9 / 88
契約結婚を望む理由は
9
しおりを挟む
それからも、若佐先生は裁判や結婚の用意で私が住む県に来る度に連絡をしてくれた。予定が合えば会おうと思ったが、なかなかお互いの予定が合わず、会えたのが、私の両親に正式に挨拶に来た時と婚姻届を記入した時――提出は若佐先生が一人で行った。の二回だけだった。
両親は最初に会った時の好印象が良かったのか、あっさり若佐先生との結婚を許し、更には私の仕事を理由に、しばらくは籍だけ入れて、私は実家に住み続けて別居するつもりだったのを、すぐに私が仕事を辞めて、夫婦らしく同居するように勧めてきたのだった。
その頃には私が会社と上司を提訴した話が職場内に広まった事で、なんとなく今の職場に居づらくなっていた。また裁判の話と度重なる上司とのトラブルを聞いた本社から、他県の店舗に異動を勧められていた事もあり、若佐先生が住む隣県に引っ越そうか悩んでいた。
異動を提案された時に、若佐先生が住む県にも店舗がある事を教えてもらっていたが、一人暮らしをするにはお金がなかったので、どうしようかと悩んでいるところだった。
その話を若佐先生に話したところ、若佐先生からも「一緒に住みますか?」と提案されたのだった。
最初こそ迷ったが、若佐先生が結婚後も私が仕事を続ける事を後押ししてくれたのと、「やはり夫婦なのに別居するのもどうかと……」と言った事で、私は若佐先生の言葉に甘えて、同居を決めたのだった。
そして、雪が解けた三月末。
私は若佐先生が住む他県の店舗に異動が決まると、若佐先生と同居を始めたのだった。
両親は最初に会った時の好印象が良かったのか、あっさり若佐先生との結婚を許し、更には私の仕事を理由に、しばらくは籍だけ入れて、私は実家に住み続けて別居するつもりだったのを、すぐに私が仕事を辞めて、夫婦らしく同居するように勧めてきたのだった。
その頃には私が会社と上司を提訴した話が職場内に広まった事で、なんとなく今の職場に居づらくなっていた。また裁判の話と度重なる上司とのトラブルを聞いた本社から、他県の店舗に異動を勧められていた事もあり、若佐先生が住む隣県に引っ越そうか悩んでいた。
異動を提案された時に、若佐先生が住む県にも店舗がある事を教えてもらっていたが、一人暮らしをするにはお金がなかったので、どうしようかと悩んでいるところだった。
その話を若佐先生に話したところ、若佐先生からも「一緒に住みますか?」と提案されたのだった。
最初こそ迷ったが、若佐先生が結婚後も私が仕事を続ける事を後押ししてくれたのと、「やはり夫婦なのに別居するのもどうかと……」と言った事で、私は若佐先生の言葉に甘えて、同居を決めたのだった。
そして、雪が解けた三月末。
私は若佐先生が住む他県の店舗に異動が決まると、若佐先生と同居を始めたのだった。
11
あなたにおすすめの小説
15年目のホンネ ~今も愛していると言えますか?~
深冬 芽以
恋愛
交際2年、結婚15年の柚葉《ゆずは》と和輝《かずき》。
2人の子供に恵まれて、どこにでもある普通の家族の普通の毎日を過ごしていた。
愚痴は言い切れないほどあるけれど、それなりに幸せ……のはずだった。
「その時計、気に入ってるのね」
「ああ、初ボーナスで買ったから思い出深くて」
『お揃いで』ね?
夫は知らない。
私が知っていることを。
結婚指輪はしないのに、その時計はつけるのね?
私の名前は呼ばないのに、あの女の名前は呼ぶのね?
今も私を好きですか?
後悔していませんか?
私は今もあなたが好きです。
だから、ずっと、後悔しているの……。
妻になり、強くなった。
母になり、逞しくなった。
だけど、傷つかないわけじゃない。
これ以上私の心をかき乱さないで下さい
Karamimi
恋愛
伯爵令嬢のユーリは、幼馴染のアレックスの事が、子供の頃から大好きだった。アレックスに振り向いてもらえるよう、日々努力を重ねているが、中々うまく行かない。
そんな中、アレックスが伯爵令嬢のセレナと、楽しそうにお茶をしている姿を目撃したユーリ。既に5度も婚約の申し込みを断られているユーリは、もう一度真剣にアレックスに気持ちを伝え、断られたら諦めよう。
そう決意し、アレックスに気持ちを伝えるが、いつも通りはぐらかされてしまった。それでも諦めきれないユーリは、アレックスに詰め寄るが
“君を令嬢として受け入れられない、この気持ちは一生変わらない”
そうはっきりと言われてしまう。アレックスの本心を聞き、酷く傷ついたユーリは、半期休みを利用し、兄夫婦が暮らす領地に向かう事にしたのだが。
そこでユーリを待っていたのは…
好きな人の好きな人
ぽぽ
恋愛
"私には何年も思い続ける初恋相手がいる。"
初恋相手に対しての執着と愛の重さは日々増していくばかりで、彼の1番近くにいれるの自分が当たり前だった。
恋人関係がなくても、隣にいれるだけで幸せ……。
そう思っていたのに、初恋相手に恋人兼婚約者がいたなんて聞いてません。
職業『お飾りの妻』は自由に過ごしたい
LinK.
恋愛
勝手に決められた婚約者との初めての顔合わせ。
相手に契約だと言われ、もう後がないサマンサは愛のない形だけの契約結婚に同意した。
何事にも従順に従って生きてきたサマンサ。
相手の求める通りに動く彼女は、都合のいいお飾りの妻だった。
契約中は立派な妻を演じましょう。必要ない時は自由に過ごしても良いですよね?
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる