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ウェールズ王国
謝罪と後遺症
しおりを挟む「え、え~と…。」
今サクラの目の前で国王とルイスが土下座していた。
「サクラ!本当に申し訳ない!!」
「サクラ様、もっと私がちゃんと見ていれば!!申し訳ありませんでした!!」
その2人の後には城の使用人と護衛騎士達がさらに土下座していた。
「だ、大丈夫ですよ?」
若干引きながら答えた。
大丈夫な訳無いだろう!国王は土下座しながら己の無力さに拳を握った。
「サクラ様、貴女には侍女達から暗示をかけられていたんですよ?」
「暗示?」
そう言えば、侍女の言う事をマルっと信じていたかもしれない。
「それは魔法?」
「いえ、魔法ならばサクラ様には効きません。しかし、言葉だけでうまくサクラ様に暗示をかけたのです。」
なるほど…でも、悪い事ばかりでは無かった。
私は得る物も多かったのだ。
「ちょっと来て貰えますか?」
私は皆を連れて宮殿の裏手に回った。
「こ、これは?」
「サクラ様が作ったのですか!」
「はい、宮殿に来てから直ぐに食事に困ったので野草を摘んでここでご飯を作っていました。」
そう言われ、国王とルイスは顔を顰めた。
土で作ったの釜に植物魔法か?で作った小さなテーブルにナイフなどが転がっていた。
「国王陛下?」
「なんだい?」
「あの…侍女達に会わせてもらえませんか?」
なんだろうか?この胸のモヤモヤは…苦しくてそして切ない何か、あの侍女達に会えば分かる気がする。
「会ってどうするのですか!サクラ様を傷付けた者達です!」
「でも、会わなきゃいけない…きがするんです。」
「一度だけだ、明日会わせよう。」
「陛下!しかし!」
「サクラが言うのだ、罪滅ぼし等にはならんが願は叶えてやりたい。」
こうして、私は翌日侍女達が捕らえられている牢に向かったのだった。
翌日…。
「サクラ、今日は随分と身軽な装いなのだな?」
「はい、この方が良い気がするんです。何故だか分からないんですけど。」
あれからサクラは笑わなくなってしまった。
子供らしさもなく、目も曇ってしまっている。
本当に侍女達に会わせて良いのか今でも判断に迷うが、サクラが望んだ事。
「ここだ。」
地下への階段をずっと降りていくとズラっと並んだ牢の廊下が真っ直ぐに伸びていた。
「面会室に侍女長だけ呼んで下さい。後は私と二人きりに。」
「それは駄目です!せめて私が立ち会います。」
ルイスは譲らなそうだから、何があっても手を出さない様に約束して貰った。
「陛下!侍女長を面会室に移しました!」
兵士がいうと国王は頷き、サクラとルイスを面会室に促した。
「サクラを頼むぞ?」
「はい!」
私は構わず面会室に入った。
「お久しぶりです。」
「何の用?私に会いたいなんて、文句でも言いに来たの?!」
フンっとそっぽを向く侍女長に私は淡々と話した。
「何故だか貴女に会わなきゃと思ったの。この胸のモヤモヤは何なのか、この切ない気持ちは何なのか確かめたかった。」
「は?それで?分かったの?!」
「はい、分かりました。私は…。」
私は椅子から立つと侍女長の隣に行った。
今侍女長の顔を見てやっと分かった。
私のモヤモヤ、受け止めて下さい。
小さな拳を力一杯握り締めると侍女長をぶん殴った。
「べぶっ!!」
侍女長は一回転して面会室の壁を打ち破り、外の木に当たるとその木はバキバキといいながら倒れた。
「さ、サクラ…様?!」
俯いたまま拳を握る私に遠慮がちにルイスが声を掛けてきた。
「あ、あ…。」
「サクラ様??」
「あぁーー!!スッキリしたぁ!!」
満面の笑みでルイスを見上げると顔が引き攣っていた。
「このモヤモヤはやられっぱなしだったからだったのよ!」
ちょっとヒリヒリする手をフリフリしながら、壊れた壁を見て国王とルイスを見た。
「大丈夫だ、サクラ。サクラが納得するなら壁の一つや二つ安いものだ!」
ニッと笑った国王の笑顔は見事にヒクヒクしていた。
まぁ、こんな幼女が大人の女をぶん殴った上に壁まで壊して吹き飛ばしたのだこうなるのも仕方あるまいと思った。
「今度からはモヤモヤしたらこうします!!」
ニッコリ笑う私、固まる皆。
「おい、ルイス…どうするんだ?サクラが変な方向に行ってしまったぞ?」
国王はこっそりルイスに耳打ちした。
「後遺症…とでもいうのですかね。私達はサクラ様がこんな事をしようと思わない様に務めるしかありませんね…。」
こうしてサクラに特技、ぶん殴るを習得したのだった。
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