これはもう犯罪級だろうと亮太は思わず唾を呑み込んだ。これを本当に亮太は手に入れたのか。未だに信じられなかった。
まだ昼前だが、万が一アキラ達が帰ってきて汚物を見る様な目で見られたくはない。なので亮太はアーミーパンツに黒い肌着代わりのタンクトップをとりあえず着ていた。狗神の特訓のお陰で腹筋はそれなりに割れ、出てはいない。狗神に鍛えられる前はぽっこりではなかったがぽにょぽにょではあったので、こればかりは本当に狗神に感謝だった。
亮太は携帯を取り出し、『アメノウズメ』と調べてみると、芸能の神様とある。天岩戸の中に隠れてしまった天照大神に興味を持たせる為に踊って興味を引いた有名な神話のエピソードのあれだ。天津神の一員で、夫は国津神の猿田毘古神とあった。猿田毘古神という名前は何となく聞いたことがある程度だが、亮太はそれを見ただけでむっとしてしまった。この猿田毘古神の現身がコウに結婚しろとしつこく絡んできているのだ。全然スカートを履いたゴリラではなかったが、何だか本当に強引そうな名前で亮太は急に不安になった。
「なあ、猿田毘古神に今まで変なことはされなかったか?」
説明文を見る限り、何だかやたらと強そうな奴だ。目が光っていて国津神ながら太陽神と言われており、最期は海で溺れたとある。そんな奴が力ずくで組み敷いたら、コウなどひとたまりもなさそうだった。
「ないようにする為に、男の成りをした。奴は女おんなしたのが好きな様だったからな」
「そっか、ならよかった」
素直にホッとした。すると、コウが亮太の肩に頭をもたれかからせながら上目遣いで見てきた。
「亮太は、その、私が女らしい方がいいか? 私はもうこっちに慣れてて変えるのは正直大変だけど、でも亮太がその方がいいなら」
「今のままがいい」
亮太は即答した。女らしいコウなど亮太は望んでいなかった。肩から胸にかけて垂れ下がったコウの黒髪を優しく撫でる。亮太の好みに合わせようなんて殊勝なことを言うコウも可愛かったが、それはそれ、これはこれだ。
「だって、俺が好きになったのは今のままのコウだからな」
「亮太は、やっぱり亮太だな」
「どういうことだ?」
「正直者ってことだ」
「はは」
コウを男だと思っていても惹かれてしまっていた亮太だ。女らしいコウなど想像も出来なかった。
二人でのんびりとこうやってまた話が出来る様になるとは思ってもいなかった。昨夜から張り詰めていた緊張の糸がふい、と切れ、暖かいコーヒーを飲んでいたら眠くなってきた。そもそも睡眠時間が足りてないのだ。思わずあふ、と欠伸が出てしまった。
「少し寝たら? 今日は仕事だろう?」
「そうだな、そうさせてもらおうかな。あ、でも飯」
「実は頭痛いから私も寝たい」
そうだったのか。まあ散々泣いていたし、あまり寝れていないのかもしれなかった。
「じゃあ少し寝て、あいつらが帰ってくる前に起きて風呂に入って……」
亮太が指を折りながら言っていると。
「亮太、早く早く」
コウが布団に早々と寝転んで手招きしてきた。頭痛いんじゃなかったのか。
もしかしたら寝不足のまま仕事に行くことになるかもしれない。
でもそれでもいいか、亮太はそう思った。
◇
帰宅した蓮に、亮太とコウはこってりと叱られる結果となった。
台所の床に大の大人二人が正座させられてがみがみと説教を食らっている。確か前もあった。そう、二人が酔っ払って大騒ぎしつつ帰宅した時だ。
「仲直りされたのは非常に結構ですが、子供の前であの様な格好が宜しいとお思いですか!」
「悪い、いや、本当ごめんなさい」
「起きようと思ったけど起きれなかったんだ」
「コウ様もコウ様です! 下着のまま寝るなど神としての自覚が足りなさ過ぎます!」
「天宇受売命の絵画って大抵あちこち肌が出てないか?」
「確かにそうだな、亮太はさすが詳しい」
「亮太は黙っててください!」
「はい」
蓮達が帰宅した時点での亮太はパンツ一丁、コウは上は亮太のシャツ、下は足がむき出しの状態で二人くっついて爆睡していたらしい。廊下から台所の硝子窓を見て、中が暗いままなのを危ぶんだ蓮がアキラを外で待たせて一人先に中に入りそれを発見した瞬間、見事な雷が落ちた。こんなに怒った蓮は初めて見た。
慌てて服を着て台所の床に二人揃って正座させられ、蓮がその間に部屋を明るく綺麗に整えてからアキラと蛟をようやく中に入れたが、アキラは玄関を潜って入ってきた時に正座している亮太達を見てさすがにぎょっとした顔をしていた。でも何も言わなかった。何かを察したのかもしれない。
「とにかく亮太はすぐにシャワーを浴びて支度して下さい、遅刻しますから」
三十分以上正座させたのは誰だと思ったが、勿論亮太は何も言い返さなかった。足がピリピリ痺れていたが頑張って立ち上がる。それから足を痛そうにさすっているコウに手を貸した。
「じゃあ私も一緒に」
「コウ様!」
「冗談だよ」
ぺろりと舌を出して亮太に笑いかけたコウが余りにも可愛くて、亮太の頬がつい緩んだ。
「今日は蛟も大人しくしていてくれました。労ってあげては如何ですか」
「そうだな、私のコウには随分と心配をかけた」
そう言うと亮太に小さく笑いかけてコウが部屋へと入っていった。思わず目で追う亮太に、蓮が小声で話しかけてきた。
「正直、驚きました」
そりゃそうだろう。亮太だって予想出来ない展開だった。
「悪かったよ」
「いえ、あれはまあ今後気を付けていただければ。それにしてもまさか亮太までとは思いませんでした」
「どういうことだ?」
「コウ様が亮太に好意を抱いておられるのは存じあげておりましたが、まさか亮太もとは」
「存じあげてた?」
「かなりあからさまでしたからね。まあ亮太はコウ様を男性と思われていたので仕方ないかもしれませんが」
じゃあ本当に何も分かっていなかったのは亮太だけだったのだ。やたらと蛟が仲良くしろと言ってくる訳だ。
「この先、どうされるおつもりですか」
部屋の奥にいるコウ達には聞こえない様、小さな小さな声で聞いてくる。
「帰すつもりはねえよ」
コウは帰りたくないと言っていた。亮太もコウは帰したくない。亮太を見る蓮の表情は穏やかだった。
「そうですか」
「ただ、全部片付いたらちゃんと話はしに行かないとな」
「微力ながら、私も協力致します」
「頼もしいな。まじで頼むからな」
「はい」
「ん。じゃあ風呂入ってくる」
「はい」
アキラが繋いでくれたこの縁を、亮太は断ち切る気は毛頭なかった。そして、出来たらアキラと蓮の縁も守ってあげたい。亮太はそう考えていた。
それにしても。
シャワーの水がお湯になるのを待たずに亮太はそれを頭に被った。コウの状況からして、よく考えれば分かった筈だった。生まれた時から結婚相手を決められていて、言い寄られるのが嫌だから男の様に振る舞っていたと言っていたではないか。
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