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第2章 北条家戦争
三者三様今後について
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話し合いを終えた辰巳とユノウは、自分たちが泊まっていた部屋に戻って体を休めていた。
「今更ですけど、妖怪と戦うことは大丈夫なんですか?」
ユノウは百鬼夜行の絵が載っている本を読みながら、辰巳に尋ねた。
「本当に今更だな、大丈夫だからオッケーしたんだよ。なんか気になることでもあったの?」
「気になることというか、ちょっと前まで夏ちゃんの護衛に行くことすら渋っていた人が、すんなりと戦うことを了承したんで、どういう心境の変化があったのかなぁって」
「心境の変化というか、護衛とかをやって、ある程度紙切りの力っていうものがわかったからかな」
辰巳は自身の持つ力に自信を持ち始めていた。
「そういうことですか。じゃあ、天狗にならないように気をつけてくださいね」
「わかってるよ。だからこうやって使えそうなものがないかチェックしてるんじゃないか」
辰巳が見ているのは、様々な特殊乗り物が紹介されている本だ。
「何か良さそうなのはありました?」
「あったよ、油田火災とかで使われる特殊放水車。これならどんな炎系の妖怪が出てこようがイチコロじゃない」
辰巳が開いたページには、戦車の車体に巨大な筒状の噴射機が二つ設置された乗り物の写真が載っていた。
「あぁ、これですか。あたしも映像で放水シーンを見たことがありますけど、ブワッーってすんごい威力でしたよ」
「やっぱジェットエンジンを使ってるだけあってすげぇんだな」
「ただ、その分恐ろしい量の水を必要とするんですけど、紙切りで呼ばれた場合はその辺大丈夫でしょうね」
「知久さんのミサイルも撃ち放題みたいな感じだったからな」
三郎の話によれば、ミサイルや砲弾の数に上限はなく、体力が続く限り撃ち続けることが可能とのこと。
「とりあえず炎系対策はそれでいいでしょうね。あとは……」
ユノウは様々な妖怪の絵を見ながら考えを巡らせ、夕食の時間まで辰巳とアイディアを出し合っていくのであった。
「これからどうなっちゃうんだろう……」
江戸城内にある牢屋の中で、囚われの身となっている小姓がうなだれていた。
「とりあえず小田原と戦になるだろうな」
同じく囚われの身となっている小太りの小姓は、板の間の上に横になりながら平然と言い放った。
「小田原は勝てるでしょうか?」
小田原が勝てば助かるのではないか、小姓はそんな期待を抱いていた。
「無理だろうな」
だが、小太りの男はその期待を容赦なく打ち砕く。
「なんで言い切れるんですか?」
「なんでって、目の前の状況を見たらそう思うだろ。腕の立つ奴を含めて、もののけを倒そうとした奴は皆返り討ちにあって死んでるんだ。そんなのが大挙して攻めてくるんだぞ、しかも小田原は戦準備なんかしてないだろうからさ、勝てるわけねぇよ」
小姓の顔が絶望に染まる。
「ま、その方が俺らにとっちゃ都合がいいかもしれないけどな」
「どういうことですか?」
「殿の目的は北条家を滅亡させることなんだろ。実際、一刻も早く滅ぼすために大急ぎで軍勢を整えたりしてるわけだからさ。ということは、北条家が滅べばもののけたちも去って、この状況からも解放されるんじゃねぇかな」
小太りの小姓は、家臣としてあるまじき発言をためらいなく言った。
「な、なんてことを言うのですか!」
小姓は思わず声を荒げた。
「そう思えば少しは気が楽になるだろう。どっちに転んでも助かるって思えるわけだからさ」
小太りの小姓は寝ころんだままで全く気にしてはいない。
「楽になんかなりませんよ!」
「そうかいそうかい。じゃ、小田原が勝つように祈ったらいいんじゃねぇの」
「言われなくてもそうしますよ」
小姓は姿勢を正して正座をすると、目をつぶって祈り始めるのだった。
祈りの効果というわけではないが、出陣間近の瀬戸大将のもとへ、不安を覚えさせるような報告がもたらされていた。
「何、偵察に出した提灯と一反木綿が撃ち落とされた?」
「あくまで可能性の話です。時が経っても一向に戻ってこないので、撃ち落とされた可能性も否定できないと……」
情報が少ないためか、報告に来たのっぺらぼうからは困惑した雰囲気が漂っている。
「やったのはあの空飛ぶバケモノか?」
「……撃ち落とされたとすれば、その可能性が一番高いだろうとのことです」
「やはり攻撃できたのか……念のために、いつまでの部隊も連れていこう」
いつまでは巨大な人面鳥で、ノコギリのような歯と剣のように鋭いかぎ爪を有しており、「いつまで、いつまで」と不気味な声で鳴きながら空を飛び回る。
「しかし、あの部隊は大首様が河越攻撃に用いる予定であると……」
「作戦としては小田原攻めが最優先である。であれば、兵力についてもこちらが優先されるだろう」
「ですが……」
「お主の意見など聞いておらん。さっさとこのことを大首殿に伝えてまいれ」
「わかりました」
のっぺらぼうは小走りで大首のところへと向かっていった。
「いつまでは提灯よりも攻撃力と防御力に優れてる。こいつが一〇体も加われば、バケモンが複数いたとしても蹴散らせるはずだ」
強引にいつまでを加えた瀬戸大将の軍勢は、真夜中にすべての準備を整えるや、そのまま小田原へ向けて出陣していくのだった。
「今更ですけど、妖怪と戦うことは大丈夫なんですか?」
ユノウは百鬼夜行の絵が載っている本を読みながら、辰巳に尋ねた。
「本当に今更だな、大丈夫だからオッケーしたんだよ。なんか気になることでもあったの?」
「気になることというか、ちょっと前まで夏ちゃんの護衛に行くことすら渋っていた人が、すんなりと戦うことを了承したんで、どういう心境の変化があったのかなぁって」
「心境の変化というか、護衛とかをやって、ある程度紙切りの力っていうものがわかったからかな」
辰巳は自身の持つ力に自信を持ち始めていた。
「そういうことですか。じゃあ、天狗にならないように気をつけてくださいね」
「わかってるよ。だからこうやって使えそうなものがないかチェックしてるんじゃないか」
辰巳が見ているのは、様々な特殊乗り物が紹介されている本だ。
「何か良さそうなのはありました?」
「あったよ、油田火災とかで使われる特殊放水車。これならどんな炎系の妖怪が出てこようがイチコロじゃない」
辰巳が開いたページには、戦車の車体に巨大な筒状の噴射機が二つ設置された乗り物の写真が載っていた。
「あぁ、これですか。あたしも映像で放水シーンを見たことがありますけど、ブワッーってすんごい威力でしたよ」
「やっぱジェットエンジンを使ってるだけあってすげぇんだな」
「ただ、その分恐ろしい量の水を必要とするんですけど、紙切りで呼ばれた場合はその辺大丈夫でしょうね」
「知久さんのミサイルも撃ち放題みたいな感じだったからな」
三郎の話によれば、ミサイルや砲弾の数に上限はなく、体力が続く限り撃ち続けることが可能とのこと。
「とりあえず炎系対策はそれでいいでしょうね。あとは……」
ユノウは様々な妖怪の絵を見ながら考えを巡らせ、夕食の時間まで辰巳とアイディアを出し合っていくのであった。
「これからどうなっちゃうんだろう……」
江戸城内にある牢屋の中で、囚われの身となっている小姓がうなだれていた。
「とりあえず小田原と戦になるだろうな」
同じく囚われの身となっている小太りの小姓は、板の間の上に横になりながら平然と言い放った。
「小田原は勝てるでしょうか?」
小田原が勝てば助かるのではないか、小姓はそんな期待を抱いていた。
「無理だろうな」
だが、小太りの男はその期待を容赦なく打ち砕く。
「なんで言い切れるんですか?」
「なんでって、目の前の状況を見たらそう思うだろ。腕の立つ奴を含めて、もののけを倒そうとした奴は皆返り討ちにあって死んでるんだ。そんなのが大挙して攻めてくるんだぞ、しかも小田原は戦準備なんかしてないだろうからさ、勝てるわけねぇよ」
小姓の顔が絶望に染まる。
「ま、その方が俺らにとっちゃ都合がいいかもしれないけどな」
「どういうことですか?」
「殿の目的は北条家を滅亡させることなんだろ。実際、一刻も早く滅ぼすために大急ぎで軍勢を整えたりしてるわけだからさ。ということは、北条家が滅べばもののけたちも去って、この状況からも解放されるんじゃねぇかな」
小太りの小姓は、家臣としてあるまじき発言をためらいなく言った。
「な、なんてことを言うのですか!」
小姓は思わず声を荒げた。
「そう思えば少しは気が楽になるだろう。どっちに転んでも助かるって思えるわけだからさ」
小太りの小姓は寝ころんだままで全く気にしてはいない。
「楽になんかなりませんよ!」
「そうかいそうかい。じゃ、小田原が勝つように祈ったらいいんじゃねぇの」
「言われなくてもそうしますよ」
小姓は姿勢を正して正座をすると、目をつぶって祈り始めるのだった。
祈りの効果というわけではないが、出陣間近の瀬戸大将のもとへ、不安を覚えさせるような報告がもたらされていた。
「何、偵察に出した提灯と一反木綿が撃ち落とされた?」
「あくまで可能性の話です。時が経っても一向に戻ってこないので、撃ち落とされた可能性も否定できないと……」
情報が少ないためか、報告に来たのっぺらぼうからは困惑した雰囲気が漂っている。
「やったのはあの空飛ぶバケモノか?」
「……撃ち落とされたとすれば、その可能性が一番高いだろうとのことです」
「やはり攻撃できたのか……念のために、いつまでの部隊も連れていこう」
いつまでは巨大な人面鳥で、ノコギリのような歯と剣のように鋭いかぎ爪を有しており、「いつまで、いつまで」と不気味な声で鳴きながら空を飛び回る。
「しかし、あの部隊は大首様が河越攻撃に用いる予定であると……」
「作戦としては小田原攻めが最優先である。であれば、兵力についてもこちらが優先されるだろう」
「ですが……」
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