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第2章 北条家戦争
大敗北と大勝利と
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「敗れただと?」
相模川での戦いから数刻の時を経て、ぬらりひょんのもとに凶報がもたらされていた。
「はい。相模川にて小田原の軍勢と戦いましたが、力及ばず……。瀬戸大将様と歩兵の大多数は無事ですが、騎馬部隊は半数以上がやられ、朧車部隊に至っては全滅しました……」
報告に来た骸骨武者の声からは、無念さがありありと伝わってきた。
「全滅……。小田原の軍勢はそれほどまでに強いのか?」
「はい。数は我らの三分の一以下でしたが、強力な大筒を有しており、それによって次々と朧車がやられていったのです。他にも絶え間なく連射のできる銃や、歌いながら電撃を放つ魔法使いがおり、それらの攻撃によって騎馬部隊も一方的にやられたのです。歩兵部隊は、両部隊に続いて突入する予定でしたが、戦況のあまりの酷さに瀬戸大将様は突入を断念し、撤退をお決めになったのです」
「なるほど、だから歩兵部隊の被害が少ないのか。ところで、飛行部隊はどうなっている?」
「飛行部隊は、この戦いの前に謎の攻撃を受けて全滅しております」
「……わかった。下がってよい」
骸骨武者が一礼して部屋を去ると、入れ替わるように塗壁がやって来た。
「何用だ、塗壁」
「戦況を聞きに来たに決まっとるだろうが」
塗壁はぬらりひょんの向かいにどっかと腰を下ろす。
「……で、どうなんだ?」
「相模川で小田原勢と戦い、敗れたとのことだ。しかも、一方的にこっちがやられ、朧車と提灯たちは全滅したそうだ」
「……最悪だな。やはり、油断があったのか?」
ぬらりひょん同様、塗壁の顔つきも一気に暗くなる。
「その方が良かったかもしれんな。だが、報告を聞く限りではそのような感じはしない。残念ながら、純然たる力の差で敗れたようだ」
「そんなに小田原のやつらは強いのか?」
「ああ。朧車は大筒で一撃、提灯たちは正体不明の攻撃で葬られ、それ以外にも強力な戦力を有しているらしい」
「……厄介だな。で、瀬戸大将殿たちはそいつらに追撃されとるのか?」
塗壁の顔は険しさを増した。
「いや、そういったことは聞いていない」
「うーん、追い返せればいいということなのか、それともどうせ向かうからということなのか……おそらく、後者だろうな」
「つまり、これは江戸攻めの軍勢だというのか?」
「そうだ。朝一に小田原を発ち、相模川で瀬戸大将殿の軍と遭遇した、といったところだろうな」
塗壁は冷静に状況を推測していた。
「となると、その小田原の軍勢がいずれここに来るというのか……」
「さすがに今日明日ということはないだろうが、明後日には江戸市中に到達するんじゃねぇかな」
「……わかった、それを含めて、氏吉様に報告しよう。塗壁、お主も来い」
「おいもか?」
「当然だろうが。お主の推測を報告するのだからな」
「仕方ねぇな」
塗壁は面倒くさそうに氏吉のもとへ向かうと、淡々と自らの考えを述べ、その結果大幅な戦術変更がなされることになったのである。
「今しがた正二郎殿からの使いが来てな、相模川でもののけどもの軍勢と戦い、大勝利を収めたそうだ」
茶室で茶を点てながら、吉右衛門は氏元に吉報を告げた。
「左様でございますか。それは喜ばしき限りのことで」
「しかも、向こうは我が方の三倍以上の兵力を有していたが、市丸殿や三郎殿らの活躍によって、終始一方的な展開だったとのことだ」
「なんと……」
それを聞いて氏元は目を丸くした。
「勝てるとは思っていたが、まさかここまで圧倒するとは。やはりあのものたちの力は、私の想像の範疇には収まらんな」
「……秀頼様が頼りになされた理由が、よくわかりました」
「もしかすると、本当に第一陣のみですべてを終わらせてしまうかもしれんぞ」
吉右衛門は、辰巳たちへの多大なる期待を語りながら、茶碗を氏元に差し出した。
「そうなってくれれば、ありがたい限りにございます」
氏元も辰巳たちに大きな期待を抱きつつ、お茶をズズっと飲んだ。
相模川での戦いから数刻の時を経て、ぬらりひょんのもとに凶報がもたらされていた。
「はい。相模川にて小田原の軍勢と戦いましたが、力及ばず……。瀬戸大将様と歩兵の大多数は無事ですが、騎馬部隊は半数以上がやられ、朧車部隊に至っては全滅しました……」
報告に来た骸骨武者の声からは、無念さがありありと伝わってきた。
「全滅……。小田原の軍勢はそれほどまでに強いのか?」
「はい。数は我らの三分の一以下でしたが、強力な大筒を有しており、それによって次々と朧車がやられていったのです。他にも絶え間なく連射のできる銃や、歌いながら電撃を放つ魔法使いがおり、それらの攻撃によって騎馬部隊も一方的にやられたのです。歩兵部隊は、両部隊に続いて突入する予定でしたが、戦況のあまりの酷さに瀬戸大将様は突入を断念し、撤退をお決めになったのです」
「なるほど、だから歩兵部隊の被害が少ないのか。ところで、飛行部隊はどうなっている?」
「飛行部隊は、この戦いの前に謎の攻撃を受けて全滅しております」
「……わかった。下がってよい」
骸骨武者が一礼して部屋を去ると、入れ替わるように塗壁がやって来た。
「何用だ、塗壁」
「戦況を聞きに来たに決まっとるだろうが」
塗壁はぬらりひょんの向かいにどっかと腰を下ろす。
「……で、どうなんだ?」
「相模川で小田原勢と戦い、敗れたとのことだ。しかも、一方的にこっちがやられ、朧車と提灯たちは全滅したそうだ」
「……最悪だな。やはり、油断があったのか?」
ぬらりひょん同様、塗壁の顔つきも一気に暗くなる。
「その方が良かったかもしれんな。だが、報告を聞く限りではそのような感じはしない。残念ながら、純然たる力の差で敗れたようだ」
「そんなに小田原のやつらは強いのか?」
「ああ。朧車は大筒で一撃、提灯たちは正体不明の攻撃で葬られ、それ以外にも強力な戦力を有しているらしい」
「……厄介だな。で、瀬戸大将殿たちはそいつらに追撃されとるのか?」
塗壁の顔は険しさを増した。
「いや、そういったことは聞いていない」
「うーん、追い返せればいいということなのか、それともどうせ向かうからということなのか……おそらく、後者だろうな」
「つまり、これは江戸攻めの軍勢だというのか?」
「そうだ。朝一に小田原を発ち、相模川で瀬戸大将殿の軍と遭遇した、といったところだろうな」
塗壁は冷静に状況を推測していた。
「となると、その小田原の軍勢がいずれここに来るというのか……」
「さすがに今日明日ということはないだろうが、明後日には江戸市中に到達するんじゃねぇかな」
「……わかった、それを含めて、氏吉様に報告しよう。塗壁、お主も来い」
「おいもか?」
「当然だろうが。お主の推測を報告するのだからな」
「仕方ねぇな」
塗壁は面倒くさそうに氏吉のもとへ向かうと、淡々と自らの考えを述べ、その結果大幅な戦術変更がなされることになったのである。
「今しがた正二郎殿からの使いが来てな、相模川でもののけどもの軍勢と戦い、大勝利を収めたそうだ」
茶室で茶を点てながら、吉右衛門は氏元に吉報を告げた。
「左様でございますか。それは喜ばしき限りのことで」
「しかも、向こうは我が方の三倍以上の兵力を有していたが、市丸殿や三郎殿らの活躍によって、終始一方的な展開だったとのことだ」
「なんと……」
それを聞いて氏元は目を丸くした。
「勝てるとは思っていたが、まさかここまで圧倒するとは。やはりあのものたちの力は、私の想像の範疇には収まらんな」
「……秀頼様が頼りになされた理由が、よくわかりました」
「もしかすると、本当に第一陣のみですべてを終わらせてしまうかもしれんぞ」
吉右衛門は、辰巳たちへの多大なる期待を語りながら、茶碗を氏元に差し出した。
「そうなってくれれば、ありがたい限りにございます」
氏元も辰巳たちに大きな期待を抱きつつ、お茶をズズっと飲んだ。
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