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惑星エルリス
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しおりを挟む「総帝様!アスタナ王国が異議申し立てを取り消しましたわ!」
総帝の執務室に飛び込んで来たのは水帝だ。
俺は今総帝のフードは被っていないが、もう帝達にはパれたので気にしない。
「えっ!急にどうしてですか?」
「はぁ…本当に良い男ですわね、総帝様。」
「総帝様はまだ15じゃ、水帝よそりゃ犯罪と言うんじゃ。」
ヒョッコリ土帝が現れた。
ラファイ以外俺の執務室に来る事が無かったのが、素顔を晒したら他の帝達も良く総帝の執務室に来るようになった。
「もう!わたしがあと10歳若かったら絶対に逃がさなかったのに!」
「まぁまぁ、それより報告をお願いします。」
「はーい、仕方ありませんわね。口説くのは後にしますわ。それに総帝様!絶対に帝達以外には素顔は晒してはいけませんわ!分かりましたわね!」
「まるで、母親じゃの?」
「五月蝿いですわよ土帝!」
「あのー報告は…」
「ゴホン…失礼しましたわ。アスタナ王国はガリル王国の顛末を見て異議申し立てを取り消した様です。」
「調べて見て何かありましたか?」
「いいえ、特にはありませんでしたわ。ただ…」
「ただ?」
「アスタナの民に聞き込みをしましたの。ここ数ヶ月配給は行われていますが量が少ないと誰もが言っていましたわ。」
「うーん、配給を少しずつ減らし誰かが懐に入れているんでしょうか?」
「その線が濃厚でしょうな。大方王族か貴族じゃろうて。」
「引き続きアスタナの様子を見て下さい。」
「了解しましたわ。総帝様、妹君は如何ですか?」
「相変わらずです。」
「じゃろうな、こればかりは時間がかかるじゃろ。」
「はい、気長に待ちます。私はクラディスに出来る事を精一杯してやる事しか出来ませんから。」
そこに電電雷魚がフワフワと泳いで来た。
クロードが手を差し出すとそこに着地した。
電電雷魚は念話が出来ない魔法使いが使用するものです。
「もしもし?」
「クロード!!」
大音量で名前を叫ばれクロードは耳を塞いだ。
話し手に合わせて口を動かす電電雷魚はとても面白い。
普段から念話しか使わないクロードには新鮮だ。
「ナディアさん?どうしたんですか大声で。」
「大声にもなるわよ!!クロードの妹がそっちに居るんですって?!」
「はい、居ますよ?」
「居ますよ?…じゃないわよ!!何で直ぐに言わないのよ!!私達の息子であるクロードの妹も私達の娘なのよ!分かる?!全く!そういう事には疎いんだから!!週末に行くから空けておいて頂戴ね!!ウィリアムもすっっっごく楽しみにしてるから!!息子も出来て娘まで出来るなんて何て幸せなのかしらー!!ウィリアムなんて女の子が喜びそうな物を片っ端から買ってるわよ?まぁ私もそうなんだけどね!じゃあそういう事にはだからじゃーねー!」
ーシーン…
「はぁ…」
「そ、総帝様のご両親…なんて言うか過激ですわね。」
「まぁ…なんじゃ…週末はここには近付かないのが賢明じゃの。」
週末に嵐の様な両親が襲来する事になった。
俺の親代わりのナディアさんとウィリアムさん達には子供が居ない…と言うより出来ない。
ナディアさんが冒険者なりたての時に大怪我を負ったそのせいで子供が産めない身体になってしまったらしい。
それでもウィリアムさんはナディアさんに求婚して、一年粘りやっとOKを貰ったのだそうだ。
そんな二人は俺を引き取った時も凄かった、過激な程溺愛してくれた。
それはもう俺がドン引きする程に…
そんな二人が週末に来るのだ、二人はラファイも溺愛している為ラファイにも伝えなければ。
“ラファイ、週末にナディアさんとウィリアムさんが来ます。覚悟しておいて下さい。”
念話を終えると何故かラファイからの返事がありませんでした。
不思議に思っていると土帝と水帝の間にいきなりラファイが転移して来ました。
その顔は鬼気迫るものがあり驚いている土帝と水帝も声を掛けられない様でした。
ラファイは俺の机に両手をドンッと置くと…
「どう言う事だ!週末にあの二人が来るのか?」
「は…はい。先程連絡がありました。俺の妹がここに居る事がバレたみたいで、ナディアさん達は大騒ぎみたいです。」
ラファイは盛大に溜息を吐いた。
「何か大変みたいですわね?土帝、私達は失礼致しましょう?」
「そ、そうじゃな。」
二人はそそくさと執務室から出て行った。
それを見送ってラファイを見ると頭を抱えていた。
「そんなに嫌がらなくても良いじゃないですか。」
「馬鹿を言うじゃねえよ…お前だって覚えてるだろ?」
ははは…しっかり覚えてますよ?
「女装させられたのがそんなに嫌だったんですか?」
「嫌に決まってんだろ!」
「今回はそんな心配は無いと思いますよ?クラディスの為にウィリアムさんは女の子が喜びそうな物を片っ端から買い漁ってるってナディアさんが言ってましたから。」
それを聞いてラファイは更に顔色を悪くさせた。
「馬鹿野郎!クラディスがあの状態なんだぞ?矛先が俺達に向くじゃねえか!」
確かに…
「でもあの頃と違ってクラディスのサイズの物は俺達は着られませんよ?大丈夫でしょう。」
「バックれる訳には…」
「いかないに決まっているじゃないですか。後が怖いですよ?」
「だよな…」
ラファイはフラフラと俺の執務室から出て行った。
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