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ウェールズ王国
宮廷裁判、開廷
しおりを挟む「此処にアルミディアス聖教87代猊下の名のもとに宮廷裁判を開廷する。罪人入廷!」
王宮の地下、大きな半円に国王を中心とし聖教のトップ4人が座っている。
1番端には進行役が立つ。
更に数段下には円形の大きな広場があり、そこにはギロチンを始め多くの拷問器具が用意されている。
控えるは拷問執行人、顔は見えない様に黒い頭巾に全身黒い制服を着ているが服の上からも執行人のガタイの良さは見てとれる。
罪人は全部で15名にもなった。
筆頭は勿論、侍女長だが関わった者を洗い出したらこの人数となった。
更に宮廷裁判の掟、罪人の一族郎党全員が罪人となる。
つまり、一族皆殺しと言う事だ。
目隠しに縄で縛られた罪人達がゾロゾロと入廷して来る。
「多いな…。」
「一族郎党だからな、こうなるのは当たり前だ。」
呟いた国王にルイはシレッと言った。
「筆頭罪人、前へ!!」
「ひぃっ!!」
痩せこけた侍女長が縄で縛られ前に無理矢理押し出された。
目隠しを取られた侍女長は周りを見て悲鳴を上げた。
それを鼻で笑うとルイは立ち上がり、金の杖で地を鳴らした。
ーゴンゴンっ!
「我はアルミディアス聖教最高司祭、ルイステル=イゴール=アルマージュである。主神アルミディアス様の代行と心得よ。今これより我が聖魔法により偽りは申せぬ、しかと己が罪を認めよ。」
「始めよ。」
顔を顰めながら国王が進行役に言った。
「では、筆頭罪人アマリア=スワイロ伯爵夫人。この度、落とし人様と知りながら己の職務を放棄し侍女長である其方に逆らえぬ侍女達にも職務を放棄し、更には落とし人様の為に用意された品々を持ち出し己の財産とした。間違いないか?」
「ちが、違いま…すーーぎゃああああ!!」
急に侍女長アマリアはのたうち回った。
「アマリアよ、嘘は賢明ではないな。我の魔法は優秀故、嘘を申すと全身に激痛が走るぞ?」
クスと笑う最高司祭にアマリアは顔を青くした。
これでは言い訳も何も出来ない。
「認めるのか?認めないのか?」
淡々と進める進行役。
「み、認め…ます。」
アマリアは俯き下唇を噛んだ。
「発現宜しいですかな?」
立派な白い髭を撫でながら朗らかに微笑む老師が手を上げた。
「ロイ老師、どうぞ。」
進行役が一礼するとロイ老師はアマリアを見やった。
「お主、何がそんなに落とし人様が気に入らなかった?落とし人様はまだ幼子、お主にも子は居ろう?」
ロイ老師が首を傾げるとアマリアはキッと国王を睨んだ。
「全ては貴方が悪いのです国王陛下。」
「なんだと?」
「正確には先王陛下、私は先王の側室の中の一人でした。」
「は…。」
国王は言葉を詰まらせた。
じふの父王は確かに数え切れない程の側室を囲っていた。
しかし、ウィルが王太子となると話した事も無い兄弟達は遠くの国々に婿入りしたり嫁いで行ったりした。
側室も臣下に下賜されたと聞く。
「私には子は無く、直ぐにスワイロ伯爵へ下賜されました。私も女です、側室には召し上げたにも関わらず一度も閨を共にすることも無く捨てられた私の気持ちがお分かりになりますか?私は先王を愛しておりました。少しでも私を見て欲しい、そんな矢先にとうとう正妃が王子を産み先王の関心は正妃と王子に向かってしまった。それでも、下賜されて尚王家に仕えようと侍女となり過ごして参りました。そこに現れたのがあの子供。落とし人と言うだけでルイス様や先王陛下の生き写しの国王陛下にまで寵愛される、憎い子供。」
「だから、あんな事をしたと?」
国王が聞くとアマリアは笑い出した。
「そうよ、憎かったの!何もかも持っているあの子供が!!だから奪ってやったのよ!」
アッハハハハと笑うアマリアに国王もルイも眉を顰めた。
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