うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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人類の存続

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「フール、俺に何の恨みがあるんですか?」
ニッコリと笑いながらフールに壁ドンをかます。

「いや~…クロード様に恨みなんて無いですよ?」
フールはそ~っと目を反らす。

「フールは何も見なかった、そうですね?」

「はい!!僕は何も見ませんでした!!」
フールはビシッと敬礼する。

「儂は見ちゃいかんもんを見てしまったのかの?」
後ろからガライルが遠慮気味に声を掛けた。

「いいえ、フールにお説教していただけですから。」
フールは首が取れんばかりに頷いた。

「なら良いんじゃがのぉ。それよりジャイアントアントの巣を見つけたぞい。」

「本当ですか?!」

「あぁ、じゃがのぉ…入り口は人間が掘ったもんじゃった。それがジャイアントアントの巣に繋がっておったわい。後は行けば分かるじゃろ。」

「では皆を集めましょう。」
クロードは他の者も集めガライルの案内でアスタナの南に向かった。

「ここじゃ。」
皆で穴を覗き込む。

「小せえな?」

「これ本当にジャイアントアントの巣に繋がってるの?」

「親切に梯子までありますね?」

「まぁ、取り敢えず入って見ましょう。」
ガライル、クロード、ラファイ、フール、カイテルの順で梯子を降りた。

「以外に中は広いな?」
ラファイが見回す。

「僕には広いけどクロード様もラファイも頭ギリギリじゃない!」

「俺達が立てるんだ、広いだろうが?」

「ケッ!嫌味かよ?!」
ラファイはニヤニヤしながらフールの頭をワシャワシャ撫でた。

「止めろぉぉぉぉお!!」

「五月蝿いですよ?!先に進みましょう。」

「この先が巣に繋がっとる。人を磔にする為の十字架もあったぞい?」

「はっ?ならさっきの穴から誰かがここに人間を運んでたってのかよ?」

「そうなりますね、でも何故?ジャイアントアントは食糧難だったのでしょうか?」

「そんな訳ありませんよ。森は果物や木の実、茸など食糧は豊富な筈ですよ?人間より余程食糧は余るほどある筈ですから。」

「カイテルの言う通りじゃと儂も思うがな。しかし、クロード様達は食糧にされとる人を見て居る…訳が分からんな。」
更に先を進むと道は別れる事無く一本道で大きな空間を2つ3つと過ぎるとあの刺激臭が鼻を突いた。

「うっ!!何この匂い?!」

「鼻が曲がるのぉ…」

「…………!!」

「ラファイ!」

「あぁ、腐敗臭だな。こっちにも食料庫があったのか。」
激臭に耐えながら足を進めると呻き声が聞こえた。

「う…うぅ…」

「誰か生きて居る!探すんじゃ!!」

「うえっ!この中を探すの?!僕ヤダよー!!」

「つべこべ言わずに探しやがれ!!」
五人は死体らしき物の中を必死て漁った。
不思議と慣れたのか次第に激臭は気にならなくなっていった。

「うぅ…」

「居た!!居ましたよ!!」
カイテルが声を上げる。
そこには手足が無い男が埋まっていた。

「大丈夫ですか?!」
カイテルが声をかけるが男は呻き声を上げるだけだった。

「カイテル、こっちに連れて来て寝かせて下さい!」

「分かりました!うっ!重い…うーん!!」

「貸せ。」
ラファイが片手でヒョイッと肩に担いでクロードの元に連れていった。

「酷いですね…再生魔法を使います。」

「お前、再生魔法まで使えんのかよ?!」

「はい、かなり練習しましたよ?最初は魚から始めて。再生魔法…」
クロードが両手を男の身体の上に翳すと薄い桃色の魔法陣が二つ現れ、見る見る内に男の身体は再生していった。
骨が形成され背の周りに神経が張り巡らされると筋肉が再生し最後に皮膚がジワジワと再生した。

「すげえな…」

「再生魔法なんて僕も初めて見ました。」
カイテルは目を輝かせた。

「再生魔法って本当に再生なんだね、気持ち悪かった。」

「フールよ、滅多に見れん魔法じゃ良く見とくのじゃ。」

「暫く休めば話し位は出来る様になると思います。兎に角ここを出ましょう。」

「ここは臭いからね!早く出よう!」
フールを先頭に穴を出て人目に付かない様に森の中に野営を作った。
男をテントに寝かせそれぞれクリーンを掛けたら夕食の準備に取り掛かった。
フールは薪を、カイテルは野菜と肉を切り、ガライルは即席の竈を作った。
クロードは男の様子を見つつ、調味料を取り出した。

「ラファイ、薪はここに置くから火はお願い!」

「あぁ、分かった。」
ラファイは薪を担ぎガライルの元へ向かった。

「カイテル、ここは俺がやるのであの人に薬を調合してあげて下さい。劇薬じゃないのでお願いしますね?」

「分かりました。」
カイテルは苦笑いをした。
確かに主に劇薬を作って居るが、普通の薬も作っているのにと思った。
カイテルが調合している間にクロードはスープを作り始める。
にくと野菜のシンプルなスープだがスパイシーで中々美味だ。
男用に薄味で具も小さいスープも作っておく。
後は肉に塩を振り串に刺して焚き火の近くに刺しておく。

「これで後はパンを出せば大丈夫ですね?カイテル、どうですか?」

「はい、薬は飲ませました。目を覚ますかは分かりませんが。」
カイテルは薬研でゴリゴリと何かを擦り潰しながらテントの中を心配そうに見た。

「では私達は夕食にしましょう。」
男が目を覚ましたのは翌日になってからだった。
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