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惑星エルリス
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しおりを挟むクロードはガリル王国での一件を帝一人一人に詫びて回った。
皆一様に気にしなくていいと言ってくれたがクロードの気は晴れないで居た。
引き続きアスタナ王国の事は水帝と風帝に任せクロードは只管執務に精を出していた。
ーコンコン…
「どうぞ…」
「クロード…少し休め。」
クロードはラファイの顔も見ずに書類に只管筆を走らせている。
「クロード!!」
「はい?呼びましたか?」
そんなクロードにラファイは眉を下げた。
ガリル王国から帰るとクロードは自室の隣に妹の部屋を設けた。
「少し休めよ、最近のお前は気を張りすぎだ。他の帝も心配してる。」
「そうですか…すみません。少し休みますよ。あと…両親に会いに行こうと思います。ラファイも来てくれますか?」
「当たり前だ。」
「ありがとうございます。明日…行ってみようと思います。」
「分かった。総帝として行くのか?」
「はい、総帝としても両親には言いたい事がありますから。」
「そうか、分かった。その様に準備しておく。」
「お願いします。俺は少し部屋で休みます。」
きっと妹の部屋に行くであろうクロードをラファイは見送った。
クロードは執務室を出ると自室を過ぎて妹の部屋に向かった。
ノックをしても返事は無い。
ゆっくり扉を開けると窓際に座り外を見ている少女。
青銀髪の長い髪にクロードとは違い赤い瞳の少女。
外を見ている様に見えるだけで彼女の瞳は何も映さない。
一言も発することも無く食事もクロードが口まで運んでやっと食べさせている状態だ。
「クラディス?明日俺は両親に会って来ようと思う。クラディスはもう売られる事も辛い目に会う事も無い。俺が今度こそ守るから。また食事の時に来るよ。」
クロードはクラディスの部屋を出ると溜息を吐いた。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
翌日、クロードとラファイはクロードの産まれた村に向かっていた。
南の端にある名前すら無い村だ。
「大丈夫か、クロード?」
「大丈夫ですよ。ちょっと緊張しているだけですから。」
クロードの生家は今にも崩れてしまいそうなボロ屋だった。
他の家を見ても似たようなものだったので、これが普通なのだろうとラファイは思った。
「目立つので裏口に行きます。」
「あぁ。」
裏口の扉をノックすると直ぐに女性の声がした。
クロードの母親だろう。
「はい?どちら様?」
ドアを開けクロードと俺の姿を見るとクロードの母親は目を見開いて固まっていた。
「そ、総帝様?焔帝様まで…これは夢でしょうか?貴方!!大変よ!!ちょっと来て下さいな!!」
「どうした、騒がし…」
父親も固まった。
「総帝様!!」
父親は慌てて母親と共に平伏した。
「こんな寂れた村の私達の様な者に何用でございましょうか?」
「はぁ…」
ラファイは思わず溜息を吐いた。
それを聞いてクロードの父親も母親も顔を青くした。
「そんなに畏まらなくて結構ですよ?立って下さい。今日は貴方達に用があって私用で来ただけですので。」
「はぁ…私用でございますか?」
「立ち話もなんですので、汚いですが中へどうぞ。」
俺達は招かれるままに家のリビングに通された。
椅子に座ると直ぐにお茶を出された。
「それで…私用と言うのは?」
「子供を二人も売っておいて生活は苦しいのか?」
ラファイが言うと明ら様に両親の顔が引き攣った。
「なっ何を仰っているのか…」
「分からないと言うのですか?この顔を見てもそう言えますか?」
クロードは総帝のフードを取った。
「なっ!」
「貴方は…」
父親は驚愕し、母親は口元に手を当て驚いた。
「貴方達が売ったクロードですよ。何をそんなに驚く事がありますか?人買いに売られただけで死んだ訳ではありませんよ?」
「そんな…クロードが総帝様なの?」
母親は目に涙を溜めてクロードに手を伸ばした。
「触らないで下さい。私は総帝として来たのです。貴方達に貰ったのはこの身とクロードと言う名だけです。」
クロードは暗に親だとは思っていない事を伝えた。
「済まなかった…クロード。あの時はあぁするしか無かったんだ。」
「あんたら、クロードの妹の時もそうするしか無かったとか言うんじゃねえよな?」
父親は何故それを…とラファイを見た。
「ねぇ、クロード?クロードが総帝様なら私達は総帝様の両親よね?私達も王都に移り住めないかしら?総帝様の両親だもの優遇されるのでしょう?何故今まで顔を見せてくれなかったの?母さん心配…」
「止めてください!貴方達が売ったクラディスはどんな目に会ったと思いますか?まだクラディスは年端も行かぬ幼子なのですよ?まだ五つなのですよ!何故断罪に言った王家の王子に陵辱され鞭で打たれなければならなかったのです!!俺を売ったお金はどうしたのですか!!クラディスまで売らなければならない程困窮していたのですか!!貴方達に俺もクラディスも確かに似ていません、でも貴方達の子供なのは確かだった。残念ですが、私には今は別に両親が居ります。クラディスも私が保護しているのでご心配無く。貴方達はまだ若い…次に子供が出来た時同じ事をするなら総帝としてでなく…クロードとして貴方達を始末します。総帝の本当の両親が人買いに子供を売る様な親だとは恥ずかしくて言えませんよ。それを伝えに来たただけです。残念です。貴方達は何も変わっていない。」
クロードは冷たく言い放った。
母親はまだクロードに食いつこうとしついる。
「おい、自分達に似ていないクロードと妹を疎ましく思って売ったにも関わらずまだ利用しようとするのか?胸糞悪りいな。」
「そんな…私はそんなつもりじゃ…」
「それとこれを機にお前らが総帝様の両親などと言い触らす様な事はするなよ?そんな事したら俺が許さないからな。クロードにはもう優しい両親が居る。クロードの幸せを邪魔する様な事は絶対に許さない。」
ラファイの言葉に両親はぐっと言葉を詰まらせた。
「言いたい事は伝えました。これで失礼します。もう会う事も無いでしょう。」
「俺が言った事も忘れんなよ?」
クロード達はボロ屋を後にした。
この時クロード達はこの両親がまた一悶着起こすとは思ってもいなかった。
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