うちの総帝様は最強なのだが如何せん天然で…

凪 冬夜

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領土奪還

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私が死んだ時、クロードは無意識に私の魂もクリスタルに閉じ込めてくれたのよ。
でも私はクリスタルからは余り離れて居られないかった。
でも幸い私の両親の配慮で私はアジュールが入った揺籃の傍に居られたわ。
毎日話し掛けて無事に生まれてねって語りかけてたわ。
クロードも帝の皆も知らない事だけどアジュールが生まれた時割れた揺籃から飛び出したアジュールを受け止めたのは義父様のウィリアム様だったのよ。
それはもう喜んでいたわ、泣き喚くアジュールを義母様に慌てて渡してナディア様はお湯を用意する様にって叫ぶし。
ウィリアム様から電電雷魚で知らせを受けたうちの両親何て慌て過ぎてとんでもない恰好のまま駆けつけちゃったのよ?
私恥ずかしかったわ。
でもアジュールが生まれてくれた、凄く幸せだったわ。
アリアちゃんは本当にアジュールを可愛がってくれたわ。
カイテルのお陰で回復したと思ったら私は死んでしまうし大好きなクロードも眠ってしまってどうなる事かと思ったけれどアジュールはアリアちゃんも救ってくれた。
出来た息子よね?
クラディスちゃんは少し話す様になったけど独身を貫いたわ。
義父様は…クロードが眠った後攻めてくる魔物と最前線で戦ったのよ?
数年戦い続けて致命傷を負って戦を退いたの。
私の魂はクリスタルから長い間離れて居られないから掻い摘んでだけど、アジュールの最後も看取ったわ。
立派に義父様の後を継ぎ、オズワルドの当主を務めあげたわ。
流石クロードの子よね、天然タラシだったわよ?
そう言ってクスクス笑う木蓮に全員が唖然としていた。
どれも木蓮が知り得ない情報だ、帝ですら知らない裏話まである。

「本当に楓なんですか?」
クロードは意外にも顔を顰めた。

「そうよ、でも木蓮でもあるわ。」

「なんじゃ…何か難しい事になっとるのぉ…。」
ガライルも眉を下げた。

「難しいも何も楓様であって木蓮でもあるなんて有り得るの?木蓮が楓様になり切ってる可能性だってあるじゃない?」
僕は信じないと言いたい勢いでフールは言い終わるとそっぽを向いた。

「でも楓様しか知り得ない事を知ってるいるのも事実ですわよ?」
リナリアは可愛がっていた楓が帰って来るなら手放しで喜んだが、今は事が事だけに素直に喜べないでいた。

「俺は…」
クロードは拳を握り俯いて話し出した。

「もう、大切な人を作らないと決めた。帝達、民を守るのに精一杯なのも事実。俺は今の楓なのか木蓮なのか分からない君を受け入れられない…。」

「クロード…。」
クロードは足早に楓の墓地から去っていった。

「一先ず木蓮の事は私が預かりますわ。一緒に居ればおのずと本物が偽物か判明するでしょう。」
リナリアが木蓮を預かる事となった。

「そうじゃのぉ、リナリアが適任じゃな。フールは拗ねて居る様じゃし。」
ガライルはチラリとフールを見た。

「煩いなぁ、別に僕は拗ねてなんか無いよ!」
フールも言い終わると直ぐに出て行った。

「仕方ないのぉ。」

「そうですわね…フールにも思う所があるのでしょう。さぁ、楓?木蓮?どっちで呼んだ方が良いのかしら?」

「楓だと皆混乱するでしょう…木蓮と呼んで下さい。」

「分かったわ、木蓮行きましょう。悪いけれどまだ私達は簡単に貴女を信じる事は出来ないのよ。貴女を作ったのは間違い無くクロウなのだし、悪く思わないで頂戴。」

「大丈夫よ、リナリア。当たり前だと思うわ。私は今更またクロードを縛るつもりも無いわ。私は木蓮として町娘として暮らしても良いんだもの。」
リナリアはちょっと泣きそうになりながらもクロウに対して強い殺意が湧いていた。
リナリアは木蓮を帝宮の自室に連れて行くとここで暫く監視しながら暮らす事にしたのだった。

「部屋は二つあるからあっちの部屋を使って構わないわ。キッチンも好きに使って頂戴。私が留守の時は悪いけれど鍵とドアに見張りが付くからそのつもりで居てね?」
木蓮は頷いた。

「お菓子を作ったりしても良いかしら?」

「ええ、構わないわ。材料は買って置くわね。」

「ありがとうリナリア。貴女も帝の皆も変わらないのね。相変わらずリナリアは私に甘いわ。」
クスクス笑う木蓮にリナリアは顔を赤くした。
確かに生前からリナリアは楓に甘かったのだ。

「そ、それならガライルだって同じですわよ?私だけじゃないわ。そのうちこの部屋にお菓子を食べに来るわよきっと。」
こっそりお茶に来るガライルが想像出来て二人は笑いあった。

「シャワーはあっちだから好きに使って。私は会議に行ってくるわ。」

「クロードから招集が掛かったのね?遠慮なく寛ぎさせて貰うわ。」

「ええ、一時間程で戻るわ。」

「行ってらっしゃい。」
リナリアは木蓮に見送られ自室を出るとローブを羽織会議へと向かった。
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