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一章
オーリの成長
しおりを挟む中身は大人、体は赤子のオーリです!
最近はママのお姉さんのマクスウェルさんと精霊の王様に毎日遊んで貰っています。
私はある日成長が早くなって今ではよちよち歩く事が出来る様になって、私は専ら城探検と魔法に夢中だった。
『オーリ!』
『オーリ!何処に居るんだい?』
今私は城の図書館にいる。
最近覚えた気配を消す魔法で誰も私の探究心を邪魔出来ない。
前世の私は研究者、この溢れる探究心は誰にも邪魔出来ないのだふふふ…。
しかし、私は子供だし精霊の言語は読めない。
幸いにも魔法の本には丁寧に挿絵が入っていたのでそれを真似て魔法を覚えて行った。
「手をこうして…ふんってやりゅんでしゅね?」
よし!どんな魔法か分からないのが更に私をワクワクさせた。
「えいっ‼︎」
ーシュバッ‼︎どごおおおオォオォォォォオン‼︎
「ありぇ?」
私は自分の手を見た。
何も見えなかったけど目の前の図書館の扉がある一面の壁が無くなりガラガラと残骸が崩れている。
『オーーーーーーーリーーーーーーーー‼︎』
そこにパパであるスルトが飛び込んで来た。
「パパーーーーー!」
私はパッと顔に花を咲かせた。
パパは直ぐに私を抱いて怪我が無いか確認している。
私は凄い魔法が出た事に興奮していた。
「パパ!シュバってしゅごかったのよ~!」
フンスと鼻息荒い私に眉を下げた。
パパは青銀の長い髪を緩く結っていて切長の薄紫の目に凄く長身のイケメンさん。
『ハァ~…オーリ?気配を消してはダメだ。』
「ん~?どうして?」
『パパもママもマクスウェル姉さんもシル叔父様も心配する。』
「ウェル叔母しゃま?」
『そうだよ。』
「シリュ叔父しゃまも?」
『パパもママもだ、魔法を使っちゃいけないとは言わない。勉強したいなら先生を付ければ良い。』
「ごめんなしゃい…。』
シュンっとする私の頭をパパは優しく撫でてくれた。
私は幸せだ。
パパとママは私の為に精霊同士の何かの契約をしたらしい。
ウェル叔母様もシル叔父様もしてる契約らしいけど私には詳しくは分からない。
その後、私に早々家庭教師がついた。
水の精霊のレイア先生、精霊には美形しか居ないのか?目が痛い。
『姫様、本日は基礎の魔法から始めましょう。スルト様とオリジン様からかなり魔法の才能がお有りだと聞きました。まずは基礎を覚えましょう。』
「あい!」
私は豪快に両手を上げた。
『まぁ~お可愛らしい…。』
はぅっと胸を押さえる先生に首を傾げた。
『ゴホン!では、炎魔法から。良いですか?詠唱はファイアボールです。』
「あい!えい!」
ーヒュン!ズゴオオオオオオン!
『え?』
「ありぇ?」
私はフカフカのクッションの上で首を傾げた。
先生が何かを待って来た。
『ひ、姫様?魔法を放つ時何か考えましたか?』
「ん~?火がクリシュタルの中に入ったらきりぇ~って!」
『それでこれですか…。』
先生は手に持った物を見て溜息を吐いた。
『姫様、本日はここまでです。オリジン様達とお話ししなければなりません。』
私は内心ガッカリした、もっと魔法を教えて欲しかった。
その後私騒動を起こす事になる。
◆◆◆
城の応接室でオリジンを始め、スルト、マクスウェル、精霊王は家庭教師と向き合い難しい顔をしていた。
『これをオーリが?』
スルトがある物を凝視しながら聞いた。
『はい、私は姫様にファイアボールを教えていました。』
『ファイアボールでどうしてこうなるのかしら?』
オリジンは頬に手を当て不思議そうにしている。
マクスウェルと精霊王は笑っていた。
『姫様はファイアボールを放つ時に無詠唱でしたが炎がクリスタルの中に入ったら綺麗だと思ったと言っておりました。』
『ふむ、オリジン?オーリはもしかしたら…。』
『お兄様、まさか!』
オリジンは精霊王の事も兄と呼ぶ様になっていた。
『精霊化か?』
スルトが呟く。
『有り得ない話じゃない。オーリは生後間も無くこちらに来た。それに適応も早かったと聞いている。』
『お姉様…。』
『一度調べる必要があるね?オーリは魔力も僕と同等だし、将来僕を越えてくれるんじゃ無いかと楽しみにしているんだよ?』
精霊王の言葉にオリジンもスルトも驚きを隠せないでいた。
『オーリは何の精霊だろうね?』
ニッコリ笑う精霊王に脱力した。
その後、どうして使えたのか転移魔法を覚えたらしいオーリがバンバン転移して広い城で迷子になりまくり大捜索網が敷かれたのだった。
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