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第2章 北条家戦争
海の精鋭たち
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「辰巳さん、海へ行きましょう」
辰巳のところへやって来るなり、ユノウはそう口にした。
「え、海?」
いきなりの提案に、辰巳は当然のように困惑する。
「さっき戸塚で休んだ時、近くにいた旅人が『江戸でもののけたちが船をかき集めてる』って話をしてたんですよ。これって、妖怪たちが海から攻めてくる証拠だと思いませんか?」
一方でワミからの報告もあり、ユノウは妖怪たちによる河越攻撃の可能性はほぼないと判断していた。
「なるほど。確かに、小田原城なら海からでも十分攻められるな」
「海にも海坊主やサザエオニといった妖怪がいますからね。そいつらに空飛ぶ妖怪や陸の妖怪を組み合わせれば、相応の兵力になりますよ」
「じゃあ、俺らが海に行って対処しないとダメだな」
相模川の戦いで圧勝したことによって、辰巳は大きな自信を獲得していた。
「正二郎さんの許可はもらってありますので、ここは奈々ちゃんと市丸さんたちに任せて、あたしたちはヘリに乗って海へ向かいましょう」
「わかった」
辰巳は慣れた手つきでヘリコプターを切って呼び出すと、ユノウとともに乗り込んだ。
「やぁ、今回はどこへ飛んだらいいんだい?」
二人が乗り込むなり、スパシアルは陽気に問いかけた。
「とりあえず海へ行きたいから、東に向かって飛んでちょうだい」
「オーケー」
スパシアルは大きな音を立てながら翼を回転させると、海へ向けて飛び上がった。
「海に着いたらどうすんの?」
聞いたのは辰巳だ。
「海に着いたら、辰巳さんにイージス艦を出してもらって、それに乗り換えて索敵しようと思ってるんですけど……イージス艦って知ってますよね?」
「知ってるよ。前に横須賀で落語会があった時に実物を見てるし、注文を受けて切ったりもしてるんだからさ。けど、なんでわざわざ乗り換えんの? そのままヘリに乗って空から探した方がいい気がするけど、レーダーだって付いてるんだし」
「それなんですけど、スパシアルさんのレーダーじゃ海上を進む船を見つけることはできないんですよ」
「え、そうなの?」
「残念ながら」
辰巳が確認すると、スパシアルはどこか申し訳なさそうな感じで返答した。
「だから、イージス艦に乗り換えるんですよ。イージス艦の索敵能力をもってすれば、妖怪たちの船を見つけるのも容易なはずですから」
「なるほどね、わかった」
納得した辰巳は、早速紙を切り始め、スパシアルも海へ向けて一直線に飛んでいった。
「辰巳さん、準備はできてますか?」
「もちろん」
辰巳は切り上がったイージス艦をユノウに見せた。
「巨大な艦橋にそびえ立つアンテナ、さすが実物を見てるだけあって、見事な出来栄えですね」
「それと、こういうのも切ってみた」
辰巳が見せたのは、イージス艦よりも一・五倍ほど大きな戦う船の姿だった。
「これって、もしかして大和ですか?」
「そう、戦艦大和。海で戦うのなら、大和がいた方が心強いなぁと思ってさ。……まぁ、シンプルに見たいっていうのもあるけど、ユノウは、本物を見たことあるの?」
「大和は見たことないですけど、長門や陸奥といった他の戦艦だったら見たことありますよ」
「やっぱ迫力すげぇ?」
「そうですねぇ、迫力というか威圧感がすごかったですね。まさに鉄の城って感じで」
「じゃあ、早く呼び出そう。出でよ、イージス艦、出でよ、戦艦大和!」
眩い光とともに、イージス艦と大和が海上に姿を現した。
「おぉ、すげぇ!」
眼下に出現した巨大な大和の姿を見て、辰巳は興奮を隠しきれない。
「辰巳さんとしては、このまま大和に着艦して欲しいと思ってるでしょうけど、それはちょっと厳しいので、ここはイージス艦の方に着艦しましょう。スパシアルさん、お願いします」
「オーケー」
スパシアルはゆっくりと高度を下げていくと、イージス艦の後部甲板にあるヘリポートに着陸した。
「はじめまして、私はイージス艦の楯野と申します」
「我は戦艦大和である」
辰巳とユノウがスパシアルから降りるなり、イージス艦と大和が挨拶してきた。
「どうも、ユノウです」
「辰巳です」
「今回は、どういった任務で私たちをお呼びになったのでしょうか?」
楯野は穏やかな口調で聞いた。
「楯野さんと大和さんには、小田原攻略を目論む妖怪たちの船団を攻撃して、これを阻止してもらいたいんです」
ユノウは任務内容を手短に説明した。
「了解しました。では、早速索敵を開始します。……あっ、浦賀水道を低速で南下中の大船団を捕捉。加えて、船団上空には大多数の飛行物体の姿も確認できます」
「確実にそれね。距離は?」
報告を聞くなり、ユノウは確信した。
「およそ三〇キロ。対艦、対空ミサイル、いずれも有効射程内です」
「我の四六サンチ砲も有効射程内だ」
負けじとといった感じで、大和は威厳のある声でアピールした。
「じゃあ、楯野さんはその飛行妖怪たちをせん滅させてください。対空戦闘が終了したら、大和さんの出番です」
「了解しました」
「承知」
楯野と大和はそれぞれ戦闘準備に入る。
「辰巳さん、あたしたちは艦橋から戦況を見守りましょう」
「わかった」
二人が艦橋に上がってからほどなくして、楯野の甲板上から対空ミサイルが次々と発射され、大空に白い筋を描きながら南の空へと上昇していった。
辰巳のところへやって来るなり、ユノウはそう口にした。
「え、海?」
いきなりの提案に、辰巳は当然のように困惑する。
「さっき戸塚で休んだ時、近くにいた旅人が『江戸でもののけたちが船をかき集めてる』って話をしてたんですよ。これって、妖怪たちが海から攻めてくる証拠だと思いませんか?」
一方でワミからの報告もあり、ユノウは妖怪たちによる河越攻撃の可能性はほぼないと判断していた。
「なるほど。確かに、小田原城なら海からでも十分攻められるな」
「海にも海坊主やサザエオニといった妖怪がいますからね。そいつらに空飛ぶ妖怪や陸の妖怪を組み合わせれば、相応の兵力になりますよ」
「じゃあ、俺らが海に行って対処しないとダメだな」
相模川の戦いで圧勝したことによって、辰巳は大きな自信を獲得していた。
「正二郎さんの許可はもらってありますので、ここは奈々ちゃんと市丸さんたちに任せて、あたしたちはヘリに乗って海へ向かいましょう」
「わかった」
辰巳は慣れた手つきでヘリコプターを切って呼び出すと、ユノウとともに乗り込んだ。
「やぁ、今回はどこへ飛んだらいいんだい?」
二人が乗り込むなり、スパシアルは陽気に問いかけた。
「とりあえず海へ行きたいから、東に向かって飛んでちょうだい」
「オーケー」
スパシアルは大きな音を立てながら翼を回転させると、海へ向けて飛び上がった。
「海に着いたらどうすんの?」
聞いたのは辰巳だ。
「海に着いたら、辰巳さんにイージス艦を出してもらって、それに乗り換えて索敵しようと思ってるんですけど……イージス艦って知ってますよね?」
「知ってるよ。前に横須賀で落語会があった時に実物を見てるし、注文を受けて切ったりもしてるんだからさ。けど、なんでわざわざ乗り換えんの? そのままヘリに乗って空から探した方がいい気がするけど、レーダーだって付いてるんだし」
「それなんですけど、スパシアルさんのレーダーじゃ海上を進む船を見つけることはできないんですよ」
「え、そうなの?」
「残念ながら」
辰巳が確認すると、スパシアルはどこか申し訳なさそうな感じで返答した。
「だから、イージス艦に乗り換えるんですよ。イージス艦の索敵能力をもってすれば、妖怪たちの船を見つけるのも容易なはずですから」
「なるほどね、わかった」
納得した辰巳は、早速紙を切り始め、スパシアルも海へ向けて一直線に飛んでいった。
「辰巳さん、準備はできてますか?」
「もちろん」
辰巳は切り上がったイージス艦をユノウに見せた。
「巨大な艦橋にそびえ立つアンテナ、さすが実物を見てるだけあって、見事な出来栄えですね」
「それと、こういうのも切ってみた」
辰巳が見せたのは、イージス艦よりも一・五倍ほど大きな戦う船の姿だった。
「これって、もしかして大和ですか?」
「そう、戦艦大和。海で戦うのなら、大和がいた方が心強いなぁと思ってさ。……まぁ、シンプルに見たいっていうのもあるけど、ユノウは、本物を見たことあるの?」
「大和は見たことないですけど、長門や陸奥といった他の戦艦だったら見たことありますよ」
「やっぱ迫力すげぇ?」
「そうですねぇ、迫力というか威圧感がすごかったですね。まさに鉄の城って感じで」
「じゃあ、早く呼び出そう。出でよ、イージス艦、出でよ、戦艦大和!」
眩い光とともに、イージス艦と大和が海上に姿を現した。
「おぉ、すげぇ!」
眼下に出現した巨大な大和の姿を見て、辰巳は興奮を隠しきれない。
「辰巳さんとしては、このまま大和に着艦して欲しいと思ってるでしょうけど、それはちょっと厳しいので、ここはイージス艦の方に着艦しましょう。スパシアルさん、お願いします」
「オーケー」
スパシアルはゆっくりと高度を下げていくと、イージス艦の後部甲板にあるヘリポートに着陸した。
「はじめまして、私はイージス艦の楯野と申します」
「我は戦艦大和である」
辰巳とユノウがスパシアルから降りるなり、イージス艦と大和が挨拶してきた。
「どうも、ユノウです」
「辰巳です」
「今回は、どういった任務で私たちをお呼びになったのでしょうか?」
楯野は穏やかな口調で聞いた。
「楯野さんと大和さんには、小田原攻略を目論む妖怪たちの船団を攻撃して、これを阻止してもらいたいんです」
ユノウは任務内容を手短に説明した。
「了解しました。では、早速索敵を開始します。……あっ、浦賀水道を低速で南下中の大船団を捕捉。加えて、船団上空には大多数の飛行物体の姿も確認できます」
「確実にそれね。距離は?」
報告を聞くなり、ユノウは確信した。
「およそ三〇キロ。対艦、対空ミサイル、いずれも有効射程内です」
「我の四六サンチ砲も有効射程内だ」
負けじとといった感じで、大和は威厳のある声でアピールした。
「じゃあ、楯野さんはその飛行妖怪たちをせん滅させてください。対空戦闘が終了したら、大和さんの出番です」
「了解しました」
「承知」
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