うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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人類の存続

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気絶した楓は夢を見ていた。
血塗れになったクロードを抱き締め泣いている夢だ。

「クロード、何故こんな事に…」
しかし、クロードから何の反応も無い。
どんどん自分の腕の中で冷たくなって行くクロードをただ抱き締める事しか出来なかった。
暫くすると抱き締めていた筈のクロードが居ない。
楓は暗闇の中必死に探した、走って走って足が縺れ転んでも探し続けた。

「クロード!!何処に居るの?!クロード!!」
必死でクロードを呼ぶが楓の声が響くだけで返答は無い。

「嫌よ、クロード。私を置いて行かないで…」
しゃがみ込み顔を覆った。
もう直ぐ私達の結婚式じゃない!!
何で…クロードが居なくなったら私はどうすれば良いのよ?!
その時後からドンッと衝撃を受けたと同時に優しい腕に包まれた。

「楓…」

「クロード?」



「ごめんね、楓。」

「何でそんな事言うのよ…嫌、お別れみたいじゃない!」
楓が叫ぶと優しい腕は消えてしまった。

「い…いやぁぁぁぁあ!ハァハァ…」
ガバッと叫びながら楓は起き上がった。
汗を拭いながら片手で涙を拭うと隣からクスクスと笑い声が聞こえた。

「クロード…」
包帯だらけのクロードは手を口に当てて笑いを堪えていた。

「おはようございます、楓。魘されてましたよ?大丈夫ですか?俺をまだ殺さないで下さい?」
どうやら楓は夢でのセリフを口走っていた様だ。

「良かったクロード!!」
嬉しさの余り楓はクロードに突撃しながら抱き着いた。

「痛たたた…」

「あっ!ごめんなさい!!」

「大丈夫…です。楓心配かけましたね。すみませんでした。俺が気を抜かなければこんな事にはなっていませんでした。」
それからクロードは主治医のアルシュから帝達が残りのガイバーオーガ二体を倒した事を教えて貰った。
それから気になるのは…

「アルシュ、土帝はどうしたんですか?見た限りでは怪我はしていない様ですけど?」
クロードを挟んで楓の反対側には土帝が寝かされていた。

「土帝様はガイバーオーガを倒すのに土古代魔法を使った様なのです。魔力を使い過ぎてこの通りです。」

「えっ?土帝は古代魔法を使えたのですか?」
クロードは驚いた。
まぁ、長く生きている土帝だ使えてもおかしくない。

「一撃必殺、その後は魔力を使い過ぎて倒れてしまうので今まで使わなかった見たいですね?」
成程、他の帝達はまた俺が倒れた為書類地獄と戦っているらしい。
本当に申し訳ない。

「俺は何時から動けますか?」
アルシュは眉を下げた。

「総帝様、貴方は骨が砕けて内臓が見えている程の大怪我だったのですよ?傷がある程度塞がるまでは絶対に動いてはダメです。自室に戻るのは構いませんが往診と見張りは付けますからね!」

「クスクス…見張りを付けないとクロードは直ぐに動いてしまいますから。」
楓にまで言われてしまったら大人しくしているしかない。
クロードはそれから医療室で三日を過ごし、自室に戻った。
クロードの部屋の前に二人見張りが付き、部屋で動かれては困ると言うアルシュの命令で医療班の二人がクロードの寝室の前に見張りに付いた。

「ガッハッハッ!!クロード様こりゃ凄い見張りですのぅ?」
回復した土帝がクロードをからかいに来た。

「そう言う土帝は回復が早いですね?しかも古代魔法使えるなんて聞いてませんよ?」

「まだまだ儂も若い者には負けんわい!古代魔法は実戦じゃ中々使い物にならん、魔力を使い切ってしまうからのぅ。今回は信頼出来る帝達が居ったから使ってみたまでじゃ。」

「あら、ガライルさんいらっしゃい。今お茶淹れますね?」
クロードの書類を取りに行っていた楓が帰って来た。
書類を渡すと最近設置したミニキッチンに入って行った。

「どうぞ。」

「ありがとう楓ちゃん。楓ちゃんの茶が1番じゃ!」

「フフ…ありがとうございます。所でクロード、他の帝様達が屍みたいになってるわよ?大丈夫かしら?」
この二週間どうしてもクロードが目を通さなければならない書類以外は帝達が頑張って居たが、限界を迎えて来ているらしい。

「俺が此処で執務をしても良いんですけど…アルシュの許可が降りないんですよ。」

「仕方ない事じゃ、しかしヤツらそろそろ爆発するぞい?風帝など書類を巻き上げて切り刻んでおったからのぅ。」
帝達はかなり重症の様だ。

「楓、外の医療班にアルシュを呼ぶ様に頼んで下さい。」

「分かったわ。」

「どうするんじゃ?」

「ありのままを言うだけですよ?アルシュには脅迫に近いかものされませんが。」
土帝は知らない様だがアルシュの奥さんはこの帝宮修復班の責任者なのだ。

「お呼びですか?総帝様。」

「はい。」

「動くのはダメですよ?」
俺が言いそうな事を先読みして言うアルシュ、しかし彼の笑顔もここ迄だ。

「アルシュ、俺の代わりに書類地獄に居る帝達がそろそろ爆発しそうなんですよ。」
アルシュはだからどうしたのかと首を傾げ、その後顔を青くさせた。

「モニカが黙って無いでしょうね?帝達が一斉に暴れたら帝宮は半壊では済まないでしょうしね?」
俺は更に追い打ちをかける。

「うっ!!し、仕方ありません。此処での執務は認めましょう。これが最大の譲歩ですよ!」
うん、チョロい。

「分かりました。土帝、帝達に伝えて来て下さい。書類は全てここに運ぶ様に。」

「ヤツら喜びますのぅ。直ぐに伝えて来ましょう。」
土帝は楓にご馳走様と言って出て行った。

「クロード、本当に大丈夫なの?まだ傷塞がって無いのでしょう?」

「ベットから動く訳では無いから大丈夫ですよ。楓もずっと俺についてないでリナリアと買い物でも行きますか?」
楓は全力で顔を横に振った。
この前そうに言われてリナリアと買い物に出た楓は後悔したのだ。
クロードから預かった袋には大量の金貨が入っているし、大体このエデンは物価が高い。
金銭感覚が庶民な楓はとてもじゃないが気軽に買い物など出来なかった。
土帝が帝達に伝えたからか、帝達が嬉々として書類の山を次々とクロードの寝室に運び込んできた。

「風帝、その袋は何ですか?」

「これ?これは書類だよーやだなー!ちょっと切り刻んじゃったけどね!」
てへっと笑う風帝だが笑えない。
重要な書類だったらどうすのだ。

「クロード様、安心なさって。風帝には重要な書類は回していませんわ。」

「そうですか、安心しました。」

「何それ!僕も重要な書類くらい出来るよ?!」

「貴方何枚書類を粉々にしたと思っているのよ!」

「ヤダなぁ、リナリア。ちょっと手が滑っただけじゃない。」

「手が滑っただけであれだけ切り刻めば大したもんだな?」

「ちょっとラファイ!ラファイだって何枚か炭にしてたじゃん!!」
ラファイはウグッと言葉を詰まらせた。

「後は俺がやりますから、皆さんは任務を優先して下さい。闇帝はガイバーオーガの監視を最優先にお願いします。」

「分かりました。」

「儂はアルトとソルトを見て来ようかのぅ?」
アルトとソルトはギルドに加入し、土帝が修行を受け持っている。
母親のリアも仕事を見つけ二人の子供の為に働いているとクロードは報告を受けている。
後は何処まで力を発揮出来るか双子次第だ。
出来れば空席の雷帝に就いて欲しいのが本音だった。


_____________________________________

※次ページ挿絵あります。
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