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人類の存続

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村を歩くと直ぐに村長らしき老人が現れた。

「私はこの村の村長をしております。総帝様とお見受け致しますが、こんな寂れた村に何用でございましょうか?」
そう言って頭を下げる村長。

「この村の医者に用がある。案内を…」
闇帝が前に出て村長に伝える。
直ぐに医者のハリーの家に案内してくれた。

「こちらでございます。」

「ご苦労、下がって良い。」

「は、はい。」
俺達はハリーの家に入った。

「どちら様…!!」
俺達を見て驚くハリーは30代だろうか?
家の中には色んな植物が乾燥されて吊るされていた。

「この村のお医者様は貴方で間違い無いですか?」

「は、はぃぃい総帝様!!」
ハリーはひれ伏した。

「この村の西に住んでいる母親にこの薬…と言いますか草を渡しましたね?」
ハリーは黙り込んだ。

「そ、それは…」

「こんな物を渡して薬だと?こんな物何の役に立つ?!医者の風上にも置けないな。」
闇帝は怒声をあげた。

「ひぃっ!!すみません!!すみません!!私では彼女の病を治せなかったんです!!まだ小さな子供がいる彼女は子供の事を考え心が弱っていってしまったんです!!だから私は…少しでも…」
病は気からと言う奴ですか。

「彼女の病は総帝様が完治なさいました。」
ハリーは目を見開く。
総帝様は凄いと言うが本当に凄い人なのだとハリーは確信した。

「所で、小さな子供とは?私が見た子供は23、4位に見えましたよ?」

「あの子達は特殊なのです。こんな小さな村医者の私にはどんな病かはわかりませんが、あの子達は凄く身体の成長が早いのです。本当の年齢は数えで10になります。彼等は3歳を迎える頃にはもう見た目は10歳程まで成長していましたから。」

「闇帝…」
闇帝は首を振る、知らないと言う事だ。
ならばあの双子は見た目は大人中身は…ゲフンッ!!これ以上言っては行けない気がします。

「ではあの子達の身体の痣や傷の事は知っていますか?」

「はい、あの子達は母親を助けようと必死だったんです。しかし、村人は異常な成長を見せるあの子達を気味悪がった。しかし、若い力も欲しい村人は二人に手伝いをさせていました。しかし、それに見合う賃金は貰えずに暴力を振るわれていたんです。」
成程、もう既に村八分状態だった訳ですね?

「知りたい事はもう聞けました。闇帝行きましょう、村長に話があります。」

「はい。」

「私になんの咎も無いのですか?!」
クロードは振り返った。

「貴方は医者として出来る限りの事をしたのでしょう?この無害の草を薬として渡したのもあの母親の為だった。貴方に咎はありません。」

「うっ!ありがとう…ございます。」
ハリーは無き崩れた。
クロードと闇帝がハリーの家から出ると村長が待っていた。

「総帝様…」

「村長と村人に話があります。」
既に村人も総帝の登場に何事かと集まって来ていた。

「アルトとソルト、それから母親は私が預かります。アルトとソルトへの仕打ち身に覚えがありますね?」
村長も村人も顔を青くさせた。

「私の民を虐げる者は許しません。そんな者は私の民では無い。」

「総帝様は命を張って貴方達の事も守っている、少し考えた方が良い。」
闇帝は虐げられる辛さを知っているからどうしても強い口調になってしまう。

「し、しかしアイツらは化け物だ!」
村人の一人が声を上げた。
その者をクロードも闇帝も睨む。

「成長が早いだけで化け物ですか?中身は10歳の子供なのですよ?大人に暴力を振られる…どんなに怖かったですかね?どれ程痛かったですかね?成長が早いだけで化け物なら私達は化け物以上ですね?ねっ、闇帝?」

「その様です。」

「総帝様は違う!俺達を守ってくれる!」

「おや?そうですか。私の民を虐げる者を私は助けませんよ?もう話はありません。闇帝…」

「行きましょう。」
二人はシュンっと消えた。


三人を連れた水帝は王都へ飛んだ。
住民登録を済ませ、これから三人が住む家へと案内する。

「水帝様、色々ありがとうございます。私はリア、この子達はアルトとソルトです。」

「礼には及びませんわ、総帝様のご意思ですもの。さぁ着きましたわ、今日からこの家で暮らして下さい。」
リアは立派な家に驚き、双子ははしゃぎ始めた。

「あ、あの…こんな立派な家…お家賃が払えません。」
リアには立派な家に見えて居るが王都では一般的な家だ。

「家賃の心配はありませんわよ?」

「えっ?家賃が無い?」

「ここは総帝様所有の家ですから家賃はいりませんわよ?」
リアは余計住めないと思った。

「そんな!総帝様の所有の家になんて住めません!!病まで治して頂いたのです!これ以上お世話になる訳には…」

「ここは総帝様に甘えてしまうべきですわ。総帝様はお優しい方ですの、貴方達が断れば総帝様が悲しみますわ。それに暮らして行けないでしょう?」
リアは何も言えなかった。
そこにクロードと闇帝が現れた。

「そうですね、暮らしが安定したら出て行くのも自由ですよ?寧ろこの家を貰って頂けると助かるのですが…まだ他にも家はありますしね。」
クロードはこんな事があった時の為に幾つか王都に家を所有している。

「総帝様…ありがとうございます。」

「どういたしまして、それからラウから話があったと思いますがアルトとソルトに雷帝の資格があるか調べたいのですが良いですか?」

「アルトとソルトがいいと言うのなら…」

「「僕達やるよ!!」」
良い返事が返ってきた。

「分かりました、では明日係の者が迎えに来ますから宜しくお願いします。あとこれは当面の生活費です。」
クロードは金貨が入った袋をテーブルにドスッと置いた。
その音を聞いた水帝と闇帝はどんだけ金貨が入ってんだ?とクロードの金銭感覚を疑った。

「総帝様、まさか中は金貨では無いですわよね?」

「えっ?金貨ですよ?」
闇帝は額を押さえた。

「総帝様、一般庶民は金貨など使いませんわ!これでは買い物も出来ませんわよ?」

「えっ?そうなんですか?なら銀貨と銅貨にすれば良いですか?」

「そうですわ。」
クロードは鞄をゴソゴソ漁るとさっきの袋より大きな袋を三つだした。

「総帝様、さっきの金貨を全部変えたんですの?」

「ダメですか?」

「はぁ、もういいですわ。闇帝、アレを買ってきて頂戴。」
そう言いながらクロードに手を出す。
クロードは水帝の手に金貨が入った袋を置くと水帝はそれを闇帝に渡した。
そんなやり取りをリアは呆然と見ていた。
もう次元が違いすぎると。
暫く待つと闇帝が金庫を買ってきた。

「リアさん、ここにお金を保管して使う分だけ出す様にするんですわよ。」

「わ、分からりました。」
そんなこんなで嵐の様な帝達は去って行った。


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※2-13挿絵追加しました。
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