50 / 86
第1章 北条家騒動
旅仲間
しおりを挟む
翌日、辰巳たちは北条家所有の馬車で河越への帰路についた。
初めは行きと同じくヘリコプターで戻るつもりだったが、奈々の強い要望によって、馬車での移動となった。
「あたしも色々な馬車に乗ってきたけど、こういう畳敷きのやつは初めてだね。倭国の馬車はみんなこんな感じなの、奈々ちゃん」
ユノウが珍しがったように、馬車の中は畳が敷かれ、掛け軸を飾った床の間まであった。
「いえ、全部がこんな感じというわけではなくて、大陸の馬車のように椅子に座る種類のものも走ってますよ。今乗ってるような馬車は、俗に“倭馬車”と呼ばれていて、大名の方やお公家様がよく乗られています。それで椅子に座る方は、俗に“陸馬車”と呼ばれて、庶民の方々がよく乗っています」
「ふーん、つまり倭馬車は高級車ってことね。確かにこの馬車も、車輪や柱に黒漆が塗られていたり、細部に金箔が張られていたりと、見るからに造りが豪華だもの。まさに、お殿様専用車って感じ。吉右衛門さんも、こういう馬車によく乗ってたんですか?」
吉右衛門に対し、ユノウは正体が判明する前と同じような感じで接していた。
「ああ。基本、移動は倭馬車だったからな。そのせいで、冒険者になって初めて乗り合い馬車とやらに乗った時、つい癖で履物を脱いでしまってな、恥をかいたよ」
倭馬車は畳敷きなので、当然ながら土足厳禁である。そのため、必ず履物入れが備え付けられていた。
「そういう失敗ならあたしにもありますよ。昔、ある国で食事をした時、料理と一緒に水の入ったお椀が出てきたんですよ。飲み物かなって思って飲んだら、それ指先を洗うためのものだったんですよ。そのことをお店の人に教えられた時、恥ずかしくって顔から火が出そうでした」
「食事といえば、私も支払いで失敗したことがあってな。担ぎ屋台で蕎麦を食べた時、代金を小判で支払おうとしたら、店の主人に『お前さん金額わかってんのか? 一六文だぞ、一六文。そんなでけぇ金を出されたって、釣りなんかねぇよ』と、呆れられてしまって、慌てて両替に行くはめになってしまったんだ。それ以来、ちゃんと細かいお金も持ち歩くようになったんだよ。……奈々殿も、こういった失敗をしたことがおありかな?」
「失敗談、ですか? えっと……少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」
ユノウとは異なり、奈々は吉右衛門の正体が判明してから、明らかに接し方がぎこちなくなっていた。
「奈々殿、堅苦しくならずともよいと申したであろう」
吉右衛門は自身の正体がバレた後、辰巳たちに対して、今までどおり“冒険者の羽田吉右衛門”として接して欲しいとお願いしていた。
「申し訳ありません」
「いや、別に謝る必要はないのだが……。ところで、辰巳殿とユノウ殿はこれからどうするおつもりか?」
「これからですか?」
「貴殿たちはなかなかにおもしろい。叶うことなら、このまま一緒に旅をしてみたいと思うのだが、どうであろうか」
吉右衛門からの申し出を受けて、辰巳は考えた。
倭国を旅するにあたって、吉右衛門が仲間になることはメリットが非常に大きい。
能力や人となりについては言うまでもないが、大名や幕府に対して物を言うことができる点は、いざという時切り札になる。
なので、申し出を断るつもりはさらさらない。
ただ、一緒に旅するのであれば、自分たちの素性を明かす必要がある。でないと、元の世界へ戻る方法を探すのに支障が出る可能性があるからだ。
安易に明かして良いものかどうか、悩んだ辰巳がユノウに意見を求めたところ、「あたしたちの素性なんて、将軍に比べたら大したことないですよ。それに、どうせ話すことになるんですから、さっさと言っちゃた方が楽ですよ」と言われたので、明かすことに決めた。
「お答えする前に、俺たちのことについて、羽田さんにお話しておかなければならないことがあるんです」
辰巳は自分が別世界の人間であることや、ユノウとともに元の世界に戻る方法を探していることなど、すべてを洗いざらい話した。
「信じられないかもしれませんが、そういった事情があるということを理解してもらえるのであれば、一緒に旅をしても良いですよ」
辰巳はさすがに戸惑うだろうなと思ったが、幼き頃から数十年にわたって将軍職を務め、海千山千の公家や大名を相手にしてきただけのことはあって、肝の据わり方が違った。
「異世界から来た者と一緒に旅ができるとは、それだけでも冒険者になった甲斐があるというものだ。よろしく頼むぞ」
吉右衛門が旅の仲間に加わった。
「あの、私も同行してよろしいでしょうか」
今度は奈々が仲間に加わることを申し出た。
「え? まぁ、事情を理解してくれるのであればいいですけど、大丈夫ですか? その、お父さんとかは……」
あまり会話をする機会はなかったものの、辰巳は直孝に対して厳格な父親という印象を抱いていた。
「ご心配なく。父は私が冒険者になることをすんなり認めてくれましたので、辰巳さんたちと一緒に行くこともきっと認めてくれるはずです。もし反対されたとしても、絶対に説き伏せますので、どうかよろしくお願いします」
奈々がそう断言するのであれば、辰巳としては断る理由はない。
なぜなら、奈々には辰巳、ユノウ、吉右衛門の三人に欠如している“倭国の一般常識”というものがしっかりと備わっているからだ。
辰巳とユノウは言わずもがな、吉右衛門もその特異な生い立ちゆえ、庶民の一般常識には疎いところがあった。
その点、奈々は夏たちを通じて庶民の暮らしを知っており、また家老の娘なので、教養もしっかりと身についていた。
それは倭国を旅するにあたって、吉右衛門とは違った意味で心強いものである。
「わかりました。こちらこそ、よろしくお願いします」
これで馬車に乗っている五人の内、四人が旅の仲間となった。
この妙な流れを察したのか、残りの一人も意思表示をする。
「あ、私は行きませんから。ごめんなさい」
夏は辰巳に向かって断りを入れた。
「……う、うん」
複雑な表情を浮かべる辰巳。心境を例えるなら、告白していないのに、勝手に振られてしまった、といったところであろう。
ユノウはそれを見て、ニヤニヤしながら口を開く。
「辰巳さん、安心してください。あたしは一緒に旅しますから」
「当り前だろ。ちゃんと責任は取ってもらうからな」
果たして、この先どのようなことが待ち受けているのか、辰巳の旅は、始まったばかりである。
初めは行きと同じくヘリコプターで戻るつもりだったが、奈々の強い要望によって、馬車での移動となった。
「あたしも色々な馬車に乗ってきたけど、こういう畳敷きのやつは初めてだね。倭国の馬車はみんなこんな感じなの、奈々ちゃん」
ユノウが珍しがったように、馬車の中は畳が敷かれ、掛け軸を飾った床の間まであった。
「いえ、全部がこんな感じというわけではなくて、大陸の馬車のように椅子に座る種類のものも走ってますよ。今乗ってるような馬車は、俗に“倭馬車”と呼ばれていて、大名の方やお公家様がよく乗られています。それで椅子に座る方は、俗に“陸馬車”と呼ばれて、庶民の方々がよく乗っています」
「ふーん、つまり倭馬車は高級車ってことね。確かにこの馬車も、車輪や柱に黒漆が塗られていたり、細部に金箔が張られていたりと、見るからに造りが豪華だもの。まさに、お殿様専用車って感じ。吉右衛門さんも、こういう馬車によく乗ってたんですか?」
吉右衛門に対し、ユノウは正体が判明する前と同じような感じで接していた。
「ああ。基本、移動は倭馬車だったからな。そのせいで、冒険者になって初めて乗り合い馬車とやらに乗った時、つい癖で履物を脱いでしまってな、恥をかいたよ」
倭馬車は畳敷きなので、当然ながら土足厳禁である。そのため、必ず履物入れが備え付けられていた。
「そういう失敗ならあたしにもありますよ。昔、ある国で食事をした時、料理と一緒に水の入ったお椀が出てきたんですよ。飲み物かなって思って飲んだら、それ指先を洗うためのものだったんですよ。そのことをお店の人に教えられた時、恥ずかしくって顔から火が出そうでした」
「食事といえば、私も支払いで失敗したことがあってな。担ぎ屋台で蕎麦を食べた時、代金を小判で支払おうとしたら、店の主人に『お前さん金額わかってんのか? 一六文だぞ、一六文。そんなでけぇ金を出されたって、釣りなんかねぇよ』と、呆れられてしまって、慌てて両替に行くはめになってしまったんだ。それ以来、ちゃんと細かいお金も持ち歩くようになったんだよ。……奈々殿も、こういった失敗をしたことがおありかな?」
「失敗談、ですか? えっと……少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」
ユノウとは異なり、奈々は吉右衛門の正体が判明してから、明らかに接し方がぎこちなくなっていた。
「奈々殿、堅苦しくならずともよいと申したであろう」
吉右衛門は自身の正体がバレた後、辰巳たちに対して、今までどおり“冒険者の羽田吉右衛門”として接して欲しいとお願いしていた。
「申し訳ありません」
「いや、別に謝る必要はないのだが……。ところで、辰巳殿とユノウ殿はこれからどうするおつもりか?」
「これからですか?」
「貴殿たちはなかなかにおもしろい。叶うことなら、このまま一緒に旅をしてみたいと思うのだが、どうであろうか」
吉右衛門からの申し出を受けて、辰巳は考えた。
倭国を旅するにあたって、吉右衛門が仲間になることはメリットが非常に大きい。
能力や人となりについては言うまでもないが、大名や幕府に対して物を言うことができる点は、いざという時切り札になる。
なので、申し出を断るつもりはさらさらない。
ただ、一緒に旅するのであれば、自分たちの素性を明かす必要がある。でないと、元の世界へ戻る方法を探すのに支障が出る可能性があるからだ。
安易に明かして良いものかどうか、悩んだ辰巳がユノウに意見を求めたところ、「あたしたちの素性なんて、将軍に比べたら大したことないですよ。それに、どうせ話すことになるんですから、さっさと言っちゃた方が楽ですよ」と言われたので、明かすことに決めた。
「お答えする前に、俺たちのことについて、羽田さんにお話しておかなければならないことがあるんです」
辰巳は自分が別世界の人間であることや、ユノウとともに元の世界に戻る方法を探していることなど、すべてを洗いざらい話した。
「信じられないかもしれませんが、そういった事情があるということを理解してもらえるのであれば、一緒に旅をしても良いですよ」
辰巳はさすがに戸惑うだろうなと思ったが、幼き頃から数十年にわたって将軍職を務め、海千山千の公家や大名を相手にしてきただけのことはあって、肝の据わり方が違った。
「異世界から来た者と一緒に旅ができるとは、それだけでも冒険者になった甲斐があるというものだ。よろしく頼むぞ」
吉右衛門が旅の仲間に加わった。
「あの、私も同行してよろしいでしょうか」
今度は奈々が仲間に加わることを申し出た。
「え? まぁ、事情を理解してくれるのであればいいですけど、大丈夫ですか? その、お父さんとかは……」
あまり会話をする機会はなかったものの、辰巳は直孝に対して厳格な父親という印象を抱いていた。
「ご心配なく。父は私が冒険者になることをすんなり認めてくれましたので、辰巳さんたちと一緒に行くこともきっと認めてくれるはずです。もし反対されたとしても、絶対に説き伏せますので、どうかよろしくお願いします」
奈々がそう断言するのであれば、辰巳としては断る理由はない。
なぜなら、奈々には辰巳、ユノウ、吉右衛門の三人に欠如している“倭国の一般常識”というものがしっかりと備わっているからだ。
辰巳とユノウは言わずもがな、吉右衛門もその特異な生い立ちゆえ、庶民の一般常識には疎いところがあった。
その点、奈々は夏たちを通じて庶民の暮らしを知っており、また家老の娘なので、教養もしっかりと身についていた。
それは倭国を旅するにあたって、吉右衛門とは違った意味で心強いものである。
「わかりました。こちらこそ、よろしくお願いします」
これで馬車に乗っている五人の内、四人が旅の仲間となった。
この妙な流れを察したのか、残りの一人も意思表示をする。
「あ、私は行きませんから。ごめんなさい」
夏は辰巳に向かって断りを入れた。
「……う、うん」
複雑な表情を浮かべる辰巳。心境を例えるなら、告白していないのに、勝手に振られてしまった、といったところであろう。
ユノウはそれを見て、ニヤニヤしながら口を開く。
「辰巳さん、安心してください。あたしは一緒に旅しますから」
「当り前だろ。ちゃんと責任は取ってもらうからな」
果たして、この先どのようなことが待ち受けているのか、辰巳の旅は、始まったばかりである。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
神々の間では異世界転移がブームらしいです。
はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる