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一章
オーリの精霊化
しおりを挟む私は転移魔法を使いまくりパパとママにすごく心配された。
その後、神殿の様な部屋に連れて行かれ大きな丸い水晶に触れる様に言われた。
水晶は光り何か浮かび上げった。
それを見たママ達は私を侍女のフィーに任せると何やら話し合いを始めた。
何か不味かった?もしかして私また捨てられる?そう思うと自然と涙が流れた。
『ひ、姫様⁈どうなさいました⁈』
急に泣き出した私にフィーは慌て出した。
「ふぇ~ん…。」
『あらあら、オーリちゃんどうしたのかしら?』
「ママ~…ふぇ~ん。」
私は精一杯ママに手を伸ばした。
『よしよし、落ち着いて?何か不安になっちゃったのね?ママに聞かせて?』
トントンと背中を優しく叩かれていると落ち着いてきた。
「ヒック…ママ私何かダメだった?またしゅてられちゃうの?」
私の言葉にママや皆んなが固まってしまった。
『そんな事する訳ないじゃない!』
ママの大声に今度は私が固まった。
お陰で涙も引っ込んだ。
『オーリちゃんは何があってもママの子よ!ええ、誰が何と言おうと!』
『どうだ、オーリは間違いなく我とオリジンの子だ。』
「ママ、パパ…。」
パパは私の頭を撫でながら笑った。
『オーリ、シルが認めてるんだから大丈夫よ。ねぇシル?』
『マクスウェルの言う通りだよ?オーリは僕とマクスウェルの姪でもあるんだから。』
僕は精霊王なんだからと胸を張るシル叔父様に笑ってしまった。
『さぁ、オーリちゃんの笑顔も戻った事だし少し話をしましょう?』
ママは私を抱いたまま応接室に移った。
『さて、僕から話そう。』
シル叔父様は楽しそうに話を始めた。
『オーリは生後間も無くこの精霊界に来たよね?』
私は頷く。
『人間界と精霊界では時間の概念も違う事はオリジンから聞いていると思う。人間だったオーリは時間をかけて精霊界の環境に慣れて行ったんだ。その過程でオーリは精霊化してしまったんだよ。でも完全に精霊って訳じゃないんだ、半精霊って言えばいいのかな?体の細胞は精霊化してる、でも魂は人のままだ。』
身体は精霊で魂が人だと何なのか私には分からなかった。
『オーリ?私達精霊は人間が死のうが滅ぼうが心を痛めない。でもオーリは違う。人の心を持っているから少なからず心痛めるだろう。寿命は無いに等しいけど、それにオーリが耐えられるか私達は心配しているんだ。』
私が人間の事で心を痛める?私を捨てた両親は人間、前世で私に罪を着せ私を恐れ無残に処刑したのも人間だ。
憎むことがあっても助ける事は無いだろう。
「私、何のしぇーれぇー?」
『ふふ、オーリはね元素の精霊よ?これが証拠ね。』
ママが取り出したのは私が放ったファイアボール?だった。
『オーリ、普通も魔法を放ったらこうはならない。無意識にオーリが考えた事がそのまま起こったんだ。』
『クリスタルにファイアボールを包むなんてオーリにしか出来ないよ?』
ウェル叔母様とシル叔父様は心底楽しそうだ。
パパとママは戸惑いはあるけど私の寿命が伸びたのが嬉しいと言った。
人の生は一瞬だからと。
ん?これって私は今世では死なない?
まさかあの神がそんな事するとは到底思えなかった。
半信半疑だが私にはどうにも出来ない、これから私は精霊についても学ぶ事になった。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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