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第2章 北条家戦争
大坂城混乱す
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「な、なんだあれは!?」
「風のバケモノか?」
「上様をお守りしろぉ!」
強烈な風と音を撒き散らしながら迫ってくるスパシアルに、大坂城内はパニックに陥りつつあった。
「これ、ちょっとヤバいんじゃないの?」
予想を上回る混乱ぶりに、辰巳は顔を引きつらせる。
「ほぉ、やはり皆面食ろうておるようだな」
対称的に、吉右衛門はおもしろそうに城中の様子を眺めている。
「着陸しまぁす」
スパシアルは庭石などの障害物に注意しつつ無事着陸。すぐさま、その周囲を大勢の侍たちが取り囲んだ。
否が応でも緊張感が高まっていくなか、スパシアルのドアが開く。
「皆の者、今戻ったぞ」
「ひ、秀頼様!?」
吉右衛門が姿を現すや、侍たちは驚きのあまり思考が停止して固まってしまう。
「随分と驚かせてしまったようだな。これは、私の冒険者仲間が呼び出した召喚獣だ。攻撃したりはしないから、安心するがいい」
それを聞いて、侍たちは徐々に落ち着きを取り戻していく。
「それと、私の冒険者仲間も一緒に来ておるので、皆、失礼がないようにな」
吉右衛門はコックピットの方を向くと、中にいる二人に降りてくるよう手招きをした。
「じゃ、あたしたちも降りましょうか」
「うん。あ、俺たちが出たら戻って大丈夫だから」
「オーケー」
二人が降りると、スパシアルはスーッと姿を消した。
「おい、消えたぞ」
「あの二人、一体何者なんだ?」
当然のように侍たちはざわついた。
「なんか、すげぇ見られてるな」
「そりゃそうですよ。謎の物体に乗ってやって来た吉右衛門さんの冒険者仲間って、注目される要素しかないんですから」
辰巳は周囲の視線を気にしていたが、ユノウは平然としている。
「さ、将軍に会いに行くぞ」
吉右衛門の後に続いて、辰巳とユノウは城の中を進んでいく。
城内はさすが将軍の居城ともいうべき絢爛豪華な造りで、廊下にまで上質な畳が敷かれ、襖の取っ手など至るところに金が用いられていた。
「すげぇな、金だらけじゃん」
辰巳は大坂城の桁違いの豪華さに圧倒されていた。
「さすが秀吉が建てた城って感じがしますね」
ユノウも心なしかテンションが高い。
「こ、これは秀頼様、お帰りなさいませ」
廊下を曲がったところで、犬耳のある中年の侍が驚いた様子で吉右衛門のもとへ駆け寄ってきた。
「おぉ、忠綱。今戻ったところだ」
侍の名は犬本忠綱。犬本家の現当主であり、幕府の要職である宿老の地位に就いていた。
「今城中にて、風のバケモノが出たなどと騒ぎが起こっておりますが、秀頼様が巻き込まれておらず安心いたしました」
それを聞いた吉右衛門は、苦笑しながら真相を告げる。
「実はな、そのバケモノだといわれてるものに乗って、私は大坂に戻ってきたのだ」
「え……ど、どういうことでございますか?」
「手短に説明するとだな、あれは空を飛ぶ召喚獣で、私の冒険者仲間である辰巳殿が、紙魔法というすごい力で呼び出したものなのだ」
「さ、左様でございますか……」
忠綱はいぶかしげな顔で辰巳のことを見た。
「ところで、秀時は政務中だな?」
「はい。上様はご政務中にございますが……」
「ならいい。行こう」
吉右衛門たち三人は、秀時が政務を行っている部屋へと向かう。
「……大御所様にもお伝えしておいた方がいいかもしれん」
忠綱は西の丸にいる秀綱のもとへ向かった。
「風のバケモノか?」
「上様をお守りしろぉ!」
強烈な風と音を撒き散らしながら迫ってくるスパシアルに、大坂城内はパニックに陥りつつあった。
「これ、ちょっとヤバいんじゃないの?」
予想を上回る混乱ぶりに、辰巳は顔を引きつらせる。
「ほぉ、やはり皆面食ろうておるようだな」
対称的に、吉右衛門はおもしろそうに城中の様子を眺めている。
「着陸しまぁす」
スパシアルは庭石などの障害物に注意しつつ無事着陸。すぐさま、その周囲を大勢の侍たちが取り囲んだ。
否が応でも緊張感が高まっていくなか、スパシアルのドアが開く。
「皆の者、今戻ったぞ」
「ひ、秀頼様!?」
吉右衛門が姿を現すや、侍たちは驚きのあまり思考が停止して固まってしまう。
「随分と驚かせてしまったようだな。これは、私の冒険者仲間が呼び出した召喚獣だ。攻撃したりはしないから、安心するがいい」
それを聞いて、侍たちは徐々に落ち着きを取り戻していく。
「それと、私の冒険者仲間も一緒に来ておるので、皆、失礼がないようにな」
吉右衛門はコックピットの方を向くと、中にいる二人に降りてくるよう手招きをした。
「じゃ、あたしたちも降りましょうか」
「うん。あ、俺たちが出たら戻って大丈夫だから」
「オーケー」
二人が降りると、スパシアルはスーッと姿を消した。
「おい、消えたぞ」
「あの二人、一体何者なんだ?」
当然のように侍たちはざわついた。
「なんか、すげぇ見られてるな」
「そりゃそうですよ。謎の物体に乗ってやって来た吉右衛門さんの冒険者仲間って、注目される要素しかないんですから」
辰巳は周囲の視線を気にしていたが、ユノウは平然としている。
「さ、将軍に会いに行くぞ」
吉右衛門の後に続いて、辰巳とユノウは城の中を進んでいく。
城内はさすが将軍の居城ともいうべき絢爛豪華な造りで、廊下にまで上質な畳が敷かれ、襖の取っ手など至るところに金が用いられていた。
「すげぇな、金だらけじゃん」
辰巳は大坂城の桁違いの豪華さに圧倒されていた。
「さすが秀吉が建てた城って感じがしますね」
ユノウも心なしかテンションが高い。
「こ、これは秀頼様、お帰りなさいませ」
廊下を曲がったところで、犬耳のある中年の侍が驚いた様子で吉右衛門のもとへ駆け寄ってきた。
「おぉ、忠綱。今戻ったところだ」
侍の名は犬本忠綱。犬本家の現当主であり、幕府の要職である宿老の地位に就いていた。
「今城中にて、風のバケモノが出たなどと騒ぎが起こっておりますが、秀頼様が巻き込まれておらず安心いたしました」
それを聞いた吉右衛門は、苦笑しながら真相を告げる。
「実はな、そのバケモノだといわれてるものに乗って、私は大坂に戻ってきたのだ」
「え……ど、どういうことでございますか?」
「手短に説明するとだな、あれは空を飛ぶ召喚獣で、私の冒険者仲間である辰巳殿が、紙魔法というすごい力で呼び出したものなのだ」
「さ、左様でございますか……」
忠綱はいぶかしげな顔で辰巳のことを見た。
「ところで、秀時は政務中だな?」
「はい。上様はご政務中にございますが……」
「ならいい。行こう」
吉右衛門たち三人は、秀時が政務を行っている部屋へと向かう。
「……大御所様にもお伝えしておいた方がいいかもしれん」
忠綱は西の丸にいる秀綱のもとへ向かった。
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