うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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領土奪還

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奪還した領地に帝達は早々に食料ドームの増築に取り掛かった。
大きなドームが六つ出来上がり、これで食料事情は少しは潤うだろう。
そんな頃、クロウ=オブ=クロードは一人ほくそ笑んでいた。

「ふふっ、あははは!!これは総帝の顔が見物ですね?あの人はどんな反応をするのでしょうか?」
一人の女性を目の前にうっとりと笑った。
そんな事を知らないクロードはせっせと食料生産に帝達と共に励んでいた。

「ふぅ~これで大体食料ドームは落ち着いて来ましたね。後はリナリアとガライルお願いします。」

「分かりましたわ。」

「土の事は任せい!」
クロードは配給施設にいるカイテルの元へ向かった。
配給はカイテルが闇魔法で作り出した小さな闇精霊達が配給の分配をせっせとこなしていた。

「カイテル分配の方はどうですか?」

「はい、順調ですよ。このまま行けば明日には配給が行き渡ります。」

「そうですか、カイテルもご苦労さまです。適当に切り上げて下さい。私は書類の方を片付けに行きます。」

「分からりました。」
クロードはドームを出ると何時もの転移魔法では無く浮遊魔法でエデンを目指した。
今日は何故か飛びたい気分だったのだ。
上空から見下ろす街は活気が溢れていた。
これも十分な配給が出来ている事を物語っていた。
クロードは気分良く街を見ながら飛んだ。
しかし、暫く飛ぶとふと目に止まった青銀色。

「あれは…」
クロードは急降下し、街に降り立った。
勿論直ぐに変装してからだ。
青銀色の髪…クロード以外そう居るものではない髪色。
前まではクロードと楓の色だった。

「気の所為ですかね…楓な筈…無いですよね。」
クロードは乾いた笑みを零すと再び飛び立った。
執務室に着いて書類に目を通していても忘れられない街角でチラと見えた青銀色の髪が頭から離れなかった。
背格好も髪の長さも楓に似ていたのだ。

「楓はもう居ないんです。」
自分に言い聞かせる様にクロードは呟いた。
翌日、クロードはまた書類と格闘しているとラファイが執務室にノックも無しに飛び込んで来た。
ラファイには珍しい行動だった、毎回必ずノックを欠かさないラファイを驚きながら迎えた。

「ど、どうしたんですラファイ?そんなに急いで。」
ラファイは息を切らしていた、転移なり浮遊魔法なり使えば良いのにそれすら忘れて走って来た様だった。

「く、クロード!!ハァハァ…」

「と、取り敢えずお水飲みますか?」
クロードはラファイにコップを差し出すとラファイは一気に飲み干した。

「はぁ~…クロード俺は見た。」

「何をですか?」
クロードは書類にサインをしながら何となくラファイの話を聞いていた。

「楓だ…」
クロードは書類を見ていた顔をガバッと上げるとラファイを見た。

「街でだ、チラっとしか見えなかったがあれは楓だ。青銀色の髪なんてお前か楓しか居ない。」

「私も昨日見ました。チラとですが…しかし、楓は死んだのです。もうこの世に居ないのですよ?私や楓以外にも青銀色の髪を持つ者が居てもおかしくは無いでしょう?」

「調べなくて良いのかよ?」

「楓は俺の部屋でねむって居ます。他に楓は居ない。調べる必要はありません。」

「そうか…分かった。」
ラファイは執務室から出て行った。
それからクロードは書類を見ても上の空で全く仕事にならなかった。
その後もガライルやカイテル、リナリアからも楓を見たと情報が入り更にクロードは悩む様になった。
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