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ルート1
スタート
しおりを挟むピピピッと目覚ましがなっている。
俺は何回も聞いたことがあるこの目覚まし音の発生源に手を伸ばして音を止める。
目を開けると、そこはいつもと変わらない自分の部屋だった。
さっきまでの出来事は夢だったのか ? と鮮明に覚えている出来事を振り返る。
神と名乗る女性。女の子と付き合ったら生き返る。今いるこの部屋は神が作ったルールが存在するイフルートという世界……。
とてもそんな風には見えない。本当に現実世界と変わらない。俺は一度ほっぺたを強く引っ張る。もちろん痛い。やっぱり現実だ。そういえば……
「今日って何日だ?」
枕元に置いていたスマホを手にとって確認する。
「7月22日……か」
俺の7月21日の記憶は事故の後で途絶えている。やっぱりあれは夢じゃなかったってことか。
自分の体をざっと見る。怪我はひとつもない。
「事故が起きなかった世界って言ってたもんな」
もう一度神が言った発言を振り返ってみる。
俺は昔から人間観察や物事を深く考えることが好きで、一人でよく考え事をしている。役立ったことは未だ一度もないが……。
振り返るとひとつ疑問が出てきた。
「最後に言ってたルール。あれをもう一度伝えた意味はなんだ?」
そう、言われたときも思わずツッコんでしまったあのルール。
『対象の女の子を攻略するまで生き返ることができません』
それまでの神の発言からも女の子と付き合えば生き返るという説明があった。その説明からこのルールでいう攻略は付き合うとイコールということはわかる。ということは大事になってくるのは 『対象の女の子』 ということになってくる。
「対象の女の子……誰か特定の対象が1人いるってことか? それとも多数??」
考えるたび深い沼にハマっていくようだ。俺はベッドの上でうおおおと恋する乙女のようにのたうち回る。
「うるさい、バカにい! ……なにやってんの?」
隣の自分の部屋にいた京香が俺の部屋に突然入ってきて、悶ている俺を見て少し引いたよう顔で尋ねてきた。
「わるい……あ! そうだ、京香! 昨日の俺って何してた?!」
俺はベッドから飛び出して部屋の入口に突っ立ったままの京香に近づき、両肩に手を置いて体を揺する。
「ちょ、急に近いから……。とりあえずもうちょい離れて!」
京香が俺の体をどん! と押して一定の距離を作る。
「なに、記憶喪失にでもなったの?」
「うーん、まあそんな感じかな。で、何してた?」
「なにそれ? ……普通に学校に行ってその後バイト行ってた気がするけど」
「そっか……。ありがと」
やっぱり事故だけが抜けているし、バイトに行った記憶はない。……覚悟を決めるか。
ふと京香のほうを見ると、心配そうに俺の方を見ていた。
「ねぇ、なんかあったの? その……なんか思い詰めてない?」
「……大丈夫だよ。ありがとな」
俺は京香の頭をクシャッと撫でた。
約15年も一緒に住んでいるとやはり些細なことでもバレてしまうな。気をつけなければ。
「うわ、頭撫でんな! 心配して損した」
少し乱れた髪を直しながら京香はそう言い残して部屋を出ていった。
と思ったら戻ってきて入口から顔だけ覗かせた。
「バカにいはバカみたいに笑ってるのが一番だから。変にくよくよすんなよな」
ニッと笑って今度こそ部屋から離れていった。
まさか京香に励まされる日が来るなんて。
「俺はお前の存在に救われてるよ。ありがとな」
妹に活を入れてもらったし、頑張るか! と自分の頬をバシッと叩いて気合を入れた。生き返るために告白するぞ!
とりあえず俺は確認する事とこれからしなければいけないことがあるため、スマホを手に取り出掛ける準備を始めた。
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